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米国の「イランは核兵器開発停止」報告,イランは、ついに原油のドル建て決済を完全中止
http://www.asyura2.com/07/war99/msg/169.html
投稿者 大西健二 日時 2007 年 12 月 15 日 21:33:01: Zg4goyIkX.Zhg
 

ロシア政治経済ジャーナル No.490 米報告書「イランは核兵器開発停止」の衝撃
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm

★米報告書「イランは核兵器開発停止」の衝撃


全世界のRPE読者の皆様こんにちは!

いつもありがとうございます。

北野です。

前号で、プーチンが「冷戦型」のイワノフ(第1副首相・前国防相・KGB出
身)ではなく、「融和型」のメドベージェフ(第1副首相・国内社会問題担当
・リベラル派)を選んだ理由について、

「プーチンは「米ロ新冷戦でロシアは勝利した」と確信を持っている」から
だと書きました。

(まあ、KGBと軍がバックにいるイワノフが怖いという理由も大きいですが
。。。)

今回のRPEは★メチャクチャ重要です。

かなり長いですが、茶でも飲みながらゆっくりお読みください。


▼基本を抑えよう


昔からの読者さん・「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日-一極主義
vs多極主義」 (草思社)(→ http://tinyurl.com/yro8r7 )

を読まれた皆さんは飛ばしてもらって結構です。

特に新規購読者の皆さん、アメリカがイランをいじめるのは、「イランが核
兵器を開発 しているからではない」ことご存知でしょうか?

超基本的なことですが、イランは


1、核兵器をもっていないし
2、核兵器を開発する意図を一度も示したことがない


のです。

アメリカはイラク攻撃の理由は「フセインはアルカイダを支援している」「大
量破壊兵器を製造している」としていましたが、

全て大ウソ(^▽^)

だったことが明らかになっています。

「米上院報告書、イラク開戦前の機密情報を全面否定

【ワシントン=貞広貴志】米上院情報特別委員会は8日、イラク戦争の開
戦前に米政府が持っていたフセイン政権の大量破壊兵器計画や、国際
テロ組織アル・カーイダとの関係についての情報を検証した報告書を発
表した。(読売新聞) -06年 9月9日」

「報告書は「フセイン政権が(アル・カーイダ指導者)ウサマ・ビンラー
ディンと関係を築こうとした証拠はない」と断定、大量破壊兵器計画につ
いても、少なくとも1996年以降、存在しなかったと結論付けた。」(同上)

イランについても、同じように


大ウソをつきながら、


イチャモンをつけているだけなのです。


詳しくは私の本を読んでいただければわかりますが、普通の新聞記者
もこんなことしってるんですよ。

例えば、北朝鮮が核兵器実験した後、毎日新聞さんはこう書いています。

「 <北朝鮮核実験>イランに「主張訴える」絶好の機会

北朝鮮の核実験はイランにとって自国の主張を訴える絶好の機会とな
りそうだ。
NPTからの脱退を表明して核実験に踏み切った北朝鮮に対して、
イランはNPTとIAEAの傘下での平和的な核技術開発を主張している。
     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
イランへの制裁論議は近く本格化する見通しだが、北朝鮮問題を反論の
強力な材料に利用するとみられる。
(毎日新聞) -06年10月10日」

▼アメリカ、「イラン核兵器開発停止」を認める


イラクについては、攻撃後明らかにされたのですが、イランについては
攻撃前に

「アメリカは実はウソをついてたのよ」(^▽^)

という事実が明らかにされてしまいました。


「<イラン核>米が機密報告の一部公表 「脅威」を下方修正

12月4日11時34分配信 毎日新聞
【ワシントン笠原敏彦】マコネル米国家情報長官は3日、イラン核開発に
関する最新の 機密報告書「国家情報評価」(NIE)の一部を公表し、
イランが03年秋に核兵器開発計画を停止させた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
との分析結果を明らかにした。」

上記のようにイランはこれまで一度も「核兵器をつくっている」とはいっ
ていない。

核開発は「原発用だ」と主張していたのです。

「イランは一貫して核兵器計画の存在を否定。
国連安保理決議が停止を求めるウラン濃縮活動については「平和目
的」と主張し、停止要求の受け入れを拒否している。」(同上)

ところで、今回の報告書はどのくらい権威があるのでしょうか?

