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死に体ブッシュとほとんど死に体安倍の接点 [ビデオニュース・ドットコム]
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投稿者 white 日時 2007 年 2 月 05 日 12:01:32: QYBiAyr6jr5Ac
 

□死に体ブッシュとほとんど死に体安倍の接点 [ビデオニュース・ドットコム]

▽「死に体ブッシュとほとんど死に体安倍の接点(1)」

 http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070205-01-0901.html

2007年2月5日
「死に体ブッシュとほとんど死に体安倍の接点(1)」
ゲスト:霍見芳浩氏(ニューヨーク市立大学教授)
 先週の一般教書演説でブッシュ大統領はイラク駐留米軍の増派への理解を求めたが、議場では民主党のみならず共和党の議員からもほとんど拍手はなかった。9・11直後は90パーセントを誇った支持率も3割を割るまでに落ち込み、もはやブッシュ政権は完全に死に体状態にある。
 ニューヨーク市立大学の霍見教授は、ブッシュ政権がハリケーン・カトリーナに有効に対応できなかったことを契機として、政権を支えてきた富裕層、キリスト教原理主義者、石油利権屋の3つの柱が、ようやくブッシュ政権の実態に気づき始め、それが先の中間選挙の民主党圧勝につながったと言う。
 もともとフロリダの「疑惑の再集計」で辛うじて大統領になったブッシュだったが、政権発足の年に起きた同時テロ以降はメディアも政権批判を控えたことから、ブッシュ政権の実態が浮き彫りにならないまま、アメリカはイラクの泥沼に足を踏み入れるところまで突っ走ってしまったのだという。しかし、カトリーナの惨状を目の当たりにしても、救援に送るべき州兵も堤防を築くべき陸軍工兵隊も、いずれもイラクに派遣されていて不在だったことで、ようやくアメリカ国民がイラク戦争の本当の意味に気づくようになったと言うのが実態だったと霍見氏は言う。
 アメリカでは早くも2008年の大統領選挙で民主党の政権奪還の可能性が取り沙汰され始めている。先のファーストレディ、ヒラリー・クリントン上院議員の出馬表明で、いよいよアメリカ史上初の女性大統領の可能性すら囁かれ始めているという。
 しかし、それにしてもなぜアメリカはここまでブッシュ政権の失政に気づかなかったのだろうか。なぜメディアはここまでブッシュ政治を支持したのか。そして、いかにアメリカはそこから抜け出すことができたのか。霍見氏に聞いた。
 霍見氏はまた、対イラク政策で世界各国がその死に体ブッシュ政権を見放す中、依然として忠犬ポチよろしく忠誠を尽くしているのが安倍政権だと言う。
 首相就任後まず、ワシントンではなく中国と韓国を訪問するなど、一見アメリカと距離を置いているかにも見える安倍政権だが、実際はブッシュ政権の手のひらの上で踊っているだけだと霍見氏は指摘する。
 「中韓訪問はむしろ日中関係の悪化によって日本の対中カードとしての価値が無くなってしまう可能性を懸念していたブッシュの意を受けたもの」(霍見氏)だし、6カ国協議も、二国間交渉に否定的なブッシュ政権の意向に沿った「カブキ芝居」(霍見氏)につきあっているだけ。安倍政権のウリである対北朝鮮強硬路線も、その実はアメリカの意向に沿った行動を取っているに過ぎないというのだ。北朝鮮への軍事制裁も辞さない立場を取るブッシュ政権にしてみれば、北朝鮮暴発の危機を本気で回避する気など毛頭ない。アメリカの頭越しに平壌宣言を出すなど、独自外交の姿勢を見せた小泉政権を恫喝して、日朝国交正常化への道を阻んだのもブッシュだった。それが霍見氏の見立てだ。
 

