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対NATO軍事ブロックの出現 巨大化するSCO。目的はアメリカの一極支配を崩壊させること
http://www.asyura2.com/07/war94/msg/821.html
投稿者 大西健二 日時 2007 年 8 月 17 日 07:54:37: Zg4goyIkX.Zhg
 

【ロシア政治経済ジャーナル】NO471対NATO軍事ブロックの出現
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm

★対NATO軍事ブロックの出現


全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!

いつもありがとうございます。

RPE北野です。

最近日本の話がつづいたので、一極主義 対 多極主義の話に戻しま
しょう。

動きが出ています。


▼これまでの流れ


いつものように、これまでの流れを復習しておきましょう。


1、91年ソ連崩壊。冷戦の終結

2、90年代はアメリカ一人勝ちの時代。

3、99年ユーロ誕生。ドル体制に穴があく

4、00年9月、フセインは「原油の決済通貨をドルからユーロにかえる」
と宣言。

同年11月から実際にかえてしまう。

5、02〜03年、イラク攻撃を目指すアメリカと反対陣営に世界が分裂。

攻撃に反対したのは、国連安保理常任理事国でイラクに石油利権を
もつフランス・ロシア・中国。

それとドイツ。

独仏・ロシア・中国を中心とする多極主義陣営が形成される。

しかし、それは強固なものではなかった。

ここまでが第1段階。

第2段階では中ロが一体化し、上海協力機構(SCO)を多極化の中
心組織にしていきます。

いきさつは、以下のとおり。


1、02〜03年、アメリカはロシアの石油最大手ユコス買収を目指す。

2、プーチンは最高検に命令し、ユコスのホドロコフスキー社長を逮捕。

アメリカの野望は挫折。

3、怒ったアメリカは、旧ソ連のグルジア・ウクライナ・キルギスでカラー
革命を起こす

4、激怒するロシアは、中国と一体化することを決意。05年、両国は国
境問題を解決。初の合同軍事演習を実施。

5、両国が主導する上海協力機構(SCO)は、イラン・パキスタン・イン
ドを準加盟国とし、同機構を「多極化(反米一極主義)の中心組織」に
進化させる

6、06年、ロシアはルーブルで石油を売り始め、ドル体制に大打撃を
与える

7、07年、アメリカは、旧ソ連のウクライナ・グルジアをNATOに加盟
させる計画を推進。また、東欧へのMD配備をすすめる。

で、今は何が起こっているのでしょうか?


▼SCO合同軍事演習


既に書いたように、中ロは05年から合同軍事演習を実施しています。

1回目は05年8月18日から行われました。

これは、台湾とアメリカを想定したもの。

産経新聞05年8月19日付。

「両国は今回の演習について「両国の相互理解と友好協力を促進するため
で、第三国に向けたものではない」と表明しているが、
米国の一極支配に対抗する戦略的な提携強化の一環にほかならない。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

読売新聞05年8月24日付は、台湾の反応を載せています。

「中露軍事演習、台湾外交部長が非難「地域平和に影響」

【台北=石井利尚】台湾の陳唐山・外交部長(外相に相当)は23日、読売
新聞と会見し、中国とロシアの軍事演習について、「台湾を威嚇しており、
(東アジア)地域の将来の平和に影響を及ぼすものだ」と強く非難した。」

「また、合同演習が、日米の安保協議共同声明に「台湾海峡問題の平和
的解決」が盛り込まれたことに関係があると指摘、
「台湾問題に手を出すなという、米国や日本への中国の警告だ」と述べた。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(同前)

さて、両国は今年も、8月9日から合同軍事演習を実施しています。

05年との違いは何か?


1、中国・ロシアと中央アジア4カ国が加盟するSCOの軍事演習であること。

これまでは中ロだけでした。


2、ロシアのウラル地方で実施される、対欧米・NATOの軍事演習であるこ
と。

05年の演習は、対台湾・アメリカ・日本でした。

「中ロなど6カ国 初の軍事演習 ロシア内陸で9日から

東京新聞2007年8月6日 朝刊
 【モスクワ=稲熊均】中ロを中心とする
上海協力機構(SCO)6カ国による初の合同軍事演習が、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
9日からロシアのウラル地方で実施される。

米国のミサイル防衛(MD)計画などに反発する中ロが、
北大西洋条約機構(NATO)に対抗する「軍事ブロック」形成の姿勢を
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
示し、米国の「一極支配」をけん制する狙いとみられる。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

一応詳細も見てみましょう。

「合同演習はロシア中部チェリャビンスク州で九日間の日程で実施。
中ロからそれぞれ千七百、二千人規模の部隊が派遣され、戦闘爆撃
機、武装ヘリコプター、輸送機、装甲車などが投入される。

中ロ以外の四カ国からは百五十人が参加する。」(同上)

参加国の首脳が視察する予定。

この演習を重視している様子がうかがえます。

「演習期間中、胡錦濤国家主席やプーチン大統領ら参加国の首脳、
国防相らが視察する。 」(同上)

目的は?

