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原田武夫  新刊「北朝鮮VS.アメリカ」(ちくま新書)の核心部分を大公開!!(その1)
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投稿者 新世紀人 日時 2008 年 1 月 10 日 14:30:19: uj2zhYZWUUp16
 

新刊「北朝鮮VS.アメリカ」(ちくま新書)の核心部分を大公開!!(その1)

BREAKING NEWSコラム / 2008-01-09 17:03:47


新刊「北朝鮮VS.アメリカ」(ちくま新書)の核心部分を大公開!!(その1)

私の愛すべき同胞に対する基本的認識を示す

「冷静に考えると、論理などというのは、わが日本においては、総人口の五%ぐらいの世界でしか通用しないのではないか。九五%は論理以外の形容し難い何ものか―観念だか、概念だか、刺激だか名指しできないもの―によって動いていると考えたほうがいい。そういう人々に対して、論理で物事を説明しようという発想自体が、そもそも間違っているのかもしれません。」
(佐藤優「国家論 日本社会をどう強化するか」(日本放送出版協会)から引用)

―――私は決してそうは思わない。
なぜなら、私たち一人一人の胸に宿る理性を信じているから。

正義を装う囚われ人よ。
海水の押し寄せる波間の塔で偽りの孤高をふるまうのは止め、
理性ある暖かき全ての人(omnes generationes)の下に帰りたまえ!!

(J. S. Bach “Magnificat”(BWV243)より、”Quia respexit” “Omnes generationes”)


新刊「北朝鮮VS.アメリカ ―「偽米ドル」事件と大国のパワー・ゲーム」(ちくま新書)より核心部分を大公開!!(その1)

【以下は原田武夫著「北朝鮮VS.アメリカ」(ちくま新書 2008年1月8日発売開始)からの引用】

『2005年9月15日。アメリカ政府はマカオにある「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」を、「マネーロンダリングの懸念がある金融機関」として認定。これを皮切りに、マカオを舞台とした北朝鮮による密やかな金融取引と、その背後に見え隠れする「偽米ドル問題」を盛んに攻撃し始めたのである。金融制裁の発動だ。

「核問題や拉致問題ならまだしも、たかが偽札問題となると…」。日本の大手メディアの関係者たちから、そんな声が私の耳にも入りつつあったころ、彗星のように登場した「作家」がいる。手嶋龍一氏(元NHKワシントン支局長)だ。その手嶋氏が上梓した作品が『ウルトラ・ダラー』(新潮社〔2006年3月初版発行〕)である。

『国家の罠』(新潮社)で時代の寵児となった佐藤優氏いわく、「「嘘のような本当」と「本当のような嘘」」(手嶋龍一・佐藤優『インテリジェンス武器なき戦争』幻冬舎新書)が 巧みに混ざったこの作品は、またたくまにベスト・セラーになる。その結果、小説の中で 用いられた「精巧な偽米ドル札」を意味する言葉「ウルトラ・ダラー」は、日本人が 普通に知る用語となった。
 
「核や拉致だけではなく、世界の基軸通貨である米ドルまで偽造するとは。何と非道な国家なのだ、北朝鮮とは」。私たち日本人が、そう思うようになるのと相前後して、2006年3月7日に、アメリカの対北朝鮮金融制裁に関する初の米朝協議がニューヨークで開催される。

その後、北朝鮮によるミサイル発射(同年7月)といった間奏はあったものの、「金融制裁を解除するのが先だ」とする北朝鮮と、「偽米ドル問題こそ北朝鮮による不法行為の核心」とするアメリカが互いに一歩も譲らない状況が長らく続いた。

すると突然、舞台は反転する。対決姿勢をあからさまに強めていたはずの米朝が、
2007年1月16・17の両日、ドイツ・ベルリンで米朝協議を行ったのである。その後、事態はさらに急展開する。「疑惑の巣窟」とされたバンコ・デルタ・アジアが預かっていた北朝鮮の資金の取り扱いも含め、最終的にはアメリカがまずは譲歩し、これに北朝鮮が一つ一つ踏み固めるように歩み寄ることで、「問題の解決」が叫ばれるようになった。

「アメリカが金融制裁という「伝統の宝刀」を抜いたからこそ、北朝鮮も動かざるを得なくなったのだろう」と思われるかもしれない。しかし、客観的に見る限り、どう見てもアメリカが超大国としての余裕をもって接していたとは思えないのである。むしろ、「バンコ・デルタ・アジアに預けた資金の問題が解決されない限り、一歩たりとも動かない」とつっぱねる北朝鮮に翻弄されるかのように、アメリカ政府の高官たちが世界中を右往左往し、その結果、現在にいる「問題の解決」へとたどり着いたというのが実態なのだ。

(・・・中略・・・)

2005年3月末日に、私は北東アジア課・北朝鮮班長を最後に、外務省を辞した。そして、その直後に上梓した『北朝鮮外交の真実』(筑摩書房)において、北朝鮮問題の本質は経済利権の獲得戦争にあること、さらには、対外情報工作機関を持たない日本はその蚊帳の外に置かれていることを指摘した。
 
さらに続く『騙すアメリカ 騙される日本』(ちくま新書)では、金融資本主義の覇者・アメリカが、同盟国であるはずの日本の国富にこそ照準をあてていることを指摘した。その後の『「日本封じ込め」の時代 日韓併合から読み解く日米同盟』(PHP新書)では、日米同盟の幻想を捨て、アメリカによる「日本封じ込め」にこそ備えるべきであることを訴えた。「金融資本主義」、「インテリジェンス」、「アメリカ」、そして「日本封じ込め」――時代はもはや疑いようのないほど、これら前著で述べたとおりの展開を見せつつある。