中間選挙で民主党圧勝の背景
 
神保:アメリカの一般教書演説を見て、ブッシュさんの演説内容もさることながら、メディアや議員がそれを冷たく扱っているのが印象に残りました。聞くところによるとブッシュさんの支持率は29パーセント。これはウォーターゲート事件の時のニクソンよりも低いそうです。今日は、アメリカでどういった変化が起きているのか、安倍政権がアメリカからどう見えているのかなどを、考えたいと思います。
 
霍見:06年6月の時点でブッシュは政治的には死に体でした。それをハッキリさせたのは06年秋の中間選挙での民主党による上下院奪回です。民主党の下院議員の現職候補は全員当選するという「建国以来の初」の事柄も起きました。
 アメリカの州は、内政に関しては独立国みたいなモノですが、中間選挙までは、共和党が50州のうち3分の2の州知事および州議会を押さえていました。ところがこれも逆転して3分の2を民主党が押さえました。これは大きな意味を持っています。なぜなら選挙の区割りは州議会がやるからです。その意味で2008年の大統領選挙では民主党が大統領職を奪回する可能性が高まりました。
 上下院を取った民主党はブッシュ政策の清算ということで改正法を通していくでしょう。04年の大統領選挙で、地方議会の3分の2が共和党となり、ブッシュが「共和党独裁が10年は続く」と豪語していた頃、僕の授業の学生は皆しょげて、カナダに逃げようとか、カナダに就職しようとか言っていました。だから僕は1時間授業をつぶして「逃げるな。残って戦え。夜明け前が一番暗いんだ」と喝を入れました。
 私はいずれ、ブッシュを支えていた1)大富裕・国粋層、2)石油企業に代表される大企業、3)キリスト教原理主義者の3本柱間に矛盾が出てくると予想していてした。アメリカの経済は表向きの数字は良くなってもキリスト教兵士などの実態生活レベルは落ちていく。まして国民年金の民営化では彼らが一番困ります。イラクの泥沼化も進むと思っていました。台風カトリーナは予想できなかったですが。
 民主党はナンシー・ペロシのリーダーシップの下、珍しく団結して、徹底抗戦しました。この動きが出始めたのは06年の8月くらいです。争点はイラク、エコノミー、汚職。僕は民主主義に失望しかかっていたのですが、中間選挙の結果を見て明るい気持ちになっています。それまでのアメリカは閉塞状態でしたね。
 
神保:イラクの侵攻については、大量破壊兵器がないことは分かっていたし、アルカイダの関与が無いことも分かっていたのに、深入りしてあれだけ死者が出た。あるいは、富裕層や石油利権やキリスト教原理主義だけをベースにした政権が大手を振って歩いている。しかも選挙でフロリダとオハイオの再集計で2回も疑わしいことが起きています。この政権にノーを突きつけるまでこんなに長い時間がかかったのは、何故ですか。
 
霍見:みんなが知っていたわけではなく、知るのに6年かかったからです。一つはマスメディアのせい。フォックステレビだけを観ている85パーセントの人は、イラクの大量破壊兵器は見つかった、ブッシュのイラクでの戦闘は勝っている、本当にこう思っているのです。
 2000年の選挙では、メディアはゴアを徹底的に洗う一方ブッシュにはフリーパスを与えました。主要メディアの多くはオーナーが変わり保守化したことと、クリントン政権への反感があったからです。
 
神保:実際3大ネットワークはバイアコム、ディズニーなどが持っています。CNNだってタイムワーナーの傘下です。FOXはNews Corpですし。現場の記者の気質がどうかは別として、経営体質は保守的になってしまったわけですね。
 
霍見:しかし、ブッシュが1月に就任した後、支持率が下がり始めました。アメリカでは大統領支持率が50パーセントを割るとイエローゾーン、30パーセントを割ったらレッドゾーン、政治的な死。ブッシュは30パーセントを割り始めていました。
 
