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投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 1 月 09 日 21:00:47: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.magazine9.jp/karin/080109/080109.php


1月5日、映画「実録・連合赤軍」のイベントで。

 みなさま、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 ということで、新年らしく、今年したいことなどを書こう。
 したいこと。派遣法を変える。貧困をなくす。セーフティネットを作る。以上。というか、去年は大雑把に言えばこれらの取り組みをいろいろやったので、今年に結果が出ることもあるのではないかと期待している。
 あと、全国ツアーもしたい。デモの。ライヴとかじゃなくてデモの全国ツアーってカッコいい。それと洞爺湖サミット! これは是非行きたい。もちろん歓迎ではなくその反対の意味でだ。また、4月にはピースボートに乗ることになっている。船の旅ってしたことないから楽しみだ。書き下ろしも鬼のようにたまっている。去年はまったく手をつけられない状態だったので、今年はちゃんと書きたい。そして小説も書きたい。小説は1800枚という超長編小説「バンギャル ア ゴーゴー」を書いて以来、ほぼ書いていないので、時々小説欲求がむらむらと頭をもたげてくる。ただ、小説を書いていると、他のことが何もできなくなる。それが少し、怖い。

 さて、新年そうそう、非常に面白い本を読んだ。赤坂真理さんの「モテたい理由 男の受難 女の業」だ。赤坂さんの小説はとっても好きでよく読んでいて、もう何年も前に「鳩よ! 」という雑誌で往復書簡をさせて頂いたのだが、赤坂さんがここまでコアな女性誌ウォッチャーだったことを私は知らなかった。で、「モテたい理由」。ここには恐ろしき女性誌のやたらハイパーな覚醒作用とその副作用が描かれている。帯の言葉は「もう疲れたよ・・・。でも、止まれない。女たちを包囲する"モテ"の真実! 」。なんかもうこの帯の言葉を見ただけで、どんな地獄巡りなのかと期待と不安に心拍数が無駄に上がる。
 で、赤坂さんがこの本で挙げている実例が怖い! ホントに怖い!
 例えばエビちゃんの「CanCam」。一ヵ月ヘアアレンジ劇場とかいうコーナーがあるのだが、いちいちこれに架空の「プロフィール」がついてくる。モデルの。それがなんともホラーなのだ。実例は以下。「モテたい理由」より引用。
「蝦原友里亜さん(24歳)/高校までをパリで過ごし、四谷にある4年制大学卒業後は、汐留にある化粧品会社にPRとして勤務。語学堪能&モデル並みの美しさが社内外にも評判の才色兼備なレディ(後略)」とか、「鈴木サチ子さん(26歳)インテリアデザイナー/横浜の山の手に実家がある。ちょっぴりお嬢様育ちの26歳。地元にあるカトリック系の女子高を卒業後、都内の有名私大に進学し、現在は憧れだったインテリアデザイナーに(後略)」(こっちは「AneCan」)。
 で、こいつらの彼氏がまた「広告代理店勤務」とか「外資系証券会社勤務」とかで、いちいち鼻持ちならないのだ(それも「架空の彼氏」なんだけど)。つか、これってものすごい「階級」問題ではないのか? ちなみに私バージョンでこの「CanCam」風「プロフィール」を書いてみるとこんな感じだ。
「雨宮処凛子さん(32歳)/北海道の片田舎に生まれ、幼少時からいじめに遭い、高校時代はヴィジュアル系追っかけに明け暮れ野宿生活。高校卒業後に上京しフリーターになるものの、20代前半で右翼団体に入会。2年で団体は辞めるものの、北朝鮮やイラクへ渡航を繰り返し、現在はプレカリアート運動に熱中。ちょっぴり過激な32歳。趣味はデモ、路上で酒を飲むこと」


フランスのテレビ番組の取材を受けました。テーマはプレカリアート。

 どーだすごいだろ。これじゃあロリータ着るしかないだろ。ちなみに私がたまに買うファッション雑誌は「ゴスロリバイブル」だが、こっちの設定はそもそも「中世ヨーロッパ」だったり「ビールは庶民の飲み物なのでワインを飲みましょう」みたいな世界なので、ありえなさという次元からかえって実害はない。
 で、赤坂さんは、書く。
「雑誌をたくさん読んでいると、決まって鬱になるときがやってくる。/元気のあるときは、意気揚々と、バカも笑い飛ばせる。OL向けの雑誌の『ぜったいほしい!』リストのバッグが四十万円だろうと、『アフター6』の予定を立てている事務OLがある日『大事なプレゼン』を任されていようと、『ボーナスで買いたい! 』のが三〇グラム十万円の美容クリームだろうと、ただ『ありえねー! 』と笑える。/だが、そういうのを量読んでいくと、あるところでひどく疲れてくる。ありえない設定に毒され、それを実現しない私のほうに何か問題があるように思えてきて自己卑下に陥る」

 すっごいわかる! というのは、「モテたい理由」があまりにも面白過ぎて、実際にその世界を体験してみようと、生まれて初めて「CanCam」を買ったのだが、一読しただけで死にたくなったからだ。どうしてわざわざ女性誌がここまで「女性」を追い詰めるのか、理不尽な思いにただただ疲労する。まさに「フリルのついた暴力」(岡崎京子)。そこでは生まれも育ちも申し分のない「架空のプロフィール」的人生ばかりが幅をきかせ、女性の半数以上が非正規雇用であることや、非正規雇用の8割の月収が20万以下であることなどには一切触れられず、それどころか「なかったこと」にされている。
 なんとなく、「CanCam」などを読んでいる層に「労働問題」などが伝わらない理由もわかった気がした。例えば派遣OLがスピリチュアル系にハマる構図なんかが私の周りではよく話題となるが、現実を直視するより「CanCam」の世界にひきこもっている方が、ある意味楽だし安全だ(そのツケは大きいと思うが)。そんなことを思うと、「醜いものは見たくない。美しいものだけ見ていたい」(確かそんな感じの台詞)と言って両目をガラスかなんかでブッ刺して失明する、というストーリーの丸尾末広の漫画が浮かんでくる。と、その漫画を思い出すと決まって頭に浮かぶのが、寺山修司の「見るために/両瞼をふかく裂かむとす/剃刀の刃に地平をうつし」だ。
 私は虚構の中で目をつぶっているより、どんな現実でも直視したい。と、そんなことを、「モテたい理由」を読んで改めて思ったのだった。今年はそんな「恋愛資本主義」も打倒したい。
 

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