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1997年5月23日 旧第一勧銀が『呪縛』公表 闇勢力排除の契機に【東京新聞】
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投稿者 そのまんま西 日時 2007 年 6 月 25 日 00:25:59: sypgvaaYz82Hc
 

1997年5月23日 旧第一勧銀が『呪縛』公表 闇勢力排除の契機に【東京新聞】
2006年10月4日 紙面から

彼岸を過ぎても夏を思わせる強い日差しに出くわすことがある。肌に痛いほどの光線と、噴き出した汗が「あの日」の暑さを思い起こさせた。

 「東京都千代田区内幸町一丁目一番地」。皇居にほど近い一等地は、電電公社時代からの伝統を引き継ぐNTT旧本社ビルや東京電力本社、さらには帝国ホテルとわが国の“歴史的権威”が居並ぶ。作家江上剛(52)は、空を狭くする三十二階建ての摩天楼を見上げた。旧第一勧業銀行本店(現・みずほ銀行本店)。二十六年間勤めた同行を辞めて以来、三年ぶりに間近に眺める光景だった。

 「つぶれてもおかしくなかった。でもつぶさなくて良かった。日本企業に少しでも教訓が残せたから」。今はそう信じている。

 バブル期をはさむ十年余りにわたって、一人の総会屋に四百六十億円ものカネを提供、そのカネは四大証券をゆする原資にもなった旧第一勧銀利益供与事件。不正の連鎖をさらにたどると、銀行・証券界と監督当局との腐りきった関係を白日の下にさらした日銀・旧大蔵省接待汚職、果ては大蔵省解体に帰結し、わが国金融史に残る未曾有の経済疑獄となった。国民は信じがたい事実に、金融界の断末魔を見る思いがした。


 あの日−一九九七年五月二十三日は、東京地検特捜部の家宅捜索を受けて、同行会長の奥田正司と頭取の近藤克彦がそろって辞任表明の記者会見を開いた日だ。本店二十二階の、だだっ広い講堂。当時広報部次長だった江上は、百五十人近くの記者が詰めかけ、人いきれとテレビカメラ用のライトで相当な暑さだったのを覚えている。

 近藤の釈明。「(総会屋側に)多額の融資を行った最大の要因は(歴代最高幹部が親しかった)元出版社社長の依頼を断れなかったことで、社長の死後もその呪縛(じゅばく)がとけず、関係を断ち切れなかった…」。呪縛という奇怪な言葉、突如明らかにされた元出版社社長の存在に記者たちは混乱した。

 追い打ちをかけたのが、次期頭取と紹介された副頭取藤田一郎の「以前から不正融資を知っていた」との衝撃的な告白。江上をはじめ、一勧幹部も驚く爆弾発言に会見は揺れた。それは一勧経営陣の統治能力がもはや限界に達し、代わって破たんを覚悟した四十代の中堅行員が立ち上がることになった瞬間でもあった。

 役員は軒並み退陣、その後奥田、藤田ら十一人が逮捕され、さらに相談役の宮崎邦次が衝撃的な自殺を遂げた。羅針盤を失った巨大難破船のようにメガバンクは漂流し始めた。


 このころ、総会屋への利益供与は次々と明るみに出た。高島屋、味の素、松坂屋、三菱自動車…。日本企業に巣くう総会屋汚染の実態は世界に知れ渡った。“ソウカイヤ”は和製英語として海外メディアに登場し「マフィアと一体化したニッポン企業」と。八二年の商法改正で総会屋への利益供与は重罪となったが、それでも企業は「海の家」利用料などと称して総会屋側に資金を提供し続けた。

 「経営者は保身ばかり考え、常に不祥事の発覚を恐れる。“闇の勢力”はそれを嗅(か)ぎつけ、時に暴力も辞さない。カネで問題解決できるならという土壌が総会屋をはびこらせた」と江上は振り返る。

 江上ら改革派中堅世代は難破船の“座礁回避”に向け、文字通り体を張って闇との決別を目指した。

 総会屋らが企業に売りつける広報誌八百誌すべてを切り、あらゆる問題融資の整理に取り組んだ。債権回収のトラブルから起きた住友銀行名古屋支店長射殺事件などが頭をよぎったが、行員はタクシー通勤で自衛し、家族は警察の警護対象にしてもらった。総会屋窓口を担っていた総務部をなくし、代わりに「社会責任推進室」をつくって江上は室長となった。今でこそ一般的となったコンプライアンス(法令順守)を先取りし、社内外からの経営監視や株主総会は会社のPRの場だという意識改革を行った。厳しい基準を求める米連邦準備制度理事会(FRB)から“お墨付き”をもらった先進の改革は、モデルにする企業が続いた。

 一連の総会屋スキャンダルを契機に、商法が再改正され、利益を要求しただけで犯罪となる「要求罪」が新設。自浄能力が欠けていた企業側も利益供与の要求をはねつけやすくなり、総会屋は激減した。

 それでも二〇〇四年の西武鉄道事件など利益供与での摘発はあり、企業の背後にある不透明なモノがぬぐい去られたとは到底考えられない。江上は言う。「結局はトップの勇気次第。現場で何が行われているか把握しようという勇気に欠けている人物はトップになるべきではない」

 日本経済には過去、いくつもの転機があった。過ちや失敗から多くを学び、成功体験につなげていった例もあれば、誤謬(ごびゅう)や油断や失政によって危機的状況に陥り、手痛い犠牲を払ったことも少なくない。そうした忘れてはならない大事件や不祥事の「現場」、富や名声を生んだ「原点」などを再訪し、今に生きる知恵、将来に引き継ぐべき財産を確かめたい。(久原穏)=文中敬称略

<プレーバック> 旧第一勧銀の利益供与事件
 同行の歴代最高幹部と親交があったフィクサーが総会屋グループ元代表(63)=服役終了=への不正融資を仲介・依頼したとされ、当時の頭取は不正融資を断ち切れなかった理由を「呪縛だった」と告白した。

 刑事事件の判決によると、株主総会の円滑な議事進行に協力してもらう謝礼目的で、旧一勧は1994年7月から96年9月にかけ、元代表に計約117億円の利益を供与したとして歴代頭取ら11人が商法違反容疑で逮捕、有罪判決を受けた。利益供与額は時効分も加えると、85年から96年まで総額460億円に上った。元代表はそのカネの一部を原資に野村、日興、山一、大和の4大証券の株を買い集め、株主総会での議案提出権のある大株主という立場になり、91年の証券不祥事をネタに各証券に損失補てんを要求。融資を含め25億円のカネを提供させた。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/anohi/CK2007061502124479.html

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