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ラブロフ・露西亞外相が語るグルジア紛爭と米露關係
http://www.asyura2.com/08/bd54/msg/517.html
投稿者 石工の都仙臺市 日時 2008 年 11 月 30 日 03:12:46: Gsx84HOp6wiqQ
 

 
 
 
 
フオーリン・アフエアーズ日本語版 西暦ニ〇〇八年十一月號 CFRミーテイング ラブロフ・露西亞外相が語るグルジア紛爭と米露關係
 
 
FOREIGN AFFAIRS JAPAN
CFRミーテイング ラブロフ・露西亞外相が語るグルジア紛爭と米露關係
http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/200811/lavrov.htm
 
 
 
 
CFRミーテイング
ラブロフ・露西亞外相が語るグルジア紛爭と米露關係
A Conversation with Sergey Lavrov
◎スピーカー  
 セルゲイ・ラブロフ 露西亞外相
◎司會
 デビツド・レムニツク ニユーヨーカー誌エデイター


Sergey Lavrov
 1994年から10年間露西亞國聯大使を努め、プーチン政權2期目の2004年から露西亞外相。


     
   要旨
   小見出し
     亞米利加は露西亞との協調を望んでゐるのか <公開中>
     敵對路線を最初にとつたのは亞米利加だ <公開中>
     カラー革命は民主革命ではない
     グルジア介入は露西亞市民の保護が目的だつた
     紛爭の責任はサーカシビリにある
     カフカスの歴史に目を嚮けよ

「露西亞との協調を望む案件のリスト、さうでない案件のリストを亞米利加が持つてゐるのなら、其れを教へてほしひ。さうすれば、われわれはもつとうまく亞米利加との關係を管理していける。……私は、8月8日の早朝に、サーカシビリ大統領が試みたやうな血なまぐさい侵掠を今後誰も起こさないやうに成る事、誰も露西亞市民を殺さない事を望む。此處での人々の選擇ははつきりしてゐる。國際合意に基づき展開してゐた露西亞の平和維持部隊のメンバーを含む、數百名の露西亞市民を殺した勢力を支持するのか、其れとも、さうした勢力を支持しないかだ」


亞米利加は露西亞との協調を望んでゐるのか

デビッド・レムニック 今日のスピーカーは露西亞のラブロフ外相。彼はコンドリーザ・ライス國務長官との會談を終へて、此處に驅けつけて呉れた。ワシントン・ポスト紙の記事によれば、今囘の米露外相會談をセツトアツプした國務省關係者は、亞米利加と露西亞の關係は非常に困難な局面にあると述べてゐる。ライス長官との會談も緊迫した對立的なムードで行はれたのか(此の討論は、9月24日に行はれた)。

セルゲイ・ラブロフ いや、さうではなかつた。對決的なやり方は私の交渉スタイルではないし、少なくとも今囘の會談に關してはライス長官も敵對的ではなかつた。米露關係全般に關して意見交換をしたが、ともに現實的(實務的)でなければならないと云ふ點では合意が得られた。勿論、すべてに合意できたはけではない。例へば、兩國が違ふ立場をとつてゐるカフカス(グルジア)問題も話し合つた。だが、此の問題をめぐる米露の對立が他の問題に飛び火しないやうにする事に就いては雙方が合意した。

 國務長官も米大統領も實務的な立場をとつてゐる。事實、ブッシユ大統領の國聯總會での演説は現實主義的な内容だつた。米大統領はテロ、人身賣買、麻藥取引、核擴散など、米露を含む國際社會にとつての懸案に演説の多くの時間を割いた。此れらの課題には一國だけでは對處出來ない。(國際協調を基盤とする)集團的取り組みを必要とし、國際社會が持つ資源を總動員しなければならない。米露が(現實主義の立場から)協調する事がとりわけ重要だ。

 カフカスでの紛爭に就いて言へば、露西亞が南オセチアへのグルジア軍の侵攻を食ひ止めようと試みたのは、國聯憲章第51條にある「自衞權の發動」だつた。當初、歐米世界、特に亞米利加はグルジア紛爭をめぐつて感情的な叛撥を示したが、此の件をめぐる米露關係にも現實的な視點が必要だらう。

 (グルジアをめぐる米露對立を背景に、露西亞もメンバーに成つてゐる)世界にとつて重要なフオーラムで豫定されてゐた會合をキヤンセルする一方で、亞米利加にとつて重要な案件をめぐつては露西亞の協調を要請するやうなやり方は實務的、現實主義的とは言へない。

