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「他民族を占領する民族は自由ではあり得ない」
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投稿者 妹之山商店街 日時 2006 年 12 月 27 日 00:04:34: 6nR1V99SGL7yY
 

私はハマスは二段階戦略を採っていると思っています。
一段階目は、1967年のラインでのパレスチナ国家樹立です。
二段階目は、全パレスチナの解放ですが、
その内容はよく分かりません。
少なくとも真正面からの戦争で勝てると思っているとも思えません。
もっと政治的、イデオロギー的なものにも力点を置いたものではないでしょうか。
一国家への融合の要素も取り入れた。

それよりも、重要なことは、一段階目の達成によって
パレスチナ社会がどう変わるかです。
その内実が二段階目を規定するのですから。

真っ当な一独立国となり、
国力を充実させること。
パレスチナだって、ブルジョアジーとプロレタリアートの階級対立が
あるのですが、民族的課題の前に相対的に顕在化しません。
独立国家となり、経済成長に伴って、ニューリッチ層も形成されるでしょう。
中間層が形成されていきます。
彼らは昔のドンパチに戻りたいなどとは決して思いません。
労働者階級だって、それなりの生活向上に伴い、
社会の安定を望みます。

パレスチナの圧倒的多数がイスラエルによって、
惨めな状況に追い込まれているからこそ、
過激派が支持を集めるのであって、
社会が安定化すればするほど、過激派は支持を失っていく。
これはあらゆる国で実際に起きたことであり、
証明済みのことではないですか。

中国では、数千万人単位でニューリッチ層が形成され、
彼らが中国経済を牽引しています。
それは同時に土地を失った農民が、農民工となり、
都市に出稼ぎに出て、劣悪な環境で低賃金で搾取されています。
共産党一党独裁国家で、
『資本の原始的蓄積』が極めて醜悪な形で行われているのです。
墓の下のマルクスもこれを知ったら怒り心頭です。

ところで、イスラエルにも大いに利益になるのです。
安定化し、中流意識を持つ層が形成されたパレスチナとは
経済交流ができるだけでなく、
安価な労働力の供給源として活用できるのです。
現在のように中国系やフィリピン系などがイスラエル社会に寄生しているのは、
イスラエル社会にとっても、文化的、社会的に良い傾向ではありません。

しかもかつてオスロ合意時のようなバラ色の経済効果は望めないまでも、
アラブ諸国と関係改善し、経済取引が拡大することは、
エスタブリッシュメントたるアシュケナジームにとっては、
大いに経済的効果が期待できます。

イスラエルにとっても大いに都合がいいと思います。
上記のように経済効果だけでなく、
政治的、社会的、文化的、倫理的にも。
軍事費の肥大化は社会の癌です。
国際社会の孤児でなくなります。
倫理的にも、そもそも
「他国を占領する国民は自由ではない」のです。

高校出たての18、19の若造が、
パレスチナの年上の人生の先達を顎でしゃくって、
恣意的に思い通りにできるなんて、
人間の人格形成上も大いに問題です。

西岸では、どこに行くにも検問所で数時間も待たされます。
恣意的に扱われます。
非人間的に扱われ続けているのです。
だからこそ過激派が民衆の広範は支持を集めてしまうのです。

簡単な理屈ではないですか。

こんな非人間的な行いが、現実に日々行われていることは、
双方にとって、疎外なのです。
パレスチナ人にとってだけでなく、
イスラエル人にとっても疎外なのです。
他者を非人間的に扱う者が、日々非人間を自らに再生産しているのです。

私はガザからカッサムを発射する者を停戦違反として
断固拘束し、逮捕するべきだと思っています。
殺すのではなく、ただ拘束することが何故できないのか、
私には理解できません。
できないのか、する気がないのか、
できないのなら、何故できないのか。
それが分からないのです。

少なくとも、ハマスの政治指導部が大規模テロを考えているとは思えません。
ハマスは自爆テロの一方的停止を一年半以上守ってきました。
大規模な攻撃には、更に大規模なイスラエルの反撃があることを
パレスチナの全民衆が知っています。
だからパレスチナの殆どの民衆は、そんな大規模攻撃など望んでいませんし、
そんなことをする者を選挙で選出しなくなります。
それでも尚ハマスが大規模攻撃を行うとは思えません。

