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ブッシュ政権の北朝鮮との妥協政策に見る、極東アジア戦略の形骸化
http://www.asyura2.com/07/war93/msg/516.html
投稿者 DOMOTO 日時 2007 年 6 月 24 日 18:24:12: VRQtq/0DZtRLQ
 


アメリカ国務省が暴走と愚行を始めている。

「ヒル米国務次官補は、北朝鮮首席代表の金桂寛(キムケグァン)外務次官や朴宜春(パクウィチュン)外相との会談で、北朝鮮側が2月に合意した寧辺の核施設停止など「初期段階の措置」について完全に履行する意志を確認したと説明。今後、3週間以内に稼働停止が完了するとの見通しを伝えた。日米双方は、両国が今後も連携し、北朝鮮がすべての核施設の無能力化など『次の段階の措置』履行するよう協議を加速していくことで一致した。」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070623-00000004-yom-pol
「『北朝鮮核施設3週間内に停止』ヒル次官補が日本側に説明」(6月23日 読売)

アメリカ国務省とヒル国務次官補は「子供のお使い」か。

寧辺の核施設など、ブッシュ政権以降はただの「おとり核施設」、「張り子の施設」で、アメリカとの「交渉用施設」として設けられているはずだ。北朝鮮とイランの核開発で共通しているのは、戦術上アメリカの偵察衛星の目をくらますために、核施設は地下に作られている事だ。
http://otd9.jbbs.livedoor.jp/911044/bbs_plain?base=138&range=1

今月発売された、ワシントンの最新の日高義樹氏のリポート『アメリカの新国家戦略が日本を襲う』では、国防総省の情報担当者の話として、
「衛星が写した写真にある施設は、北朝鮮側が外部を欺くためにわざと作った疑いが強い。本当の施設はすべて山岳地帯の奥深くに作られている。」
「地上に露出している施設はすべて偽者だ。本当の施設は、アメリカ軍がミサイルや爆撃機で攻撃しても壊れないような岩山の奥に作られているはずだ。」
という事を挙げている。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4198623317/503-6332954-4852753

北朝鮮核問題の6カ国協議で、初期段階で双方が一致して行うと定められた措置の内容は、次の通り。
(1)北朝鮮は寧辺の核施設を稼働停止・封印し、国際原子力機関(IAEA)の要員を復帰させる(2)北朝鮮は核計画の一覧表について他の5カ国と協議する(3)米朝はテロ支援国家指定解除などの協議を始める(4)日朝は国交正常化協議を始める(5)重油5万トン相当のエネルギーを北朝鮮に支援する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070617-00000003-san-int
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/6kaigo/6kaigo5_3g.html

北朝鮮が寧辺の核施設を稼働停止・封印を履行したとしても、意味など全くない。また、第2段階措置で、IAEAの査察官が山岳地帯の奥深くに作られている核施設を見つけることなど出来はしない。IAEAの査察は「冗談」、というのが軍事常識だそうだ。

今年2月の、第5回6カ国協議で合意されたアメリカと北朝鮮も取り決めは、「(アメリカ)政府内の正当な手続きを踏まず、政策担当者の分析も行われず」、国防総省、CIA、財務省との政府機関内での会議も行われず、ブッシュ大統領の大統領特権によりライスとヒル国務次官補が決めてしまった。無能化が進むブッシュ政権は、無責任な話で、日本だけではなく中国以外の、韓国、ロシアの6カ国協議のメンバー国にも、事前相談無しだったそうだ。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4198623317/503-6332954-4852753

ブッシュ政権・ホワイトハウスは、2002年に国家安全保障戦略NSS2002を作り上げた。これは半世紀に及ぶ冷戦期のアメリカの国家安全保障NSC68に変わるもので、毎年ごとに改定されてきたが、2006年3月に出されたNSS2006において、アメリカの戦略が大きく変更されているという。
http://www.whitehouse.gov/nsc/nss/2006/nss2006.pdf

ワシントンのハドソン研究所で日米の将来予測などの研究をしている、前述の日高義樹氏はNSS2006を仔細に検討し、その分析を前著で述べている。その著作の中でNSS2006について直接的に述べているのは14ページ程だが、ブッシュ政権の極東アジア戦略を扱う章では引用回数が多い。
NSS2006におけるアメリカの戦略変更で、日高氏が一番注目し重要視しているのは、ブッシュ政権の極東アジア戦略が極めて希薄になったという事だ。日高氏はその中でブッシュ政権の極東アジア戦略について、(極東アジア戦略が)「放棄された」とか「消滅した」という言葉を頻繁に使っている。

NSS2006でブッシュ政権の極東アジア戦略が形骸化したのは、イラク戦争の長期化で、チェイニー副大統領の元首席補佐官、ルイス・リビーなどのネオコン戦略家達がホワイトハウスから去ったり、追放された事にもよる。
「イラク問題で窮地に立たされ、息も絶え絶えのブッシュ大統領は」、北朝鮮の核開発問題を含むアジアの極東戦略を放棄し、戦略の対象を、テロリズムと中東・アフリカ地域に優先的に絞り込んだという。
現実には国防総省、CIA、アメリカ海軍などが中国、北朝鮮、台湾情勢などを警戒して対峙しているが、肝心のホワイトハウスは今、極東アジア以外でも、機能不全状態に陥ってしまったと見える。

「アメリカ外交を動かしているアメリカ国務省のエリートたちは、手に負えなくなった北朝鮮問題を解決するためには、北朝鮮と国交を結んでもかまわないという考えにとりつかれている。」
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4198623317/503-6332954-4852753

2003年8月に、ネオコン主導のブッシュ政権が設けた6カ国協議は、2007年6月に、アメリカ国務省によりクリントン政権と同じ愚行を繰り返そうとしているが、それは北朝鮮の核開発問題を、今のブッシュ政権が優先度の低い問題として考えているからだ。

「アメリカは北朝鮮問題を解決するつもりがない」(日高氏)

北朝鮮に対して強硬派の元国務次官、元国連大使のジョン・ボルトンは、国務省とライスのこの計画は、早い時期に破綻すると予測している。


参考文献:『アメリカの新国家戦略が日本を襲う』 日高義樹(徳間書店 2007年6月刊)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4198623317/503-6332954-4852753


DOMOTO
http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/hunsou.index.html

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