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「入聯公投」  実現するか、国連加盟めぐる台湾の公民投票(リベラル21)
http://www.asyura2.com/07/senkyo45/msg/787.html
投稿者 gataro 日時 2008 年 1 月 03 日 21:02:52: KbIx4LOvH6Ccw
 

リベラル21(私たちは護憲・軍縮・共生を掲げてインターネット上に市民のメディア、リベラル21を創った。)

http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-210.html から転載。

2008.01.03 「入聯公投」  実現するか、国連加盟めぐる台湾の公民投票
こんな「言葉」が!(19)中国で

丹藤佳紀 (早大講師)

 旧冬、あわただしく訪中した福田首相を迎え、12月28日、日中両国首相による締めくくりの共同記者会見が行なわれた。日中間では初めてといわれるこの共同会見を私はNHKの中継放送で見た。
 最初に温家宝首相が首脳会談の内容を説明し、台湾問題について「福田首相は台湾独立を支持しないとの立場を順守、厳守していくことを表明した」と語った。ところが通訳は、温首相の紹介した福田発言を「台湾独立に反対するとの立場」と訳したのである。
 両首相の冒頭発言のあと、共同通信記者が温首相に、新華社記者が福田首相に質問という一問一答になった。そして、福田首相は回答の最後に「台湾の独立も国連加盟も支持していない」と改めて日本の姿勢を述べて上記の“誤訳”を訂正した。
 「支持しない」も「反対する」も賛成ではないから実質は同じことではないかーと思われた方もおいでだろう。しかし、「言葉の戦争」ともいわれる外交の分野ではこの両者には大きな開きがある。だからこそ、福田首相は「質問された以上のことを申し上げたかも・・・」といいつつ「支持しない」であることを繰り返したようだ。
 さて、そこで問題になったテーマの一つが「入聯公投」である。この省略語は「(加)入聯(合国)/公(民)投(票)」と補えばおおよその意味は読み取っていただけよう。
 「聯合国」とは第二次世界大戦の連合国(United Nations=複数)を母体にした国際連合(United Nations=単数扱い)を指している。つまり、「台湾」の名義で国連に加入することの是非を住民投票で決めようというものである。
 ニクソン訪中前年の1971年、国連で中国招請・台湾追放の決議が採択され、台湾は国連を脱退した。その後、台湾は「中華民国」名義で国連加盟(復帰)を図ってきたが、議題にも採択されない状況が続いている。
 このため、「台湾独立論」の陳水扁政権(民進党)は台湾名義で国連に加入する方針に転換し、3月22日に総統選挙が予定されていたため、それとの抱き合わせで住民投票を実施する構想を打ち出した。この構想は、台湾独立をめぐって対立する台湾で論議を呼び、日中首脳会談でも取り上げられたという次第。
 この総統選挙には野党・国民党から馬英九氏が出馬する予定で、民進党候補の謝長廷氏との激しい一騎打ちになりそうだ。その選挙で、陳水扁政権が住民投票を抱き合わせようとしているのは、選挙上手といわれる陳水扁総統らしい狙いがあるからだ。それによって、台湾名義での国連加盟という「台湾としての自己表明」を渇望する有権者にアピールし、総統選挙への跳ね返りを図ろうというものである。
 中国はもちろん「入聯公投」に真っ向から反対し、各国に同調を求めている。どこであれ東アジアでの“火種”を恐れ、台湾海峡の現状維持を強く求めるアメリカは、独立志向の陳水扁政権を強く牽制する。ライス米国務長官は「住民投票は挑発的な行動」と非難した。こうした動向について、中国外務省系統の外交学院院長・呉建民元駐仏大使は「既に160カ国が反対を表明している」と述べ、アメリカの姿勢を高く評価して「中国・米国の“合わせ鏡”状況は深まっている」と語った。
 日本の立場はいますこし微妙だ。基本には『日中共同声明』(1972年)で、中国の台湾領有について「中国の立場を十分理解し、尊重する」とした事実がある。これは、中国側の主張を丸呑みしたわけではない、しかし、「台湾独立」といった方針に賛成したり、それを支持したりはしないという内容を含んでいる。
 福田首相は北京での共同記者会見で、「住民投票を支持しない」とした発言には前提条件があることを強調し、「一方的な台湾海峡の現状変更につながるのであれば、支持できない」ということだと述べた。台湾の国連加盟問題の住民投票について、日本の首相が見解を明らかにしたのはこれが初めて。
 その記者会見後、中国外務省スポークスマンは、日本が台湾独立・国連加盟・住民投票を支持しないという「この正しい立場を賞賛する」と評価した。胡錦涛国家主席はこの春、10年ぶりに中国国家元首として訪日する予定だが、その期日は台湾の「入聯公投」の前か、後か、外交当局が神経を尖らせるポイントのひとつになってきた。

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