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反戦の視点・その54 民主党のアフガン復興支援特措法案(アフガン派兵法案)に反対しましょう!【AML】
http://www.asyura2.com/07/senkyo45/msg/878.html
投稿者 gataro 日時 2008 年 1 月 06 日 23:34:31: KbIx4LOvH6Ccw
 

(回答先: 与党 新テロ法案より危険/民主党の「対案」(しんぶん赤旗) 投稿者 gataro 日時 2008 年 1 月 06 日 22:51:35)

http://list.jca.apc.org/public/aml/2008-January/017148.html から転載。

[AML 17628] 反戦の視点・その54
加賀谷いそみ QZF01055 at nifty.ne.jp
2008年 1月 5日 (土) 21:17:45 JST

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(転載歓迎)

反戦の視点・その54

民主党のアフガン復興支援特措法案(アフガン派兵法案)に反対しましょう!!

                井上澄夫(市民の意見30の会・東京)

まえおき
 私が参加している「市民の意見30の会・東京」は、2001年11月に成
立したテロ対策特措法による海上自衛隊の米軍支援(インド洋・アラビア海・
ペルシャ湾での米艦船への洋上給油)に反対してきました。また昨年11月1
日、同法の期限が切れて給油作戦が終了したあとも与党が給油を再開するため
に衆院に提出した新テロ対策特措法案(補給支援特措法案)に反対してきまし
た。同法案は11月13日、衆院で可決され参院に送られました。参院での成
立の見通しは立っていませんが、福田首相は憲法59条の「みなし」規定を用
いて衆院での再議決を強行し法案を成立させる方針です。
 そして昨年12月21日、民主党は参院に「国際的なテロリズムの防止及び
根絶のためのアフガニスタン復興支援等に関する特別措置法(案)」(以下、
アフガン復興支援特措法案またはアフガン派兵法案と略します)を提出しまし
た。「市民の意見30の会・東京」は同法案にも反対であることを、昨年12
月28日に発した声明で明らかにしました。与党案にも民主党案にも反対であ
るという立場で、本稿では民主党案を批判します。
 なお法案の引用においては、国際連合を「国連」、安全保障理事会を「安保
理」、アフガニスタンを「アフガン」、テロリズムを「テロ」、又はを「また
は」、若しくはを「もしくは」とするなど努めて読みやすくします。原文は民
主党のホームページに掲載されていてダウンロードもできます。また煩瑣を避
けるため、法案の引用のあとにつける筆者のコメントに◆をつけることがあり
ます。
 [※ 声明は本稿の末尾に付します。また本稿は執筆者個人の見解です。]


●与党案への単なる対案というとらえ方について
 昨年末、急遽提出された「アフガン復興支援特措法案」は与党案への対案で
あると報道されています。しかし同法案は、単なる「当て馬」というとらえ方
ではすまない重大な問題をはらんでいます。少し先回りして言えば、同法案は
小沢一郎代表の見解をベースに海外派兵恒久法の制定や洋上給油継続をも視野
に入れた「アフガン派兵法案」です。


●法案の目的
 目的の骨子を洗い出すと、〈2001年9月11日に米国で起きたテロ攻撃
に関連して採択された国連安保理第1659号を踏まえ、アフガン国内におけ
る安全と安定の回復に資するための措置を講ずるとともに、アフガン国民の生
活の安定と向上に向けた自主的な努力を支援すること等により、我が国がアフ
ガン復興支援を通じて国際的なテロの防止と根絶のための国際社会の取り組み
に寄与し、もって我が国を含む国際社会の平和と安全の確保に資する〉という
ことです。ここで大事なことは「国連安保理決議1659を踏まえ」という文
言です。同決議を法案第2条はこう要約しています。「アフガン復興の実施を
同国政府と国際社会に要請する安保理決議」。要するに国連安保理がアフガン
復興を国際社会に要請しているから日本もそれに応じるということです。


●アフガンで行なう活動
 旧テロ対策特措法に基づく洋上給油作戦は米軍のアフガン侵略を支援するも
のでしたが、自衛隊がアフガン本土に乗り込むことは任務に含まれていません
でした。しかし民主党の新法案はアフガン本土での活動を規定しています。そ
こで実施される活動は次の2種類です(第2条)。