私は夢を捨てていません。
パレスチナの全勢力が、
<民族解放統一戦線>を結成し、
占領を終わらせること。
このことを確信しています。


ところで、もしパレスチナが1967年のラインでの国家樹立でまとまったら、
イスラエルはどうするつもりでしょうか。

分離壁なんて、ファタハ内の穏健派ですら認めません。
リヴニ外相の言うように、壁を動かすのでしょうか。
マアレ・アドミムなどの巨大入植地はどうするつもりでしょうか。
ナザレとか、パレスチナ人の多い地域と交換しようと考えているのでしょうか。
ヨルダン渓谷からは撤退する気はないのでしょうか。

歴史は不可逆です。
まんまと狡猾に誘われてしまったのかもしれません。
今夏のヒズボラの『善戦』が、
パレスチナの活動家や民衆にも一定程度浸透してしまったようです。

ラビン氏追悼集会で、グロスマン氏は演説し、
「我々はまもなくパレスチナのテロリズムが
アマチュアであった日々を懐かしく思い出すでしょう」と述べています。

オモチャのようなカッサムロケットではなく、
パレスチナから、ヒズボラのように、
もっと強力なミサイルが降って来る前に、
パレスチナ国家を樹立しないと、
イスラエル自身が困るのではないでしょうか。

ハマスは、1967年のラインでパレスチナ国家を樹立すると言っているのですから
それは、その国境線の向こう側の国家、つまりイスラエルの存在を認めるという
ことではないですか。

早くしないと、パレスチナにとってだけでなく、
イスラエルにとっても、更に深い厄災に至ると思うのですが。


人間の意識自体も変わっていくのです。
周囲の状況も変わっていきます。
選挙で得票を得たいのなら、選挙民の意識の変化にも対応せねばなりません。
選挙民の圧倒的多数が平和の継続を求めているのに、
それに公然と反することをするでしょうか。
それは、少なくとも選挙党としては自己破滅です。
パレスチナの民衆の圧倒的多数は占領に反対しているのであって、
樹立されたパレスチナ国家が他国に戦争を挑むことに
賛成している訳ではありません。
私も国家間戦争には断固反対です。

イスラエル建国自体に問題があったという
ラディカルな考え方もあってもいいと思います。
問題は、それがパレスチナの民衆に広範に支持されるかどうかです。

今ではもう精彩を放ちませんが、過去にはニ民族一国家という考え方も
双方から結構支持されていました。
もしニ民族一国家が実現すれば、
「イスラエル」は「地図の上から消える」のです。
それが絶対にあり得ないとは思いません。

私はあるがままのパレスチナを美化しません。
むしろ批判したいことだらけです。
パレスチナ人自身が自己反省をしています。
もっともっと自己反省して欲しいと思っています。
パレスチナ側が反省せねばならないことを<主体的根拠>とすれば、
ガザに130万人をゲットーのように閉じ込めておいて、
経済活動も麻痺させてきたイスラエルの政策は、
<客体的根拠>です。
せっかく作った農作物がただ腐るのを見ている農民を生み出しています。

中国の悪質ブローカーに騙されて、イスラエルで彷徨う中国人女性の問題を
日本語版クーリエジャポンの何号か前で採り上げていました。
四方田犬彦氏の「見ることの塩」や「パレスチナ・ナウ」を読むと、
現代イスラエル社会の病巣を少しはリアルに垣間見ることもできました。

安価な労働力を求めるなんて、世界中で日々現実に行われていることです。
イスラエルの好きな言葉で言えば「合法的」です。
EU拡大で、東欧諸国は、安価な労働力の供給地として競争しているくらいです。

一般民衆が、ハマス・ファタハ間の停戦を求めて
各地でデモや集会が行われました。
その集会参加者は、
『ファタハもハマスも民衆から乖離している。
我々こそがサイレント・マジョリティだ』と
胸を張っていました。
私も全くその通りだと感じました。
ハマスやファタハでさえ、民衆に乗り越えられる時もあります。
そして、それで良いのです。
それこそパレスチナの健全性を示すものと言えなくもありません。
民衆に離反されそうだと判断すれば、政党の政策自体が変更されるのです。
それは民主主義の健全性でもあります。
それでもハマスやファタハが変わらないと民衆が判断すれば、
その他の政治組織へと支持を変えればよいのです。
あるいは、そういう運動の中から新たな政治組織が生まれてもよいのです。

