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ネオコンの終焉 [池田信夫 blog]
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投稿者 white 日時 2007 年 5 月 19 日 01:29:42: QYBiAyr6jr5Ac
 

□ネオコンの終焉 [池田信夫 blog]

 http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/2a2343706404c0b30691220109b2fd62

ネオコンの終焉
2007-05-18 / Law/Politics
ウォルフォヴィッツ世銀総裁が、辞任することが決まった。WSJが批判するように、今度の愛人スキャンダルは総裁を更迭するような事件ではなく、ブッシュ政権に反感を抱く欧州諸国のイジメである。しかし、いじめられている彼をブッシュ政権が助けようとしなかったことも事実だ。彼の権力基盤が、もう崩壊していたからだ。

ウォルフォヴィッツはブッシュ政権内のネオコンの代表と見られていたが、もともと主流ではなかった。彼は国務省のポストを望んだが、パウウェルは彼を拒否し、国防総省ではラムズフェルドがすべてを決めた。ワシントンポストも指摘するように、リベラルの牙城とみられていた世銀に出されたとき、今度のような事態は予想されていた。この事件の前にも、世銀の幹部が連名で彼を批判する質問状をFTに出している。

だから今度の事件は、彼の個人的スキャンダルというよりは、ブッシュ政権を動かしてきたネオコンの政治的敗北だ。しかもその発端になった愛人が、中東出身のフェミニズム運動家だというのは皮肉である。当ブログでも論じたように、ネオコンの元祖はトロツキストや民主党左派であり、彼らは左翼の遺伝子を受け継いでいるのだ。

アメリカ的な自由と民主主義を普遍的な価値と信じ、それを暴力に訴えてでも世界に布教しようとするネオコンの発想は、革命を世界に輸出しようとしたトロツキーと同じ「ユートピア社会工学」だ。それは20世紀にいろいろな形で試みられ、多くの悲劇を生み出した。ウォルフォヴィッツとともに終わるのは、こうした「革命の時代」である。


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□ネオコンの死? [池田信夫 blog]

 http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/43de5d55d56fd721f7484c871a9b9688

ネオコンの死?
2004-09-17 / Law/Politics
Economist誌によれば、ネオコンは死んだようにみえるが、その共和党右派への影響力は残っているという。

ネオコンの源流は、トロツキストや民主党左派にあり、彼らのめざすのは「大きな政府」である点で、共和党の本流とは違う。そのイデオロギーの特徴は、「保守主義」というよりは「価値絶対主義」である。自由主義や民主主義といった米国憲法の原則は絶対的な真理であり、米軍がイラクを征服すれば、彼らは日本人のようにそれを歓喜して迎えるだろう――という彼らの自民族中心主義は、ポストモダン的な懐疑主義へのアンチテーゼなのだ。

ネオコンの教科書ともいえるケーガンの本の原題は"On Paradise and Power"で、欧州のポストモダンが冷戦後の世界を「平和の楽園」とみるのに対して、現実は逆に民族対立やテロリズムなど「力」(権力・武力)の重要性の増す時代だという。こうした混沌とした世界では、ポストモダンのようなニヒリズムは有害であり、絶対的な「自然権」にもとづく倫理が必要だ、というのが彼らの教祖レオ・シュトラウスの主張である。

疑いえない「自然な」規範が存在するのかどうかは、法哲学の永遠の争点だが、従来は「分配の正義」を主張するのが民主党で、そういう規範の存在を否定するのが共和党という色分けだった。この意味でもネオコンは突然変異であり、ブッシュ政権の主流であるキリスト教右派と似ている。現代の米国でこうした「反動思想」が勢いを得ている原因は、ブッシュ政権だけの問題ではないし、マイケル・ムーアのような下部構造決定論でも説明がつかない。

米国憲法は、ハンナ・アーレントもいうように、独立した市民が自由や平等などの抽象的な原理によって公共空間を構築できるかどうかという実験だった。しかし、その実験は200年余りをへた今、失敗したようにみえる。人々が豊かになり、飢えや生活苦から解放されるにつれて、逆に精神的な不安は強まる。米国民の9割が神を信じている(その比率は上がっている)という事実は、人間は絶対的な自由=孤独には耐えられないという平凡な真理をあらためて示している。ネオコンの背後にあるのは、こうした価値の崩壊への不安なのである。

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