▼治安分野改革支援活動
 アフガン政府または国連が行なうアフガン国内における安全と安定を確保す
るための不法な武装集団の武装解除、警察組織の再建その他の治安分野におけ
る改革を支援するための措置
 ○実施される業務 
  1 不法な武装集団の武装解除の履行の監視および武装を解除された者の
    社会復帰等の支援 
  2 警察組織の再建その他のアフガン国内における安全と安定を回復する
    ための治安分野における改革に対する支援 

▼人道復興支援活動
 アフガニスタン特別事態(後注参照)によって被害を受けもしくは受けるお
それがある住民その他の者(以下「被災民」という)を救援しもしくは被害を
復旧するため、またはアフガン復興を支援するための措置
○実施される業務 
  1 被災民の生活もしくはアフガン復興を支援する上で必要な道路、水道、
    農地、かんがい排水施設等の農業用施設その他の施設もしくは設備の
    復旧(農地にある地雷の除去を含む)もしくは整備またはアフガニス
    タン特別事態によって汚染その他の被害を受けた自然環境の復旧
 2 医療(防疫上の措置を含む)
  3 被災民に対する食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の輸送また
    は配布
  4 行政事務に関する助言または指導
  5 1〜4に掲げる業務に類するものとして政令で定める業務

[ ※注 テロ攻撃に対応して米国その他の諸外国により行われたアフガンに
おける武力行使およびこれに引き続く事態 ]


●誰が復興支援活動を担い、どこで活動を実施するのか
 第4条の1 政府はアフガニスタン復興支援職員(後注参照)による治安分
野改革支援活動および人道復興支援活動ならびに自衛隊の部隊等による人道復
興支援活動を適切に組み合わせて実施する。

 第4条の4 人道復興支援活動については、抗争停止合意が成立している地
域であって、そこで実施される活動の期間を通じて当該抗争停止合意が維持さ
れると認められる地域または当該活動に対する妨害その他の行為により住民の
生命もしくは身体に被害が生じることがないと認められる地域において実施す
る。

 第4条の5 自衛隊の部隊等が実施する活動は、人道復興支援活動に限る。
自衛隊の部隊等は国連総会または安保理の決議に基づき、我が国の主体的な判
断の下に活動を実施する。

[ ※注 内閣総理大臣は関係行政機関もしくは地方公共団体または民間の団
体の協力を得て、広く人材の確保に努め、任期を定めてアフガニスタン復興支
援職員として採用することができる。(第13条の1と2)]

 ◆治安分野改革支援活動と人道復興支援活動並びに自衛隊による人道復興支
援活動は「適切に組み合わせて実施される」が、自衛隊の活動は人道復興支援
活動に限られ、「我が国の主体的な判断の下に」、「抗争停止合意が成立して
いる地域」で行なわれるとされています。復興支援職員は国家公務員、地方公
務員、民間団体から募集されます。
 「適切な組み合わせ」、「主体的な判断」、「抗争停止合意が成立している
地域」、これらはいずれも抽象的で曖昧な表現です。


●活動の終了、一時休止など
 第11条の1 内閣総理大臣(自衛隊については防衛大臣)は活動を実施し
ている場所の近傍において、戦闘行為が行われるに至った場合または付近の状
況等に照らして戦闘行為が行われることが相当の確実さを持って予測される場
合には、速やかに活動の終了を命じなければならない。

 第11条の2 内閣総理大臣は、〔自らが指定した〕区域の全部または一部
がこの法律または〔閣議で決定した〕基本計画に定められた要件を満たさない
ものとなった場合には、速やかに、その指定を変更し、またはそこで実施され
ている活動の中断を命じなければならない。

 第11条の3 復興支援職員または自衛隊の部隊等の長もしくはその指定す
る者は活動を実施している場所の近傍において、戦闘行為が行われるに至った
場合もしくは付近の状況等に照らして戦闘行為が行われることが予測される場
合または抗争停止合意が破棄されるに至った場合もしくは合意が破棄されるこ
とが予測される場合その他の復興支援職員もしくは自衛隊の部隊等の安全を確
保することが困難であると認められる場合には、活動の実施を一時休止しまた
は避難するなどして危険を回避しつつ、内閣総理大臣もしくは防衛大臣の活動
終了命令を待つものとする。

