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米軍が撤退し、石油会社が入る−ベーカー報告書の真実− (北沢洋子の国際情報)
http://www.asyura2.com/07/war87/msg/202.html
投稿者 近藤勇 日時 2006 年 12 月 23 日 11:05:13: 4YWyPg6pohsqI
 

米軍が撤退し、石油会社が入る
−ベーカー報告書の真実−
2006年12月17日
http://www.jca.apc.org/~kitazawa/undercurrent/2006/truth_baker_repo_2006.htm

 このほど、発表されたベーカー報告書は、「米軍の撤退」を勧告していると高く評価されているが、実は、米国の石油利権をいかに維持するかを示唆したものである。

 イラク戦争の当初は、米国がイラクの石油利権を獲得するため、つまり、「Blood for Oil」だという非難に対して、ブッシュ政権は激しく否定した。
しかし、ベーカー報告書発表以後、ブッシュ大統領は公然と「イラクのイスラム過激派が、莫大な石油の埋蔵を手に入れることによって、中東全体の穏健派政権を転覆するために使うという危険がある」と言うようになった。
 ベーカー報告書は、まさに、ブッシュ政権の背後にいる石油資本、そしてそれをバックアップしている金融、産業資本の利益を代表している。

 たとえば、ベーカー報告書の第62項勧告は、「米政府は、(イラク政府が外国の投資家向けに)財政上、かつ法的な枠組みとなる石油関連法案の起草を援助すべきである」と述べている。さらに、米国政府は、IMFと協力して、イラクのエネルギー部門に対する補助金を廃止するべきである。イラク人は国際市場価格で石油製品を買うべきだ、と勧告している。これは、とりもなおさず、戦争で家を壊され、インフラも破壊され、50%の失業に苦しんでいるイラク人に、補助金なしの高い石油製品を買えということになる。これは、まさに、石油資本の利潤を確保するためである。

 勧告第63項は、「米国は、多国籍石油資本がイラクに投資を容易にするために、イラク政府が石油産業を民営化するのを支援するべきである」と述べている。これはあまりにも露骨な勧告ではないか。

 さらに、ベーカー委員会そのものが、石油、建設、金融産業などイラクに利権をもっている資本の代表で構成されている。まず、ベーカーは、ブッシュ・パパの湾岸戦争のときの国務長官であった。イラク戦争が始まったとき、ベーカーは連合軍の結成のために奔走した。彼の法律事務所はクエートとその他の湾岸諸国の債務返済を手がけており、彼自身もテキサスのオイルマンである。
 イラク研究グループでは、ベーカーと共同代表を務めるLee Hamiltonは34年間、民主党の下院議員を務め、9.11調査委員会では副委員長、下院外務委員会の委員長、そして、国内治安諮問委員会のメンバーである。

 メンバーの中にも、石油利権がらみの男が多い。Lawrence Eaglebergerは、Halliburton (イラクでの最大の建設請負会社)とPhilips 石油に関係し、問題の多いコンサルタント会社であるKissinger Associatesの元代表である。ちなみに、イラク占領時代のPaul Bremer軍政官はKissinger Associatesの専務理事であった。Vernon JordanはAkin Gumpの法律顧問であり、なぞのBilderberg Groupと近い。Leon Panettaはニューヨーク株取引所の理事である。
 ベーカー委員会の作業部会は、ベクテル、PFGエネルギーの役員、シティコープの役員2人、さらに、ネオコン1派でクリントン政権の財務長官であったRobert Rubin法律事務所の代表などがいる。

 このように、ベーカー委員会には、イラクの利権に関連する企業の代表たちによって構成されている。報告書には、コンサルタントとして専門家の名が乗っているが、平和運動や女性、環境、公民権、労働団体の代表の名は、1人も見当たらない。一方、右翼のヘリテージ財団やアメリカ企業研究所などの名は挙がっている。

 報告書には、イラク石油の上級役員が、イラク石油は国営であるべきで、それによって、石油の利益を万遍なくイラク国民に分配することが出来ると言っている、と書いてある。にもかかわらず、報告書は、イラク石油は民営化されるべきであり、多国籍石油資本が経営すべきだとしている。
そればかりか、クルド自治地区で、外資によって新しい石油の油田が次々と開発されていることを肯定している。またシーア派の指導者たちが外国石油資本と交渉していることも肯定的に述べている。

 さらに、スンニー派の武装グループも、イラク石油をコントロールする権利を主張してはいるが、実際には、米国企業に甘いオファーを提示している。

 これらの事実から、米国のイラク戦争は、サダム・フセインを打倒するだけでなく、アラブの民族主義国家を解体して、石油の油田を外国資本の手にゆだねるのが目的であったことが良くわかる。

ベーカー報告書は、イラクから米軍を撤退させ、代わりに、世界第2位の油田を確保するというシナリオを提起したものである。

 ベトナム戦争時代に、反戦活動家として知られたトム・ヘイドンは、米国の平和運動に対して、以下のような提言を行っている。
 現在の米国の平和運動は、イラクから米軍を撤退せよ、というスローガンに終始している。ここにはベーカー報告書のような落とし穴がある。平和運動は、IMF、世銀、WTOと戦ってきた反グローバリゼーション派や地球温暖化に反対してきた環境保護派など社会運動と手を結び、軍隊の撤退という狭い平和運動から脱却する必要がある、と警告している。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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