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ストーカー   【アンドレイ・タルコフスキー映画祭】
http://www.asyura2.com/08/bd52/msg/497.html
投稿者 愚民党 日時 2008 年 3 月 30 日 16:32:46: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 惑星ソラリス   【アンドレイ・タルコフスキー映画祭】 投稿者 愚民党 日時 2008 年 3 月 30 日 16:29:16)

http://www.imageforum.co.jp/tarkovsky/stk.html


[スタッフ]
脚本:アルカージー・ストルガツキー、ボリス・ストルガツキー/撮影:アレクサンドル・クニャジンスキー/音楽:エドゥアルド・アルテミエフ/美術:アンドレイ・タルコフスキー/詩:フョードル・チュッチェフ、アルセニー・タルコフスキー
[キャスト]
ストーカー:アレクサンドル・カイダノフスキー、ストーカーの妻:アリーサ・フレインドリフ、作家:アナトリー・ソロニーツィン、教授:ニコライ・グリニコ

1979年/モスフィルム製作/長編劇映画/35mm/スタンダード/カラー/163分
1980年 ダヴィド・ドナテロ賞:ルキノ・ヴィスコンティ賞
配給:ロシア映画社/日本公開:1981年

[解説]
『ストーカー』は、SF映画を語るうえで避けることのできない『惑星ソラリス』のアンドレイ・タルコフスキー監督2本目のSF大作である。原作は、ロシアSF界の第一人者であり、スタニスワフ・レムと共に旧共産圏SFの代表的作家、アルカージーとボリスのストルガツキー兄弟(邦訳に「神様はつらい」「収容所惑星」ほか)の「路傍のピクニック」。脚本も原作者自らの書き下ろしである。

『惑星ソラリス』でも、タルコフスキー監督の関心の的は理性ある海を持つ謎の惑星ソラリスの実体そのものにはなく、むしろ宇宙征服に挑む人間の内面に向けられていたが、『ストーカー』でもそうした監督の態度に変りはない。そして、ここでもタルコフスキーは、 雨、水、火等、彼独特の映像言語を駆使し、極端に少ないカット数(『惑星ソラリス』の約半分)で、この地上に忽然と現出した不可解な ゾーンに──それは宇宙人の痕跡か、隕石の落下かわからないのだが──禁を犯して踏みこむ3人の男たちを通して、現代の苦悩と未 来の希望を探り、現代人の生き方を問いかける。

主役の3人は、タルコフスキー組ともいうべ きアナトリー・ソロニーツィン(『アンドレイ・ルブリョフ』以後全作品に出演)、ニコライ・グリニコ(『僕の村は戦場だった』以後全作品に出演)に加え、タルコフスキー作品には初めのアレクサンドル・カイダノフス キーが演じる。音楽は、エドゥアルド・アルテミエフが、タルコフスキー作品では『惑星ソラリス』、『鏡』に引き続いて担当し、ベー トーヴェンの“歓喜の歌“で、ラストの衝撃的なシーンを盛り上げている。

なお、『ストーカー』は、監督自らが美術を担当しているほか、前作『鏡』と同様に、父親 アルセニー・タルコフスキーや、19世紀ロシア象徴派詩人フョードル・チュッチェフの詩が度々挿入されている。

[ストーリー]
隕石の落下か? それとも宇宙人の来訪か? 何が起ったのかわ、からないがある小国にゾーンと呼ばれる不可思議な地域があった。そこにはただちに軍隊が派遣されたが、兵士は一人として帰還しなかった。ゾーンには鉄条 網が張られ、警戒厳重な警備隊がゾーンを守っていた。だが、このゾーン内には、人間の一番切実な望みをかなえる「部屋」があるといわれていた。そこで、禁を犯してゾーンに侵入しようとする者たちが現われる。彼らを「部屋」まで案内する者はストーカー(密猟者)と呼ばれた。

この日も、ストーカーは妻が引きとめるのを振り切って、ゾーンヘと出発する。待ちあ わせ場所のバーには二人の客がいた。「現代社会は法則づくめで退屈だ。ゾーンには、何かインスピレーションを取り戻すものがあるんじゃないか」と云う作家と、口数の少ない物 理学者の教授……。

かれらはゾーンの境界地帯にいる警備兵の銃火をかいくぐり、軌道車に乗ってゾーンへ侵入する。ゾーンはかっての文明の根幹、発電所の跡のようだが、いまでは緑がうっそう と茂る廃嘘でもある。そしてそこには、この地の秘密を暴くべく派遣された軍隊の戦車の残骸や、人間の骸が雨露にさらされたままだ。

ストーカーは、ゾーンは「言わば複雑な罠で、その罠にかかれば命がない」と語り、白布を結びつけたナットを投げては「部屋」へ行く道順を決めていく。ストーカーの忠告を聞かずに前進しようとした作家も、何者が発したかわからない「止まれ、動くな!」という声に怯え、たちこめてきた霧に行手を阻まれる。ゾーンでは周囲の風景も、自然も刻一刻と変化するのだ。風が吹き、大地が揺らぎ、そして帰路も同じコースをたどっては戻れない……

かれらは、水が滝の如く流れ落ちる「乾燥室」という皮肉な名を持つトンネルを通り、何人もの生命を奪った「肉挽き機」と呼ばれ る非常に危険で恐ろしい管(バイプ)をくぐりぬけ、深い井戸をもつ、波紋が連なる砂丘の部屋を通過し、ついに「部屋」の入口にたどりつく。「部屋」を眼前にして、三人とも無事にここ にたどりついたことを喜ぶストーカー。がこの時、教授は、かって友人と共に製造した爆弾をリュックから取り出す………。かれは、人間が胸に秘めている最も大切な夢をかなえるというゾーン内の「部屋」が、犯罪者に利用され、人類が不幸に襲われるかもしれないという危倶を抱いていたから、「部屋」を爆破することを目的にゾーンに来ていたのだ。ゾーンを唯一の心の支えに生きていたストーカーは、必死で爆弾をとりあげようとする。

一方、自らの才能や名声に倦んで、ゾーンに新たな希望を托してやってきたはずの作家は、やがてゾーンを神聖視するストーカーの態度に疑問を感じ始めていた。そして、かれは全人類のための愛といったような、教授の言動を一笑するが、同時にまた、ゾーンこそ偽善にすぎないとストーカーをなじる。教授は、「部屋」を爆破するのをあきらめ、爆弾を解体する。そしてやがて、三人は「部屋」の敷居をまたぐこともせず、ただ黙して坐り込 む…… はたして「部屋」とはなんだったろうか。

──かれらは揃ってバーに戻って来た。そこでは妻が、足の動けない娘とともに、スト ーカーを待っていた。

わが家に帰って、ストーカーは「あんな作家や学者ども、何がインテリだ!………骨折り損だった」と絶望的に叫ぶ。「少し眠ったほうがいいわ」とやさしくいたわり続ける妻。

そして、ストーカーの妻の独白がつづく、「母はいいました。"ストーカーは、呪われた永遠の囚人なのよ。ろくな子供は生れない"って。……でも好きになったんだから仕方ありません。……私たちって、そういう運命だったんです。」

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