 ◆アフガニスタンの政情が非常に不安定で米軍やISAF(国際治安支援部
隊)の治安回復作戦が失敗し、カルザイ傀儡(かいらい)政権に対する不信や
反発が強まる中でタリバーンが同国東部のみならず南部においても勢力を盛り
返していることは周知のことです。そのアフガンのどの地域を「抗争停止合意
成立地域」とするのでしょうか。すでに首都カブールもそのような地域ではあ
りません。

 法案は「人道復興支援活動になぜ自衛隊が必要なのか」、その理由をまった
く記していません。先に引用した「人道復興支援活動として実施される業務」
をもう一度ご覧下さい。
それらのどれに武装した自衛隊の関与が必要でしょうか。多くの人が中村哲
さんを中心とする「ペシャワール会」の活動を思い浮かべるでしょう。中村さ
んは「アフガンに来るなら丸腰で来い」とのべています。
 本稿を目にしていただくみなさんには、中村哲・編/ペシャワール会ワーカ
ー・著『丸腰のボランティア』(石風社刊)を一読されることをお勧めします。
同会はパキスタンとアフガンで活動を続け、現在はアフガン東部に基地病院を
移しています。これまでに灌漑用水路の発破(はっぱ)作業中、米軍の攻撃用
ヘリに発砲されたことはありますが、同会の活動は現地の人びとの厚い支持を
受けていて、一度も襲われたことはありません。

 イラクのムサンナ州サマーワで実施された陸上自衛隊の部隊による復興支援
活動においては、学校や病院などの修復を地元の人びとが行ないました。自衛
隊がそれらの人びとを雇用したのです。しかしそういうことなら何も自衛隊で
はなく、日本の外務省が同州の自治体と話し合ってODA(政府開発援助)予
算を提供すれば済んだはずです。「まず派兵ありき」の小泉首相(当時)の姿
勢がこうしたおかしな事態をもたらしました。民主党の法案も「まず派兵あり
き」の姿勢で作られています。

 法案には「アフガニスタン特別事態」という空々しい用語が登場しています
が、2001年10月、米英がアフガン空爆を始めたとき、小泉首相(当時)
はいち早くそれを全面的に支持しました。この「特別事態」はアフガン社会を
徹底的に破壊し無数の人びとを殺傷し大量の難民を生み出しました。国連安保
理が要請しているから復興を支援すべきという理屈は、深刻な事態を引き起こ
した原因と日本政府の政治的・道義的責任に目をつぶるものです。米英による
アフガン攻撃を支持したことについて、日本政府はアフガンの人びとに率直に
謝罪し復興を支援する責務を負っています。
 しかしだからといってアフガンに自衛隊を送り込むのは、「人道復興支援」
に名を借りた軍事介入です。たとえ「抗争停止合意成立地域」への派遣であっ
ても、アフガンの人びとからは米軍やISAFへの増援と受け取られるにちが
いありません。


●自衛隊による武器使用の大幅な緩和
法案は自衛隊派遣がなぜ必要なのかを一言も説明せず、自衛隊による武器使
用を大幅に緩和しています。

 第20条の1 自衛隊の部隊等の自衛官は、自己もしくは自己と共に現場に
所在する他の自衛隊員、復興支援職員もしくはその職務を行うに伴い自己の管
理の下に入った者の生命もしくは身体を防衛するため、または活動の実施に対
する抵抗を抑止するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場
合には、その事態に応じ合理的に必要とされる限度で武器を使用することがで
きる。

 第20条の2 武器の使用は、当該現場に在る上官の命令によらなければな
らない。ただし、当該現場に上官がないときおよび自己等の生命等に対する侵
害または危難が切迫し、その命令を受けるいとまがないときは、この限りでな
い。

 第20条の3 第1項の場合において、当該現場に在る上官は、統制を欠い
た武器の使用によりかえって生命もしくは身体に対する危険または事態の混乱
を招くこととなることを未然に防止し、武器の使用が適正に行われることを確
保する見地から必要な命令をするものとする。