神保:もともとゴアと争った最初の大統領選挙でも、有効投票数の過半数は取れていませんよね。
 
霍見:そんな時に起こったのが同時多発テロです。支持率は一気に80パーセントまで上がりました。
 ブッシュグループは90年代からホワイトハウス奪回をねらっていました。世界の石油エネルギー事情が緊迫してくることは確実で、それによって世界第2位の埋蔵量を持つイラク大統領フセインの発言力が高まってくることは耐えられないことだったからです。またサウジアラビアから米軍は追い出されることになったので中東の他の地域に軍事基地が欲しかったと言うこともあります。
 だからパールハーバーのような事件が起きれば、それを契機に一方的に侵攻占領というシナリオを描いていました。ですから9.11の翌日は、アフガニスタンのアルカイダの話はせずに、イラク爆撃の話をしていたのです。しかもアメリカ国民はアルカイダの裏にはフセインがいるということを信じていました。フセインは大量破壊兵器を持っている、核兵器も持ちそうだ、大変だ、と恐怖心を煽ったのです。
 
神保:そこのやりとりはボブ・ウッドワードの本に書かれていますよね。キャンプ・デービッドでイラク攻撃が議題に上った時、パウエルの慎重論を押さえてチェイニーがブッシュに「これは千載一遇のチャンスですよ」と言ったとか言わないとか。
 
霍見:その話は彼の本だけでなく他でも立証されています。いずれにしても恐怖心が煽られ、大統領を担がざるを得なくなりました。
 また、ブッシュやチェイニーはイラクの内情を何も知らないのです。イラクに侵攻すれば米軍は解放軍として迎えられると信じていたし、石油が出る国なので経費もほとんどかからないとホントに思いこんでいました。侵攻後、幻想とは異なる現実が出てきても現実を直視しませんでした。
 イラク戦争のために国内の経済も社会もおかしくなりました。富裕層には減税、中間層には増税。僕に言わせれば「逆さロビンフッド」です。要はニューディール、1933年以前の成金社会に押し戻すことを狙ったのです。これは保守なんてモンじゃない。キリスト教原理主義に支えられた新制革命ですよ。妊娠中絶反対。ゲイ反対。保守的な裁判官の任命。進化論は神を冒涜するので教えない。こういうことをどんどんやりました。
 このようなごまかしが長く続いたもう一つの理由は、人は「自分が間違った人に投票した」ということを認めたくないからだと思います。
 
神保:株を買ったらいつかは上がると思って持ち続けるようなものですね。コストが大きいほど自己肯定に走ると。
 
霍見:人間の心理はそんなものです。自分が間違えた、ごまかされたと言えるのはよほど自身のある人間です。
 さて、ブッシュは2004年の大統領選挙も集計のごまかしでやっと勝ちました。しかしその後、暴走を始め、ブッシュ政権の支持率は下がり始めました。そこに起こったのが台風カトリーナです。ここでブッシュは醜態をさらします。「避難命令を出したのに逃げないやつが悪い」とも言いました。残されたのは、避難命令が出されても逃げる場所がない人々です。それで国民は怒り、メディアが目覚めました。
 
神保:カトリーナまで目覚めなかったのですか。
 
霍見:カトリーナまでブッシュは「頼りがいのある、親しみのある、頭は悪いかも知れないけれどlikable fellow(感じのいい男)」という演技をしていきました。一緒にビールを飲みたい奴だ、と。ゴアは総得票では勝ったけれど、男性票ではブッシュが勝ちました。ブッシュに投票した男にはゴアに対する劣等感があるからです。ブッシュへは普通の男も劣等感を持ちませんよ。
 いずれにしても、なぜカトリーナまでかと言えば、あの被害とイラクとが結びついたからです。なぜニューオリンズへ州兵が派遣されなかったか。州兵はイラクへ行っていたからです。バス・トラック・通信機材もイラクへ行っていました。堤防が決壊しましたがその修復にあたるはずの連邦工兵隊も財源不足で動けなかった。イラクへの直接のコスト、機会コスト、それに伴う内政の経済破綻。しかもカトリーナでもイラクでもハリバートンがブッシュ共和党グループと組んで旨い汁を吸っているという汚職が出てきました。
 また、ブッシュ政権下でアメリカ経済はカジノ化しました。ブッシュの政策はマネーゲームを優遇する政策だったからです。マネーゲームでメシを食っている富裕階級、大企業は得しています。デイトレーダーも含めて資産で食う人、資産家にはプラス。4分の3の大多数の勤労者にはマイナスという仕組みです。だからGDPとか株価では経済動向を云々することは出来ないのです。10年ほど前までは、GDPと経済動向は連携していましたが、今は乖離しています。4分の3は経済指標の改善に実感を持てない人たちです。景況感は所得差、人種差で大きく異なります。
 
