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サミットが終わって思う。米国のジレンマ〜FRBの戦い〜日本はいかにすべきか?そして株、日本経済の行方。
http://www.asyura2.com/08/hasan57/msg/436.html
投稿者 Ddog 日時 2008 年 7 月 12 日 23:01:00: gb2b4T9TetGkU
 

サミットが終わって思う。

洞爺湖サミットが無事終了し、東京の地下鉄にも平穏な日常とともに無事ゴミ箱が帰ってまいりました。

環境・気候変動問題、資源食料問題、世界経済危機問題、イラン北朝鮮の核・ジンバブエアフリカ問題、それにしても世界はかくも多くの難問を抱えているのだろうか、そして人類はこの危機をどう乗り切るのだろうか。

■「米国のジレンマ」

サミットが終了して思い出したのは、日々参考にさせていただいております、溜池通信:吉崎達彦氏の昨年のレポート「アンラッキーセブンの法則」です。
http://tameike.net/pdfs7/tame369.PDF

○ブラックマンデー(1987年)→日銀の低金利→日本の株・不動産バブル→バブル崩壊(
1990年)
○アジア危機(1997年)→ロシア危捜(1998年)→Fedの利下げ→米国のlTバブル→バブル崩
壊(2000年)
○サブプライム問題(2007年)→Fedの流動性供給→資源バブル→バブル崩壊?(2010年?)

7のつく数字で「アホ」になり、10の倍数で崩壊する、「いち」「にー」「しゃーん」・・の「世界のナベアツ」のような話だが、「1の位が7の年に国際金融危機が生じ、その後は利下げによるバブルが発生し、1の位がOの年になって崩壊する」という一見根拠が無い話のようだが、危機→利下げ→その反動といった循環で考える視点は、単純なジンクスではなく、慧眼な世界観だと思いました。

原油価格については、新興国の需要増により、かつてに比べて需要は増したものの、それでも1バレル30ドル程度であったものが140ドルを越える原油価格は、需給関係から考えて経済的合理性で説明できるものではない。行き場を失ったグローバルマネーが小さな国際商品市場に流入しているために、ファンダメンタルズから乖離したバブル価格になっているのである。

「アンラッキーセブンの法則」からいえば、今のような資源バブルの状況は、やはりあと2年くらいは続き、2010年に一気に資源バブルが破裂するかもしれない。

およそこの手の物価上昇局面において、政府が物価統制で介入が成功してインフレが収まったという例はない。過去バブルが崩壊するときは、総じて利上げによってである。そして、欧米金融機関のバランスシートが大きく毅損している現状では、大きく利上げに向かう状況が整っているとは考えにくい。資源バブルの時代は、もう少しだけ続くのかもしれない。

米国の実体経済は予測見通しで騒がれているほど悪いものではないのに米連邦準備理事会(FRB)は今回のサブプライムショックによる米国景気見通しについて、あまりにも深刻な状況になると判断して、米政策金利を5.25%から短期間のうちに2%に利下げしてしまった。その結果信用リスクを回避すべく金融市場に大量の流動性資金を供給してインフレを促進してしまったことに政策的間違いを指摘するとの意見がある。

バーナンキ議長の米連邦準備理事会(FRB)が今回のサブプライム問題発生後、米政策金利を5.25%から短期間のうちに2%に利下げしてしまったのは、政策的に間違いで無く、正しい処置であったと私は思う。日本のバブル崩壊時、日銀の三重野ように小出しにしかも最悪のタイミング、常に後手後手で下げていった為、ゼロ金利に追い込まれたあげく、リフレ政策までとらざるを得なくなるまで追い込まれ、今日の結果になってしまった。バブルの生成と崩壊をリアルタイムでつぶさに見ていたアラフォー以上の世代の人間であれば、私と同様、バーナンキの対応の正しさを評価できると思います。