 ◆自衛官の武器使用は従来、正当防衛と緊急避難に限って許されていたので
すが、PKO(国連平和維持活動)協力法で「自己または自己と共に現場に所
在する他の隊員の生命または身体を防衛するためやむを得ない必要があると認
める相当の理由がある場合」が加えられました。そしてさらにイラク派兵に際
して「自己の管理の下に入った者の生命または身体の防護のため」が加えられ
ました(旧テロ対策特措法)。当時はそれが武器使用基準の緩和として大きな
問題になったのですが、今回の民主党案はそれに「活動の実施に対する抵抗を
抑止するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合」を加え、
さらに大幅に武器使用基準を緩和しています。これは武器の使用基準を国際基
準にすることを求めてきた同党の主張に基づいています。

 法案は特措法の有効期間を1年としています。あわただしく派遣され、現地
の事情にもうとく、ダリー語もパシュトゥン語もままならない自衛官にとって、
「活動の実施に対する抵抗を抑止するためやむを得ない必要があると認める相
当の理由がある」かないかの判断は、非常に主観的で恣意的にならざるを得な
いでしょう。「合理的に必要とされる限度」の拡大解釈がなされないという保
証があるのでしょうか。


●海外派兵恒久法制定と洋上給油再開の思惑
 法案には「基本的な法制の整備」という規定が末尾に付されています。
 第25条 国際的なテロの防止と根絶のための国際社会の取り組みに積極的
かつ主導的に寄与することを含む我が国の安全保障の原則に関する基本的な法
制の整備が速やかに行われるものとし、当該法制の整備において、日本国憲法
の下での自衛権の発動に関する基本原則及び国連憲章第7章の集団安全保障措
置等に係る我が国の対応措置に関する基本原則が定められるものとする。

 ◆わざと回りくどい言い方をしていますが、これは「海外派兵恒久法の制定」
がなされねばならないということです。なにか起きる度に特別措置法(特措法)
で対応するのではなく、海外派兵を常態化できる一般法を制定するという意味
です。
 海外派兵恒久法の制定は自民党も求めており、それは一度は破綻したものの
水面下で模索が続いている自民・民主による大連立の動きのカスガイになって
います。福田・小沢の大連立談合では安保理決議を要件とする給油再開につい
て福田首相が同意したという報道もあります。もう一つのカスガイは言うまで
もなく改憲です。


 次に「国際の平和と安全の維持または回復に係る取り組みを補完する新たな
国連の組織の設置に係る検討」があります。
 第26条 政府は、国連改革の一環として、国連に、国連平和維持活動その
他の国連が行う国際の平和と安全の維持または回復のための取り組みを補完す
るものとして、国際の平和と安全に対する脅威が生じた場合に、その脅威に対
し直ちに必要な措置を執るための組織が設置されるよう、国連、国連加盟国等
に対し働きかけを行う等積極的かつ主導的に取り組むことについて、検討する
ものとする。

 ◆これも不透明な文言ですが、国連の機能を軍事面で強化することを狙って
いるということでしょう。国連憲章には過去の戦争に触れる場合を除いて「戦
争」という言葉は登場しません。「われらの一生のうちに二度まで言語に絶す
る悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救う」という強い決意に基
づいて同憲章が制定されました。ですから憲章は前文で「共同の利益の場合を
除く外は武力を用いない」ことを宣言し、第33条において「いかなる紛争で
も、まず第一に、平和的手段による解決を求めなければならない」と「紛争の
平和的解決」を優先することを強調しています。そして第51条では加盟国へ
の武力攻撃に対する個別的または集団的自衛の固有の権利の発動を「安保理が
必要な措置をとるまでの間」と限定して認めています。

 ところが民主党案の第26条は「国際の平和と安全に対する脅威が生じた場
合に直ちに必要な措置を執るため」に「補完的組織」が設置されるよう、日本
政府が「積極的かつ主導的に」働きかけることを検討すべきとのべています。
国連憲章第7章は安保理の決定による国連軍の行動を認めていますが、正規の
国連軍はこれまで一度も編成されていません。国連軍があてにできない以上、
「国連が行う国際の平和と安全の維持または回復のための取り組みを補完する
もの」が必要というのが第26条の理屈でしょう。

