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中東や中国の政府系ファンドの損失拡大は避けられない(株式日記と経済展望)
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投稿者 忍 日時 2008 年 3 月 21 日 20:39:16: wSkXaMWcMRZGI
 

中東や中国の政府系ファンドの損失拡大は避けられない
経済 / 2008年03月19日
中東や中国の政府系ファンドが資金を投入して以降も、欧米の
投資銀行の不良債権は増加しており、損失拡大は避けられない

2008年3月19日 水曜日

◆中国投資有限公司:ブラックストーンへの投資で損失 3月14日 サーチナ

米投資ファンド、ブラックストーン・グループの株価下落で、中国政府系投資ファンド、中国投資有限責任公司が保有するブラックストーン株の時価総額が購入時価格の50%に目減りした。13日付で京華時報が伝えた。

 ブラックストーンが10日に発表した2007年10−12月期決算は、最終損益が1.7億米ドルの赤字だった。米サブプライムローン問題による信用取引市場の悪化が要因で、売上高も3.45億米ドルと前年同期比で73%落ち込んだ。この影響で同日の同社の株価は取引時間中に13.82米ドルをつけて、07 年6月の上場以来の安値を更新した。

 中国投資は07年5月、海外での初の投資案件として、ブラックストーンの株式1.1億株を取得した。購入価格は1株29.605米ドル、購入総額は約30億米ドルだった。最安値となった13.82米ドルで計算すると、保有株式の時価総額は50%減の16億米ドルとなる。

 ただ中国人民大学・金融証券研究所の趙錫軍副所長によると、中国投資はブラックストーンの株式を4年間保有することで合意しており、損失は一時的なものとなる。ブラックストーンのこれまでの実績からみて、投資対象としては最適という。(編集担当:伊藤祐介)


◆韓国の政府系ファンド、メリルリンチ投資で含み損 2月22日 朝鮮日報

 アジアや中東の政府系ファンドが最近、サブプライム住宅ローン問題で資金難に陥っている欧米の金融会社に続々投資しているが、21日付英フィナンシャル・タイムズ(FT)は「投資タイミングが早すぎた」と警告した。政府系ファンドが資金を投入して以降も欧米の投資銀行の不良債権は増加しており、損失拡大は避けられないとの見方だ。韓国投資公社(KIC)も先月、米投資銀行メリルリンチの株式を取得したが、損失懸念が浮上している。

◆FT紙の警告

 FT紙は「不良債権が十分に明らかになった時点で投資を行うことこそ収益を上げる道だ」という米国の石油王、ロックフェラーの名言を引用した。サブプライム危機が浮上して以降、欧米の金融会社がどれだけの血を流したかはまだ十分に把握できていない。政府系ファンドは投資先が「血を流し切った時点」で投資すべきだったが、あまりに投資を急ぎすぎたというのが同紙の指摘だ。FT紙が政府系ファンドの投資失敗事例として挙げたのは、中東のカタール投資公社(QIA)が取得した投資銀行クレディ・スイス株。1年間でクレディ・スイスの株価は40%も下落したが、投資時点では「安値タイミングをとらえた」と評価されていた。

 クレディ・スイスは同日、債権価格の計算に誤りがあったとして、第1四半期に28億5000ドル(約3060億円)の資産を追加償却し、株価が8%急落した。このほか、中東の複数の政府系ファンドも欧州の金融機関に600億ドル(約6兆4400億円)を投資したが、約10%の損失を計上したと分析した。

 クレディ・スイスは欧州の金融機関で最も被害が少ないといわれ、ほかの金融機関の損失拡大は避けられないとの見方が広がっている。FT紙は「ほかの金融機関でも似たような事態が相次ぐ」と指摘した。

◆韓国の投資は大丈夫か

 韓国の政府系ファンドKICが米メリルリンチの優先株に20億ドル(約2150億円)を投資したのは先月15日。サブプライム問題の直撃により、メリルリンチの株価は2006年末の約半分にまで下落。KICは1株当たり53.01ドルで投資を行った。

 当時韓国政府とKICは「メリルリンチの株価は十分な安値水準にあり、魅力が大きい」と説明していた。しかし、KICが投資を発表した直後の先月17日、メリルリンチが多額の損失を明らかにしたことで、株価は49.45ドル(約5300円)まで下落するなど、低迷を続けている。20日の終値は51.84ドル(約5570円)で、投資時点をやや下回っている。

 財政経済部高官は「取得したKICの優先株は2年9カ月後に普通株に転換する条件となっており、短期的な株価の騰落に一喜一憂してはならない」と指摘した。契約によると、KICは2年9カ月の間、年9%の配当を受け取ることになっており、普通株に転換する時点で株価が61.3ドル(約6590円)を超えないと含み損を抱えることになる。

