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ハーシミー副大統領:NHKとのインタビュー
http://www.asyura2.com/07/war90/msg/290.html
投稿者 妹之山商店街 日時 2007 年 3 月 24 日 01:50:04: 6nR1V99SGL7yY
 

(回答先: ハーシミー副大統領が武装勢力との対話を呼びかける 投稿者 妹之山商店街 日時 2007 年 3 月 23 日 01:58:13)

NHKとのインタビュー(きょうの世界)3/23
澤畑剛記者
<日本は航空自衛隊の活動を延長しようとしていますが、
この方針をどのように評価していますか>

イラクの治安の安定は中東全体の安定に不可欠です。
中東が安定すれば石油供給も安定します。
日本にも大いに関係する問題です。
イラクでの自衛隊の活動は日本の安全を守ることに貢献しています。

<一か月前バグダッドで始まった軍事作戦をどう評価しますか>

最近バグダッドでは治安が回復しつつあります。
一部でシーア派組織が活動していますが、全体的には改善しています。
宗派対立はシーア・スンニ双方の過激派が引き起こしています。
ですから軍事作戦は双方を標的としなければなりません。
シーア派過激派の代表はマハディ軍であり、
スンニ派過激派の代表はアルカイダです。
今回の作戦の内容が開始の数か月前に公表された為、
皆バグダッド周辺や近隣諸国に逃げてしまいました。
今回の作戦でバグダッドからは民兵組織が一掃されたとはいえ、
今後も民兵組織が戻ってこない保証はありません。
作戦の手を緩めたとたん、対立が再燃する可能性もあります。
対立の再燃を防ぐには国連や関係する国が
シーア派民兵組織マハディ軍もテロ組織として認定すべきです。
さもなければ彼らが戻ってくるのを防ぐことはできないでしょう。
マハディ軍もアルカイダ同様テロ組織として扱うべきです。

イラクのスンニ派は中央集権国家の樹立や独裁制の復活を
決して望んではいません。
しかし一つ確実に言えるのは、
現在のイラクの政治情勢では連邦制導入は極めて難しいということです。
もし今連邦制を無理に導入すれば
自治区の間で資源の分配を巡り大きな争いが始まるでしょう。
それはいずれ内戦へと発展しイラクの解体につながりかねません。
連邦制導入はイラクに混乱や内戦をもたらすだけです。
ですから現段階では我々はこの案を支持できません。
シーア派だけが権力を独占する現在の状況は間違っています。
連邦制を見直し、イラク人誰もが平等に暮らせるようにすべきです。


<参考>:イラク・イスラム党
モフセン・アブデル・ハミッド氏:シーア派。キルクーク出身。
ムスリム同胞団のイラク内の組織であるイラク・イスラム党の書記長。
同党は1960年に創設されたが、1961年には活動を禁止されている。
コーランの解釈本を30冊以上出している。イラク・イスラム党を再結成した
容疑で1996年に拘禁された。
http://www.idcj.or.jp/1DS/11ee_josei030716.htm

80年1月イスラム党とダワ党が,フセイン派幹部の暗殺を試みるも失敗。
http://www10.plala.or.jp/shosuzki/edit/neareast/neareast1.htm

「1960年の政党活動の許可は、(中略)わずかな数の政党のみに認可が
 与えられた。愛国民主党、クルド民主党、(中略)イスラーム党という
 宗教政党が認可された」(「イラクの歴史」明石書店 P.240)
「しかし、イスラーム党が政府の立法概要がシャリーアに反しているとして
 批判を加えた1960年10月には、多くの党員が逮捕され、党機関誌は発行停止に
 処され、一部の支部が閉鎖された」(同書 P.242)
(同時にイラク共産党も非合法化され弾圧された)
「政治の分野では、地下組織が普通になった」(同書 P.243)
(バース党や宗教勢力は共産党への「秘密の戦争の遂行」を行っていた)
 