 小沢代表はかつて「国連待機軍の創設」を提案したことがあります。自衛隊
は国防(「専守防衛」)に徹し、それとは別に「国連待機軍」を創設するとい
うのです。第26条はその発想に基づいて「補完的組織」を「国連待機軍」の
受け皿と考えているのかもしれません。あるいは湾岸戦争のとき編成された
「多国籍軍」(連合軍)のような国際的軍事組織の常設化を狙っているのかも
しれません。

 米ブッシュ政権による「テロとの戦い」が無惨に破綻し、テロをなくす方法
は貧困の絶滅しかないということが世界の常識になりつつあるにもかかわらず、
民主党はひたすら軍事力の行使で「国際の平和と安全」を保障しようとしてい
ます。

ここで次の文章を読んで下さい。
 「どんなに困難であっても、どんなに時間がかかろうとも、貧困を克服し、
生活を安定させることこそが、テロとの戦いの最も有効な方法であると、私は
確信しています。銃剣をもって人を治めることはできません。それが歴史の教
訓であり、幾多の戦争の末にたどり着いた人類の知恵なのです。」
 これは誰あろう小沢代表が『世界』昨年11月号に寄せた論文「今こそ国際
安全保障の原則確立を」の結びです。この論文には後で触れます。


 民主党の法案には、もう一つ、「国連総会または安保理決議に基づくテロ対
策海上阻止行動に対する参加の検討」が加えられています。
 第27条 テロ対策海上阻止活動が国連総会または安保理の決議に基づき国
連加盟国により行われることとなったときは、これに参加するために必要な法
制の整備について、その要否を含めて検討するものとする。

 ◆昨年11月1日に失効した旧テロ対策特措法は、米国による「国連安保理
決議に基づかない」イラク攻撃を支援するものだったから民主党は反対したが、
国連総会や安保理の決議があるならインド洋・アラビア海・ペルシャ湾での洋
上給油作戦に参加してもいいということです。


●国連安保理決議に基いても海外派兵は憲法違反
 先に引用した小沢代表の論文「今こそ国際安全保障の原則確立を」は彼の憲
法解釈を基調にしています。

 「国連の活動に積極的に参加することは、たとえそれが結果的に武力の行使
を含むものであっても、なんら憲法に抵触しない、むしろ憲法の理念に合致す
る。」

 「国連の平和活動は国家の主権である自衛権を超えたものです。したがって、
国連の平和活動は、たとえそれが武力の行使を含むものであっても、日本国憲
法に抵触しない、というのが私の憲法解釈です。」

 端的に言って、これは小沢代表の勝手な憲法解釈、〈解釈改憲〉です。彼の
持論は論文のタイトルが示すように国際安全保障論で、そのベースはいわゆる
「国連中心主義」です。しかし国連憲章と日本国憲法に類似点を見出せるとし
ても、両者には明白な違いがあります。憲法9条1項は「国権の発動たる戦争」
と「武力による威嚇または武力の行使」を《国際紛争を解決する手段としては》
永久に放棄しています。2項は「戦力の不保持」と「国の交戦権の否認」を鮮
明に規定しています。したがって日本は武力によらず世界平和の構築に寄与す
ることを憲法が定めているのです。

 小沢代表は論文で「日本国憲法の理念と第九条の考え方は、変える必要がな
い、むしろ忠実に実現すべきだと思っています。」とのべていますが、これは
リップサービスないしマヤカシです。9条を本気で実現する気なら、武力の行
使で国際貢献するという主張が出てくるはずはないからです。小沢論文は矛盾
する論理を平気で張りつけたモザイクですが、文末の「銃剣をもって人を治め
ることはできません。それが歴史の教訓であり、幾多の戦争の末にたどり着い
た人類の知恵なのです。」は広く共感を呼ぶでしょう。小沢代表は牽強付会の
憲法解釈を放棄してこの非武装の原点に回帰すべきです。

