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中国経済は8月の北京五輪の開催を待たずに、すでに調整局面に入りつつある。さらに人民元の30%以上の切り上げ論が出ている。
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投稿者 TORA 日時 2008 年 6 月 25 日 15:16:40: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu170.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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中国経済は8月の北京五輪の開催を待たずに、すでに調整局面に
入りつつある。さらに人民元の30%以上の切り上げ論が出ている。

2008年6月25日 水曜日

◆【千変上海】前田徹 中国発の世界インフレ? 6月24日
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/m20080624041.html

上海は今夏、電力不足に陥る可能性がでている。上海商報によると、発電、送電ともフル稼働なのだが、冷房など消費拡大で供給量が需要を下回るとみられ、一部で工場の操業停止さえ考えられるそうだ。
 だが、この電力不足、実はもっと根が深い。背後に電力エネルギーのもとである石炭の国際価格の高騰があるからだ。

 今年1月、米紙ウォールストリート・ジャーナルは「電力不足回避に中国奔走」という記事を掲載した。経済発展で爆発的に増加した中国の電力消費が石油や石炭といったエネルギー資源の国際価格高騰を招き、ひいては中国での電力不足の原因になっているといった内容だった。

 中国の発電は8割以上を石炭に頼っている。中国の石炭埋蔵量は世界でも有数、しかも生産量は年々、飛躍的に増加している。それでも爆発的な需要に追いつかず、中国は石炭輸入国になっている。その結果、国内価格は国際価格と連動、石炭は高くなる一方なのに電気料金は価格統制され、各地の電力会社は発電すればするほど赤字という異常事態に陥っていた。

 例えば中国電力監督管理委員会の調べでは、今年1月から3月までの第1四半期、中国電力大手5社はすべて赤字に転落していた。

 同じことはガソリンやディーゼル油といったエネルギー資源についても起きていた。

 最近、上海で停車中のトラックからディーゼル油を抜き取る窃盗団が一網打尽にされたニュースが評判になった。こちらも電気料金同様、国際価格より3割以上安く統制された結果、石油会社は売れば売るほど赤字になるというジレンマから売り惜しみし、品薄のディーゼル油を狙う窃盗団が登場したわけだ。

 ではこうまでして価格統制する理由は何なのかというと、結局はインフレへの恐怖につきる。中国国家発展改革委員会は19日深夜、ガソリンとディーゼル油を17、18%値上げし、電気料金についても5%引き上げると発表したが、中身は実に慎重なものだった。例えば電気料金値上げは一般家庭や農業関連を免除、ガソリンについてもタクシーやトラックは相応の補助金を受けることができる。

 これほど気を使うのは食料品など生活物資の高騰が収まりそうにないからだ。四川大地震に続いて中国南部を襲った大雨で豚肉や野菜の値上がりはむしろひどくなっている。1989年の天安門事件のさい、インフレへの民衆の怒りがあったことを考えれば、当局がインフレに敏感になるのは十分に理解できる。

 最近、30%以上の人民元切り上げによって石油の購入価格を一気に引き下げ、インフレ問題を解決するシナリオがささやかれ始めている。これまで人民元切り上げには中国は慎重だったが、世界分業システムにおける中国の地位はもう揺るがず、むしろメリットの方が大きいという見方が出てきたからだ。

 問題は世界にあふれる「メード・イン・チャイナ」が30%も値上がりすれば、今度は世界インフレになる心配がでてくる。

◆原油急騰で高まるスタグフレーションのリスク 6月25日 中国経済新論
http://www.rieti.go.jp/users/china-tr/jp/ssqs/080625ssqs.htm

原油価格が2002年頃の1バレル20ドル台から急騰し始め、現在、前年同期の約倍に当たる130ドル台という史上最高値圏で推移している。エネルギーの消費大国になった中国での需要の拡大が原油価格上昇の一因とされる一方で、原油高は逆に中国経済に景気減速とインフレの同時進行というスタグフレーションの圧力をもたらしている。