神保:減税効果はどうですか。
 
霍見:減税効果があるのは上の層で、大企業は利益をあげても、マネーゲームに回すだけです。設備投資や一般社員への給料へは分配しない。十分に持っていてこれ以上要らないという人に対して減税をやったんです。マイクロソフトのビルゲイツに3万5千ドルあげてもしょうがない。でもその3万5千ドルを捻出するために欠食児童への給食を取りやめているんです。決して景気はよくありません。金利はじわじわ上がっているし、不動産バブルは頭打ちになっています。
 
宮台:分からないのは、確かに色々なリソースを使って世論をハンドリング出来る幅は広がっているのかもしれません。あるいは、戦争でポピュリズムを駆動し国民をドライブできるかも知れない。しかしモノには程度があります。先ほど指摘された3つの柱の矛盾が広がっていけば、あるいは現実に景況感が悪くなっていけば、当然バックラッシュがきます。普通はバックラッシュがこないように、何らかの手当をしますよね。国民世論が自分達から離れないように。なぜそれをせずにスロットルと踏みまくるのでしょうか。
 
霍見:ブッシュは現実を直視せずにおめでたい前提を置いてきました。そして大減税を続ければトリクルダウン(trickle-down)でやがて景気はよくなると言ってきました。カトリーナ以前のつまずきは、社会保障で、国民年金の民営化に突っ走ったのが誤算の始まりです。株価が下落した後の社会保障を投資ファンドに変えて自分の責任で運用しろと言うわけです。
 それに反発し始めたのが中産階級のキリスト教原理主義兵士です。「俺は運用なんて出来ない。株価下落で目減りしていく。だから民営化大反対」。民主党は民営化反対で勢力を回復し始めていました。だからブッシュは民営化を引っ込めざるを得なくなり、キリスト教兵士が大富裕層から離れました。
 また、富裕層は政府管掌で国民年金、医療保険といった社会保障をやるのは絶対にイカンというグループです。それをやれば自分達の票田になっている中産階級の懐を痛めるとは見ません。教条的に凝り固まってしまって居るのです。
 
神保:レーガンが分裂した保守を束ねることに成功したために、1980年の選挙で共和党が政権を奪取したと言われています。保守には概ねオールド・ライトと言われる古典的な保守と、一切の政府の介入を嫌うリバタリアン的な保守、そして宗教保守の3つがあると言われていますが、その3つをネオコンがトリックを使って束ねたという話なのでしょうか。ネオコンについて行ったら6年くらい経って「なんか違うな」と気付いて、今ようやくその路線から降り始めたということですか。
 
霍見:ネオコンが04年の大統領選で勝てたのには3つのGがあります。God神、Gun銃、Gayゲイ。これでキリスト教兵士を引きつけたんです。しかしキリスト教兵士は、その後、エコノミーが変だと気がつき始めたんです。
 また、アメリカの4分の3の軍事基地は南部にあり、南部からは兵隊がイラクへ派兵されています。彼が死者、あるいは重傷者となって故郷へ帰り、「自由民主主義のためイラクへ行ってみたけど実際はそうではない」という認識が広がり始めたのです。
主要メディアも目覚めました。NYタイムズはブッシュ政権のチェックを果たしてこなかったことへのお詫びを掲載しました。ブッシュは令状なしの盗聴などで人を検挙していましたが、それのおかしさに皆が気付き始めています。(PART2へ続く)


