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サラハ・モフタールからナンシー・ペロシへの書簡−−アメリカが安全にイラクから撤退する唯一の道 [イラク情勢ニュース]
http://www.asyura2.com/07/war87/msg/517.html
投稿者 white 日時 2007 年 1 月 01 日 03:49:51: QYBiAyr6jr5Ac
 

□サラハ・モフタールからナンシー・ペロシへの書簡−−アメリカが安全にイラクから撤退する唯一の道 [イラク情勢ニュース]

 http://www.freeml.com/message/organizer-news@freeml.com/0001494;jsessionid=ybq990rad1

URUKNEWSイラク情勢ニュース           (転送・紹介歓迎)
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2007/01/01(月)

  [飛耳長目録 today'snewslist]

☆サラハ・モフタールからナンシー・ペロシへの書簡
  −−アメリカが安全にイラクから撤退する唯一の道

 この書簡は12月30日付、つまりサダム・フセイン処刑の前日に書かれたも
のである。書簡ではサダム・フセインとの交渉も提案されていて、それは実現で
きないものとなったが、それがどのような意味を持つかについての指摘は今も意
味を失うものではない。それ以上に、現局面でのイラクとアメリカの関係につい
ての率直な描写は真のイラク情勢を知るうえで重要であるため、2007年最初
の<イラク情勢ニュース>として紹介することにした。

 (モフタールとペロシ両氏については本文末に紹介)

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☆★アメリカが安全にイラクから撤退する唯一の道
サラハ・アル・モフタールからナンシー・ペロシ民主党下院院内総務へ
SalahAlMukhtar:DearMs.NancyPelosi,HouseDemocraticLeader
2006年12月29日  アルバスラ・ネットに掲載
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http://www.albasrah.net/pages/mod.php?mod=art&lapage=../en_articles_2006/1206/mukhtar_291206.htm

親愛なるナンシー・ペロシ女史
米下院民主党院内総務様
2006年12月29日

 あなたはベーカー=ハミルトン委員会の報告を読んだはずです。その報告は、
アメリカのイラク侵略が全面的に失敗し、イラクとイラク国民に対する最も残忍
・残酷なものであったと明言したものと私は理解しています。報告はまた、今と
なっては合衆国の利益の方へと方針転換することは難しいとも述べています。ア
メリカの未来をこの暗い穴に落としこんだ者はジョージ・ブッシュであり、彼は
穴から這(は)い出るかわりに、ますます深く穴を掘り、そこに入りこもうとし
始めました。世界の指導者であったアメリカ合衆国をしてイラクの沼地で指導性
を失わせるようしむけたのも彼、ジョージ・ブッシュでした。アメリカがイラク
で失敗することは、アメリカ経済を初めとしてアメリカ国内の政治システムなど
、アメリカにおいてさらなる災厄にいたる引き金となるでしょうし、それはさら
にアメリカの未来を未知なる全面的災厄に導くでしょう。

 正しい方角を見つけるために後退するかわりに、羅針盤をなくして間違った道
を進むとき、彼は方向感覚を失って崖っぷちに進むかもしれないというのは悲し
いものですが、報告が示唆しているのはそのことなのです。ベーカー=ハミルト
ン委員会の広告は羅針盤とすべきものです。そうすることによって、ブッシュ政
権が同じ進路をとることで間違いを正そうとしているとき、アメリカ政府は同じ
間違いを続けるかわりに、もう一度みずからの進むべき道を見つけ出すことがで
きるのです。ベーカー=ハミルトン委員会の報告は、イラクをイラク国民にまか
せずに、アメリカノイラク侵略と占領という基本を維持しつつ、間違いを正そうと
する唯一の方策でした。この報告が問題を解決できない理由がここにあり、特に
問題の最重要部分が無視されていました。武装した国民レジスタンスは無視され
、侵略後のイラクに宿命づけられた重要な要素ではなく、政治プロセスのなかに
組み込まれるべきその他大勢の勢力あるいは組織の一つと見なされたのです。

 ところで、もしイラク・レジスタンスがイラクにおいてアメリカと政治ゲーム
をする勢力のなかの一つでしかないなら、イラク・レジスタンスはどうやってイ
ラクと中東におけるあなた方の(アメリカの)プロジェクトを打ち破ったのです
か? そして、その後、ブッシュ政府にイラクでの失敗を認めさせたのはどうし
てですか?