「国家情報評価は、中央情報局(CIA)など16の米情報機関のコンセ
ンサスと呼べるもので、
最も権威のある米情報報告書。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
イランの核開発能力の評価が変わったため一部公表に踏み切ったと
いう。」(同上)

そう、最も権威のある米情報報告書なのですね〜。

アハマディネジャドさんは大喜び。(^▽^)

早々に「勝利宣言」を出しています。

「米情報評価「イランの偉大な勝利」=アハマディネジャド大統領が
宣言

12月5日19時1分配信 時事通信
【カイロ5日時事】イランのアハマディネジャド大統領は5日、西部のイラ
ム州で行った演説で、同国が核兵器開発計画を2003年に停止したと
する米国で3日公表された国家情報評価(NIE)について、イランにと
って「偉大な勝利」と位置付けた。AFP通信などが伝えた。」

▼あせるブッシュと取り巻き


さてここからが本題です。

「なんでアメリカはこんな都合の悪い報告書を出したの?」
ということ。

この報告書の結果を考えてみましょう。

アメリカは核兵器開発を大々的に宣言している北朝鮮と融和し、
核兵器開発を停止したとアメリカが認めたイランを攻撃する。 

こんな矛盾した話はないので、アメリカがイランを攻撃することは非常
に難しくなります。

こういう都合の悪い情報をブッシュやチェイニーの意志で出したので
しょうか?

ところが本人、まったく逆の行動をとっています。

「対イラン圧力を継続=軍事的選択肢も排除せず−米大統領

12月5日1時0分配信 時事通信
 【ワシントン4日時事】ブッシュ米大統領は4日午前(日本時間5日未
明)、ホワイトハウスで記者会見し、「イランが核兵器を開発すれば、
世界に危険をつくり出す」と述べ、 同国のウラン濃縮を停止させるた
め国際社会が圧力を掛け続ける必要があると強調した。」

だから、「核兵器開発してないって、イランもアメリカ情報機関もいっ
てるでしょ〜。

「ブッシュってボケてるのかな?」と思っちゃいますね。

さらに、

「また、「すべての選択肢がテーブルにある」として、同国に対する
軍事的選択肢を排除しない考えも示した。」(同上)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


どうですか、これ。

じゃあ、国際社会の圧力に屈せず、堂々と核兵器を開発しちゃった
北朝鮮はどうなの? ということです。

ブッシュばかりではありません。

ゲーツさんも報告書に必死で反論しています。

「ゲーツ米国防長官「イランの外交政策は米、中東に脅威」

12月8日20時46分配信 読売新聞
【カイロ=福島利之】ゲーツ米国防長官は8日、バーレーンで開か
れた湾岸諸国などの治安・テロ対策担当者による会議で演説し、
「イランの外交政策は米国の国益にも、イラクが開発している弾道
ミサイルの射程内にある中東のすべての国の国益にも脅威だ」
と強調した。

ゲーツ長官はまた、「地域を不安定化させ、混乱に陥れるのがイラ
ンの政策だ」と指摘し、「イランはイラクの民兵やテロ組織に資金を
提供し、兵士の訓練を行っている」と述べた。」

これは「核兵器製造が難しいなら、テロ支援で攻撃しよう」という意
図ですね。


▼分裂しているアメリカ中枢


16の米情報機関が出した報告書と、ブッシュ・ゲーツさんの意図
がずれている。

これをどう見るか?