ナザレなどのパレスチナ人と交換してしまえなどと
クネセトで公然と表明する国会議員が何人もいます。
まあ彼らは現在は多数派ではありませんが。

アラブ諸国のユダヤ人が財産を没収されたのは、歴史的事実ですが、
それは、その当事者であるアラブ各国との補償問題なのであって、
パレスチナ人の帰還権とは、とりあえずは別個の問題です。
パレスチナ難民の所為ではありません。
アラブ諸国からの補償を、パレスチナ人の帰還権保有者の
補填に充てるかどうかは、イスラエル政府の問題です。
パレスチナも含めたアラブ諸国とイスラエルとが、
包括的に話し合い合意するというのであれば、話は別ですが。

ヘーゲルは「精神現象学」の中で『主人と奴隷』の論理を展開しています。
主人も奴隷も共に非人間として疎外されているのですが、
この状態を止揚できるのは奴隷だけであると。
主人は奴隷なしには主人たりえないが、
奴隷は主人なしでもやっていけるのだから。
主人は「否定の中で肯定であり、奴隷は否定の中で否定である」
つまり「否定の否定」という主人と奴隷の弁証法です。

全く自国一国の都合だけで、他国を操作できる国が
この地球という惑星の上にイスラエル以外に存在するでしょうか。
かつては確かに存在しましたが。
もはやイスラエル一国くらいではないですか。


しかし、私は現在のパレスチナにかなり落胆しています。
ガザからカッサムを発射しない。
たったこれだけの<停戦>が守れないのですから。
こんな簡単な<テスト問題>にさえ落第なのですから。
もっと大きな<テスト問題>、
つまりもっと大きな<合意>を信頼せよといっても全く説得力がありません。

国際情勢から考えても、アメリカがイラク撤退を決断した現在、
親米のアラブ穏健派を繋ぎとめておく為にも、
アメリカはイスラエルに和平を強要する圧力が高まっているのに、
このチャンスを生かして、
オルメルト首相が、ガザの停戦から、更には西岸での停戦へと拡大すると
言っているのですから、相手の言質通りにそうしてもらおうじゃないかという
強力な政治指導者はいないのかと歯がゆくなります。

・ガザ停戦
・西岸停戦
・西岸からの部分的撤退を公約として掲げたカディマの政策を実行させる
・壁の建つ位置を交渉する
・パレスチナ国家の樹立を達成する

私はパレスチナ国家の樹立までは可能だと思っています。
そこで国力を充実させるのです。

しかしイスラエルも『えげつない』ことをし続けますね。
はっきり言って病んでいますよ。
他民族を占領し続けるエネルギーなど、はっきり言って浪費です。
失うものの方が多すぎます。
占領などさっさと止めた方が、得るものがはるかに多いのに。

別に何百年も遡らなくても、ほんの十年前には、
イスラエルとパレスチナは様々なレベルで交流していました。
単に安価な労働力を提供していただけではなく、
人間的交流もたくさんありました。
経済活動を通した交流、職場での人間的交流、教育・文化的交流。

チェチェンでも同様に僅か十数年前までは、
チェチェン人と旧ソ連各地の民族との交流がありました。
多民族国家旧ソ連では、チェチェン民族に限らず、差別はありましたが、
様々なレベルでの交流がありました。
ロシア人の友人もたくさん存在したのです。

しかし、現在の若いチェチェン人にとって、
ロシア人とは、侵略者であり、占領者以外の何物でもありません。
それ以外には知らないのです。

現在のパレスチナの若い世代も全く同様です。
彼らにとって、ユダヤ人とは、侵略者、占領者として、
日々直接実体験しています。
彼らにとっては、ユダヤ人とは、それ以外に知らないのです。
それ以外の面を知りようがないのです。

埋めねばならない溝を拡大し続けているだけです。
個人なら嫌な隣人に耐えられないのなら、引っ越せばよいのですが、
国家の場合はそうはいきません。

こんなことを続ければ続けるほど、
民族間の溝は拡大再生産されてしまうだけです。

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