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アラブ首長国連邦のドバイは、今後建造する発電所をすべて石炭火力にするという。産油国も音を上げる石油の高騰の謎
http://www.asyura2.com/08/hasan56/msg/699.html
投稿者 TORA 日時 2008 年 6 月 03 日 15:03:28: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu169.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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湾岸産油国、アラブ首長国連邦のドバイは、今後建造する発電所を
すべて石炭火力にするという。産油国も音を上げる石油の高騰の謎

2008年6月3日 火曜日

◆湾岸産油国のインフレはドルペッグ制廃止でも解決しない=米財務長官 6月2日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-32047720080601

[アブダビ 1日 ロイター] 中東湾岸諸国を歴訪中のポールソン米財務長官は1日、 同地域の産油国首脳は、米ドルペッグ制の廃止でもインフレ問題は解決しないとの認識だと述べた。

 ポールソン財務長官は4日間の日程でサウジアラビアやカタール、アラブ首長国連邦(UAE)を訪問している。

 財務長官は、湾岸地域の首脳は「ドルペッグ制はインフレに多大な影響を及ぼしてはいないとの認識だ」とし、「首脳らはインフレを最優先課題とみている。ただ、ドルペッグ制の廃止がこの問題を解決するものではない」と述べた。

 一方、財務長官は、湾岸諸国によるドルペッグ制の廃止のいかなる動きも排除することはできないと述べ、通貨政策の決定は各国の主権であるとの見方を繰り返した。

 湾岸の6産油国のうち、クェートを除く5カ国がドルペッグ制を採用しており、原油価格の高騰で景気が過熱していても、米連邦準備理事会(FRB)の利下げに合わせて金利を引き下げる必要がある。

 一部諸国は、ドルペッグ制とこの数カ月間のドル安がインフレを高進させており、通貨バスケット・ペッグ制の方がインフレ制御がより容易になる可能性があるとの見方を示している。

 ロンドンに拠点を置く中東経済専門誌「ミドルイースト・エコノミック・ダイジェスト」(MEED)は30日、カタール指導者付経済顧問が、ドルペッグ製を廃止する必要があるとの見方を示したと報じた。カタールの景気が過熱している一方、米国が減速していることを理由に挙げた。

 一方、ポールソン財務長官は、強いドルが米国の国益であり、ドルの価値は究極的には長期的な経済ファンダメンタルズを反映するだろうと述べた。

◆サウジアラビア、ドルペッグ制廃止や通貨再評価の意向ない=財務相 6月2日 ロイター
http://data.news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-320516.html?C=S

[ジッダ 31日 ロイター] サウジアラビアのアッサーフ財務相は31日、リヤルのドルペッグ制廃止や通貨再評価を行う意向はないとの姿勢を示した。ペッグ制について、サウジを利してきた、と述べた。

 ポールソン米財務長官との共同記者会見で述べた。アッサーフ財務相は「ペッグ制を廃止したり、通貨を再評価する意向はない」と述べたうえで「米財務長官が指摘したように(ペッグ制は)われわれを利してきた。われわれはサウジの長期的利益を考えている」との見方を示した。

 一方、ポールソン米財務長官は、ドルペッグ制についての質問に対して「決定は各国の主権だ」と述べたうえで「ペッグ制は、この国(サウジアラビア)とアラブ地域の役に立ってきた」との認識を示している。

◆米国は湾岸アラブ諸国の為替政策変更を事実上容認=メリルリンチ 5月26日 ロイター
http://data.news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-319457.html?C=S

[ドバイ 25日 ロイター] メリルリンチは、米国は湾岸アラブ諸国に対し、インフレを問題と認識することでドルペッグの為替政策の変更を事実上容認しているとのリポートを発表した。

 メリルは「湾岸アラブ諸国に対する青信号」と題するリポートで、アラブ首長国連邦(UAE)とカタールはおそらく今後数カ月以内に通貨バスケットに移行すると予想。両国通貨は年末までに5%上昇する見込みという。