FRBは米国景気見通しについて、深刻な状況になると判断して、信用リスクを回避すべく金融市場に大量の流動性資金を供給して金融緩和を促進した。その結果市場では、米国当局のベア・スターンズ救済劇を受けて一旦楽観論が台頭した。そうした楽観論が完全に消え、再び悲観論が台頭している。連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)と連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)の信用不安が再燃したのだ。
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NY株、一時1万1000ドル割れ 米住宅公社の経営不安で
 【ニューヨーク=山下茂行】11日のニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が急落し一時、2006年7月以来、約2年ぶりに1万1000ドルの大台を割り込んだ。米住宅公社の経営悪化懸念や原油高を背景に売りが増え、ダウ平均は一時前日比248ドル安まで急落。正午(日本時間12日午前1時)現在、182ドル70セント安の1万1046ドル32セントで推移している。
 ポールソン米財務長官は同日、経営悪化が懸念されている米住宅公社2社に関し「現行形態で支援する」との緊急声明を発表した。国有化を含む政府による救済策をひとまず否定したことが市場では嫌気された。原油価格が大幅に上昇し、景気の先行き不安感も改めて意識されている。
 連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の政府系住宅公社2社は住宅ローン関連業務を幅広く手掛け、住宅不況のあおりで業績・財務が急速に悪化している。ここ数日、経営不安から株価が急落、国有化を含む政府による救済観測が高まっていた。両社の株価はこの日、前日比約5割下落した。
 原油価格上昇でインフレや個人消費の減速懸念が強まっているほか、一般の製造業などにも業績悪化の兆しが広がっていることで、株式市場からの資金流出に弾みがついている。−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−―――――――――――------------------------------------------------------}}}
 http://www.nikkei.co.jp/news/market/20080711c8AS2M1103R110708.html 
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ファニーメイとフレディマックは非常に重要な機関 米大統領
 ブッシュ米大統領は11日、記者団に経営不安が強まるファニーメイとフレディマックを「非常に重要な機関だ」とし、政府も事態を重視していることを明らかにした。今後の対応策はポールソン財務長官と米連邦準備理事会のバーナンキ議長が「極めて精力的に作業している」と強調した。(02:05)
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http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080712AT1C1100Q11072008.html  

住宅価格の下落の影響は、サブプライムローンに留まると考えるほうが不自然です。上の記事は、プライムローンも返済困難になり始めてきていることを示している。政府系住宅公社に加えモノライン、地方銀行などの破綻リスクが消えていないこと、消費者ローンに対する引き当てや住宅モーゲージの債権放棄などの形で不良債権処理コストがまだ増大する可能性がある。

悪いことに、来週は2008年第2四半期の決算発表が重なる。7/17JPモルガンチェース・メリルリンチ・バンクオブNYメロン。7/18シティ7/21バンクオブアメリカの決算が控えている。

年後半に増加が見込まれる不良債権処理負担とのバランスから考えて、これまで大手銀行が行ってきた資本増強は十分と言えるのか、という点に尽きる。金融システムを取り巻く環境には依然として極めて高い不確実性がある。その意味では、市場が金融システムの安
定に自信を持てるようになるのはまだかなり先、ということになろう。

FRBが通貨を供給することで、ファンド勢の手に落ちた資金は原油を初めあらゆる商品相場に投資されて価格をつりあげていった。原油価格はすでに1バレル=145ドル台に上昇し、金価格・穀物相場も上昇している。すでにこれら相場は実需に伴う価格の上昇でなく、投機筋同士の売貢によって価格が上昇する状況となってしまった。

商品価格が大幅に上昇してきているので、FRBはインフレにも対処しなければならない。金融政策は複雑さを一段と増し、総合的な金融政策をとらねばならなくなってきた。米国では景気が落ち込むなかで、米国の消費者物価上昇率は前年比4%を超えている。市場では投機筋ばかりではなく、年金資金や、ミューチャルファンドまで、ドルを売って商品相場に手を出している。急激な政策金利安が過剰な流動性資金を生み、ドル安となり原油高・食料高のインフレが諸悪の根源となっています。

最近公表された米国経済データの中で興味があったのは、米国の5月の家計貯蓄率である。
驚くことに、あの脳天気なキリギリスであるアメリカ人が貯金を始めたことである。個人向け税還付(戻し減税)を受けた可処分所得の伸び(前月比十5%超)に比べ、個人消費の伸びは限定的(同十0.8%)となり、この結果、家計貯蓄率は0.4%から5.0%に急上昇した。ブッシュ大統領最後の経済政策は、減税の僅か1割強しか消費に回らず、減税の消費刺激効果が極めて小さな結果となりそうである。

