★阿修羅♪ > 国家破産56 > 126.html
 ★阿修羅♪
浜田 和幸氏のレポート「バフェットやビル・ゲイツなど大富豪がドル決別」の信憑性を疑う
http://www.asyura2.com/08/hasan56/msg/126.html
投稿者 Ddog 日時 2008 年 4 月 10 日 23:34:15: gb2b4T9TetGkU
 

正直に告白すると3月18日、来るべきものが来てしまったと思った。最期の審判が開始された円ドル70円台日経平均1万円割れNYダウ1万ドル割れが頭を過ぎった。ところが、金融システム崩壊寸前にベアースタンを救済して、米国および世界の金融システムはなんとか、第一ラウンドの危機を脱したことだけは事実である。よく考えれば、ベアースタンの救済は事実上の公的資金投入であるともいえる。

しかし、楽観論を否定するレポートは、浜田 和幸氏の「バフェットやビル・ゲイツなど大富豪がドル決別」 [http://moneyzine.jp/article/detail/42407] のように、“米ドルの紙くず化“が明日にでも到来するかの扇動する記事が溢れています。浅井某や副島某の個人のブログ程度なら、「また書いてやがる、物書きで喰っていくのって大変なんだなあ」程度で済むが、浜田氏は多少信憑性がありそうなので読んでみた。

浜田和幸氏は、1999年文春新書で「ヘッジファンド」でジョージ・ソロス氏をはじめ、90年代のヘッジファンドの内幕を紹介した本を著して以来、「たかられる大国日本」などの著作があり、私も愛読者の一人でもあります。
しかし、今回MONEYzineの記事を読むと、浜田氏が浅井某、副島某と同類であったかと思わせるようなレポートで、大変失望した。

-------------------------------------------------------------------------------
 実は2007年11月アメリカの会計検査院はアメリカ政府の財政破綻宣言を行った。その内容は衝撃的なもので、「累積赤字が53兆ドルを突破しており、救済の可能性はゼロに等しい」というもの。正にアメリカという国家に対する死亡宣告にも等しいものになっている。アメリカの国債や国際基軸通貨としてのドルが“紙くず”になる日が近いというわけだ。
-------------------------------------------------------------------------------

浜田氏がネットで「アメリカの会計検査院はアメリカ政府の財政破綻宣言した」と書き込む以前、そんな重要な情報について少なくとも私は知らない。(実は知らないのは私だけかもしれない。火星人が地球に来ていると同じレベルの情報かもしれませんね。「王様は裸だヨ!」)数多の素人ブロガーがこの記事を引用していますが、ネットで検索しても4月3日以前「アメリカの会計検査院はアメリカ政府の財政破綻宣言した」の記事は見つかりませんでした。それではと、アメリカの会計検査院GAO[htp://www.gao.gov/]のHPを検索しました。2007年11月のReports and Testimoniesで69ほどのレポートが掲載されてました。ところが、それらしきレポート が1つ有ったのですが、
[http://www.gao.gov/docsearch/abstract.php?rptno=GAO-08-340CG]
Summary(要約文)は
-------------------------------------------------------------------------------
This is a Comptroller General Presentation delivered to the Center for Governmental Accounting Education and Research's Annual Conference at Rutgers University on November 30, 2007. Major topics of this presentation include: potential fiscal outcomes, revenue loss estimates for the largest tax expenditures, current fiscal policy and the way forward, areas for congressional oversight, and health care spending and reform.
-------------------------------------------------------------------------------
です。
11月の他のレポートでそれらしいタイトルは見当たりませんでした。浜田氏が「風説の流布」をしているのでしょうか?もしかしたら別の月だったかもしれませんね。浜田氏が犯罪行為である「風説の流布」をしているとも思えませんので、多分どこかにレポートが載ったのでしょう。でもその程度の扱いです、何処から見てもGAOが財政破綻宣言したという緊急事態が発生した割には、大人しいGAOのHPです。肝心なレポートや関連レポートすら発見できませんでした。

確かに米国の一極支配は崩れつつあるかもしれません。不免換紙幣であるドルが“紙くず”に近づいているとの意見に対して現時点でのアメリカの状況から推測して将来起きる可能性まで否定できないと思いますので、私も異論はありません。

しかし、明日にでも"紙くず"になるこという点が納得できない。このまま米国が黙って「茹で蛙」になる運命を受け入れたうえで、かつてニクソン大統領がドルの金との交換停止を宣言したように、米国債のデフォルト宣言をして、全ての責任を遂行しないと、世界に対し宣言したのなら確かに、明日にでも米ドルは"紙くず"になるかもしれない。こと米ドルに限れば、現状"紙くず"になるような危機が波及しているという現象は確認できていない。

