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イラク、ニネヴェ県の刑務所から囚人が大量脱走(News from the Middle East)
http://www.asyura2.com/07/war89/msg/720.html
投稿者 gataro 日時 2007 年 3 月 14 日 14:23:56: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20070312_110600.html から転載。

イラク、ニネヴェ県の刑務所から囚人が大量脱走
2007年03月11日付 al-Sabah al-Jadid紙

■ バードゥーシュ刑務所からの「大脱走」

2007年03月11日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HPイラク情勢面

【モースル:本紙】

近年、バードューシュ刑務所を襲撃し囚人を逃がそうとする事件が増えたが、6日火曜日に発生したのはその最新のものである。

ニネヴェ県北西20キロに位置するバードューシュ地区は、その刑務所で知られる。法務省が管轄する「地方矯正刑務所」は、国内では「アブー・グレイブ」に次ぐ大きさで、1979年着工86年に完成した。2キロメートル四方の敷地を高さ4メートルを超える塀が取り囲み、門前と内外に監視所が点在する。内部では、重刑者用、刑の軽い者用、刑期終了後の矯正施設に棟が分けられている。塀の上には鉄条網が張り巡らされているが、脱走の試みは繰り返され集団脱走さえ起きている。

始まりは、2006年12月9日に看守に助けられ脱走した、「アイマン・サブアーウィー・イブラーヒーム・アル=ハサン」だった。調書によれば1971年生まれのアイマンは国際法の博士号を持つ。2005年8月26日、バグダードの中央法廷でイラク政府並びに米軍に敵対した疑いで6年間の刑を下された。アイマン・アル=サブアーウィーの件については、刑務所長とその補佐が職務怠慢の疑いで拘留された以外の措置は取られなかった。

彼の脱走から20日後、犠牲祭の3日目に刑務所内で暴動が起きた。数名が食堂に放火し消火班の手を煩わせる傍ら、他の数名が面会に来ていた女性や子供に紛れて脱走を試みた。

刑務所内は幾つかの区画に分けられ、各区画は8つのホールから成る。暴動が起きたのはその内の1ホールだけである。そこでは家具が破壊され火が付けられた。刑務所長アリー・マフムード中佐によれば、スーダン、エジプト、ソマリア、トルコなどの国籍の囚人がいる他のホールでは脱走を試みるものは見られず、モースル市出身の囚人が収監されている特定の棟にのみ不備があった模様。

その2日後、法務省の決定により、バードゥーシュ刑務所の囚人には30日間の面会禁止措置が取られ、暴動に加担した囚人のうち37名がスレイマニーヤ県のスーサ刑務所に移送された。警察署長、ワーシク・ムハンマド・アブドゥルカーディル准将は、更に、刑務所内で囚人が所有する携帯電話の没収を命じた。

それにもかかわらず、先週火曜5時15分、武装グループが刑務所を襲撃し、内部からの抵抗をほとんど受けず収監者を脱走させた。

モースル市治安委員会責任者のヒシャーム・アル=ハムダーニー県議員によれば、襲撃については事前に予期されていたにも関わらず、しかるべき措置が取られなかった。ニネヴェ警察情報局長ヤヒヤー・カーシム中佐が、収集した情報を元に、2月8日と17日付で報告書2通を作成しており、その内容は、アル=カーイダ、並びに「イスラーム国家」に属するアブー・ウマル・アル=バグダーディーが、バードゥーシュ刑務所を襲撃し特定のアラブ国籍の囚人を解放する目的で、武装した300名と共にモースル市に入った、というものであった。手榴弾と毒ガス弾が用いられる予定の計画は細かく立てられていた。

アル=ハムダーニー県議は、報告を公式文書として県議会長に上げ、治安組織に関わるあらゆる会合で本件を提起した、一方でカーシム中佐も同報告をしかるべき方面に送ったが、それらに対する関係方面の応答が無く、結果として襲撃が起きたと述べている。県議会内で開かれる定例治安会合は、県、警察、軍、モースル駐留米軍から責任者が出席し県内治安状況を協議するものである。

襲撃事件の先触れとして、イラク軍が駐留するアル=ヤルムーク地区で仕掛け爆弾が爆発、市民3名が死亡17名負傷、軍関係者が1名死亡1名負傷した。

警察幹部のアハマド・アブドゥッラー中佐が電話で述べたところによれば、バードューシュ刑務所へ通じる道に爆弾が仕掛けられ、治安軍の展開を妨害した。そのうち幾つかが実際に爆発し、当該地域の電気も切断されていた。武装した襲撃者は18台の乗用車に3名づつ分乗し、各種の武器を積んだトラックを含む3台に補佐されていた。襲撃者は、始めに刑務所を囲む監視塔を狙い警備員5名を拘束、彼らを人質としてメインゲートの警備員を脅し爆弾を用いて門を開けた。

刑の軽いイラク人収監者の居る場所へ入った彼らは、アラブ国籍の者が何処に居るのかを訊き、教えられた場所で、リビア、シリア、ヨルダン、サウジ国籍及び、17名のイラク人、アル=カーイダ所属とされるイラク人4名を含む44名を逃した。この間2名が死亡。重刑者の棟にもアラブ人捕囚がいると聞かされ、彼らはそちらも破ろうと試みた。逃亡したのは計140名で、刑の軽い収監者の棟からのみである。しかし内70名は刑期が終了に近づいていたのでこれを追求せず、他70名中42名をイラク治安部隊がシリアとの国境で拘束した。

ヒシャーム・アル=ハムダーニー県議は、刑務所内の治安部隊の責任について述べた。首相命令により彼らは拘留され、調査の結果、職務怠慢と思われる人員には法的措置が取られた。また、刑務所管理制度の中に新たに軍と警察の共同部隊が導入された。

ヤヒヤー・カーシム情報局長は、上記の報告書作成の事実と内容、並びに関係方面へ伝達したことを裏付けつつ、襲撃計画に備え阻止する事は情報局の任務ではないとした。また、脱走した囚人たちと一部の看守の間で事前の合意があった点を述べた。

ニネヴェ警察署長によれば、襲撃計画が実行される間、武装グループの一部は現場への当局のアクセスと支援を断つ狙いでモースル市の各地区に散開していた。

現地の新聞はこちら ⇒ http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/sabahjadid/070311sabahjadid_kiri.mht

(翻訳者:十倉桐子)
(記事ID:10378)

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