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【論談・目安箱投稿】昨日の国連安保理決議、ロシアの棄権に注目すべし(石井和希) ( 平成19年09月20日 )
http://www.asyura2.com/07/war96/msg/223.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2007 年 9 月 22 日 21:41:46: 4sIKljvd9SgGs
 

昨日の国連安保理決議、ロシアの棄権に注目すべし(石井和希)
http://www.rondan.co.jp/html/mail/0709/070921-10.html

( 平成19年09月20日 )


投稿者:  石井和希 (ジャーナリスト、凛和総合研究所客員研究員)


 『 自衛隊の給油活動に関する安保理決議が成立した。安保理決議にこだわる民主党もこれで反対の根拠が完全に無くなった 』 という主旨の発言が、政府与党幹部からいっせいに出された。

しかし、彼らが全く解っていないのは、今は 「 高度情報化社会 」 ということである。 国民は、マスコミ報道と共に、ネットを通じ容易に 「 真実 」 を知ることが出来るという事実である。

本質を外し、都合の良い部分だけを取り出して発言するイカサマは、国民によってたちどころに検証される。 そして、もしその発言が 「 意図的 」 なものであると分かれば、発言者は国民の信頼を一挙に失うことになる。 昨日の例では、与謝野・町村両氏の信頼が完全に失われてしまった。

今のような高度情報化社会の下、政治家にとって最も重要なことは、「 事実をありのままに全て語る 」 ことである。 自分にとってマイナスになるようなことも全てオープンにし、あとは主権者の判断に委ねることである。

昨日の例に照らせば、政府与党は以下のことを説明すべきであった。

(1)この決議は、安保理決議1386に基づき結成された 「 国際治安支援部隊 ( ISAF ) 」 の活動 ( 約40カ国、4万人が参加 ) を更に1年延長するための決議であること。

(2)その前文に、今回はアメリカ及びその同盟国による 「 不朽の自由作戦 ( OEF ) 」 に対する謝意が表明されたこと ( 自衛隊もOEFの重要な一翼を担っていること )

(3)上記謝意の表明をロシアが問題視し棄権したため、この1368延長決議は、過去は全て全会一致であったが、今回初めて全会一致とならなかったこと。

(4)ロシアが棄権した根拠は、チュルキン大使が発言した如く、(A)OEFは国連の枠外の活動であること (B)特定の国 ( 名前は出さなかったが日本を指すこと明白 ) の国内事情を安保理に持ち出したこと であり、アメリカを痛烈に批判したこと。

(5)中国は、賛成したが、こういうことを 「 前例 」 にすべきで無いと強く発言し、アメリカに対し強い警告を発したこと。
などなどである。

結局昨日の出来事は、まさに 「 策士策に溺れる 」 の典型である。 ロシアが棄権することを全く読めなかった外務省当局の猛省を促したい。

加えて、与謝野 ・ 町村の両氏には、『 国民はそれほど愚かでは無い、あなた達の方がよほど愚か者である 』 と申し上げたい。

尚、この件に関し民主党山岡国対委員長の記者会見内容が、同党のHPに掲載されているので、やや長いものの以下にペーストさせて頂く。 ことの本質を正しく理解するために極めて重要な内容と判断するからである。

ーーーーー
<山岡賢次国会対策委員長 9月20日会見要旨>
「新たな国連決議も自衛隊派遣の根拠にはならない」
テロ特措法延長反対方針に揺らぎはないとの考えを示しました

国連安保理で採択された決議の前文に、海上自衛隊がインド洋で参加している給油など海上阻止活動への謝意が盛り込まれたことについて、山岡賢次国会対策委員長は20日午前、政府側の国民世論対策だとの見方を示しました。

山岡委員長はまた、「政府が働きかけをして、国民に誤解を与えるような結果につながる行為をされているのではないか。もう少し厳しく言わせていただければ、国民をごまかすようなこと」だと指摘。「安全保障政策は原理原則の問題で、決議は化粧しただけの話だ」とも語り、テロ対策特別措置法延長に反対とする民主党の考えに何ら影響しないとの意向を示しました。会見で語った山岡委員長の発言要旨をご紹介します。