当面の危機第ニラウンドは、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)による信用収縮が問題になると思う。もし、CDS45兆ドル(4500兆円)が吹っ飛んだ場合、米ドルが無事でいられるはずがなく、当然他通貨に対し下落することが想定できるが、同時に世界中の金融システムも無事でいられるはずもなく、被害が波及することが想定されます。それゆえ、米ドルの相対的な他通貨との交換レートが極端な暴落し"紙くず"になることも想定しにくい。

本日の日経1面ニュースで報道されているが、G7に主要金融機関の代表を招集するなど、着々と第二ラウンドへ向けFRBは布石を打ち続けている。そして、米国は、依然、世界一の軍備を維持し、高騰続く農産物の輸出国でもある。もしドル安が定着すれば、米国内に中国から工場が帰ってくることも十分考えられる。
チャイナリスクと大消費地に近い利点を考えれば、ドルが安くなれば、米国内への工場の回帰が起きる。また、日本やヨーロッパと違い、人口が減らない活力ある移民国家でもあるのだ。

米国債のデフォルトの危機は、ユー口や他の通貨で起債されている債券のデフォルトリスクより依然低い、ましてや日本国債よりデフォルトするリスクは低い。ゆえに明日にでも"紙くず"になるとの扇動的言説は罪悪である。

お金の本質は国家の借用証書(国債)と金融資本(銀行家)の金の保管証券の2つの系統があるとの説がある。金の保管証券が金本位制の原点だが、米ドルの本質は、民間銀行でもあるアメリカ連邦準備制度(FRB)のが米国国債を買い取る証書が原点である。(国債本位制と呼ぶのがふさわしい)。ドル紙幣は貨幣ではなく「利子がつかない小額の国債」でもある。[http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20050906]に詳しく解説されている。
もしかすると、日本の「個人向け国債」も大量募集の償還が近づく頃、新たなる流通市場が創設され、やがて個人の資産をかき集めるその役割から、いつのまにか資金の供給オペレーションに使われ、気がつけばMoneyとしての性格を持つようになるかもしれません。(ちょっと考えすぎか?)

著名な投資家の資産運用は、米ドルから他の投資対象へ分散化しだしたのも事実だ。米ドル暴落論者のジムロジャーズは、シンガポールへ移り住み(どうせなら中国本土に住んでみろ!)中国とコモディティに資産のシフトをしているのは有名な話だ。
慈善家の仮面を被るビル・ゲイツの経歴はウィンドウズにせよ、エクセル、Xboxなどなど、他人の成果を合法的に奪い去る破廉恥な商売の数々の成功であり。ビル・ゲイツならうちのかみさんと同様に沈没寸前のタイタニックの救命ボートに躊躇なく真っ先に乗り組みそうなので、「ビル・ゲイツ米ドルを見限る」はビル・ゲイツなら「さもありなん」とは思うものの、米ドル以外の通貨で膨大な彼の資産すべてを運用しきれるものでもなく、何よりも、一番大きな財産であるマイクロソフトの株式は米ドル建である。

ジョージ・ソロスはハンガリー生まれのユダヤ人で愛国DNAは流れていないので米ドルを叩き売ったとしても驚きはしない。もし、ソロスならば、本当に米ドルが“紙くず”になると思えば、FRBに戦いを挑んでもおかしくは無いだろう。ところが、現在ソロス氏、大統領選挙に忙しいらしく、今のところ戦闘意欲な無いようです。

そして、尊敬する投資家ウォーレン・バフェット氏はどうかというと、やはり、2002年から米ドル以外の通貨に投資し始めた。このことはニュースにもなりました。ただし、分散投資の一貫であり、基本手法の米国株式のヴァリュー投資を止めた話は聞いたことが無い。

どうも、今回の浜田 和幸氏の「バフェットやビル・ゲイツなど大富豪がドル決別」の内容とタイトルは、扇動的で、信憑性に欠ける有害レポートである疑いがある。

最期に付け加えておきたいがある。米国は1930年代恐慌に陥ったが、第二次世界大戦を経て、今世紀初頭までは世界の覇権を握っていたことを忘れてはならない。20世紀はアメリカの時代であった。もし、また米国を恐慌が襲ったとしても、米国は必ず立ち上がる国であると信じています。

http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/folder/373448.html

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 国家破産56掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。