「イラクではシーア派中心に、50年代後半から当時の左派系軍事政権に反発して
 イスラーム主義政党が結成されてきましたが、実はスンナ派はそれらに先んじ
 て、ムスリム同胞団の政治組織であるイスラーム党や、イスラーム解放党など
 を結成していました。しかしシーア派同様、70年前半には大半のスンナ派
 イスラーム政党も、バアス党政権によって活動を禁じられ、弾圧されて衰退し
 てしまったのです」(「イラクはどこへ行くのか」酒井啓子 P.40)


「2003年8月時点でイラクのスンナ派の主要3派はムスリム同胞団、イラク・
 イスラーム党、サラフィー運動であるが、新サラフィー主義と位置づけられる
 海外からのイスラーム活動家も流入しており、ゲリラ活動に経験のないイラク
 ・スンナ派組織がこうした先達から学習している」
「「スンナ派宗教宗教界はフセイン政権下で政治的台頭を許されなかったが、
  シーア派勢力はイランなどの庇護もあって政治活動の機会を持ち、すでに
  10以上の政党を超えている。よって選挙はシーア派に利益をもたらす。
  シーア派が選挙を要求する背景には個人的利益、代表性の確保への志向が
  強い」とシーア派の早期選挙実施を批判している」
(「中東・中央アジア諸国における権力構造」酒井啓子 P.263,P264)


 イラク・イスラム党は、1960年に創設。ムスリム同胞団の政治組織。
しかし、すぐに非合法化される。
 フセイン政権崩壊後、多くの政党が雨後の筍のように現れました。
イラク・イスラム党やイラク共産党、ダアワ党、SCIRI などの、
フセイン政権下で非合法化されていた政党。
(非合法化せれても国内で非合法活動を行っていたのは、共産党、ダアワ党、
 イスラム党であろうと思われます)
(指導部が海外に亡命していた党も多いと思います)

アラブで、アラブ民族主義系の世俗派政権は、同時に独裁政権ばかりなのですが
イスラーム運動に対しては、多かれ少なかれ抑圧・弾圧していたと思います。
(エジプト、アルジェリア、シリア、イラク等)
エジプトのムスリム同胞団は度重なる弾圧の末、過激派を生み出しました。
(クトゥブなどの過激なイデオローグやザワヒリなどの活動家。)
アルジェリアのイスラム過激派もイラクで活動していると言われています。

シリアのバース党は、
「1982年水車で有名な街ハマでムスリム同胞団と住民の大虐殺(五千〜一万)
(数百人に及ぶムスリム同胞団によるテロへの報復)」を行いました。
(「シリアとレバノン」小山茂樹(東洋経済新報社))

 ヨルダンでは、ムスリム同胞団は合法政党で、国会に議席も保有しています。
まあ弾圧するより、ガス抜きさせている、あるいはパレスチナ住民が多いので、
PLOへの対抗軸として、政治的に利用されているという側面もあると思われます

 そういう意味では、ハマスの創設も同様に、イスラエルにより積極的に支持され
資金援助まで受けていました。PLOがアラブ民族主義やマルクス主義によって
主導されていることに対して、それへの対抗軸として政治的に利用しようとした
ものと推測しています。


「崩壊した「国家」の代役を果たしたのは、もっぱら宗教的ネットワークや部族
 的紐帯などに支えられた地域共同体であった。」
「国家に徹底的に侵食されたと思われていた「社会」が、存外に自主性を維持し
 ていたのはなぜなのだろうか。アメリカは「イラクの民主化」という高邁な
 理想を掲げたが、その「民」が帰属する「イラク社会」をどこまで理解して
 いたのだろう。そもそもポスト・フセイン体制下の新しい政権がよって立つ
 べき「社会」とは、一体何なのか」(p.170)
「実際に政権が倒れてみれば、「社会」は不在ではなかった。そこではっきりと
 表出した「社会」とは、アメリカが最も見たくなかったはずの「イスラーム」
 であった」(「イラク 戦争と占領」酒井啓子(岩波新書 P.170)

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