 あなたはこうしたことを知っているはずですが、もし知らないのでしたら、あ
なたはまだブッシュ政府のプロパガンダに影響されているということなのでしょ
う。それもまた一つの災厄です。というのは、もしあなたがイラクにはアメリカ
軍とイラク・レジスタンスという2人の主役がいるという事実を認めてないなら
、あなたもブッシュ政府がやっているのと同じ間違いを犯すでしょう。それはあ
なた自身をもっと深い穴の中に引きずりこんでいることになります。

 そこで私が疑問に思うのは、あなたの同僚であるマドレーヌ・オルブライトが
指摘したように、アメリカ史上最悪の災厄であるイラク占領は失敗だと確信しな
いのですか? それともイラクにとどまり、重力にしたがうままにさらなる深み
に入り続けたいのですか?

 ここに一つの出口があります。それはイラク・レジスタンスと同じ席に着き、
できるだけ早い米軍のイラク撤退を協議することです。つまり、アメリカ政府は
現実的になってイラク戦争に勝利することなど忘れることです。イラク戦争は何
千億ドルもの支出を迫り、それがあれば国民の貧困生活上の問題を解決する助け
になったでしょう。あるいは4000万人のアメリカの文盲支援に使うことがで
きたでしょう。

 アメリカで待つ家族たちは、その替わりに、黒い袋に詰められた息子や娘の遺
体を受け取っています。そして既にご存じのように、イラク・レジスタンスはイ
ラク解放のための闘争のなかで戦術テストも含めてあらゆる戦略を経験し、イラ
クに駐留する米軍が増えれば増えるほど、彼らがこうむる犠牲も多くなるでしょ
う。それゆえに軍事、政治、あるいは治安作戦の変更も米占領軍に対するイラク
・レジスタンスの戦略に影響を及ぼすことはありません。

 さて、私があなたに助言したいことは、名誉あるイラク撤退への唯一の道は、
イラク国民を唯一代表するものとしてイラク・レジスタンスを承認することだと
いうことです。その中心はイラク大統領サダム・フセインであり、彼こそ米軍が
イラクから撤退したあとの治安問題を解決することのできる指導者なのです。も
しあなたがイラク国民の大部分がなぜサダム・フセインの政権復帰に同意するか
と自問するなら、あなたはその答えを見つけるでしょう。イラク国民はサダム・
フセインこそアメリカの占領が生み出した殺人と破壊と混沌に終止符を打つこと
ができると考えています。そして彼は安全なイラク撤退を保証することのできる
唯一の人間なのです。

 あなた方がしたこと、私たちがしたことが何であろうと、証拠と記録、証言の
すべてを添えて歴史に残されてきた真実があります。すなわち貴国がイラクに侵
略し、ジェームズ・ベーカーがかつて1991年にイラク指導部を脅したように
、イラクを産業以前の段階にもどすほど完全に破壊しました。占領後のイラクは
その結果、きれいな水も病院も薬も電気も安全も食料もない、人の生活に適さな
い環境になりました。麻薬と組織的な犯罪は手がつけられず、誘拐と殺害が日常
茶飯事である場所となったのです。

 それとは別の現実も歴史に記されるでしょう。ブッシュ大統領によると、貴国
は少なくとも3万人以上のイラク国民を殺しました。この数字は実際に責任がな
い無実の人々を殺すよう貴国を突き動かした9・11事件の犠牲者数の10倍で
す。しかしながら、もしアメリカの大学による研究にもとづいてイギリスの雑誌
『ランセット』誌に報道された数字を採用するなら、貴国は侵略の結果65万5
000人のイラク国民を殺したのです。もっとも、イラクの独立系の情報源によ
ると、イラク侵略は100万人以上のイラク国民を殺す結果となりました。

 アメリカはこれらの殺人に責任があります。なぜなら、国際法に従うと、占領
当局としてアメリカは被占領国市民の安全確保に責任を有しているからです。お
そらく、あなたはご存じないでしょうが、アメリカの占領は、イランからの直接
の支援とイラク内の親イラン勢力からの協力を得て、600万人以上のイラク国
民が祖国を去るように仕向け、組織的な殺人を恐れるがために彼らは世界中へ難
民となっていったのです。
 
 CIAが提供するニセ情報のせいで、もし、あなたがこれらの事実を疑うので
したら、国連自身もイラク侵攻後に150万以上のイラク国民が移住したことを
認めています。当然、この数字は祖国を去らざるをえなくなった人々の実際の数
字ではありません。この移住、もしくは強制移住は自発的なものでなく計画され
たものです。その目的はイラクの人口構成を変え、占領軍が強制するのに見合っ
た複数民族、宗教の国にしたてるものです。イラクの人口の85%がアラブ人だ
というのが実際なのです。

 イラク分割計画を達成するために、貴国政府は400万以上のイラン人とクル
ド人をイランとトルコからイラクに引き入れることを承認しました。これもまた
イラクの人口構成を変え、アラブ人の人口比率を他民族の人口比率に近づけよう
とする試みです。これはちょうどユーゴスラビアが分割されたときのようなイラ
ク分割となるでしょう!