石油市場のメジャー・プレーヤーとなった中国

急速な工業化とモータリゼーションの進展を背景に、中国におけるエネルギー需要が急速に伸びている。中国は、すでに米国に次ぐ世界第二位のエネルギー消費国になっている。

英石油大手BPの統計によると、中国における一次エネルギーの消費量は、1997年の9.61億(石油換算)トンから2007年には18.63億トンとほぼ倍増しており、世界全体に占めるシェアも10.8%から16.8%に高まっている(表1a、1b)。同じ時期に米国のシェアは24.8%から21.3%に低下しており、中国が米国を抜いて世界一のエネルギー消費国になるのはもはや時間の問題である。実際、1997年から2007年にかけて、世界全体の一次エネルギーの総消費量の増分のうち、約4割は中国によるものである。

一次エネルギーの構造を見ると、日米欧といった先進国の場合、石油が中心になっているのに対して、中国の場合、石炭が依然として全体の70%を占めており、石油のシェアは20%程度にとどまっている(表1c)。それでも、2007年に、中国の石油消費量は、3.68億トン(世界の9.3%)と日本の2.29億トン(同5.8%)を大きく上回っている。1997年から2007年にかけて世界の石油総消費量の増分の約三分の一は、中国における需要の拡大によるものである。

中国は、元々石油の純輸出国であったが、国内需要が拡大したことで、1993年には純輸入国に転じ、その後も年々純輸入幅が拡大し続けている。中国の商務部が発表する通関統計によると、2007年には原油と石油製品の輸入は計1.97億トン、輸出を引いた純輸入も1.78億トンに達している(図1)。原油価格の高騰も加わり、2007年の石油貿易の赤字はGDPの2.6%に当たる850億ドルに上っている。世界の石油市場において、中国は日本を抜いて、米国に次ぐ第二位の輸入大国になろうとしている。

景気の減速に追い打ち

原油価格の上昇は、石油消費の約半分を輸入に頼らざるを得ない中国経済に多くの弊害をもたらす。

まず、原油価格の上昇は中国の交易条件(輸出の輸入に対する相対価格)の悪化、ひいては所得の購買力の低下を意味する。昨年の平均で1バレル70ドルだった原油価格が、その倍に当たる140ドルに上昇すれば、前述の中国の石油貿易赤字も倍になり、純輸入金額がさらに850億ドル(GDPの2.6%)増える計算となる。これは中国から石油輸出国への所得移転に当たり、いずれ企業収益の減少と消費者物価の上昇という形で、国民の負担となる。その上、それによる投資と消費への悪影響も懸念される。

また、原油価格の上昇は、中国(で生産を行っている)企業にとって、生産コストの上昇を意味する。それは、インフレを押し上げる一方で、逆に生産を抑える。特に、運輸や、鉄鋼、化学など、エネルギー多消費型産業の受ける打撃が大きい。

さらに、主要輸出先である先進国も同じような影響を受けるため、原油価格の上昇に伴う世界経済の減速により、中国において輸出が減り、生産がいっそう落ち込むことになる。

中国経済は、インフレの高騰、株式バブルの崩壊、世界経済の減速などを背景に、8月の北京オリンピックの開催を待たずに、すでに調整局面に入りつつある。最近の原油価格の急騰を受けて、インフレの沈静化は見込めず、景気の見通しがますます厳しくなってきている。

表1 主要国の一次エネルギー消費状況(2007年)
a) 消費量


(私のコメント)
中国やインドなどの株の暴落が止まらないようですが、欧米のファンドが中国やインドなどの新興国の株を売っているためだ。中国は毎年二桁成長を続けてきましたが石油などの資源高が国内インフレとなって経済成長にブレーキを掛け始めたのだ。食品等の生活物資の値上がりも激しくて、それが労働賃金の値上がりにも波及している。

中国は世界の工場とも言われるほどの経済成長ぶりで、実質のGDPでもすでに日本を抜いたとも言われています。13億人の勤勉な人口と欧米や日本などからの資本や技術移転などで空前の高度成長が90年代から続きましたが、中国は無理に無理を重ねて経済拡大第一主義でやってきた。

