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米国はどこへ行くのか――堕ちた信用、繁栄の経済 [メディア・レボリューション]
http://www.asyura2.com/07/war89/msg/197.html
投稿者 white 日時 2007 年 2 月 24 日 20:47:11: QYBiAyr6jr5Ac
 

□米国はどこへ行くのか――堕ちた信用、繁栄の経済 [メディア・レボリューション]

 http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070223-04-0801.html

2007年2月23日
米国はどこへ行くのか――堕ちた信用、繁栄の経済
 私は、昨年12月末から今年1月20日過ぎまで、3週間余り、米国を取材旅行した。ブッシ政権が無謀にも仕掛けたイラク戦争の失敗が明らかになり、11月の中間選挙で民主党が上下両院で過半数を得たことによって、米国の政治・外交の流れが大変化することが避けられなくなったからである。
 ブッシュ政権が続く今後2年間、米国はどこへ行くのであろうか。米国の信用失墜は余りにも大きく、米国民は自信を失い、立ちすくんでいる。内政、外交とも再建の見通しはまったく立っていない。
 

聞きしに勝る大統領の孤立
 私は、3週間で約40人に会ったが、共和党員を含めて、ブッシュ大統領が12月下旬に発表した新イラク政策を批判しない人は一人もいなかった。それは当然である。米国人は、政治・経済・外交はもちろん、日常生活でも戦略を重視する。戦略なくして、問題解決はありえないと考えるからである。ところが、新イラク政策には戦略がまったく欠落している。したがって、党派を問わず、新政策に失望するどころか、あきれ返っているのである。
 ホワイトハウスに近い共和党関係者によると、ブッシュ大統領が新イラク政策を策定する時、ホワイトハウスにいたストラテジスト(戦略を立てられる人)はチェイニー副大統領を筆頭に4人いた。しかし、4人ともイラク侵攻を推進した人々だから、権威は落ち、新イラク政策策定に当たっての発言権はほとんどなかった。パウエル・前国務長官やアーミテージ同副長官が残っていれば、ネオコン・グループ(新保守派)中心ではない新戦略を打ち出すことも可能だったろうが、彼らは2年前に政権を去っているのだから、どうにもならない。
 また、ライス国務長官、ハドリー安全保障担当大統領補佐官に頼ろうとしても、彼らはストラテジストではない。
 このようにストラテジスト不在のホワイトハウスで、自身で戦略を描けないブッシュ大統領は、自らの信念だけで新イラク政策を策定することになったという。この場合、「大統領の信念」とは何か。「9・11事件の直後に公言したように、“自分は地球上のテロリズムを根絶するために、神から送られた大統領である”という信念だ。これでは神がかりではないかと、信じがたい気持ちになるが、これが現在のホワイトハウスの現実なのだ」と複数の共和党関係者は証言している。
 

今後2年間、米国外交は迷走必至
 私がインタビューしたすべての人々が「ブッシュ政権下の米国は、イラク、中東、アジア、ラテンアメリカを含む、世界のすべての問題を解決できないだろう」と答えた。米国のインテリも、良識ある国民、マスコミも、すべてが今後の米国外交に絶望している。だから、彼らは外交の先行きを積極的に語りたがらない。2008年の大統領選が、今からマスコミの中心テーマになるのは、「新大統領の下で新外交政策が打ち出されるまで、米国の世界政策は無力で、迷走する」と、大部分の国民が考えているからである。
 

ホワイトハウスと議会の関係は?
 多くの国民、とりわけ、経済界が懸念しているのは、今後のブッシュ政権と民主党が支配する議会の関係である。イラク政策でも、大統領は軍隊の増派をいったん決めれば、議会が反対しても、強大な憲法上の権限によって増派は可能である。しかし、そのための予算は議会の賛同が不可欠なので、多数派の民主党があくまで反対すれば、ブッシュ大統領の新イラク政策は遠からず機能不全に陥る。ホワイトハウスの経済政策に議会が徹底して抵抗すれば、大統領の経済運営が迷走するのは確実である。
 しかし、共和党筋、民主党筋とも、「現実には、ホワイトハウスと議会・民主党の対決(confrontation)はないだろう」と予測する。その根拠は、1)民主党はブッシュ政権の外交政策と安全保障政策を批判するが、具体的な代替政策を持っていない 2)両党のリーダーの最大関心事は次期大統領選であり、民主党も、国家運営を混乱させた場合、一般国民の批判を浴び、大統領選で不利な状況に追い込まれるのを最も恐れている、の2点である。
 すでに、イラク戦争のための予算追加に反対する民主党リーダーには、イラク駐留兵士の家族から「すでに増派されているのに、予算が増加しなかったら、武器、弾薬の不足などで、私たちの夫や息子が死傷する可能性はこれまで以上に高まる。追加予算の削減は止めてほしい」という請願の手紙が山のように寄せられている。その結果、民主党リーダーは大統領選への影響を心配し、対決姿勢を弱め始めているという。
 