なぜ「政府が働きかけをした、国民をごまかすような行為」と申し上げるかといえば、国民のみなさんにとって国連決議は、すべて(同じ意味をもつ)国連決議とお受取りになるわけですが、そこには一般決議と特定決議との、大きく2種類あります。

「特定のことをしよう」という決議が特定決議で、例を挙げると、湾岸戦争のときの安保理決議678、867、1441などがありました。678はイラクのクウェート侵攻に対し、国際社会として食い止めなければならない、世界が秩序を守ろうということで国連で採択された特定決議です。ですから、あのときは日本も世界の一員として、日本の行けるところまで参加すべきだったのですが、お金を出しただけで終わり、非難されるという結果になったわけです。

ところが、政府が今、自衛隊派遣の根拠としている1368というのは、国連決議ですが、単なる一般決議です。一般決議とは何かというと、「みんなでテロをなくしましょう」という決議。これは世界で反対する人はいません。しかし、「みんなでテロをなくしましょう」という決議をもってアフガンに軍隊を派遣する根拠にはなりません。

アフガンに軍隊が派遣されている現状はどういうことかというと、9.11同時多発テロによって米国民が殺された米国による、わかりやすく言えばその復讐戦で「これはアメリカの戦争だ。個別自衛権でいくんだ。国連でやると国連の制約を受けるから、アメリカがやられたからアメリカがやる」と言って始めた戦争なのです。日本の久間防衛庁長官大臣も当時、あれはアメリカの戦争ですと言っていたわけです。NATOのみなさんは、集団的自衛権を米国と結んでいますから、「アメリカがやられたから助けにいく」と軍隊を出しているのですから、彼らの場合は彼らなりに合法なのです。

日本の場合、政府・自民党は「集団的自衛権は憲法違反です」と言っているわけです。しかもアフガンの行為は「戦争行為だ」と世界が認め、日本も認めています。(そうした状況にあって集団的自衛権が認められないから、特別な特措法を作って(自衛隊が)行っているのです。それをどんどん延長していますというのが、今の(日本の)姿といえます。

それが許されるのであれば、特措法をつくれば何でも合法となってしまうのではないでしょうか。

私ども民主党は原理主義者でも硬直的でもありません。安全保障に関しては、極めて危険がはらみますので、原理原則をきちんと守ってやるべきだと、(一貫して申し上げているのです)。日本の原理原則からすると国連決議1368でも不十分なのに、「感謝する」という一般決議が出された、だから軍隊で行くべきだというのは、私が先ほど申し上げたように「国民に誤解を与えるものであり、厳しく言えば国民をごまかす行為」です。

そういう手練手管でやらずに、国連決議ということでいうのであれば、(日本政府は)米国に働きかけて、米国の個別の戦争ではなく、世界平和のための国連警察、国連組織としてみんなで行きましょうという決議を採択して行こうと働きかけるべきです。どこまで行けるかは日本の事情によるので米国といっしょのことはできませんが、そうなれば、参加をすることも可能となります。

そもそも自衛隊というのは憲法9条によって国家の主権としての海外に行くことはできないということになっているわけですから、自衛隊を派遣する場合には、国家の主権としての軍事行動ではなくて、国連の一員としての、国連警察の一員として派遣するのでなければなりません。この辺の仕分けをきっちりしないといけません。

戦争の多くは、「殺されたから殺す」という報復から始まっています。ですから、戦後60年経って、「いつか来た道」に戻してはなりません。こと安全保障については原理原則を犯してはならないのです。

一方で、日米同盟を犯していいのかという議論もありますが、日米同盟は日米安保条約で同盟を結んでいるわけです。安保条約は何かというと、「日本が攻められたときは米国の軍隊が助けに来る。しかし、米国の戦争には日本は行きません、行ってはなりません」と書いてあるのが安保条約です。ですから、日米同盟を大切にするなら、安保条約をきちんと守る。そういうことからもアフガンに自衛隊は派遣できないのですね。憲法がいいか安保条約がいいかの議論はしませんが、私どもは条約を結び、憲法がある以上、それに沿ってきちんとした行動をとらないと、世界から信用されなくなると考えます。「日本は憲法があり、条約を結んでいても、気が変わったり、そのときの都合によって、いつでも特措法で自衛隊を出してくる」ということでは信用されません。安全保障は根本的なことをきちんとやっていかないと極めて危険です。



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