 一方、サウジアラビアの通貨政策変更は来年遅くまでない、との見方を示した。

 メリルは米財務省が初めて湾岸協力会議(GCC)の通貨とインフレに言及した議会への報告書を引用し、米政府がドルの今後の見通しについて自信を強め、湾岸諸国の支援を必ずしも必要としなくなったと指摘。「GCC加盟国の為替政策の変更を事実上容認している」との見解を示した。

 投資家は昨年9月以来、ドルペッグ廃止の思惑で一部のアラブ湾岸諸国の通貨を買い増している。

 メリルは、通貨政策の変更には国内で政治的制約もあるが、最終的には市場の流れにより自国通貨の上昇を余儀なくされる国が出てくる、との見方を示した。

◆カタールは通貨の米ドルとのペッグを撤廃する必要がある=首長の経済アドバイザー 6月2日 ロイター
http://data.news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-320533.html?C=S

[ドバイ 31日 ロイター] カタール首長の経済アドバイザーは、カタールは経済が拡大しているため、通貨の対ドル・ペッグ制を撤廃する必要がある、との考えを示した。30日付のミドル・イースト・エコノミック・ダイジェスト誌が伝えた。

 それによると、ハマド・ビン・ハリファ・サーニ首長の経済アドバイザーであるIbrahim al-Ibrahi氏は、同誌とのインタビューで「われわれはリンクを外す必要がある。われわれの経済が拡大しているときに、相場が下落している通貨との連動を維持するのは理にかなうことではない」と述べた。

 通貨を米ドルにペッグさせているアラブ湾岸諸国の中央銀行は、インフレの高進と力強い経済成長にもかかわらず、相対的な通貨価値を維持するため、金利を米国に追随させざるを得なくなっている。

◆産油国まで石炭火力=潮田道夫 5月25日 潮田道夫 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/biz/ushioda/news/20080525ddm008070157000c.html

日本の温暖化対策の進み具合は主要70カ国の中で61位。落第点だ。世界銀行の採点である。石炭による火力発電が増えたので減点された。

 石炭は二酸化炭素の排出量で石油の1・2倍、天然ガスの1・8倍もあるそうだ。そんな汚い発電を増やすなんて、と。

 しかし、石炭火力は日本の発電量の約25%。世銀が日本より高い点をつけた米国とドイツは50%超でずっと多い。ヘンじゃないか。

 水準でなく努力の多寡の評価だから、ヘンじゃないそうだ。さようか。理屈にはなっているが、釈然としないね。

 もうひとつ、納得しにくい話を聞いた。湾岸産油国、アラブ首長国連邦のドバイは、今後建造する発電所をすべて石炭火力にするという。自国産の天然ガスや石油では高過ぎる。安い石炭でないと電力会社がやっていけなくなった。

 サウジやバーレーン、オマーンなど、他の大産油国も軒並み石炭火力を検討しているという。石炭に走るより、石油の値下げをしたらどうだ。

 そう、石炭火力は減るどころか、むしろ増えそうな情勢だ。値段が石油の5分の1、天然ガスの4分の1と安い。そのうえ、石油と違って当面枯渇の心配がない。

 しかし、さすがに環境負荷が大き過ぎる。例えば中国の場合、あの国の出す二酸化炭素の4割が石炭火力が起源だ。

 先ごろの胡錦濤主席の訪日で、日中が「二酸化炭素の回収・貯留(CCS)」で協力することが決まった。ハルビン火力発電所が排出する二酸化炭素を回収し、中国最大の大慶油田に注入する。二酸化炭素を地中に閉じ込めるとともに、その圧力で石油の採掘効率を高める。

 CCSはコストや安全性などに問題があるが、二酸化炭素を90%除去できるという。中国はもとより産油国まで石炭火力に走る時代。敵視しても仕方ない。CCSなど技術革新で低炭素化を図るほかない。(論説室)

(私のコメント)
ニュースは並べて見ないと真相はなかなか見えてきませんが、先月に湾岸産油国がドルペッグから外れるという観測のメリルリンチのニュースが流れた事によって、急遽ポールソン財務長官が湾岸産油国を周っています。

アメリカは国内の金融危機に対して、FRBが値のつかなくなった債権を買ったり、金融機関が所有している値のつかない債権を米国債と交換したりしてパニックを防いでいます。アメリカは日本に対しては時価会計を押し付けていながら、自国が金融危機になると粉飾決算まがいのことをしている。