安倍政権に問われるブッシュ政権との間合い
 このようにレームダック(足が不自由なアヒル→機能麻痺した)化したブッシュ政権と、安倍政権はどのように付き合っていったらいいのだろうか。小泉政権は「ベッタリの関係」を選択し、イラク政策を含め、ブッシュ政権の大部分の政策に追随した。しかし、ブッシュ政権の現状から考えても、もはや追随するわけにはいかない。また、安倍首相は性格上、ブッシュ大統領と小泉首相がつくったのと同じような個人的関係を築くこともできないだろう。とはいえ、安倍政権は、米国から「安倍政権は対米関係を薄めようとしている」と反発を買うような行動を避けざるをえない。非常に難しい判断を迫られている。
 日米首脳会談は4月末から5月初旬にかけての連休中に行なわれる可能性が高いが、安倍政権はブッシュ政権との間合いを誤ると、内政に続いて外交でもつまずく恐れがある。対米外交上の、もう一つの問題は、2008年の大統領選で勝利する可能性の強い民主党にどう接近するかである。加藤良三・駐米大使は、ホワイトハウスに食い込んでいるという点で、米国で評価が高い。しかし、駐米大使館全体が民主党との関係が非常に弱い。また、安倍首相をはじめ、政権内や周辺の政治家も民主党との関係をほとんど持っていない。安倍政権は、当面、ブッシュ政権とどのような間合いを取るかで精一杯かもしれないが、対米外交における中期戦略の欠落は、数年後に、大きな打撃となって跳ね返ってくる恐れがある。 

好景気が続く米国経済――消費好調、ほぼ完全雇用
 政治・外交がボロボロ状態の反面、経済は昨年夏以降も好景気が持続している。昨年来、心配された住宅バブルの崩壊も危機の山場は越えたようで、ウォールストリートからは「すでにソフトランディングした」という声さえ聞かれる。原油価格もかなり安定したことから、昨年のクリスマス商戦以降、消費が再び盛り上がっている。雇用が現在、ほぼ完全雇用の状況で、賃金が上昇傾向にあるため、それをきっかけとするインフレが、一部で懸念されているほどだ。今年中の経済成長率は3%前後に達するというのが、大方のエコノミストの見方である。
 最近、米国で注目を浴びている経済論争は製造業を巡るものである。「米国の最後の製造業」ともいうべきビッグ・スリーが構造的不況に陥っているためで、「事実上、製造業のない国にしてしまってもいいのか」という声が自動車業界以外からも出ている。
 しかし、経済界の大勢は、「サービス業が産業全体の75%を占めている産業構造で問題はない。米国の企業はイノベーション(技術革新)によって、他の先進国以上に労働生産性を向上させ、利益率も高い」と、自信にあふれている。サービス産業のうち、利益率が高く、急成長しているのは金融、健康、教育、情報のセクターである。これらの分野では、90年代以降、従来の常識を破るニュービジネスモデルが続出しており、売上高や収益の規模が急ピッチで伸びているだけでなく、雇用も大幅に拡大している。サービス産業の将来について、ウォールストリートの複数のエコノミストは次のように話す。
 「日本では、サービス産業は生産性が低いというのが常識だが、それは大きな間違いだ。米国では、サービス産業の生産性は製造業以上に高く、その結果、産業界全体の企業収益も向上してきた。米国経済は、将来も、収益性の高いサービス産業がリードし続けるだろう。日本人は、イノベーションの種が尽きてしまうのではないかと心配しているようだが、そんなことはない」
 

ヒラリー・マケイン対決か、しかし、未知要素も
 最後に、選挙の2年も前から白熱の様相を呈し始めた2008年大統領選に触れておく。
 大統領の座の奪還を目指す民主党陣営では、すでに、ヒラリー・クリントン上院議員とアフリカ系のオバマ上院議員が正式に出馬を表明した。このほか、エドワード元上院議員(04年選挙の副大統領候補)、バイデン上院外交委員長らが名乗りを上げると見られている。
 ダークホースはヒスパニック系のリチャードソン・ニューメキシコ州知事。今のところ、ヒラリー上院議員がリードしているが、オバマ上院議員は明るさと雄弁さで人気を集めている。
 一方、共和党陣営では、マケイン上院議員とジュリアーニ元ニューヨーク市長が先頭を競っている。マケイン上院議員は中道系で、集金力でも勝れている。ジュリアーニ氏は現在、人気1位だがリベラル派で、幅広い支持を獲得できるかが課題。このほか、ロム二ー前マサチューセッツ州知事、ブラウン上院議員、ギングリッチ元下院議長らの出馬が音沙汰されている。
 専門家の間では、「現在の情勢から見る限り、最終的にヒラリー・マケイン対決になる」という予測が最も有力。、この場合、「二人とも非常に感情的な(emortional)人間だから、感情を抑えて、冷静に戦い抜いた方が勝ち」という見方が出ているのは興味深い。(早房 長治)
 

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