これは、アメリカが分裂していると見ざるを得ません。

幕末、幕府内でも分裂が起こりました。

勝海舟などは、「日本が植民地にならないように、幕府をつぶしち
ゃってもいい」という考え。

逆に、「北海道を担保にしてフランスから金を借り、薩長土を征伐
し、幕府を守ろう」とする勢力もいた。

ソ連末期も分裂していました。

ソ連をそのまま維持しようとする保守派。(ゴルバチョフをクリミア
に幽閉し、クーデターを起こす)

ソ連は維持するが、もっと民主的にしようとするゴルバチョフ。(新
連邦条約を準備)

ソ連なんかぶち壊せとするエリツィン一派。


アメリカ幕府も分裂している。

ブッシュの支持基盤といえば、ご存知のとおり

・石油業界(原油高騰で大もうけ)
・軍産複合体(アフガン・イラク戦争で大もうけ)
・キリスト教右派(異教徒イスラムがぶちのめされ満足)
・イスラエル(宿敵イスラムがぶちのめされ満足)

もっと、単純化すれば、

周囲を全部仮想敵(イスラム諸国)に囲まれているイスラエルが、
利益を共有するブッシュ政権に働きかけ戦争を起こさせる。


考えてみてください。

イスラエルは、アメリカが後ろにいるから存在していますが、アメリカが
没落したらどうなりますか?

周りは全部敵だらけ。

存続しえるかどうかも怪しい。

ところが、アメリカとて一枚岩ではありません。

「なんでアメリカがイスラエルのために命をかけんといかんだ」と考え
る勢力もいる。


例えば、

・軍・国防総省幹部→アフガン・イラク・イランでの同時戦争は超非現
実的と怒っている

・情報機関・諜報機関幹部→ブッシュの非現実的政策がアメリカを
つぶすと怒っている

・中国に買収されている議員・政治家→中国は、イラン攻撃を食い止
めれば、棚ボタ式に覇権が転がり込むと思っている

・アイソレーショニズムやリアリズムを支持する大学・シンクタンクの
学者

アメリカが分裂している兆候は前からありました。

RPEでも「歴史の終わり」のフランシス・フクヤマさんが、「ブッシュと決
別宣言をした!」ことを紹介しました。

面白い本があります。

日本では「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策」という名で出てい
ます。

内容は要するに、「イスラエルロビーがアメリカ外交を支配し、そのせ
いでアメリカは おかしくなった」ということ。

イスラエルがアメリカ最大のロビー集団だなんて、専門家は皆知って
るんです。

(ちなみに2番目は、中国ロビー)

しかし、「ユダヤ陰謀論者」とレッテルをはられるのが怖くて、公言でき
なかった。

そこで、「イスラエルロビー」について書くのは、一般的に「陰謀論者」
といわれるような人ばかりだった。

ところが、この本を書いたのは、世界的権威
                    ~~~~~~~~~~~~


●シカゴ大学教授のミアシャイアーさん
●ハーバード大学教授のウォルトさん

帯には、「『文明の衝突』のハンチントンにならぶ世界最高の知性が
タブーに挑む、陰謀説を超える議論の提起」とあります。

非常に面白いですから、皆さんも是非ご一読ください。

「イスラエルロビーとアメリカの外交政策1」
ミアシャイマー、ウォルト 講談社 (→  http://tinyurl.com/3bk8ob )

「イスラエルロビーとアメリカの外交政策2」
ミアシャイマー、ウォルト 講談社 (→  http://tinyurl.com/3a9gdq  )

▼あせるイスラエル


さて、アメリカが中東から手を引けば国の存続すらあやうくなるイスラ
エル。

今回の報告書に、必死で反論しています。

「イラン、2010年までに核兵器を保有=イスラエル首相

12月10日11時41分配信 ロイター
[エルサレム 9日 ロイター] イスラエルのオルメルト首相は、9日
の閣議で、米国ではイランが核兵器を製造していないとの報告が出
されたが、イランは2010年までに核兵器製造に必要な物質を確保
するだろうとの見方を示した。」

そして、国防相も。。

「<イラン核>米分析にイスラエル国防相反論 軟化を警戒

12月5日10時56分配信 毎日新聞
【エルサレム前田英司】イスラエルのバラク国防相は4日、イランが
03年に核兵器開発計画を停止したとの米国の分析結果について
「イランは一定期間、核兵器開発を停止していたようだが、我々の
知る限り、その後再開しているはずだ」とイスラエル放送に述べ、米
国の見方に反論した。