 これらの事実が誇張されたものだという者がいるなら、私はどれだけの人々が
イラクから追い出され、どれだけの人々がイラク人でないのにイラクに入るのを
許されてイラク国籍を与えられたか、調査するための国際的な調査委員会を作る
ことを提案します。イラク侵攻後、250万人にイラク国籍が付与されたという
ジャファリ前首相の自白もあります。

 もし別の者がこれはイランと親イラン勢力の仕業であるとあなたに告げるなら
、これらの勢力はアメリカとともに行動し、最近の2人の首相はイランと結びつ
きを持ち今ではアメリカと協力するダーワ党出身だったことを思い出してもらわ
ねばならない。アメリカ政府はイラク侵攻でパンドラの箱を開けて、混乱の大海
の中にあってもひとり安定を守ったこともあるイラクを破壊してしまいました。
このパンドラの箱から多くの邪悪が逃げ出し、彼らはイラクやその周辺だけにと
どまることはなく、きっとアメリカにもたどり着くでしょう。貴国は故意にじゃ
秋を世界に広げようとしたのですか?

 これらの事実は人間の良心を揺さぶる別の事実とともに歴史に残りました。イ
ラク侵攻のための非難のすべてはウソでした。大量破壊兵器への非難が下院議員
であるあなたにイラク侵攻を確信させたにもかかわらず、戦後のあなた自身の告
白によると、イラクは大量破壊兵器を保有してなかったのです。イラク侵攻後に
貴国の調査が証明したように、イラクはアルカイダとの結びつきも持ってなかっ
た。この点はイラク侵攻をあなたが認めた2番目の理由でした。そのほかにも侵
攻を正当化するために使われた非難がありましたね!? そう、人権侵害という
非難も添えられました。

 こうして、ウソの非難がまかり通った結果、イラクへの侵攻と産業以前の時代
に戻す破壊、イラク国民100万人の殺害と相当数に対する拷問、ファルージャ
でなされたような諸都市を集団墓地に変える攻撃がおこなわれ、イラク侵攻の正
当化が認められたのでした。

 人間の良心はこれを許し、このことに沈黙してよいものか? 批判も責任を問
うこともなくこれを許す道徳がありえるだろうか? もしあなたが責任を免れよ
うとするなら、それは結局のところ、「あいつらの責任なら、おまえの責任では
ない」ということになる。明日、アメリカがこれらの見にくい犯罪の濡れ衣を、
アメリカを攻撃したこともアメリカの敵となったこともない無実のイラク国民に
着せる時が来るだろう。もし以前にはあなたは知らなかったのなら、イラク国民
は8000年のイラク史上最悪の悲劇をもたらした責任がアメリカにあると責め
ることを告げておきます。この宣告は、イラクは大量破壊兵器を持ってなかった
という告白への信じがたい貴国の反応にショックを受けた世界中の人々のために
、またアラブとイスラム教徒のために、真実を掲げるものです。

 想像してごらんなさい。−−相手が彼を撃とうとしていたという理由でアメリ
カの警官が人を殺したとします。その後の調査で殺された男は武器を持ってなか
ったという結論になりました。その時、あなたはどう反応しますか? きっと、
その警官が法にしたがって裁かれるよう求めるでしょう。この例はイラクで起こ
っていることと相違なく、違うのは犯罪の種類と程度だけです。なぜイラクの国
を破壊し100万のイラク人を殺した責任を問うあなた方の声があがらないので
すか? アメリカ人でなければ、イラク人は殺されて良いのですか? それとも
、9・11の犠牲を理由に何万もの無実のイラク人が殺されるのが許されるので
すか? こうした疑問はアメリカでは考えられないかもしれませんが、全世界は
そのように考えています。もしあなた方がイラクでの恐ろしい間違いを正そうと
しないなら、アメリカとアメリカ国民に道徳的、法的な危険が及ぶでしょう。

 アメリカがイラクの暗い穴ぐらから抜け出す第1段階は、イラクでのアメリカ
兵の死(イラクでの死亡数は既に9・11の死者数と等しくなった)に関して恐
ろしい間違いをし、その間違いがアメリカの国際的評判を修復しがたいまでに損
なう結果となったことを認めることです。また、上述したように、イラク国民が
歴史上かつてない苦痛をこうむったことを認めることです。第2段階は、即座に
レジスタンスとそのシンボルである戦時捕虜サダム・フセインとの交渉をおこな
うことです。それは相互の利益と人間的価値にもとづいて互いに尊敬し協力しあ
うことでアメリカとアラブおよびイスラム教徒のあいだに新しい関係が始まるこ
とを確かなものにします。