 イラン、北朝鮮、核不擴散リスク、中東やアフガニスタンでの紛爭を議論すべきだつたG8の外相會議は先送りされ、核不擴散、對テロなどの重要な問題のG8作業グループの活動も延期された。此れは、われわれには理解出來ないやり方だ。洞爺湖のG8サミットで課題として取り上げられた食糧安全保障問題を議論する筈だつたG8農相會議さへも先送りされた。

 露西亞との協調を望む案件のリスト、さうでない案件のリストを亞米利加が持つてゐるのなら、其れを教へてほしい。さうすれば、われわれはもつとうまく亞米利加との關係を管理していける。

 感情論的な叛撥や不快感から非常に重要な問題への對應を棚上げにするのは間違つてゐると思ふ。われわれは國際法に即して行動しなければならない。

 われわれは、グルジア軍に攻撃された露西亞の平和維持部隊を守る必要があつた。グルジア軍が(南オセチアの洲都)ツヒンバリへ攻撃を開始すると、其れまで合同平和維持軍の一部として活動してきたグルジアの平和維持部隊は、グルジア軍に加擔し、露西亞部隊に銃口を嚮けた。此れを許すわけにはいかないとわれわれは判斷した。「(自國民を)保護する責任」を概念レベルで終はらせ、「人間の安全保障」を國聯其の他での議論レベルで終はらせるのは間違つてゐる。露西亞は自國民を保護する責任を果たすため、人間の安全保障と云ふ概念を守るためそして、にグルジアの侵掠行爲に對して立ち上がつた。此の行動は國聯憲章の51條で規定されてゐる自衞權に即したものだ。

 今囘、ライス長官とはイランの核開發問題、朝鮮半島の核問題に就いても話し合つた。雙方のケースに關するわれわれの包括的目標に變はりはない。われわれは朝鮮半島の非核化、イランの核(原子力)開發計劃が(テヘランが言ふやうに)平和利用(電力生産)を目的としてゐる事が國際原子力機關(IAEA)によつて檢證・確認される事を望んでゐる。カフカスをめぐつて意見が違ふからと云つて、共有する目的を抛棄するのはあまりに無責任だらう。

 イラン、北朝鮮問題に對する具體的アプローチをめぐつては、米露間で一部立場の違ひがあるが、此れまでのところ、われわれは、北朝鮮に就いては他のメンバー國とともに、イランに就いては歐羅巴や支那とともに、互ひの立場を尊重したアプローチをとつてゐる。此れらの問題をめぐつて、われわれは協議を續けていく。また、亞米利加が、(グルジア紛爭を根據に)國際社會にとつて非常に重要な問題をG8が取り上げるのを沮止しないやうにする事を期待する。

「露西亞との協調を望む案件のリスト、さうでない案件のリストを亞米利加が持つてゐるのなら、其れを教へてほ しひ。さうすれば、われわれはもつとうまく亞米利加との關係を管理していける。……私は、8月8日の早朝に、サーカシビリ大統領が試みたやうな血なまぐさい侵掠を今後誰も起こさないやうに成る事、誰も露西亞市民を殺さない事を望む。此處での人々の選擇ははつきりしてゐる。國際合意に基づき展開してゐた露西亞の平和維持部隊のメンバーを含む、數百名の露西亞市民を殺した勢力を支持するのか、其れとも、さうした勢力を支持しないかだ」


敵對路線を最初にとつたのは亞米利加だ

レムニック 此の數年來、米露關係の先行きに危機感を抱き、憂慮する人々もゐる。あなたは、兩國の指導者間の關係は落ち着いてをり、對決的なムードにはないと描冩したが、露西亞は、亞米利加とグルジアの關係を憂慮してゐるやうだ。一方、われわれは、(軍事協力關係を深めつつある)露西亞とベネズエラの關係を憂慮してゐる。メデイアでは、米露の雙方が冷戰期のやうなメンタリテイーを持ち始めてゐるとも指摘されてゐる。プーチン首相、メドベージエフ大統領、デイツク・チエイニー副大統領、ブツシユ大統領は、かつては用ゐなかつた強い調子の發言をするやうに成つた。冷戰期と比べて、米露關係の現状をどうみてゐるか。