しかし、「株式日記」でも何年も前から中国は慢性的な水不足と停電に悩まされている事を指摘してきた。その事は実際に中国を何度も訪問している宮崎正弘氏の記事を見れば一目瞭然です。無尽蔵といわれた労働人口も少子高齢化の影響が出てきて若年労働者の低賃金での確保が難しくなっている。

インフレによる物価高と賃金の上昇というイタチゴッコは高度成長に必然的に伴うもので、日本や東南アジア各地でも起きたことだ。そのために為替レートを上げて調整するのですが、中国は人為的な為替操作で元をドルにリンクしている。しかしそれではアメリカのインフレが中国に輸入されてしまうので徐々に為替を元高に調整している。

石油や石炭や鉄鋼などの価格の上昇は中国における生産コストの上昇になり、いつまでも超低価格での輸出攻勢が難しくなってきている。さらにインドやベトナムなどのほうが低賃金になってきたので国際企業もインドやベトナムなどに工場を移している。さらに中国などではチベット問題など政治問題が表面化してきて、フランスのカルフールなどが抗議デモを受けるなど、政治リスクもでてきた。

経済のグローバル化によって、中国や東ヨーロッパも資本主義市場に新たに参入してきた事によって、低賃金労働者が供給過剰になり、欧米や日本などでは産業の空洞化が起きて低賃金労働者は中国や東欧などに引っ張られる形で、単純労働の賃金が低下していった。

「株式日記」では中国の元高は必ずしもマイナスではないと書いて来ましたが、中国は輸出大国であると同時に輸入大国でもあるので、石油などの物価が上がってきたら元高にして交易条件を上げるべきだと思う。しかし中国は一党独裁国家であるので経済も統制して問題を抑え込もうとしてしまう。

石油や石炭や鉄鉱が1年足らずに倍に値上がりしたのだから、輸出製品価格も倍近くに値上げしないと採算に合わないだろう。あるいは人民元を大幅に切り上げて海外からのインフレを防ぐしかない。あるいは日本のように高付加価値の製品に切り替えていく必要がありますが、中国は高付加価値のあるものを作り出していけるのだろうか?

中国経済新論にでている表を見てみると一次エネルギー消費状況は、米国が23億万トンで中国が18億万トンでEUが17億万トンで日本は5億トンしかない。昔は日米欧の三大経済圏といいましたが、今は完全に中国が日本にとって代わったと言える。どれだけエネルギーを消費しているかが国力のバロメーターでもあるのですが、日本は中国の3分の1以下しかエネルギーを消費していない。

それにもかかわらずGDPは日本以下なのだから中国がいかにエネルギーを無駄に消費しているかが表から分かるのですが、これではいくら中国の労働者が超低賃金で働いても国際競争力は無いといえる。特に目立つのは中国の石炭消費量ですが、中国が断然トップの13億トンで米国が5億トンでEUが3億トンで日本が1億トンだ。

つまり中国はほとんど石炭をたいて発電しており非常に熱効率が悪い。冬の大雪で交通が遮断されて大規模な停電が起きましたが、石炭を輸送する汽車が止まってしまったからだ。そして石炭火力が主力でもあるので公害を撒き散らして、北京オリンピックで大気汚染が問題になるほどだ。

それでも中国は電気やガソリンなどを価格統制しているから電力会社や石油会社は売れば売るほど赤字が増えている。中国政府がインフレを恐れて値上げを抑えているからですが、これでは経済が上手く回るはずがない。日本では為替からガソリンに至るまで毎日のように価格が変動して経済が回っていますが、中国ではシステム的に近代化されていないから価格変動に耐えられないのだ。

エネルギーからみても中国は人力による石炭の手掘りで生産していますが、飛躍的に伸びる電力消費に追いつくはずがない。だから石油や天然ガスを主力にしていく必要がありますが、両方とも輸入に頼らなければならない。にもかかわらずドルに元を固定しているのは利口な政策ではない。当面でも30%程度の元の切り上げが必要だろう。

 

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