「どうしてこんなことになってしまったのか」。そう考えるとき、私たちが立ち戻るべき手がかりは他ならぬ北朝鮮問題なのだ。そして問題の核心は、核問題・拉致問題から「偽米ドル問題」へと、いつの間にかすり替えられたところにある。「核」が「偽米ドル」にすり替わり、再び「核」に戻るというのは、どうにも納得がいかないのだ。

しかも、物事を動かしているアメリカからは何も説明がなく、日本政府から国民への説明も全くない。だからこそ、まずは誤魔化すことなく、この不可解な問題、そう、「ウルトラ・ダラー」という罠から解き放たれなければ、私たち日本人はどうにも前には進めないのである。

こうした試みは同時に、「本当のこと」を知りたい多くの日本人が、今後、自らの手でどのように知的武装を施せば、金融資本主義につきもののディスインフォメーション(虚偽情報の意図てきな流布)という呪縛から逃れられるかを探る試みにもなるであろう。私はその為に、誰でも手に入れることのできる公開情報をどのようにして読み解くべきかを、この本を通じて示していきたいと考えている。』

(・・・・・中略・・・・)

『中世ヨーロッパで人々を虜にした、今でいう都市伝説のようなものの一つに 「錬金術」がある。金以外の金属を一定の割合で混ぜ合わせると、金が出来上がるという仮説に基づき、多くの人々が延々とチャレンジを繰り返した。
 
さて仮に、この「錬金術」が現実に存在し、それを知っている人物がいたとする。
この時、彼はカネを稼ぐために、果たして「錬金術」以外のことを試みるだろうか。
答えは「ノー」であろう。

錬金術を知っているならば、ただひたすらそれを繰り返していればよいのだ。それこそ、打ち出の小槌を振り続けたかのように金が出来上がり、彼はたちまち 百万長者、いや億万長者になることであろう。この時、誰が汗水たらして「働く」だろうか。

実は原理的に見ると、北朝鮮による「スーパーノート製造」にまつわるストーリーについても、全く同じことが言えるのだ。仮に北朝鮮が、本当に「本物」と見紛うばかりの「スーパーノート」を製造する技術を持っていたとする。この時、何らかの目的で大量の資金を獲得することだけを目標にしている国家指導者は、ただひたすら輪転機を回し、「スーパーノート」を刷り続けることだけを命ずるであろう。

なぜなら、それこそがまさに「錬金術」だからだ。資金を稼ぐことは別の目標がない限り、「錬金術」以外の方法を試す必要は全くないのである。

しかしアメリカの調査によれば、北朝鮮は「スーパーノート製造」以外の幅広い分野で不法行為を行っていることになっている。先ほど紹介したアメリカ議会調査局報告書(2007年2月16日付)によれば、その範囲は「ヘロイン、覚醒剤」、「タバコ」から、果ては「アメリカ製といつわったバイアグラ」にまで及ぶのだという。

しかし、こうした物品の取引が、北朝鮮にとってリスクの高いものであることは
いうまでもない。とりわけ、違法薬物については、偽米ドルのように「一目みただけでは本物かどうか分からない」といった代物ではなく、その存在自体が違法なのである。「スーパーノート」を刷り出す能力を持つ国が、わざわざ手を出すのかどうか、大きな疑問が残る。

「なんと荒唐無稽なことを言っているのか」と思われるかもしれない。
しかし、検証できるかどうかは別として、論理的な妥当性に従ってこのような
判断を下している人物は他にもいる。経済小説で有名な作家・橘玲氏がその一人だ。

(・・・中略・・・)

橘玲氏のいう「説明不可能な矛盾」を解く唯一のケースがあるとすれば、それは「北朝鮮が資金獲得とは別の何らかの理由で、米ドル偽造以外の不法行為を行っていた」可能性があるかどうかであろう。たしかに、これについては、第三章で述べる内容を先取りして言うと、疑問がないわけではない。少なくとも公開情報を読み解くだけでも、とりわけ「偽タバコ」について、すぐには否定しにくい事情があるのだ。

そうなると話は再び振り出しに戻ってきてしまう。論理的に見る限り合理性はないが、資金獲得のために北朝鮮はあえて「米ドル偽造」、しかも「高精度な偽造」に手を染めたのか。あるいは、そのように主張するアメリカの側にこそ「論理の破たん」を見てとらざるを得ないのか。

ここで再び、アメリカ側が主張する「北朝鮮犯人説」に関する説明を、いま一度確認してみる。すると、現在までのところ、こうした「北朝鮮犯人説」を証明する決定的な証拠が、外部には公表されていないことに気づく(ちなみに、アメリカ政府はこれまで、「偽米ドルをつくっているのは北朝鮮だ」と断言したことは一度もない。この点については後ほど詳細に分析する)。

せいぜいのところ、アメリカ議会調査局の報告書(2006年2月16日付)において、
北朝鮮政府関係者あるいは北朝鮮系企業の社員が「偽米ドルを行使・所持していた」ということだけが、発見された偽札の枚数と共に示されているにすぎないのである。』


【原田武夫「北朝鮮VS.アメリカ ―「偽米ドル」事件と大国のパワー・ゲーム」(ちくま新書 2008年1月8日発売開始) お求めは上記画像をクリックしてどうぞ!!】

2008年1月9日
原田武夫記す

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[新世紀人コメント]
米朝はどういうわけか知らないが、もったいぶって握手を渋っている。
結論は出ているのだから早く踏み出せばいいと思うのだが、精一杯に情勢を有利に利用しようと言う事らしい。

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