 韓国では、ハナ銀行もメリルリンチに5000万ドル(約53億6700万円)の投資を検討しており、韓国資産管理公社も米投資銀行のサブプライム関連不良債権に投資を行う計画だ。サムスン投信運用、韓国投信運用、教保投信運用などファンドマネジャーも個人投資家を対象に米投資銀行に対する投資資金を募っている。


(私のコメント)
金融界では政府系ファンドが花盛りですが、政府の役人が相場に手を出して上手くいくはずがない。それは中東のアラビア商人でも中国の華僑でも同じだ。金をたくさん持っている時はどうしても気も大きくなって相場に手を出してしまう。日本人も同じでバブルの時は何にでも手を出してしまう。これは人間である限り世の東西を問わない。

大金を持ちながら投資するタイミングを待ち続けるのは、本当の相場を知る人のみであり、政府の役人が投資のチャンスを待ち続ける事は象が針の穴を通る事より難しい。ニュースでもわかるように中東の政府系ファンドもシティへの投資であっという間に8000億ドルも評価損をしてしまった。中国の政府系ファンドもあっという間にブラックストーンへの投資で半分すってしまった。

最悪の場合は投資先が倒産して一銭も返らない場合も十分にありえる。相場とはそういうものだ。政府系ファンドが話題になったときに竹村健一氏がよくシンガポールを例にあげて政府も資金運用で稼げとよく言いますが、相場はそんなに儲かるものではない。極端に言えばインサイダーしか儲からない。

朝鮮日報でも韓国の政府系ファンドが投資に失敗している事を報じていますが、投資に失敗してもだれも責任を取らないから政府系ファンドは失敗するのだ。国家財政だって赤字を出しても誰も責任を問われない。赤字なら増税して国民から税金を巻き上げればそれで済むからだ。この点が家計とは一番違う点だ。

政府が財政赤字で大変だと言うキャンペーンは嘘なのだ。政府は通貨を発行できるので財政が赤字でも国債を発行して穴埋めが出来るし、永久的に返済する必要がない。どうしても必要な場合は国債と紙幣とを交換すれば済んでしまう。経常黒字の国ならばそれが出来る。

このような政府がファンドを運用するのは馬鹿げているのであり、国家はいくらでも紙幣を印刷して使えるのだから相場に手を出す必要がない。もちろん国内経済が発達していない国ではこのような事は出来ない。日本のように供給力があまって需要が足りない国では国がマネーを供給して経済を回す必要がある。日本の財務省の役人はそれが分からないから増税して需要をかえって減らしてしまう。

国内に産業がない国が勝手に通貨を発行すれば直ぐにハイパーインフレになってしまう。アフリカのジンバブエでは66000%のインフレになってしまって紙幣が通用しなくなってしまった。アルゼンチンやロシアでもハイパーインフレが起きて億万長者があっという間に無一文になってしまった。国内経済が破綻してしまうとそうなってしまう。

日本の場合はまったく逆であり日本経済が強すぎて円の価値が上がり続けてデフレになっている。円が強いと海外のものが安く買えるから物価が下がってしまう。なぜ円が強いのかと言うと世界中の人が日本製品を欲しがっているからだ。国内に需要が少ないから海外に売って外貨が貯まる一方だ。ならば国内で需要を増やせばいいのに政府日銀はインフレを恐れて増税してデフレにしてしまった。

中東産油国やシンガポールのような、国内に産業が乏しい国では政府系ファンドの存在意義もあるのかもしれない。しかし中国や韓国のような国がシンガポールの真似をしても上手く行くはずがない。それよりも国家運営をしっかりやって欲しいものだ。

日本のような品位のある国では政府系ファンドなどやるべきではない。為替などでドル買いをしたりするのは一種の通貨投機ですが、これも本来はやるべきではなく為替相場に介入するのは非常時のみにすべきだ。政府日銀がドル買いするからアメリカの投機筋はドルを売ってくる。買う人がいなければドルは売れない。

アメリカやイギリスは金融立国を目指したようですが、昨日書いたように英米の金融業界はメルトダウンしつつある。15億ドルもするベアースターンズ社の本社ビルは只同然で売られてしまった。金融業は破綻してしまうと後には何も残らない。

産業は農業、工業、サービス業へと発達してきましたが、農業や工業があってこそのサービス業であり、中東産油国やシンガポールのような農業や工業が発達しにくい国だからこそ金融業を国策産業にしようとしている。だから政府系ファンドも出来たのでしょうが、日本のような産業国家がすべき事ではない。金融業は所詮はバクチなのだ。

日本の経済評論家やエコノミストや国会議員にも政府系ファンドを作れと言う意見がありますが、相場の難しさが分かっていないからそう言うのだ。私も株式相場で高い授業料を払ってきたが、やってみれば相場の恐ろしさがわかるはずだ。タイミングを間違えると取り返しのつかない事になる。

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