▽「死に体ブッシュとほとんど死に体安倍の接点(2)」

 http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070205-02-0901.html

2007年2月5日
「死に体ブッシュとほとんど死に体安倍の接点(2)」
ゲスト:霍見芳浩氏(ニューヨーク市立大学教授)
日本はアメリカの二の舞となるのか
 
神保:日本も盗聴法は共謀罪とかの動きがありますからね。
 
宮台:「日本も」という点が僕には重要に思えるのです。例えば日本では経団連が非正規雇用を増やして20代で3分の1を超えました。最近ではホワイトカラー・エグゼンプションという労働単価を下げるための方策を進めました。正当性の根拠は中国やインドとの競争に勝つためで、日本に工場を置いているだけありがたいと思え、と。このようにして日本の企業は生き残るのかも知れませんが、労働時間は増え、お金は儲からない。内需ではなく外需で富裕層が生き残るための方策に見えてくるのです。
 だから日本企業が生き残ることが、日本国民が生き残るために必要だというのはトリックですね。トリクルダウン・セオリーとは違った意味でのトリックですが。企業が生き残った結果得をするのが誰なのかという判断停止されたまま政策が選択されているのです。アメリカの例を見ていると、日本も早晩バックラッシュがくる気がします。
 
霍見:僕が日本に来て行うブリーフィングのテーマは「明日の日本を今のブッシュ・アメリカにしないこと」。ブッシュ・アメリカとは日本人が思う民主的なアメリカとは全く異なるアメリカです。ブッシュ政権下で不公正社会、成金社会の出現、その結果の社会の分裂が起きました。だから日本はブッシュ・アメリカにしてはいけない。
 アメリカでは反発するグループによる揺り戻しが、起こっています。日本人は怒らないことが良くありません。日本はまず騙されるなと。騙されたら恥ずかしく思わずに怒れ、そう言っています。
 今回来日して思うのは、日本は国全体が引きこもり症にかかっているような気がします。それから対人恐怖症になっています。科学的な根拠は無いけれど半年ぶりに来日して症状は悪化しているように感じました。かつて、日本人もエレベーターで乗り合わせた人には会釈をするというエチケットはありました。銭湯では「お先に」と言ったりとか。今回、ある朝、銭湯にいったとき「おはようございます」といったらみんな僕をにらみつけるんですよ。他人を見たら泥棒と思えという不安感でしょ。知らない人への警戒心がものすごく出ている。市民社会が無くてみんなバラバラになっています。家庭教育の崩壊で躾が行われていないから大変なことになるでしょう。日本全体が引きこもり症ですよ。
 
宮台:社会的な弥縫(びほう)のメカニズムが日本にはあります。都市労働者が不安になると、それを当て込むタイプの宗教が広がります。不安になればセキュリティー産業が広がっていくし、警察行政への要求も高まっていきます。実際には共同体の空洞化を含む社会の液状化現象ですが、それを利用して勢力を拡張できる役所や宗教的セクターや国粋主義者、これこそ草刈り場だと活動を始める人間がたくさんいる状況です。なかなかアメリカのようなバックラッシュの萌芽が見えないですね。
 
霍見:民主主義の未熟さです。私は1935年生まれですが、教育基本法が骨抜きになる前に、個性と市民の連帯や法治国家の概念を教わりながら小中高大を駆け抜けることが出来た珍しい年代に属しています。
 明治維新以降のよい伝統は、戦後も教育基本法の中で引き継がれたのです。教育基本法は福沢諭吉の「学問のすすめ」を基に作られたものですから。家庭でもそういう躾を受けました。戦前と戦後の価値観が違和感なく融合できたのです。だからアメリカに行っても何の違和感もありませんでした。
 
