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分割統治:ブッシュの破滅的バグダード計画(Falluja, April 2004 - the book)
http://www.asyura2.com/07/war91/msg/501.html
投稿者 gataro 日時 2007 年 4 月 22 日 11:33:09: KbIx4LOvH6Ccw
 

(回答先: 米軍/イラクに分離壁/首都住民の生活困難に(しんぶん赤旗) 投稿者 gataro 日時 2007 年 4 月 22 日 11:21:40)

http://teanotwar.seesaa.net/article/38990674.html から転載。

2007年04月17日
分割統治:ブッシュの破滅的バグダード計画

ブッシュがバグダードで計画している包囲狩り出し作戦について。
分割統治:ブッシュの破滅的バグダード計画
ロバート・フィスク
2007年4月13日
インディペンデント紙
ZNet 原文

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ジョージ・ブッシュ大統領がバグダードに兵士を「大規模に送りこ」んでいるにもかかわらずいっそう激しくなった反乱に直面して、バグダードの米軍部隊は、大規模な、そして疑問の多い対ゲリラ作戦を計画している。この作戦は、バグダードの広い地域を封鎖して地域全体をバリケードで囲み、新たに発行されたIDカードを持っているイラク人しか中に入れないものである。ベトナム戦争で最初に用いられたこの「コミュニティ包囲」作戦は、バグダードにある89地区のうち30地区を対象としており、これまで米軍がイラクで行った中でも最大の隊ゲリラ作戦となる。

これまでにもこの方法は用いられ、散々たる失敗に終わっていた。米軍がイラクでこれを開始することは、既に3200人の米軍兵士の命を奪ったイラク人ゲリラに対する戦争に米軍が「勝つ」決意と同時に、イラクが内戦状態に陥りつつあることに対して米国に為す術のない状況を示している。外国が占領している場所で一定地区を封鎖し「門を設ける」方法は、アルジェリアでフランスがFLNのレジスタンスに対する戦争で用いて失敗しているし、ついで米国がベトナムで用いて失敗している。イスラエルもパレスチナ領土を占領し、同様の手段を講じているが、ほとんど成功していない。

けれども、この作戦は、バグダード平定よりもはるかに大きな軍事的野望を伴っている。米軍はどうやら今や、バグダードの南と東に約4万人からなる機甲旅団5つを配備しようとしている。そのうち少なくとも三旅団は、首都とイラン国境とのあいだに配備される。イランにとってこれは、今年これからのいつか、イランの核施設を米国あるいはイスラエルが軍事攻撃したときに、強力かつ潜在的に攻撃的な米軍部隊が国境近くにいることを意味する。

インディペンデント紙が入手した情報によると、最新の「治安」計画を仕組んだのは現在の米軍バグダード司令官デヴィッド・ペトラウス将軍で、カンザス州フォート・レベンワースで6カ月にわたるコースが開かれていたときのことだという。コースに出席していた人物たち----イラクに駐留する米軍の将軍たち、米軍海兵隊の上級士官たち、そして一部の報道によると少なくとも四人のイスラエル軍上級士官たち----が、イラクでの破滅的な戦争を「方向転換」するためにもっとも良い方法は何かについて一連の議論を行った。

新たな米軍の計画は、当初、バグダードの市場地域およびシーア派ムスリムが多数を占める地域の確保を強調していた。兵役適齢にある男性を逮捕することが重要だった。IDカード計画は、2005年の早い時期にタルアファルでペトラウスの部下、とりわけ第三機甲連隊のH・R・マクマスター大佐が導入したものに基づいている。タルアファルでは、戦闘員と武器の動きを阻むために町の周囲に8フィート(約2・5メートル)からなる「盛り土」が作られた。ペトラウス将軍はこの作戦を成功と見なしているが、実際のところ、シリア国境近くの町タルアファルはその後ゲリラの制圧下に戻っている。