米国人が、今までの過剰消費を悔い改め、米国社会が変化を始めたとポジティブにとらえたいところだが、実際には米国の個人が借入に大きく依存した過剰消費体質が変わろうとしたのではなく、単純にもはや過剰消費を続けられなくなった可能性の方が高いと思う。

米国の個人が消費・貯蓄行動を正常化させた場合、米国の個人消費が今後暫くマイナス成長を続けることを覚悟しなくてはならない。住宅価格の下落で個人が家計のバランスシートの調整を行えば、米国はデフレ経済に突入する可能性があるということである。
そんな中での利上げは容易に実行できないであろう。

原油高・資源高による悪いインフレの高進を受けて強引に利上げを行ったにせよ、再び利下げに追い込まれる可能性を排除できない。市場では、向こう12ヵ月間で米国の政策金利(FF金利)が0.8%程度引き上げられることが織り込まれているが、家計貯蓄率の上昇傾向がはっきりしてくれば、市場の利上げ期待が大きく修正されることになると読むべきである。

今回の世界的なインフレ懸念は米国の行き過ぎの利下げがもたらしたもので、悪いインフレといわれる賃金上昇などによるインフレでない。従って、米国が利上げに踏み切ればインフレ、原油高・ドル安を解消に向かうのだが、終焉させる手立ては米国の利上げしかないのに、利上げが容易にできないと言うことである。

米国のジレンマを解消するには、いまのところ「アンラッキーセブンの法則」のジンクスが当たることをひたすら願うだけです。神頼み状態です。

■FRBの戦い

投資家は神頼みでも済むが、政策担当者はそうもいかない。欧州中央銀行(ECB)の定例理事会は7月3日・昨年6月以来、13ヵ月ぶりにユーロ圏15力国に適用する政策金利を0.25%引き上げ年4.25%とすることにした。

重要なのは記者会見で、ECBのトルシエ総裁は、今後の金融政策について「ノー・バイアス(方向性はない)」と発言したことである。金融市場で浮上する追加利上げについては否定とも肯定もしないが、追加利上げは無い意味であると市場は判断した。

先日のブログにも、7月1日にトリシエ総裁とポールソン米財務長官の会談が重要になると書いたが、効果はあったようだ。7月1日の会談で、ポールソン米財務長官は次回の利上げ示唆だけは絶対避けてほしい、「ユー口がユー口圏のみの利害にとらわれた金融政策を続けていては世界のマネーはうまく作用しないであろう。」と懇願したのか、ユーロ圏では、物価が高止まりする一方、足元の経済指標は悪化しつつあり、ECBは来年にかけて政策金利の据え置きをせざるを得ないことを材料に説得に成功したのか?真相は定かではないが、ポールソン米財務長官は、ドル安阻止のためにECBは通貨利上げを示竣させないことに成功したようだ。

事実、ユー口圏は東欧やスペインなどの労働コストに上昇圧力がかかるので米国よりインフレ圧力は強く、今回の0.25%の利上げが7〜8ヵ月後のユー口景気に重い雲となることは間違いない。そのため欧州では景気失速と物価上昇が同時に起こるスタグフレーションのリスクが米国より強い。ECBは来年にかけて政策金利の据え置きをせざるを得ないであろうし、場合によってはユー口圏の景気減速でユー口は利下げに追い込まれるのではないかと思う。年後半から景気が悪化するECBは来年9月までに1%一1.25%の利下げをするのではないかとの見方も強まってきた。

現状・ECBは実際に利上げし・FRBはインフレ警戒のメッセージを発する手法でこの場を切り抜けようとしている。ただ、FRBはインフレが次第に収束すると考えているようである。現時点では誰も予想できないかもしれないが、来年には世界経済がさらに減速し、その段階で各国中銀は利下げに転じる可能性すら考えた方がいい。FRBは当然石油価格も下落している前提だと思うが・・・・・・。