 あなたはアメリカ政府がレジスタンスと接触してきたが得るものはなかったと
おっしゃるかもしれません。私は次のように答えましょう−−そう、貴国政府は
彼らと接触はしました。しかし貴国政府は何を望みましたか? みずからの間違
いを正して名誉のうちにイラクから撤退しようとしましたか? それともレジス
タンスを欺(あざむ)いて政治プロセスに引きこもうとしましましたか? それ
だとアメリカは軍事的敗北の後に政治的勝利を画策することになります。レジス
タンスを政治プロセスに参加させることは必要ではありません。それは占領を認
め、占領が破綻寸前であるのに占領の継続に合意することになります。必要なの
は占領軍の完全かつ無条件の撤退であり、レジスタンスに権限を委譲することで
す。これこそが唯一の解決策であり、それがレジスタンス側からの条件なのです
。もし貴国がイラクの暗い穴ぐらから出るのをレジスタンスに助けてほしいのな
ら、これらの条件がアメリカに受け入れられなければなりません。

 サダム・フセインと交渉することによって、あなた方はイラクの破滅的状況へ
の解決策を見いだし、イラク侵攻の結果生じたアメリカの破局への解決策を見い
だすでしょう。また中東地域全体の問題への解決策をも見いだせるでしょう。あ
なた方は本当にイラクと中東地域の安定を望んでいますか? それとも中東に大
混乱を広げたいだけなのですか? サダム・フセインとの交渉は混乱を望んでい
ないことを証明しますし、中東における混乱はあなた方にとって有益ではありえ
ず、私たちにとっても損害が及びます。レジスタンスはあなた方を穴の底から引
きだし、中東地域の混乱とイラクの混乱は貴国が中東を傷つける以上に貴国を傷
つけるでしょう。この混乱が建設的なものに転化する理由はここにあり、コンド
リーサ・ライスの言葉を借りると、あなた方はあらゆる手を尽くさなければなら
ないのです。しかしアメリカの支配が失われるなら、あなた方の家同様に私たち
の家も焼失する結果になります。

 結論として、私たちは強者の姿勢からあなた方に語りかけていることを忘れな
いでほしい。なぜなら貴国の軍隊はイラクで敗北し、私たちは同等の地位にある
のです。私たちは遅きに失することのないようにアドバイスしたくてあなたに語
るのです。もしほかにも私のようなイラク人がいるなら、やはり今日はレジスタ
ンスおよびその代理人サダム・フセインと交渉するよう求めますが、明日には貴
国と喜んで交渉する者は誰もいないかもしれません。アメリカが中東地域を破壊
したがっていることの最大の兆候は、サダム・フセインの処刑であるでしょう。
もし彼が処刑されるなら、この書簡は見落とすことのできないメッセージとなり
、貴国が中東全体に混乱を広げたいのだということを示すことになるでしょう。
その時点で、この「建設的な混乱」が必然的にアメリカにも及ぶことを防ぐ障壁
はなくなるのです。私たちがデジタル社会に生きていることをお忘れなきよう。

 サラハ・アル・モフタール

---※訳注-------

◆サラハ・アル・モフタールSalahAlMukhtar
 バース党政権の時期、サラハ・アル・モフタール(62歳)は何年ものあいだ
、イラクの公的発言者のなかでは最も議論好きな1人であった。彼は国連へのイ
ラク代表団として働き、その後、1990年から91年にはアラブ連盟で情報担
当の事務局長補佐をつとめた。1993年から1998年にかけてはイラクの主
要日刊紙『アル・グムフリヤ』の責任者となった。1999年からは駐インド大
使となり、2003年には駐ベトナム大使であった。彼は現在、イエメンに住ん
でいるが、いつの日か彼はイラクに戻る(イラクが占領から解放される)と確信
している。

◆ナンシー・ペロシNancyPelosi
 ペロシ氏は「イラク戦争はテロとの戦いとはいえない」と、大統領とは正反対
の早期撤兵論を掲げて今選挙戦を戦った。今回で連続当選11回目。民主党の下
院院内総務をつとめてきたが、中間選挙で民主党が下院で過半数を獲得したこと
を受け、女性としては史上初の下院議長に就任することが決まった。ペロシ下院
院内総務は、ジョージ・W・ブッシュ大統領が8日に発表したドナルド・ラムズフ
ェルド国防長官の辞任を以前から要求していた。


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