イスラエルは自国を敵視するイランの「核」を国家生存の脅威と位置
づけており、米国の分析結果公表でイラン脅威論が弱まり、国際社
会の対応が軟化することを警戒している。」

▼そして、イランは原油のドル建て決済を停止


構造が見えてきましたね。


1、仮想敵に囲まれたイスラエルは、石油・軍産複合体の儲けを志
向するブッシュ政権を動かし、アフガン・イラクを攻撃させた。

2、さらにイランを攻撃させたい

3、ところがアメリカ上層部が分裂し、「イランは核兵器を開発してい
ない」という事実が暴露されてしまった。

もう一つ、アメリカがイランを攻撃したいもう一つの理由を挙げない
わけにはいきません。


もちろん、イスラエル・石油利権・軍産複合体の利益もあります。

しかし、それ以上に重要なのが「ドル基軸通貨体制防衛」。

アメリカは世界最大の経常赤字・財政赤字・対外債務国家。

それでもドルが基軸通貨(世界通貨・国際通貨)なので、存在して
きました。

ところが、

99年ユーロ誕生。
00年イラクが原油の決済通貨をドルからユーロにかえる
01年、9.11とアフガン戦争
02年、ユーロ現金流通開始
03年、イラク攻撃、アメリカはイラク原油の決済通貨をユーロから
ドルに戻す
05年、中国とロシア、(悪の?)薩長同盟成立。倒幕を誓う
06年、ロシア、ルーブルでの石油取引を開始
07年、プーチン、「ルーブルを世界通貨にする!」と宣言

このように、米幕府 対 倒幕勢力の戦いは、「ドル防衛」「ドル
切り崩し」の戦いなのです。

アメリカは、ドル体制に反逆したイラクを攻撃した。

しかし、理由が大ウソであることが判明し、国際的に孤立するこ
とになった。

それで、イラン攻撃の理由づくりがうまくいかない。

さて、今回の報告書は倒幕を誓うイラン・中国、そして面従腹背
の中東産油国に力と勇気を与えました。

まず、イランが歴史的決断をくだします。

「イラン、原油のドル建て決済を中止=通信社

12月10日9時31分配信 ロイター
[テヘラン 8日 ロイター] イラン学生通信(ISNA)は8日、ノ
ザリ石油相の話として、同国が
原油のドル建て決済を完全に中止した、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
と伝えた。」

そして、大喜びのイランと中国は。。。

「中国のシノペック、油田開発でイラン政府と正式合意

12月10日17時8分配信 ロイター
[テヘラン 9日 ロイター] 中国石油化工(シノペック)<0386.HK>と
イラン政府は9日、イラン南西部ヤダバラン油田の開発に関する契約
を締結した。」

私は大昔から、「イラン問題はアメリカの天王山」といい続けています。

その理由は、アメリカがドル体制に反逆しているイランを放置する。

すると、そのほかの産油国が「あ〜ドルで売らなくてもお咎めなしな
のね〜」と思う。

どこの国も必ず下がる資産(ドル)なんて持ちたくないので、ドミノ現象
が起こるでしょう。

早速そういう動きが出てきています。

「GCC首脳会議声明、2010年の通貨統合目標維持へ=事務局長

12月4日18時29分配信 ロイター
[ドーハ 4日 ロイター] 湾岸協力会議(GCC)首脳会議の声明では、
2010年までに通貨統合を達成することへのコミットメントが維持され
る見通し。

アブドルラハマン・ビン・ハマド・アティーヤ事務局長が4日明らかにした。
同事務局長は、声明の最終案には2010年の目標時期が盛り込ま
れているか、とのロイターの質問に対し「そうだ」と答えた。」

どうですか。

アメリカもいよいよ先が見えてきました。

イスラエルのことばかり書いてきましたが、アメリカが没落すると日本
も困るんです。

イスラエルには核がありますが、日本には核もなく交戦権もない。

中国は、アメリカがベトナムやフィリピンから撤退した後すぐ動いていま
すが。。。。

(おわり)

ロシア政治経済ジャーナル No.490 米報告書「イランは核兵器開発停止」の衝撃
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