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ユーラシアの地政學 ― 日本がグローバル・パワーに成るには
http://www.asyura2.com/08/bd54/msg/515.html
投稿者 石工の都仙臺市 日時 2008 年 11 月 30 日 03:07:13: Gsx84HOp6wiqQ
 

(回答先: ユーラシアの地政學 ― 支那の役割 投稿者 石工の都仙臺市 日時 2008 年 11 月 30 日 03:05:23)

 
 
 
 
日本がグローバル・パワーに成るには

日本は極東に於る米國の不沈空母であつてはならない
し、亞細亞に於る米國の主要な軍事パートナーであつ
てもならない

 ユーラシア大陸東部に於て民主的據點が近いうちに誕生する可能性が低いだけに、米國と支那の戰略的關係を育む努力は、民主的で經濟的に繁榮する日本は米國のグローバル・パートナーではあつても、亞細亞大陸の外縁に位置する支那に對抗する同盟國ではないと云ふ認識をしつかりと踏まえたものでなければならない。かうした基本を押さへてこそ、米國のグローバル・パワー、支那の地域的優位、日本の國際的リーダーシツプと云ふ三つのパワーが、ともに共存する環境を摸索出來るだらう。日米が軍事的協調姿勢をあからさまに強化すれば、さうした共存路線が脅かされる事に成る。日本は極東に於る米國の不沈空母であつてはならないし、亞細亞での米國の主要な軍事パートナーであつてもならない。さうした日本の役割を米國が後押しすれば、米國を亞細亞大陸から切り離し、支那と戰略的合意に達する見込みを低下させ、ユーラシアの安定を強化する米國の能力を削ぐことに成るだらう。
 第二次世界大戰前から戰爭中にかけて日本がとつた行動ゆゑに、亞細亞地域の人々はいまだに日本への敵對感情をことあるごとにみせ、かうした環境のもと、日本は亞細亞での主要な政治的役割を果たぜずにゐる。日本は、獨逸が戰後に佛蘭西に試み、現在ポーランドに試みてゐるやうな踏み込んだ和解姿勢を、支那や朝鮮半島に對して見せてゐない。結局のところ、歐羅巴に於る英吉利と云ふ島國と同樣に、日本は亞細亞大陸の政治とはおおむね無關係なのである。たしかに日本はグローバルな影響力を發揮しうるが、其のためには、開發や平和維持活動に關するグローバルな關心をひく新アジエンダをめぐつて米國と緊密に協調する一方で、結局は意圖と叛對の結末を招くであらう亞細亞の地域大國に成らうとする試みを囘避しなければならない。米國は、日本を此の方嚮へと嚮かはせるために、其の政治・外交手腕を發揮するべきだらう。
一方で、日本と韓國間の本當の和解が成立すれば、其れは、朝鮮半島の最終的な統一に嚮けた安定した環境整備に貢獻するだけでなく、分斷状況の終焉に伴ふ國際的な混亂を緩和させる事にも成る筈だ。米國は日韓の協調を促進すべきである。大學間の共同プログラムの實施から、合同軍の編成に至るまで、獨逸と佛蘭西が、そして後に獨逸とポーランドが和解促進のためにとつた一聯の具體的ステツプを、日韓兩國は導入出來る筈である。また、包括的で地域的安定要因と成るやうな日韓關係は、一方で、朝鮮半島統一後の極東に於る米國のプレゼンスの繼續を支持する方嚮で推移するかもしれない。
 日本との緊密な政治的關係が米國の利益である事は云ふまでもない。然し日本が米國の配下、ライバル、或はパートナーのいづれに成るかは、米國人、日本人が共通の國際的目的を定義でき、グローバルな役割を擔ひ度いと云ふ日本側の望みと、米國の極東での戰略的使命を切り離せるかどうかに左右されるだらう。國内での外交政策の議論が行はれてゐるとは云へ、日本にとつて米國との關係はいまも國際的方嚮性を決める際の指針である。再軍備路線への傾斜であれ、單獨での對支共存路線であれ、日本が方嚮性を誤つた場合には、安定した米日支の三國間アレンジメント形成の可能性はついえ去り、亞細亞・太平洋地域での米國の役割は終る事に成らう。
 方嚮性を間違へた日本は、結局は濱に打ち上げられた鯨のやうな存在と成り、絶望から、危險な試行錯誤を激しく試みるだらう。若し日本が亞細亞を越えて世界に目を嚮けるのなら、其の國益が滿たされる形での重要な動機づけと特別の地位が與へられるべきである。まづ手始めに地域大國と成る事でグローバル・パワーと成る方途を摸索出來る支那とは異なり、日本がグローバルな影響力を手に出來るのは、地域大國に成り度いと云ふ望みを押さへた場合だけだらう。
 此れらを考へ合はせれば、日本が世界的懸案をめぐつて米國の特別なパートナーであると感じる事が何よりも重要であり、然も此の構圖は、日本にとつて經濟的恩恵だけでなく、日本が政治的に滿足出來るものでなくてはならない。此の目的に嚮けて、米國は、日米共通の經濟空間の創出と云ふ、日米自由貿易地域の採用を視野に入れておくべきだ。日米經濟の深まる絆に明確な形を與へるかうしたステツプは、米國の極東に於るプレゼンスを今後も繼續させるための、そして日本による建設的なグローバル・エンゲージメントのための堅固な基盤を提供するだらう。
 
 
 
 
 

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