FRBの政策のおかげで、とりあえず悪い悪いと言われていた米国の景気も6月の雇用統計はほぼ予測の範囲内で、雇用状況は懸念したほど悪くなかった。

ニューヨーク原油先物相場が過去最高値を更新し続けるなか、米国が原油市場の投機マネー抑制に本腰を入れる動きも米議会で本格化し始めている。米商品先物取引委員会(CFTC)が投機マネーの監視強化や実態の解明にのりだしており、米議会でも複数の議員が投機マネー抑制の法案準備をしている。原油相場については、現状上昇が止まらないが、150〜160ドルにでもなれば、需要が一段と減り、在庫が積み上がり、来年1〜3月には1バレル90ドル〜100ドル程度まで下がる可能性にFRBは期待をかけているのだろう。

米国が秋以降利上げに踏み切れば流動性資金の回収に入ることになり、ドル高となるので原油と商品相場は一気に急低下していくことになろうが、FRBの舵取りは極めて困難である。こちらも、バーナンキの舵取り頼みである。

それにしても、フレディーマックとファニーメイの問題は最後には国営化する以外救済することは難しいだろう。
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[ワシントン 11日 ロイター] 米ホワイトハウスは11日、政府系住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)について、議会が新たな監督関連法案を承認することが現時点で「最善策」だと述べた。

 ホワイトハウスのト二ー・フラット報道官は「ファニーメイとフレディマックについて現時点で達成可能な最善策は、GSEを監督する上院版の法案を議会が承認し大統領に送ることだ」と述べた。

 ニューヨーク・タイムズ(NYタイムズ)紙の報道について問われた同報道官は「内部の協議」とし、コメントを控え、ブッシュ大統領の経済顧問が「市場を常に注視している」と述べるにとどまった。

 NYタイムズ電子版は10日遅く、ブッシュ政権の複数の高官が、ファニーメイとフレディマックについて、問題が悪化すれば1社もしくは両社を政府の管理下に置く計画を検討していると報じた。この計画について説明を受けた複数の関係筋の話として伝えた。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-32715920080712

■日本はいかにすべきか?そして株、日本経済の行方。

現状の株式市場はサイコロゼロを経験し、騰落率も60%台の鍋の底をはっている状況であって、短期的にはいつ自律反発していくかの時にさしかかっている。

7月17日頃から米欧の金融機関の決算が発表になるがその辺が大底となって目先反発に向かう可能性だけは十二分にある。

しかし、外国人投資家が7月第一週再び売りこしに転じてきた。
http://www.tse.or.jp/market/data/sector/index.html

外国人の売り越しは、世界的な売りの一環であって、あたかも本格的な外国人離れを言う人違が多くなって不安感が強まっているが、スタグフレーションの指数でもある悲惨指数からいって、外国人の日本株買いのスタンスには大きな変化はないとは思うが、長期的に日本株が上昇する見通しは苦しい。

【悲惨指数】
http://www.ifinance.ne.jp/glossary/economy/eco012.html

日本経済の処方箋は「円高政策」と「賃上げ政策」に尽きる。

日本は米国に輸出して得た貿易黒字分をドルで受け取り国内に還流してきたが、85年のプラザ合意の大幅な円高にもかかわらず、競争力を失わない日本輸出企業の稼いだ外貨は貿易黒字となり、還流した資金は国内に投資され、80年代末日本はバブル景気に沸いた。米国からの貿易問題の圧力は大きく、1995年4月1米ドル80円を切る大幅な円高になった。

http://moneykit.net/img/from/topics41_08.gif

輸出企業は、国内にドルで得た代金輸出で得たドルを円に交換して国内に持ちかえろうとすると、日本は輸出超過で海外において保有されている円が少ないのでドル安・円高になる。円高が続くと日本の製造業の競争力が悪化する。米国にそのまま工場を国内に維持していればよかったのだが、米国の製造業は、新興工業国に工場を移し、そういった国は米ドルとのペック制であるため、日本の製造業は、為替+コスト安との戦いであるために、そこで、日本が国全体としてやってきたことは、受け取ったドルを米国に還流することで、円高を回避する方法であった。日本は輸出した代金を米国から回収していないに等しい。そうすることで、円高を回避することは出来るが、日本国内に資金が回らず、失われた10年を迎えてしまったのである。

長引くトンネルから脱出できなかったのは、日本が準備通貨として海外でドル保有していることにより、ドルを支えていれば、日本より利回りの高い米国債などを購入した方が運用上も有利だ。米国以外の国への支払いにも使える。そうしたこともあってドルのまま持ち続けた。