宮台:日本ではある時期から「まともに生きる。正しく生きること」を教えることがなくなった代わりに「上手く生きること」、システム理論的に言えば「適応させること」だけを奨励するようになっています。だから「ものを言えば唇寒し」「長いものには巻かれろ」に近いわけです。つまり、正しいことを言えば首を切られるかもしれない。いじめられるかもしれない。正しい生き方をしようと思えば適応課題を逸してしまうかもしれないわけです。ある種の適応競争にむけてのプレッシャーをかけられてきたのが今の若い世代です。
 
霍見:自己表現しないように一つのパターンにはめてしまったわけでしょ。問題意識とかは持たないほうが安心だと。
 
宮台:国全体のダウン・トレンドが進むと適応競争が激しくなりモノを言わなくなり適応していくのです。非正規雇用がこれだけ増大しても若い人が文句を言わないのは、文句を言うと生きていけなくなってしまうという問題があるのだと思います。
 
神保:日本では、安倍政権の支持率が30パーセント台まで下がる、既に末期症状とも言われています。安倍政権はアメリカからはどのように見えていますか。
 また安倍さんは最初の外遊先にアメリカではなく中国・韓国を選んだので、そのことを画期的ととらえる向きもありますが、アメリカはそれを快く思っていないという人もいます。チェイニー副大統領が2月に来日予定ですが、それは中国韓国へ行ったことを諫めに来るためではないかと見る人もいます。
 
霍見:確かに安倍は総理に就任後すぐ中国と韓国へ行きました。しかし、これはブッシュが根回しをしたからです。アメリカはまだ中国とは対立をしたくないのです。
 アメリカが小泉の後継者として安倍を認知したのは約2年前です。安倍が幹事長として初めてアメリカへ行ったときにアメリカン・エンタープライズ・インスティチュートという共和党色の強いところで演説をしています。そこで安倍は、「集団安全保障が出来ない国はおかしい。私は変える」と言いました。また「イラクのフセイン政権は大量化学兵器を持っていた」と言ってブッシュのフィクションを追認したのです。2004年のその時期は、ブレアでさえガセネタだったと認めていた時期です。
 
神保:2004年4月29日の安倍幹事長のワシントンの講演ですね。
 
霍見:それがガセであることは、チェイニーは知っています。仕掛けた張本人ですから。それをまともに信じてしまったのは小泉と安倍だけです。だから安倍はやりやすい相手と見なされてしまった。しかもブッシュ政権は北朝鮮との対立を煽っていきたいわけです。
 小泉は平壌に行ったことを、ブッシュやチェイニーなどにどやされ、拉致問題で足下をすくわれました。その点、安倍は、日朝交渉は直接やらない、米朝交渉を始めてくれとも言わない。6者協議を支持してくれる。だからアメリカはここで安倍を忠犬として認知したのです。
その結果、総理になったとき中国と韓国に根回し、「すぐにワシントン詣でしなかった」というゼスチャーをさせたのです。今度チェイニーが来日する目的は、7月に期限切れとなる航空自衛隊のイラクでの戦闘行為の期限を延長させることです。それから憲法を改正してでもやると言った集団安全保障体制への移行について翻意がないか確認すること。また北朝鮮と直接交渉をしないことを確認することだと私は見ています。
 
神保:イラクに兵を送っている「Coalition of willing」と言われる有志連合には一時39か国が参加していました。しかし、コスタリカが違憲訴訟で負けて撤兵したのを皮切りに、3000人も派兵し3番目に大きな舞台だったイタリアもついに引き上げました。韓国も半減、イギリスも半分にしようとしている。その他の国もどんどん兵を引こうとしています。
 つまりここで日本が引いてしまうとアメリカは本当にまずいんですね。7月の期限を延長すれば、日本はアメリカの片棒を最後まで担ぐという意思表示になります。逆に言うとこれはアメリカに高く売れると言うことになるのかもしれませんが、いよいよアメリカにとっては、ついてきてくれる国が日本しかいなくなっているようでもあります。
 