 先に紹介したように小沢代表は「国連の平和活動は国家の主権である自衛権
を超えたものです」とのべていますが、これは国連というものを曲解した恣意
的な主張です。国連=国際連合は正確に訳せば「連合国」、つまり国家連合で
すが、もともと第2次世界戦争(大戦)の戦勝諸国の意味です。ですから事実
上死文化しているとは言え、国連憲章には敵国条項があります(53条・10
7条)。そこで言う敵国とは「第2次世界戦争中にこの憲章の署名国の敵であ
った国」で、日本やドイツなどがそれに含まれています。

 国連は自らを国際機構と規定していますが、世界連邦でも世界政府でもあり
ません。諸国家を統轄する中央政府ではありませんから、各加盟国は主権を保
持したまま連合しています。国連憲章の第4条の1は「国連における加盟国の
地位は、他のすべての平和愛好国に開放されている」とあるように、国連は任
意の国家連合です。現在192ヵ国と世界のほとんどの国が参加していますし、
国連憲章は重要な国際条約ですが、国連は依然として任意の国家連合です。

 したがって国連の目的である「国際の平和と安全を維持すること」について
の協力の仕方が国によって異なるのは当然です。国連憲章が第2条の2で「す
べての加盟国は、この憲章に従って負っている義務を誠実に履行しなければな
らない」と規定しながら、同条の7で「この憲章のいかなる規定も、本質上い
ずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限を国連に与えるものでは
なく、また、その事項をこの憲章に基づく解決に付託することを加盟国に要求
するものではない。但し、この原則は、第7章に基く強制措置の適用を妨げる
ものではない。」と注意深く規定しているのは重い意味を持っています。

 日本国憲法第9条は「国際紛争を解決する手段として」の国権の発動たる戦
争と武力の行使を放棄し、それを平和立国の原則にしているのですから、武力
によらない平和構築の努力は世界に誇るべきことです。自国と直接関係ないに
もかかわらず、いや、そうであるからこそ、その立場を活かして、他国の紛争
当事者間の交渉を媒介したり調停したりしている国もあります。丸腰で紛争の
平和的解決に当たるそういう努力を日本政府は見習うべきです。

「国連の平和活動は国家の主権である自衛権を超えたものです」という小沢
代表の主張は、独りよがりの「国連中心主義」をもってする居丈高(いたけだ
か)な〈解釈改憲〉にほかなりません。しかも国連安保理の決議がいつも正義
を具現しているという保証はありません。日本国憲法の前文を踏まえ第9条を
実現することこそ、何より世界平和の確立に貢献する道ではないでしょうか。
 

●民主党案はアフガン派兵法案です
 アフガニスタンは「失敗国家」に戻ったから軍事力で治安を回復してやらな
いと立ち直れないという理屈で米軍とISAF(国際治安支援部隊)はタリバ
ーンなどの掃討作戦を続けてきました。イラクから撤兵した国が兵力をアフガ
ンに振り向けることさえ起きています。しかし治安の回復も人びとの生活の安
定ももたらされていません。「ペシャワール会」の中村哲氏はこうのべていま
す。「『テロとの戦い』は、『国際社会の安全と繁栄』を言いつつ、常に弱者
を犠牲としている」(07年11月5日付『毎日新聞』)。

 日本政府は米英のアフガン攻撃を無条件に支持したのですから、アフガンの
復興に寄与すべき責務を負っています。日本の外務省はアフガン復興支援国際
会議で表明した復旧・復興支援について「中東からの石油の安定供給に加え安
全保障上の利益にもつながる」とのべていますが、アフガンを攻撃する米空母
艦載機に燃料を提供し続けた国が言うべき言葉でしょうか。

民主党の法案は自民党より右に突出した立場で自民党にアフガンへの軍事介
入を迫る役割を果たしています。先に紹介した論文で小沢代表は、私が政権を
取ったら「ISAFへの参加を実現したい」とのべていますが、1月3日付
『産経新聞』は政府・与党がNATO(北大西洋条約機構)との連繋強化に乗
り出し、NATO主軸のISAFへの参加も視野に入れていると報じています。
再開される臨時国会で与党の新テロ対策特措法案と民主党のアフガン派兵法案
をめぐる攻防がどうなるか予断を許しませんが、自民・民主両党の対立と妥協
がアフガン本土に自衛隊を送り込む道を開く可能性は大いにあり得ます。

