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三葉著『オンナノコになりたい!』 及川健二さんのレビュー
http://www.asyura2.com/07/social5/msg/156.html
投稿者 kaname 日時 2007 年 9 月 15 日 20:57:43: 3X28X40b0xN.U

http://www.ohmynews.co.jp/news/20070830/14574
『オンナノコになりたい!』三葉 著
◇読者レビュー◇ 男性が女性に変身するためのレシピ
及川 健二(2007-08-30 18:30)
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 性同一性障害という言葉が日本でも当たり前のように遣われるようになってきた。生物学的な性と精神的な性(性自認)が一致しない人たちが世の中には少なからず存在することを多くの市民が知るようになった。

 芸能界での元祖といえば、カルーセル麻紀さんだ。彼女は男性として生まれたが、幼少の頃から自分の性に違和感を覚え、日本では当時、禁じられていた“性転換手術”を1973年にモロッコで受け、女性として生きるようになる。世の中を騒然とさせた麻紀さんの手術から34年の歳月が経った。

 2004年7月には、制限があるにせよ性同一性障害と診断された人が戸籍の性別を変更できる「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が施行された。

 麻紀さんも2004年10月に男性から女性に戸籍を変更した。法制度においては性の多様性が以前に比べて尊重されるようになったわけだ。過去の前近代的な日本に比べれば、男性として生を授かったが心は女性……というような人は生きやすくなったといえよう。

 そんな中で、男性として生まれたが女性という性自認を持っている人のみならず、“女装”したい人をターゲットとした懇切丁寧なレシピが出版された。『オンナノコになりたい!』がそれだ。著者は謎の人物で「三葉」さんという。
三葉・著「オンナノコになりたい!」(一迅社)の表紙。(撮影:一迅社)

この本のオビには大きく「『着るだけ』は今日で卒業! もっとかわいい『男の娘』になろう」と謳い、続けて「服の選び方から化粧の方法、写真の写り方まで盛りだくさんの内容を詰め込んだ女装指南書!」と書かれている。

 同書の「はじめに」によれば、以前はタブーに近かった“女装”が現在ではよりオープンに扱われ、手軽に“女装”をする人が著しく増えてきたという。

 同書は“女装”したい人、女として生きたい人に「女性になる」ための基本中の基本から教える。

 第1章では「女装に必要な体」と題して、男女の体の違いについてまず説明がなされ、次に「無駄毛の処理」の仕方が具体的に解説され、「ダイエットをする」では女らしくなるために賢く痩せる方法が説明され、「髪は女性の象徴」では女性らしさには髪型が重要で、どんな髪型が良いかが書かれている。

 第2章「服を手に入れるには?」では、購入方法として「店」「通販」「コスプレショップ」「フリーマーケット」があげられ、下着の種類や女性服の着方、服の洗濯と収納、靴の選び方、ウィッグの選び方が解説される。

 第3章「化粧は男を女にする!」では、化粧が人を激変させるとズバリ指摘し、化粧道具が1つ1つあげられ、化粧品の選び方や化粧の方法、化粧の落とし方、眉毛の整え方など化粧の基本が一通り説明された後に、「化粧の応用1」で可愛く見せる方法に言及し、「化粧の応用2」は大人っぽく落ち着いて見えるメイクについて書かれ、「やりすぎに注意」という項目では如何に自然に女っぽく見せるかについて説かれ、最後にはネイルケアの方法が解説されている。

 第4章「外に出るなら仕草も大事!」ではまず、「女装で外に出る!」で女として外に出る際の賢明な方法が説かれ、「印象で女らしく」ではどうすれば、トータルで女性らしく見えるかについて細かに書かれ、次に「女っぽい仕草」、「写真の撮られ方」が説明されている。

 巻末では現役の女装コスプレイヤーへのインタビューとFAQが掲載されている。

 本書を一読して、事細かな説明に心底、感心させられた。いまは“女装”したいとは思わない私でも、仮に女として外に出たいと思う日が来たら、本書に書かれたレシピを参照にして、短期間で女になって街を闊歩できるにちがいない。そんな自信を本書は持たせてくれる。

 誰にも変身願望はあるだろう。男性の中には女性を一度は体験してみたい人もいるだろう。鏡に映る女性の自分を想像して、心ときめく男性もいるかもしれない。本書は不可能に思われてきたことを可能にするための夢を与える一書だ。手にとった男性の人生をガラリと変える書物になるかもしれない。本書は “救い”の一書になりうる。

 多様な性が認められることは「成熟した社会」の1つの条件だと私は思っている。だから、以前はタブーだった「男が女になる」ことが許容され、なりたい自分になれる社会は良い世の中だと思う。本書が果たす役割は大きいだろう。女性になりたくてもなれなかった男性すべてに新しい生き方を教えてくれる。本書を手にとり、女性になることを実践してみる男性も出てくるだろう。

 一迅社には1つ注文がある。男性になりたい女性のために、「オトコノコになりたい!」もぜひとも刊行して欲しい。世の中には男性になりたい女性も少なからずいるにちがいないからだ。性別(ジェンダー)を容易に越境(トランス)でき、性の狭間を行き来できる世の中はきっと愉しいものになるにちがいない。それこそがジェンダー=フリーが真に実現された社会であるからだ。

 『オンナノコになりたい!』はジェンダーを根底から揺さぶる。

 性教育の教材としても本書は遣えるであろう。男として生まれながら心は女である性同一性障害の男の子を救うだけでなく、多様な生き方が世の中にはあることを子どもたちに教えてくれるからだ。

 本書のような社会の常識を覆す良書が世の中の隅々にまで行き渡ることを願ってやまない。

一迅社
定価1500円(税込み)
刊行日:2007年8月24日 発行

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