これまでのところ、バグダード作戦は、市内の文民居住区のいくつかに米軍の詰め所を数カ所設置するだけにとどまっている。けれども、新たな計画では、「壁」で隔離する予定の30地区のうち9地区で米軍とイラク軍の共同「サポート基地」を作ることになる。要塞化した建物に設けられるこれらの基地から米=イラク軍兵士たちは文民地区の町から民兵を追い出し、それから地区を閉鎖して住民にIDカードを配る予定になっている。それらの「包囲されたコミュニティ」に入ることを許されるのは住民だけで、米軍とイラク軍の兵士たちが地区のパトロールを続けることになる。「訪問者」登録、「包囲されたコミュニティ」街での住民の移動制限など、通過規制体制が敷かれる可能性は高い。民間人は、「人口の統制された」監獄の中に暮らすことになるかも知れない。

理屈から言えば、これによって米軍が好んで呼ぶところの「安全な環境」になるのだから、そのもとで米軍は物理的な再建作業に集中できることになる。けれども、イラクにアルカーイダが入り込んではいるものの、ゲリラは外国人ではない。彼らは「包囲」される地区の出身者であり、ゲリラだとわからなければIDカードを所有することになり、他の人々とともに「閉じ込められる」ことになる。

ペトラウス将軍の計画している作戦を熟知しているベトナム戦争時の元米軍士官は、それがもたらす結果について懐疑的である。「イラク軍にいるスンニ派兵士はまずゲリラに忠誠を誓っている」と彼は言う。「シーア派が第一に忠誠を誓っているのは自分の政党の党首とその民兵である。イラク軍にいるクルド人が何よりも忠誠を誓うのはバルザーニかタラバーニである。独立したイラク軍などというものは存在しない。彼らにはただ選択肢がないだけである。彼らは家族を飢えと報復から救おうとしている。かつては、統一イラクを信じていたかも知れない。かつて彼らは世俗的だったかも知れない。けれども、米軍の侵略が引き起こした暴力と残虐行為により、人々が抱いていた進歩的な考えは燃え尽きた・・・・・・イラク軍部隊に属することになる米国人は常に命の危険にさらされる」。

昨年12月に陸軍省で作られFM3−24のコードネームで知られる対ゲリラ野戦マニュアル----発展性がある内容だが公式には「制約を受けている」とされる----を起草したのは、この新たなバグダード「治安」計画を作りだした上級将軍たちである。このマニュアルは、「コミュニティ包囲」作戦を名指しで提唱しているわけではないが、このマニュアルが述べる原則の一つは文民と軍の活動の統一であり、そこでは、南ベトナムにおける「文民作戦と革命展開支援チーム」が言及され、また、1991年のイラク北部におけるクルド人難民の支援、そしてアフガニスタンでの「地域再建チーム」----軍への協力を人道援助の条件としたことで大きな批判を浴びた ----が言及されている。

FM3−24は、イラクの暴力をなくすために対ゲリラ部隊がしなくてはならない行為をあからさまに分析している。「優れた諜報があれば」「対ゲリラ作戦は他の組織を傷つけずにガン細胞を除去する外科手術のようなものである」と同文書は述べる。けれども、別の上級米軍士官もまた、地域「包囲」計画について悲観的な結論に到達している。「追加部隊が配置につけば、ゲリラはクウェートからのコミュニケーション・ラインをできうる限り分断するだろう」と彼はインディペンデント紙に語った。「バグダード市内でもそうするだろう。米軍はそこで、ヘリコプターにますます依存することになる。ヘリコプターがパトロール基地に降下するときは狙われやすい。敵はできるだけ多くのヘリを撃墜しようとするだろう。ゲリラはまた、パトロール基地を一つずつ破壊しようとするだろう。包囲されたコミュニティ内部の人々の助けを借りて自分たちが中に入り込むことでこの作戦は始まる。イラク軍兵士たちが戦わないか、あるいはゲリラを支持する基地を選ぶだろう」。