「演習の名目は「テロ対策」とされているが、核兵器に対する防衛が
演習に含まれているほか、米国のF16戦闘機に匹敵するロシアの「
スホイ25」や中国の「殲10」も参加することから、ロシア独立新聞は
「米軍やNATO軍を仮想敵とした演習」と分析している。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

まあ、そのとおりでしょう。

SCOが巻き込まれていることについて。

「上海協力機構は中ロと中央アジアの信頼醸成のために発足したが、
近年は米国の一極支配に対抗する「反米ブロック」
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
としての色彩が強まっており、昨年六月の同機構首脳会議にはイラ
ンのアハマディネジャド大統領を招待している。」

そして、ロシア軍の元トップも、「これは対NATOだ」と断言しています。

「ロシアのイワショフ元参謀総長は今回の合同演習について「上海
協力機構が政治、経済的なブロックにとどまらず、
NATOに対抗する軍事ブロックに発展する
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
きっかけになる」と述べた。」


(RPEは軍事メルマガではありませんので、詳細は省きます。
とはいえ、今の時代、経済・金融の知識の他、
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→  http://www.mag2.com/m/0000049253.htm   )


▼わかること


以上の事実からわかることを書いておきましょう。


1、ますます進む中ロ一体化

日本の仮想敵は中国一国です。

そして、中国の最新兵器は全部ロシア製。

さらに、アメリカが中東を抑えた場合、中国はロシア・中央アジアから
石油を買うしかなくなる。

それで私は、「中ロを分断するのが日本の国益だ」と大昔から主張し
ていました。

ところが日本。

新世紀に入ってから、北方領土について

「2島返せ!」「4島返せ!」「やっぱり3島返せ!」「いや3.5島返せ!」

と主張がコロコロ変わっています。

ロシア大統領府も呆れてしまい、「まず国内の意見を統一させてから来
てください」と相手にされなくなっている。


日ロ関係がもっとも良好だった03年。

ロシアは(中国より)日本とひっつきたがっていた。

ところが、日本がウロウロしている間に、旧ソ連で(アメリカ企画による)
カラー革命がドンドン起こった。

それでロシアは、「しょうがない。中国は嫌いだけど、敵(アメリカ)の敵
(中国)は味方(中国)だ」ということになった。

さて、05年の合同軍事演習は、対台湾・アメリカ・日本を想定したもの。

これは全部中国が資金を出し、ロシアに頼み込んでやってもらったので
す。

つまり、「台湾有事の際、干渉すればロシアも黙ってない」とアメリカに
思わせたかった。


ところが今回は、「対NATO」になっている。

これは何を意味するか?

ロシアは、「東欧MD配備」「旧ソ連諸国へのNATO拡大」を深刻にうけ
とめている。

今回は、05年とは逆で「中国がロシアを助ける形」になっています。

両国関係は、ロシアのギブ&ギブからギブ&テイクの関係に進化したの
です。


2、中央アジアは中ロの影響圏に

中央アジアは、資源に恵まれ地政学的にも重要な場所。

石油・ガスがたっぷりある。

そして、北はロシアに接し、東は中国に接している。

アメリカはこの地域を非常に重視しています。

それで、アフガン攻撃時、キルギスやウズベキスタンに米軍を駐留させ
てしまった。

また、05年にはキルギスでチューリップ革命を起こし、中央アジア民主
化政策を進めていきました。

米中ロが中央アジアを取り合っている。

ところが、アメリカのカラー革命工作は、中央アジアの独裁者達を恐れ
させます。

彼らは

「アメリカと付き合っていると、いつ革命起こされるかわかったもんじゃな
い!」

「中国・ロシアは同じ独裁国家だから、彼らとつきあおう!」

と考えるようになった。


中ロはSCOを強化し、中央アジア諸国をとりこみます。

今回、中央アジア諸国が合同軍事演習に参加している。

これは、これらの国々が、「アメリカを捨てて中ロにつく」という意志を明
確にしたということでしょう。


3、対NATO軍事ブロック出現の可能性

ロシア軍の元トップも、SCOは「NATOに対抗する軍事ブロックに発
展する可能性がある」としている。

で、SCOというと、中ロ・中央アジアだけではありません。

インド・パキスタン・イラン・モンゴルが準加盟国。

この4国が正式加盟国になれば?

SCOには、世界経済を牽引するブリックスのうち中国・ロシア・インド
がいる。

さらに、ロシア・カザフスタン・ウズベキスタン・イランなどは資源大
国。

これが、反米・反NATO軍事ブロックを作れば?


▼米中一体化という幻想


読者さんから時々、

1、「米中は一体化しているのではないですか?」

2、「米中は一体化して日本支配をもくろんでいるのではないですか?」


というおたよりをいただきます。

中国の立場がわからないのですね。

アメリカと仲がよく、なおかつロシアと軍事演習をする。

「これは何だ?」というわけです。

お答えします。


まず、1、「米中は一体化しているのではないですか?」から。

米中は現在利害が一致しているので、仲がよく見えるのです。

両国の立場を見てみましょう。


●アメリカ

アメリカは現在、ユーロで石油を売っているイラン、ルーブルで石油を売
っているロシアと戦っています。

ここを突破できなければ、ドル体制が崩壊しアメリカは没落する。

つまり、「天王山の戦い」の真っ最中。

ですから、中国・北朝鮮まで手がまわらない。

じゃあどうするか?