 1月4日の年頭記者会見で福田首相は海外派兵恒久法成立への意欲を表明し
ました。臨時国会閉会の直後、通常国会が召集されるようですが、そうなると
海外派兵恒久法が制定され、それに基づいてアフガン派兵が行なわれるという
最悪の事態も想定されます。

中村哲氏はさらにこうのべています(同上)。
 「(新テロ対策特措法をめぐる)議論には、現地で空爆という人災と旱魃
(かんばつ)という天災の被害を受けている農民の視点が欠落していた。」

 私たちはそのような視点で日本政府が実施している「復興支援」を点検しな
ければなりません。武装組織である自衛隊による「人道復興支援」など問題外
です。イラクに派遣され駐留期間の2年半に13回のロケット弾攻撃を受けた
陸上自衛隊は、サマーワの人びとに見送られることもなく、夜陰にまぎれて撤
収せざるを得ませんでした。

 〈「宿営地の引き継ぎ式典を準備していたが、私たちにも知らせずに姿を消
した。4時間前に裏門から逃げていた」。7月16日の陸自撤退をイラク陸軍
幹部が振り返る。地元住民による空調機器などの備品略奪も起きる中、宿営地
がイラク陸軍に渡ることに反対する部族関係者ら約30人が同日早朝から正面
ゲート前に座り込んでいたため、陸自は裏門を選んだのだ。陸自幹部は「混乱
を避け安全に出るためだった。式典は行えなかったが、イラク陸軍部隊の到着
を待って出発した」と説明する。だが地元住民に祝福されるはずの任務完了は
隠密下での引き揚げという結果になった。〉(06年10月3日付『毎日新聞』

 
 与党の新テロ対策特措法案(補給支援特措法案)とともに、民主党のアフガ
ン派兵法案にも断固として反対しようではありませんか。クウェート―イラク
から航空自衛隊を撤退させ、アフガン派兵と海外派兵恒久法を阻止するため力
を合わせましょう。

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【資料】

与党の新テロ対策特措法案と民主党のアフガン復興支援特措法案に反対する声

                      市民の意見30の会・東京
                       2007年12月28日

 私たちは小泉政権(当時)が2001年、海上自衛隊をインド洋・アラビア
海に、2003年から04年にかけて陸上自衛隊と航空自衛隊をイラクに派遣
したことに深い憤りをもって抗議しました。その後、陸上自衛隊はイラクから
撤退しましたが、航空自衛隊による米軍支援は続いています。
 アフガン侵略を続ける米艦船への洋上給油作戦は本年11月1日、テロ対策
特措法の期限が切れたことにより終了しましたが、福田政権は給油を続けるた
め新テロ対策特措法案を国会に提出しました。

 衆院で可決された同法案は参院では否決される見通しであることから、福田
首相は衆院での再議決を強行する姿勢です。同法案は海上自衛隊の作戦を給油
・給水に限定していますが、国会承認規定を削除し、期限を2年としその延長
まで認めるものです。新法案は米国によるアフガン侵略を日本が支援するとい
うその本質において旧特措法となんら変わるものではありません。私たちは福
田政権が新法案の成立を断念することを強く要求します。

 民主党は本年12月21日、アフガニスタン復興支援特措法案を参院に提出
しました。法案の眼目はアフガン本土に自衛隊を送り込むことにあります。し
かも自衛隊の武器使用基準は現行の基準より大幅に緩和されています。法案は
国連安保理決議第1659号を踏まえて「治安分野改革支援活動」と「人道復
興支援活動」を行なうとしていますが、国連安保理決議に基づくものであって
も自衛隊の海外派遣はそれ自体が明白な憲法違反です。
 同法案は「海外派兵恒久法」が迅速に制定されるべきと明記していますが、
その姿勢は自民党と同じです。私たちは民主党の「アフガン派兵法案」に絶対
反対です。

私たちはまた、福田政権に対し航空自衛隊をクウェート―イラクから即時撤
退させることを強く要求します。


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