本来、そのドルを為替市場で売却し、円に換えて国内に持ちかえれば、所得や消費を増やし、日本経済は内需を喚起し、もっと高く成長することが出来たはずだ。それを阻止したのは、日銀の三重野であり、土地の総量規制の愚策をやった橋本龍太郎であったが、私は、土地の値上がりにヒステリックに騒いだ、日本国民自身に最大の責任があるのではないかと考えています。

確かに、円安は輸出メー力一にとってはプラスだろう。しかし、日本経済全体にとっては決してプラスではない。米国より資金が還流しないので銀行システムの流動性が不足する。国内でおカネが上手く回らなくなるうえに、実質輸出代金分の資本が回収出来ていないから日本の購買力が失われる。円安で輸入物価が上昇し、消費者の購買力はますます弱まる。日本で最も雇用の多い小売卸などの非製造業の中小企業は、収益基盤の国内市場が円安によって購買力が失われ縮小しているので、利益が上がらず賃金を増やせない。製造業の大企業は輸出で儲けられるだろうが、資金が還流してこないので、国内の賃上げには生かされない。輸出企業が利益を出しても国全体の賃金上昇にはつながらない。賃金が上がらなければ消費は増えない。そうして日本経済全体が落ち込んでいく。つまり、経常収支の黒字が定着すればするほど、逆に、日本経済の活力がなくなり成長カが下がる悪循環に陥ったのであった。日本の民間企業で賃上げが出来る企業はためらわず賃上げを行い、人材を確保すべきである。

一方、資本輸入国の米国は、毎年貿易赤字を続けながら、90年代以降その繁栄を謳歌してきた。日本は海外に工場を移転してまで、優秀で割安な製品を供給し、その上資本まで供給してくれるのだから、米国の消費水準が上がるのは当然だ。米国の繁栄と日本の停滞はワンセットであった。

そして、永年の悪事がたたり米国経済が遂に変調し始め、資源が高騰し始めた。今後の日本は円高こそ、国益とする政策が必要になるかもしれない。

日本の対米輸出は減速し、経常収支の黒字が縮小し、同時に資本輸出は減少する。外需は減退しよう。しかし、日本の内需は弱い。そういう時にはどうするだろうか。手っ取り早いのは、ドルを売って円に換えて国内に持ちかえることだ。これでは、橋龍と同じく米国に首を切られてしまうだろうが、米国が拉致問題を無視し、日米安保条約を踏みにじり、北朝鮮をテロ支援国家から除外しようとしている。

このことは日本にとって千載一遇の、チャンスである。私は日米安保条約は堅持すべきであるとは考えてはいるが、今度は日本が、より同盟関係を強めるのか、弱めるのか米国に対して対等にものが言えるチャンスであり、対等な日米同盟となる、第一歩とすべきではなかろうか?

ドルを防衛したい米国の思惑を最大限に利用すべき時ではないのではないかと思う。日本は着々とその準備に取り掛かっている。日本版HIAである。
http://www.asyura2.com/08/hasan56/msg/572.html


ドルで滞留した資金を日本国内で使えば、円高となり内需が増えて、円高は輸入コストを下げ、輸入コストの減少は、消費者の購買力を拡大する。円高でガソリン代が下がれば、その分は新しい購買力となって新たな消費に向けられよう。これは日本国内景気浮揚にとってかなりメリットがある。景気が浮揚すれば円高を受け入れる方向に動く。

円高による製造業への打撃は避けられない。特に、ドルペック制の韓国企業との競争が激しい半導体、薄型TVは苦境となるかもしれないが、韓国は今、ウォン安の弊害に苦慮しており、チャンスかもしれない。しかし、アジアとの過当競争による価格下落、さらに円高が重なると輸出額は大きく減少する。

日本は輸出頼みの経済では低賃金国との競争を絶えず意識していたため、賃上げには慎重にならざるを得ず、また日本国内の人口減に備え、内需振興のスローガンを叫んでも、内需型経済に転換することに失敗し、日本経済回復の力強さに欠けてきた。逆に言えば、賃金水準を国内で上昇出来るようになれば、消費が牽引する内需の拡大に結びつけることができる可能性を秘めている。