霍見:売れるだけの器量があれば、と私は言っています。イラクに自衛隊を出したことへの代価を日本は何も求めていません。代価として京都議定書へ戻れと言うべきでした。
 少なくとも日本も注文をつける姿勢をハッキリさせ、米朝直接交渉を始めてくれとも要求するべきでした。この2つをイラク派兵の代価として言うべきだったのに、小泉さんは何も言わなかった。安倍氏も言おうと思えば言えるのに、言う能力がないし、それを見透かされている。
 
宮台:安倍政権や小泉政権がブッシュ共和党政権寄りの政策をとって、2年後に民主党の大統領が誕生したとします。日本が共和党寄りだったことへのネガティブ後遺症は生じますか。
 
霍見:もう生じつつありますよ。これまで徹底的に民主党グループを袖にしたのですから。
 民主党グループとしてはブッシュの連続として利用できる部分は徹底的に利用する。日本はジャパン・ナッシングと言われるくらいの存在です。ただし民主党内のグループでも日本とも国益の摺り合わせをするべきと主張するグループもあります。ところが日本の政権には意思も能力もないのでなめられています。中国・台湾・韓国とは共生していくでしょうけれど。
 さらに日本は拉致問題でごねているし、戦後処理をキチンとしていないので民主党下の上下院委員会では日本非難決議が出るかも知れません。むしろ日本に対して厳しいことになるでしょう。
 また、北朝鮮問題ですが、民主党グループは米朝直接交渉をやれと言っており、ブッシュも手をつけざるを得なくなってきます。すると日本は6か国協議で蚊帳の外、拉致問題は2国間問題。日本は拉致が解決しない限り国交解決は無いと言っていますが、これは間違っています。国際条約上、これまでの歴史を見ても、平和協定を結んでの国交回復がないから、懸案事項の交渉が出来ないのです。
 
神保:安倍さんは官房副長官の時、拉致問題で強硬路線をとりました。一部の情報によると小泉さんは、平壌宣言で国交正常化をして歴史に名を残したかったのに、安倍さんが強硬路線をとり、それを世論に訴えたために、予定を変更せざるを得なくなった。そのため小泉さんは、ノーベル賞をもらってもおかしくないほどの偉業になるはずだった日朝国交正常化を、「安倍に潰された」と恨んでいるらしいと。
ただ、私が気になるのは、なぜあそこで安倍さんがそこまで強硬路線をとったかという、その動機なんです。実はアメリカは日本が拉致問題で北朝鮮ともめいてくれることを望んでいるじゃないですか。
 うがった考え方をすると、安倍さんはそういうことも念頭にあったのではないかと。いや、そうではなくて、あれは「北朝鮮何しようものぞ」と言った、ある種脊髄反応的な単純な動機に起因する行動に過ぎなかったのかもしれない。
あの場面で安倍晋三があえて世論操作のようなことをしてまで対北朝鮮強硬路線をとった理由をどう見ますか。
 
霍見:これは推測ですが、アメリカは小泉が独自外交を進めることに危機感を持ったと思います。だから北朝鮮との対立を先鋭化させて恐怖を駆り立てていく人間が必要だったのです。ブッシュグループのデービット・フラム(元大統領補佐官)など、ネオコングループが仕組んだと思います。彼らは北朝鮮が核実験をしたとき、日本に核武装させろと言い、それを受けて中川昭一などの発言がありました。僕の推測は、2004年4月29日の「就職面接」でアメリカは安倍を押すことにしたというものです。
 
神保:それは日米間に目に見えない阿吽の呼吸があるということなのですか。それとも実際に何らかのコミュニケーションがあるのでしょうか。
 
霍見:アメリカは、安倍が次の総理を狙っている、国粋右翼的である、安倍はアメリカが小泉をどやしつけたのを知っている。こういったことから、安倍を操作可能だと踏んだのでしょう。
 
神保:結果的にアメリカは二国間協議をしなくてもよくなり、6カ国協議も日本が拉致で騒げばまとまらないのでそのまま。結局ブッシュは、必要があれば北朝鮮を武力侵攻の標的とするオプションを持ち続けることに成功したわけですね。

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