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後退ニッポン、怒る海外投資家   「日経NET PLUS」
http://www.asyura2.com/08/hasan55/msg/507.html
投稿者 怪傑 日時 2008 年 3 月 05 日 16:47:00: QV2XFHL13RGcs
 

◇竹中平蔵(慶応大学教授、日本経済研究センター特別顧問、元総務相)
http://netplus.nikkei.co.jp/forum/academy/t_70/e_1009.php

 先々週はロンドンに4日間、先週はニューヨークに5日間出張し、投資家たちと議論してきた。東京株式市場の取引のうち6割以上は海外投資家が占め、彼らの見方を知ることは、日本の市場動向を考える上で極めて重要である。

 結論から言うと、海外の主力投資家たちは今や日本経済の先行きに対して「厳しい評価」を通り越して「怒り」を感じているようだ。特に日本に対する投資を増やしてきた欧州の投資家は厳しい。なぜ今日のように改革が停滞してしまったのか、その説明を求める質問が後を絶たない。

■英エコノミスト誌も日本を痛烈批判
 時を同じくして、英エコノミスト誌(2月22日−29日号)で厳しい日本特集が出された。タイトルは「JAPAiN」。ジャパンの「A」と「N」の間に「i」を入れて、日本の「pain(痛さ)」を皮肉っている。米国の友人によると、エコノミスト誌が一つの国を風刺するのは珍しくないが、ここまで全面的に批判するのは見たことがないという。確かに、厳しい対日批判が全面展開されている。

 その中で、日本を悪くした責任者として、3つの主体が名指しされている。第1の責任者は安倍晋三前首相だ。小泉改革をうまく引き継げなかったとしている。第2は改革の歩みを止めた自民党。派閥政治に逆戻りし、中曽根康弘元首相、森喜朗元首相ら長老や渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長が影響力を持っているとする。そして第3の責任者として、民主党の小沢一郎代表を挙げている。参院で多数を占めているにもかかわらず、その役割を果たしていないという。

 こうした指摘に対しては当然、反論も可能だが、いずれにしても日本に対してかつてなく厳しい批判が突きつけられているという事実は認識しなければならない。我々にとって重要なのは、なぜ改革の勢いが低下したのか、その流れを再び変えるにはどうすればいいのかである。具体的に日本経済の後退という観点からすれば、私は責任を負うべき3つの主体を別の形で指摘できるように思う。

■日本経済を後退させた3責任者
 第1は日銀だ。エコノミスト誌が指摘しているように、日本経済のパフォーマンスの悪さは名目成長率の圧倒的な低さが象徴している。実質成長がある程度の水準(2%程度)に戻ったにもかかわらずデフレ克服が遅れたのが原因だが、通貨の番人たる日本銀行の責任は免れない。

 第2の責任者は、経済財政諮問会議である。安倍内閣でも福田内閣でも、ともに改革と成長加速を目指したのは正しい。問題は、そのために何をするかが一貫して示されないことだ。以前も指摘したが、改革のアジェンダ(課題)が示されていないのである。だからこそ成長期待が低下している。こうしたアジェンダを示すのが、諮問会議の最重要課題のはずだ。

 そして第3は、反改革の風潮をはびこらせた一部のメディアである。改革のせいで格差が拡大したかのようなキャンペーンは、理論的にも実証的にも明らかに誤りだ。また、日本の格差が諸外国に比べても大きいとするような指摘も、事実に反している。反改革の片棒を担いだこうしたメディアが、この期に及んで改革のモメンタム(勢い)低下を批判している姿は、こっけいである。

 かつてドイツ出身の政治経済学者アルバート・ハーシュマンは、変化をもたらす2つの要素として「出口」と「声」を挙げた。日本に関して言えば、経済パフォーマンスの悪さに嫌気が差して投資家が日本から資金を引き揚げるのが「出口」である。外国人投資家の売り姿勢に、こうした点が見て取れる。一方、今回のエコノミスト誌のような、明確な批判が「声」である。ちなみにハーシュマンは、変化のためには出口と声がそろうことが重要と指摘している。

 日本の改革低下について、明らかに「出口」と「声」が出そろいつつある。これに正面から答えるのが、政治の役割である。


◆滝田洋一(日本経済新聞社編集委員)
 日本については、悲観論が台頭するのも無理からぬ事情があります。一方で、世界経済の混乱が増しているなか、海外も日本たたきをする余裕などありません。サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題で米経済が急速に悪化しているだけに、「不安定度のより小さい(Less instable)」分、しっかり課題を果たしてほしい。そんなメッセージを、例えばリンゼー元米連邦準備理事会(FRB)理事は発しています。

 経済改革や門戸開放など、課題はハッキリしています。問題は実行でしょうが、その前に「不安定度」を高めないのが、最低限の必要条件です。具体的には3 月19日に福井俊彦総裁の任期が切れる日銀トップの後任人事を、きちんと固めることです。日銀総裁が空白になるような事態は、ただでさえ不安定な金融市場を、一段と不安定にしかねないからです。その場合は、怒りを込めた海外の日本たたきを誘発しかねません。

 本来なら、経済の安定役としての日本を売り込む好機なはずなのに、株式市場で起きているのは失望感からの日本売り。この落差こそが日本の苦痛、「エコノミスト」のいう「JAPAiN」にほかなりません

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