人件費抑制の原価低減ではなく、高付加価値の日本にしかできない価格決定権を獲得している製品に輸出を特化していくことであろう。

現在の資源バブルの時代は、産油国やオールドインダストリーに資金が集中する。資源国における活発なインフラ投資は、今後の世界経済のけん引役となるだろ。巨額の経常黒字を有し、省エネ先進国であり、輸送用機器や建設機械など産油国向けに「売れる」商品を持つ日本は、その中でも恵まれた存在といえる。また、資源国のSWF(ソブリン・ウェルス・ファンド)などの資金を、誰がどうやって惹きつけるかという点にも注目が必要となる。

そうなれば、賃金を抑える必要がなくなる。そうなると内需が喚起され企業としても利益が出やすくなる。所得が増え、消費が増え、消費者の二一ズを満たす新商品が創出されるという好循環に入る可能性がある。

国際間の競争も、いかにしてコストを低くするかではなく、いかにして付加価値を高めるかに切り替えることが必要だ。円高が進むと、製造業は円の手取り額を減らさないようにドルベースでの価格を引き上げようとする。そのためには、品質改良を行う。

金融に勤めている脳天気な人間の戯言かもしれないが、コストダウンの限界を超える円高に対しては、技術革新によって競争の少ない新製品を作り出す。「円高は製造業の新たな面を切り開く」とはそういうことだ。私が知りうる限りそのような企業は数限りなく存在するが、日本経済の浮揚と、国内株式の長期トレンドが上向くには、もう一度円高の洗礼を受けてからかもしれない。

円高政策と、高賃金政策は、日本経済の将来に楽観をもたらし、少子化対策にも役立ち、ついでに財政問題まで解決する可能性を秘めている。

円高によってもっと日本の本来持つ良いほうの可能性が前面に出てくるかもしれない。
円高により購買力が増し、国内市場が拡大すると、世界的なクールジャパンと評価される日本文化を背景に、新技術や新製品の開発がすすむかもしれない。日本の消費者の目が要求した品質の高いクオリティは、たとえガラパゴスと揶揄されても。かまわない。iフォンにはワンセグもついてはいないだろう。

東京は世界的な食の都とされ、京都・大阪・福岡・札幌も含めたら「食在日本」(食は日本にあり)世界一高級な食事は日本食だとも言われている。

日本の山々が緑で青々しているのは、けして環境に恵まれただけではない。江戸時代の人口の爆発期において、厳しい治水山林対策を行い、国土を維持してきたからである。
そして、日本も高度成長期公害問題が今の中国のように各地で問題化したが、元来日本人は八百万の神々を祭る国民であるため、環境問題にも厳しい。環境ビジネスは日本のお家芸として発展していくであろう。

日本人は世界一厳しい消費者で、高いクオリティーと伝統のセンスを持っている。依然日本市場は高い競争力を維持している。クールジャパンは日本の仕組み、制度、文化というものが、世界中に評価されているということだ。日本の文化というのは、世界でも特色のある文化だ。今後も新しい製品や技術がたくさん出てくることが期待出来る。

サブプライムローンで経済に変調を来たしている米国はこれまでのように新興国製品を買えなくなる。円高は、米国に代わる個人消費大国への変容する可能性がある。円高政策を打ち出せば、米ドルに代わり円を持とうとする国が増え円の流通量が増え、いずれはこけるであろう、ユーロや中国の人民元より、通貨としての価値は認められるかもしれない。世界的な個人金融資産を持ち、資産価格もしっかりしてくる。日本は衰退するのではなく、米ドルに代わって20年後基軸通貨になっている可能性もある。(基軸通貨には軍事力の裏づけが必要なので核兵器保有と憲法改正が前提だが・・・日本では無理か)


とはいえ、日本の輸出偏重の外需主導型の経済はそう簡単に止めるのは難しいだろう。
貿易黒字は製造業にプラスに見えるが、国全体の利益を押し下げて、結局、製造業の利益にならない可能性がある。「貿易黒字、円安政策」という産業構造を日本は真剣に再考すべき時がやってきたかもしれない。

【Ddogのプログレッシブな日々】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/12699034.html

 

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