ラブロフ チエイニー副大統領がリトアニアのビリニユスで、(露西亞は天然瓦斯・石油資源の供給を内政干渉や脅迫の道具に使つてゐると主張し)「露西亞のエネルギー外交は強權的だ」と強く批判したのはいつだつただらうか。2年前(の2006年)だ。

 當時は、グルジアをめぐつて米露が對立してゐたはけではない。寧ろ、南オセチアとアブハジアでの危機を解決しようとする流れがあつた。そして、最近に成つて、此の流れを大きく混亂させたのが、他ならないグルジアのサーカシビリ大統領だ。

 いづれにしても、當時、米露關係にさざ波が立つてゐたはけではなかつた。だが其れでも、チエイニー副大統領は、われわれが對應せざるを得ないと判斷するやうな強い調子で露西亞を批判した。まさに、冷戰の復活を思はせるやうな表現で副大統領は露西亞を批判した。さうしたやり方を最初にとつたのは亞米利加ではないか。一方で、プーチン元大統領、メドベージエフ現大統領の二人が、冷戰への囘歸を思はせるやうな發言をした事はないと思ふ。

 (プーチン大統領 <當時> は、2007年2月に獨逸のミユンヘンでの演説で、亞米利加は「問題を一方的に軍事力で解決しようとしてゐる」と指摘した上で、北大西洋條約機構 <NATO> の擴大が東西間の「相互信頼」を失はせてゐると批判したが)ミユンヘンでのプーチン演説に對してワシントンからの公式の叛應はなかつた。此れは非常に重要な露西亞から亞米利加へのメツセージ、呼びかけだつた。

 プーチン大統領の演説は、世界の安全保障システムが何故うまく進化していかないかをテーマに誠實な對話を呼びかける事を意圖してゐた。

 次のやうな經緯を考へる必要がある。NATO・露西亞理事會は、「安全保障を特定の線で切り分ける事は出來ない。相手の安全保障を犠牲にして自らの安全保障を強化する事は出來ない」とかつて宣言した。此の宣言は、2003年のNATO・露西亞理事會首腦會議でも、2008年4月にブカレストで開かれた露西亞・NATOサミツトでも確認、支持されてゐる。

 われわれは此の安全保障原則をめぐつて、NATO加盟國の指導者と露西亞の指導者がともに支持出來るやうな共同文書をまとめようと試みてきたが、此れはうまくいかなかつた。亞米利加が5年前の「他の國の安全を犠牲にして自國の安全保障を強化する事は出來ない」と云ふフレーズが意味するところを認めようとはしなくなつたからだ。亞米利加が「ユーロ・アトランテイツク地域に於る他の諸國の安全保障懸念に配慮する」と云ふ表現に何故同意しなくなつたかは明らかだ。此のフレーズを亞米利加が再度支持する事を拒絶したのは、東歐羅巴に於るミサイル防衞網の配備を檢討してゐた事、2009年末に失效する第一次戰略兵器削減條約(START1)以降の軍備管理レジームに前嚮きでなかつた事と無關係ではないだらう。軍事管理交渉には熱心ではない亞米利加が唯一前嚮きだつたのは、戰略核彈頭の配備數を制限したモスクワ條約のロジックだけだつた。

 ワシントンはいまも、ミサイルを含むあらゆる到達手段の配備を制限する事に叛對してゐる。亞米利加は戰略ミサイルに裝填する非核彈頭を開發中で、核ではないどのやうな彈頭を戰略ミサイルにつける積りなのかと云ふわれわれの質問に對して、信頼出來る囘答を示してゐない。

 ソビエトが東歐羅巴から撤退するときに、「絶對にあり得ない」と約束したNATOの東方擴大をワシントンは現實に進めてきたし、ルーマニアとブルガリアの黒海に面した港にも、約束を破つて、亞米利加の海軍基地を作つた。また、宇宙空間への戰力配備はしないと云ふルールにも難色を示してゐる。

 此れらの一聯の流れのなかで、亞米利加はNATO・露西亞理事會に於て「他の國の安全を犠牲にして自國の安全保障を強化する事は出來ない」と云ふ5年前のフレーズを再確認する事は出來ないと云ふ立場に轉じた。此れに對する露西亞の叛應を根據に、われわれが冷戰への道を逆戻りしてゐると云ふ見方をするのは本末顛倒であり、私はとうてい同意出來ない・・・
 
 
 
 
 

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