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投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 7 月 11 日 20:57:13: mY9T/8MdR98ug
 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070705/129174/

 6月29日午後、米ニューヨーク5番街のアップルストア前。携帯電話とデジタル音楽プレーヤー「iPod」が一体となった米アップルの「iPhone」を求める消費者と、その熱狂ぶりを伝えるメディアで溢れ返る。

 午後6時、発売開始。ハイタッチやハグをして黒いTシャツを着た店員と喜びを分かち合う客。スーパースターのような気分なのだろうか、店から出てくる購入者は皆、大きくガッツポーズをしていた。

 この、全米を熱狂の渦に巻き込んでいるiPhoneの上陸に、日本の携帯電話各社は戦々恐々としている。

揺さぶられる日本型モデル


 アップルは今年中に欧州で、2008年にアジアでiPhoneを発売する予定で、「2008年に世界で1000万台」と意欲的な販売目標を掲げている。全米での熱狂ぶりと、iPodが国内の携帯音楽プレーヤーでシェア5割近いことを考えると、日本でもiPhoneが爆発的に売れる可能性は高い。

 ところが、iPhoneは日本の携帯電話業界にとって、ビジネスモデルを大きく揺るがす「黒船」でもある。

 日本の携帯業界は、メーカーから端末を買い取って自社の販売網で売るという「垂直統合モデル」。世界で最も閉鎖的な携帯電話の世界を築いてきた。端末の仕様を最終的に決めるのはメーカーではなく携帯会社。インターネット接続や料金プランなど、ビジネスモデルに関わる部分に端末メーカーが関与することはなく、常に携帯会社優位で事業が展開されてきた。

 だが、iPodで培った圧倒的なブランド力と商品力を引き継ぐiPhoneを、自社の端末として採用したければ、そうはいかない。

 まず、アップルは世界中で自社製品を直営のショップで販売している。iPhoneも米AT&Tの店舗に加え、アップルストアでも取り扱う。もともと、端末の販売と携帯会社の契約が分離している米国では自然なことだが、日本では事情が異なる。

 現状、携帯各社の販売網以外で携帯端末が販売されることはない。この慣習を壊し、日本の携帯事業史上、初めて、端末メーカーの販売網での販売を許すことが、条件となってくる。

 iPhoneは音声通信とデータ通信がセットになった独自の定額制料金プランを採用している。アップルは正式に認めていないが、携帯電話会社に支払われるこのうちの一部がアップルに入る契約だという。この通信料をシェアするという条件も呑む必要がある。端末メーカーが料金プランに立ち入ることなど、従来の常識では考えられないことだ。

 NTTドコモの中村維夫社長はiPhoneについて複雑な心中をこう語る。

 「仮に通信料の一部まで端末メーカーに取られてしまうのなら、これまでのやり方を180度変えることになる。本当にそれでいいのか、慎重に考えたいという思いはある。しかし、それでもiPhoneは魅力的だ」

 アップルは米国で数社の携帯電話会社と交渉を進めたが、最終的にはアップルにとって最も有利な条件を提示したAT&Tを独占的なパートナーとして選んだ。つまり、日本でも最も有利な条件を出したところがアップルに“選ばれる”ということになる。ビジネスモデルを崩すのは耐え難いが、迷っていれば他社に抜かれてしまう。アップル優位の交渉を避けることはできそうにない。

 それでは、日本ではどの携帯電話会社がアップルのパートナーになる可能性が高いのか――。ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社がそれぞれアップルにラブコールを送る中、最も優位と見られているのが実はドコモだ。

 アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)は、米国でAT&Tを選んだ理由の1つとして、「米最大の携帯会社だから」としており、その論理から言えば、ドコモが優位ということになる。

 iPhoneという黒船に大きく揺さぶられそうな日本の携帯電話業界。この変革の波をさらに増幅しそうなのが、昨今の総務省の動きだ。総務省はiPhone発売の3日前、6月26日に携帯電話ビジネスの今後の方向を示す「モバイルビジネス研究会報告書案」を取りまとめた。

携帯メーカー再編の引き金


 「いやあ、後退です。参りました」

 取りまとめの日、総務省幹部は報告書の内容が当初予定よりも、業界への影響度が小さいものになったと強調し、おどけてみせた。翌日の新聞各紙は、携帯電話端末を変えずに契約する携帯電話会社を変えられる「SIMロック外し」が2010年頃に実現するかもしれないことなどを報じた。

 ただ、ほとんど報じられていないが、この報告書には従来のビジネスモデルを一変させる破壊力を秘めた項目が含まれている。それは、携帯会社にとっては「会計ビッグバン」とも言えるほどの影響を持ち得る内容だ。総務省が今年度中に会計規則を改正し、2008年度から携帯電話会社の「端末販売事業」と「通信事業」を切り分けた収支を明らかにさせるということである。

 これまで携帯電話会社は多額の販売奨励金を積むことで契約者を獲得するというモデルを築いており、端末販売事業は赤字、通信事業は黒字になっていた。総務省は全体の収支だけでなく、実態を反映したこうした収支も明らかにすることで、市場の圧力を呼び起こし、販売奨励金に頼ったモデルを変えさせようとしている。総務省幹部は「最終的にモデルをどうするかは事業者の判断」として強面を隠しているが、市場の力を借りることで外堀を埋め、何としても業界を作り直そうという強い意志がにじみ出ている。

 携帯電話会社も、負担感が増している販売奨励金を減らすことには最終的に賛成すると見られる。総務省と市場に背中を押されることで、メーカーの反発が強かった販売奨励金縮小に徐々に舵を切っていく可能性が高い。

 販売奨励金が減れば、利用者にとっては端末の購入価格が高くなり、その代わりに月々の通信料が安くなる効果が期待できる。メーカーにとっては端末の販売総数が減少することで、シェアが低いメーカーを中心に収支が一段と厳しくなることが予想される。日本の携帯端末メーカーの再編が本格化することは避けられない。

 iPhoneという黒船が引き起こし、総務省が増幅する変革の大波。しかし、理不尽な要求を突きつけられているわけではない。ここで示されているのは、消費者に魅力的な商品やサービスを提供したものが大きな果実を得て、そうでないものは退出を迫られるという当然のルールに過ぎない。

 通話料を高止まりさせ、革新的なサービスをなかなか生み出せないでいる日本の歪んだ携帯電話業界。2008年を1つのリミットとして太平洋の向こう側とこちら側に仕掛けられた2つの時限爆弾が、その再構築を促す。

 日経ビジネス 2007年7月9日号10ページより

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