中国と仲よくするしかないでしょう?


●中国

中国の立場はどうでしょうか?

1、漁夫の利を得る

イラン・ロシアがアメリカと戦っている。

この3国は疲弊しますが、中国は痛くも痒くもありません。

今の立場は「漁夫の利」を得れる最高のポジションなのです。


2、中国は外資だより

米中関係が悪化すれば、アメリカ資本が逃げ出します。

中国は外資に支えられてるのに、わざわざ米中関係を悪化させ、米資本
を追い出す理由もないでしょう。


3、中国は時の利を得ている

中国は、アメリカと戦争する必要がないのです。

孫子のいうように、「戦わずして勝つのが上策」。

なぜか?

アメリカは、ライフサイクルで衰退期に入っている。

つまり100年前のイギリスと同じ。

イギリスは19世紀、ビクトリア女王の時代、「日の沈まない国」とよばれて
いました。

それが20世紀に入ると衰退する一方。

イギリスは1次大戦も2次大戦も勝利したのに、没落は止まらない。

これがライフサイクルの怖さなのです。


21世紀のアメリカも同じ。

衰退の方向性をかえることは、諸葛孔明でもできないでしょう。


一方の中国。

欧米日に苦しめられた中国は、トウ小平が政権についた78年から成長期
に入りました。

この国は現在成長期の半ばをこえたところ。

(一人当たりのGDPは、いまだに欧米日の20分の1程度)

バブル崩壊を乗り切れば、まず世界の工場として、その後は13億の人口
を抱える世界一の市場として繁栄していくことでしょう。


これは事実ですから仕方ありません

「アメリカの覇権が永遠につづく」といえば、ウソツキになってしまいます。

このような理由で、中国はアメリカとケンカする理由がないのです。

次に、


2、「米中は一体化して日本支配をもくろんでいるのではないですか?」
について。

まず、この論理のおかしさを指摘しておきましょう。

アメリカは、既に日本を支配しているのに、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
どうして中国と日本をわかちあう必要があるのですか?


おかしいでしょう?

米中は一体化してハワイ支配をもくろみますか?

米中が一体化して動いて見えるのは、だいたい以下の事実があるから
でしょう。


・北朝鮮問題で米中は一体化している

・アメリカ下院本会議で慰安婦問題をめぐる対日非難決議が採択され
たこと

・北朝鮮問題で米中は一体化しているについて

これ、もう書きました。

アメリカは、イラン・ロシア問題で忙しい。

北朝鮮にかまっている暇がないので、中国に「北朝鮮をおとなしくさせて
おけ」とお願いしている。

中国も既述の理由でアメリカと争いたくない。

だから植民地の金正日に「おとなしくしろや!」と命令している。

どこにも矛盾はありません。


・アメリカ下院本会議で慰安婦問題をめぐる対日非難決議が採択された
こと

これ以前も書きました。

日本で「歴史見直し運動」が起こると、アメリカも困るのですよ。

正しい史観は、

「欧米も植民地を作った、日本も植民地を作った。欧米と日本はどっちも
どっち」


しかし、アメリカは歴史をゆがめ「米英仏は善の民主主義、日独伊は悪
のファシズム国家」とした。

日本で歴史が見直されるとどうなりますか?


「アメリカも植民地を作っていた。日本とどっこいどっこいだ。いや、アメ
リカは原爆を投下して数十万の民間人を虐殺した最悪の国だ!」


となるでしょう?

つまり、アメリカ・中国・韓国・北朝鮮は、「第2次大戦=日本が悪」という
ことで一致している。

ですから、アメリカが中韓北の主張を支持するのは当然なのです。

よくよく考えてみれば当たり前のことなのに、「米中は一体化して日本を
支配しようとしている」と論理が飛躍するのはすごいですね。

とはいえ、中国がアメリカの政治家・議員を買収していることは、国家的
大問題。

日本も、アメリカの保守派、つまり「中国はアメリカ最大の脅威。日米同
盟は大事」と考えている政治家・議員をドンドン支援するべきなのです。


そして世論を作ってもらう。

え?

金がない?

あ〜そうですか。

日本はある年、年間30兆円も使ってドルを買い支えしていますが。。。

それに豪華議員宿舎に使った330億円は?

有力議員を一人買収するのに、そんなに金はかかりません。

シュレイダーさんだって、ロシア(ガスプロム)に年間3000万円ちょっと
で買収されている。

(シュレイダーさんは引退後、ガスプロムの子会社に勤務している)

つまり豪華議員宿舎を建てる金があれば、シュレイダーさんを1100人
買収できる。

まあ一年間ですが。

シュレイダーさんを110人買収するなら、10年間いけます。

(買収では響きが悪いですね、「米国親日派を支援する」といいましょう。)


何はともあれ、一極主義と多極主義の戦いはつづいています。


【ロシア政治経済ジャーナル】NO471対NATO軍事ブロックの出現
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