★阿修羅♪ > 戦争88 > 563.html
 ★阿修羅♪
元ネオコン論客が語る「アメリカの終わり」(JANJAN) 動画あり
http://www.asyura2.com/07/war88/msg/563.html
投稿者 近藤勇 日時 2007 年 2 月 07 日 17:36:39: 4YWyPg6pohsqI
 

元ネオコン論客が語る「アメリカの終わり」
http://www.janjan.jp/world/0702/0701238700/1.php

 昨年12月16日、国際政治学者フランシス・フクヤマ氏が、東京の外国特派員協会で講演を行った。昨年2月に出版した著書『America at the crossroads(岐路に立つアメリカ)』の日本語版『アメリカの終わり』の記念講演である。

 1月10日、「イラク新政策」の発表に際し、ブッシュ大統領はこれまでの政策の失敗を認める一方で2万人以上の米兵の増派を決めた。各種の世論調査で、アメリカ国民の2/3以上がこの増派に反対しているという結果が出ている。共和党の中からも反対意見が噴出した。まさにアメリカは今、重大な岐路に立たされている。

 フクヤマ氏はブッシュ政権の外交政策の柱であるネオコン(新保守主義)の論客として知られていたが、2006年2月、『America at the crossroads』によってネオコンからの“離脱”を公に宣言した。この著作は、彼が2005年4月にイェール大学で行った講演が基になっている。この講演が行われた頃には、米英軍によるイラク空爆開始から2年が経ち、米兵の死者が1,500名を超えた。

 “離脱宣言”の講演から12月の日本での講演までには2年近くのタイムラグがあるが、「ネオコンサーバティズムは、政治的な信条としても思想としても、私にはもはや支持できないものになってしまった」という彼のスタンスに変わりはない。彼はこの本で、過去を分析して、どのような形でどのような理由で我々(アメリカ人)はイラクにいるのか、なぜこういう現状があるのか、ということを明らかにしている。

 ブッシュ政権で活躍しているライス国務長官など多くの面々は、フクヤマ氏の昔からの友人あるいは同僚である。「長くつきあっていただけに、過去5年間の動きに幻滅する」と、期待を裏切られた胸の内を語った。今回の講演の半分ほどは、著作に準じてネオコンの政治思想というのがどのようなものか、彼の「盟友」たちの失敗がどういった判断に因るものだったか、の説明に費やされた。イラク政策の失敗とそれに伴うネオコンの終末については言うまでもない。ここでは彼の言説のうち、とくに印象に残ったいくつかを紹介する。

       ◇          ◇

北朝鮮などの核について―
 現在、イランや北朝鮮の核の脅威に対面しているが、「予防戦争」という手段は解決策にならないと思う。イラクの例のように、もし大量破壊兵器問題に関してそれを抑止できるというふうに当時考え、他の「悪の枢軸国」にも「予防戦争」を適用するとすれば、リビアに関しては効果を与えたかもしれない。しかし、イランと北朝鮮に関してはそれは逆効果だった。これら二ヵ国というのはイラクの状態を見て、むしろ核兵器を持ったほうが抑止力につながるというふうに考えた。だから現在そのような結果に私たちは直面することになっている。

アメリカの指導力の低下について―
 ブッシュ政権が開始したとき、クリントン政権のバルカン半島でのつまづきを見ていた。そこで持った前提というのは、自分たち(アメリカ)の安全を保障するために必要な行動を取るための正当性は、国連やEU、国際社会からは得られないということだった。ブッシュ政権がそのような考えを抱いたのは、「ヨーロッパ人はけっしてリスクの高い外交政策に関しては満足してはいなかった」と考えた結果であり、そしてまた国際社会に対する軽蔑的な態度があったためである。

 アメリカの軍事費は他の世界全部の軍事費を合わせたほどの金額に上る。そして8,000マイルも離れた国に侵攻して行く。そのようなアメリカの行動に対して他国が同じように反撃できない状況がある。ブッシュ政権は、それに対する抵抗がどのくらい広汎なものか、非常に根深い反米主義というものを見過ごしていた。アメリカが主導する、非常に自己利益しか考えない世界経済に対する対応の仕方などが多くの抵抗を生んだ。そして「アメリカは自分たちの社会をアメリカの思いどおりに変えようとしている」と、人々が思い込むようになっている。

 多国間主義に対して非常に消極的な態度や行動の結果として極めて反米主義が高まってしまった。しかし日本は例外で、おそらく反米主義がもっとも低い国が日本である。ヨーロッパ、とくにイスラム諸国においては、非常に広汎な反米主義が見られている。きわめてアメリカに対して積極的な憎悪の感情が見られ、しかもアメリカがしている民主主義の推進や人権の推進などといった良い面までにも悪い影響を与えてしまっている。近代化とか民主主義といったものが引き起こす問題に対するバックラッシュ※として、現在、過激なイスラム主義グループなどが出てきており、テロリズムが増えている。民主化を推進するな、というわけではないが安全保障政策のベースに置くのはどうかと思う。

※バックラッシュ【Backlash)】(参照:ウィキペディア)

アメリカの政治状況について―
 アメリカにおける政治状況というのが、民主・共和両党が非常に分裂した状態にある。そしてまた、これからも大きなバックラッシュが起こる可能性がある。しかし今後の状況というのは、たぶん複雑な過程を経てゆくと思う。そして政党の指導力が今後数年どうなるかにもかかっている。

 民主・共和両党は、おそらくさまざまな意味でまた分裂していくだろう。極めて保守的な共和党の支持基盤が堅いナショナリストの州では、共和党はどちらかというと孤立主義に傾いてゆくだろう。そして外交政策に関しては、アメリカに直接の脅威があるときだけ関心を払うということになっていくだろう。もっと深い構造的なアメリカの外交に対する関与というのは望まないのではないか。

 ワシントンの外交政策を考えてみると、理想主義を軽蔑するような態度、ネオコンのようなアジェンダというのが支配的だ。ネオコンはまだ存在しているし、まだテレビにも出演してまだ論陣をはっている。なぜ過去4年間から彼らが何も教訓を学ばなかったのか驚くべきことだ。しかし、この(イラクの)問題に関しての彼らの影響力はすでになくなったと思う。
 
 民主党に関しては、私がリベラルな人々と話しをするときに驚くのは、彼らが非常に憤っているということだ。これは端に政策的な間違いだったということではなくて犯罪的なことだったと。嘘をついてアメリカ人を意図的に騙したのだと。だから、これは犯罪者として訴追するべきである、という憤りがある。
 しかし一方で、もしも民主党がこのようないわゆる本能に従ってこれから2年間の大統領選に臨めば、おそらく選挙には勝てないだろう。したがって、この2つの派の間で揺れ動くことになるだろう。

(藤野俊耿)

 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ      HOME > 戦争88掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。