「米軍はこれに対して、大規模な火力を投下する。それにより、防衛対象となっていた地区が破壊される」。

この元士官が米軍ヘリの乗員に対して抱いている心配は、昨日、米軍のアパッチ・ヘリがバクダード中部で撃墜されたことで現実味をいっそう増している。

彼の息子は現在バグダードに士官として駐留している。「米軍が将来撤退するときに最低限の戦略的威厳を維持することができる唯一のチャンスは、侵略が引き起こした状況に対して米軍が憂慮している証拠として米軍が大規模な犠牲を引き受けた場合に限られる」と彼は言う。

「混乱を収めて秩序を創り出そうと試み、そのために犠牲を喜んで引き受けるならば、米国人が撤退するときにわずかな敬意をあとに残すことができるだろう」。

FM3−24:アメリカの対イラク新基本計画

FM3−24は220ページからなり、対ゲリラ作戦計画、戦闘訓練技術、歴史分析を内容としている。この文書はバグダードの米軍司令官デヴィッド・ペトラウス准将と米軍海兵隊のジェームズ・アモス准将が起草したもので、イラク・ゲリラに対する新たな米軍の作戦の核をなす。以下に、同文書の勧告と結論の一部を示す。


・ 一部の人にとって、人々を保護できない政府は統治の権利を放棄したことになる。イラクとアフタニスタン[の一部]では・・・・・・民兵が、まず人々の身体的安全を脅かしたうえで、超政府的存在として住民の身体的安全を守る仲裁者になることもある・・・・・・。

・ アルカーイダの語りによると・・・・・・オサマ・ビン=ラディンは自らをアフガニスタンの山中で純化した人物であり、追従者を鼓吹し不信心者に罰を与える存在と描き出している。ビン=ラディンとその追従者の集団的想像の中では、彼らはウンマ(ムスリムのコミュニティ)の没落を押しとどめて発展に転化し、西洋の帝国主義に対する勝利をもたらすイスラム史の使徒である。

・ ホスト国政府の正当性が増加するにつれて、人々は政府をより積極的に支持し始める。最終的には人々がゲリラを周縁に追いやり、ゲリラの正当性は破壊される。けれども、勝利を収めることができるのはこれが達成されたときではなく、人々の積極的な支持によって勝利が永続的に維持されるときである。

・ 米軍が犯す人権侵害は何であれすぐに地元の人々全員の知るところとなる・・・・・・捕虜の虐待は不道徳で不法で、プロのやることではない。

・ 軍兵士たちが基地に閉じこもって外に出なければ、人々との接触がなくなり、びくびくしているように見え、主導権をゲリラに譲ることになる。攻撃的な徹底パトロール、襲撃、情報収集作戦を行わなくてはならず、危険を人々と共有し、接触を維持しなくてはならない。

・ FM3−24はアラビアのロレンスの言葉を引用している:「自分一人であまりに多くのことをやろうとしないこと。アラブの奴らにまあまあの程度でやらせる方が自分が完璧にやるよりよい。これはアラブの奴らの仕事で、我々は手助けをするためにおり、奴らのために我々が勝ってやるためにいるのではない」。

・ FM3−24は、ナポレオンが占領したスペインの支配に失敗したことについて、住民に「安定した環境」を提供できなかったとして言及している。ナポレオンの闘争は、6年近く続き、ナポレオンが当初予定していた8万人の部隊の4倍を擁したと同文書は述べている。

・ もっとも硬いナッツを最初に割ろうとしないこと。ゲリラの中心的な拠点をすぐに攻撃しようとしないこと。そのかわりに安全な地域から初めて少しずつ手を広げること・・・・・・地元の人々の気分に反してではなくその気分に合わせて進めること。

・ 米軍兵士と海兵隊員が地元の子どもと仲良くなることに注意。ホームシックにかかった兵士たちは子どもと遊んで気を抜きたがっている。けれどもゲリラは見ている。兵士と子どもの友情にゲリラはすぐに気づく。罰として子どもに危害を加えたり、エージェントとして子どもを使ったりする。

インディペンデント・メディア・インスティチュート。版権所有。

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投稿者:益岡

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