またFRBは銀行を通じてヘッジファンドに資金を供給して石油相場を吊り上げさせていますが、これはドルの値下がりを石油でヘッジさせるための湾岸産油国との暗黙の密約があるのだろう。アメリカとしては金融危機で機能が麻痺した債券市場に介入して資金供給している。当然ドルがだぶついて値下がりする。

普通ならサウジアラビアなどが「石油をドルでは売らないユーロで売る」と言い出しかねない。売って得たドルもユーロに換えてしまうかも知れない。ところがドルや株は堅調だから石油代金もドルに還流しているようだ。金利から見てもドルよりユーロで運用したほうが金利は高いのですが不思議な現象だ。

おそらくアメリカとサウジアラビアとの間でドルの目減り分を石油価格の高騰で補填する密約が出来ているのだろう。だから増産余力のあるサウジアラビアも増産はしないのだろう。しかし石油の高騰はアメリカ経済を確実に痛めつけるからいつまでも続けられないはずだ。アメリカにとって最後の頼みはサウジであり、サウジがいつまでアメリカを支え続けられるかがドルの分かれ目だ。

中国もドルとの連動で元は動いていますが、中国もインフレで元を徐々に上げ始めた。だからポールソンは頻繁に中国を訪れてドルを買うように説得しているようだ。日本も金利を0,5%にしてドルを支えているのですが、日本はアメリカの植民地なのでポールソンは素通りしている。

しかし石油がこれだけ値上がりすると湾岸産油国も自国産の天然ガスや石油は高すぎるので、発電所も石炭火力発電所を作り始めた。産油国の発表する石油の埋蔵量はたいていが誇大広告であり、外国型投資を呼び込むための数字なのだ。だから意外と石油の埋蔵量は発表よりも少ないのだろう。だから産油国も石炭火力発電所や原子力発電所などを作りはじめているのだ。

アメリカにとっては石油とドルは切り離せないものであり、サウジがドル以外の通貨で石油を売るといったらドルの需要は無くなり、世界各国はドルを手放し始めるだろう。だからポールソンにとってはドルペッグも重要ですが石油とドルのリンクを守る事が最重要課題なのだ。

サブプライム問題自体もアメリカにとって死活問題なのですが、ドルの暴落を防ぐ為の石油とのリンクも外せない問題だ。すでにロシアやイランやベネズエラなどはドル以外の通貨で売っていますがサウジや湾岸産油国の動向が一番重要だ。

アメリカにとっては日本とサウジアラビアが最重要同盟国のはずですが、90年代のジャパンバッシングや9・11テロ以降のサウジへの冷たい扱いはアメリカにとって自殺行為である。メリルリンチのレポートは湾岸諸国のドル離れを容認した内容ですが、アメリカ政府とウォール街との見方は矛盾している。サウジ以外の国なら影響は小さいと見ているのだろう。

ポールソン財務長官は「強いドルはアメリカの国益である」と述べていますが、言っている事とやっていることは正反対だ。金利を下げ、売れない債権を買い支える事で資金を無制限に供給している。バーナンキFRB議長のヘリコプターマネー政策は上手く行くのだろうか? 

石油も食料も工業用資材も上がればインフレになり、物価が上がって債務の負担が相対的に減ればバブル崩壊によるダメージは減る事になる。このようなインフレ政策は日銀の官僚たちには理解できない事であり、デフレにしてしまった。はたしてヘリコプタマネー政策は間違っていいるのだろうか? 

インフレでも金利が上がらなければインフレ調整政策は合理性がある。財務省の官僚たちもインフレになると金利が上がると思い込んでいるからデフレにしているのかもしれない。日本は1000兆円もの国公債を発行してもインフレにもならずに金利も低いままだ。エコノミストや経済学者はハイパーインフレになって日本は破産だと騒いでいましたが、彼らのいうことは間違いだらけだ。

現実には考えられないような事がおきますが、石油の上に成り立っている産油国が石炭火力や原子力発電所を作るようなもので、現実には予想外の事がよく起きるからエコノミストや経済評論家の言うことは当てにならないのだ。

 

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