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江戸幕府の直轄事業である、金の産出減と品位の低下が金調達コストを押し上げ、幕府の支払う額を増加させる。シニョリッジは低下
http://www.asyura2.com/08/hasan57/msg/962.html
投稿者 hou 日時 2008 年 8 月 26 日 07:22:44: HWYlsG4gs5FRk
 

(回答先: まさかそれを現代の利子、とか言わないでしょうね? 投稿者 ブッダの弟子 日時 2008 年 8 月 26 日 00:09:39)

幕府の金調達コストの上昇(金産出量の減少)と物価上昇は、幕府に入る実質的なシニョリッジを薄め、本位制を保てなくなった段階で幕府は崩壊した。

>幕府は、利子を払わずに通貨を発行できた
ではなく

幕府は、減少する金の鉱脈発見コスト(資産に対する金利)を払らわなければ、通貨は発行できなかった。


しかも金の産出量の減少は著しく、しだいに、金を薄めて大量に発行することにより
インフレは起きる、シニョリッジは薄れるで次第にピンチに追い込まれる。

資産を金とすれば、金の減少により通貨発行は減少しデフレになり

薄めれば、インフレになる。

江戸の物価は13%、市中金利は15%だったという

だったら長期金利もそれくらいの上昇があったはずで。

金の産出量の減少が江戸幕府の通貨発行に対する金利である。

徳川家康は、金の産出に熱心で

 名城の下であろうと金鉱があれば採掘して構わない。
 山師金掘師を野武士と呼ぶこと。
 山師金掘師は関所を通る際、見石(鉱石の言い当て)に合格すればこれを許可する。関所の役人はその能力の真贋を確かめるため、あらゆる鉱石を見せて言い当てることが出来るかを確かめること。
 金鉱を見付けたならば領主国主への届け出は勿論、村役人にも届けること。
 山師金掘師は金鉱探しなどで山に入るならば、山の中ではあらゆる事をしようと許す。
 届け出も無しに勝手に採掘をしないこと。
 日本全国どの鉱山で働こうと、粗末な扱いを受けたならば奉行所に訴えること。
 山師金掘師が殺人を犯して山に逃れたならば、子細を改め、そのまま働かせること。ただし、主殺しと親殺しを犯したならばその罪は言い逃れを許さず、縄をかけること。
 一山一国。他の者の指揮下には入らないこと。
 山師金掘師の序列は金山師、銀山師、鉛山師、銅山師とする。
 諸人が金銀を宝とすることが出来るのも、山師らの御陰である。その功績は重大である。
 素人が金鉱を見付けたとしても、山師しか採掘は許さない。

このような特権を与えることで、コストの低下を図ったのかもしれないが
金はいつまでもあるわけではく、減少すればいずれ調達コストは増加していくのである。

江戸幕府は金利は、払わなかったが通貨発行に際して、金の産出量減少とともにコストの増加と物価の調整がきかなくなり、市中金利が上昇したということが分かる。

シニョリッジは金鉱山からの産出される金の減少とともに増加これは
つまり、長期金利上昇によるシニョリッジと同等の意味がある。

しかし、金は増加しないので、いずれ金利が高くなりすぎて破綻
江戸幕府は実際そうなった。
江戸幕府も金鉱山の金産出量に依存しており、後藤家に金鉱山を管理させていた以上
その資産を元に、通貨発行益を得るわけだから
江戸幕府の金本位制は、もともと高いリスクの上に財政を成り立たせていたということになる。銀本位制なら幾分事情も変わったかも。


さしもの佐渡金山でさえ近頃はあまり振るわないことを聞いていた。金が出なくなったら? 手持ちのもので間に合わせるしかない。どうするか? 両替商である四郎は、銀はともかく、小判の量が不足していることを実感していた。江戸の民の増え方に、あるいは江戸の商いの拡がる速さに見合うだけ、小判と一分金が増えないことに気がついていた。小判はどこに消えたのか? 四郎の金蔵にも数万両の小判が眠っている。商人の金蔵に入ったまま出てこないものが相当あることは間違いない。鳥居作左衛門などの言うところでは、明暦の火事後の江戸の復興のため家康公が残された大法馬金がいくつも潰され小判を鋳造した、という。してみれば、武家の富が商人の懐へ移ったということになる。

 かつて羽振りのよかった武家は今では「百俵六人泣き暮らし」という言葉があるほどで、百石取りでは体面を保つことすら難しくなっている。百俵というのは百石取りの実際の収入である。鳥居作左衛門が子供のような甥を四郎に引合わせ、世渡りというものを今から叩き込んで置こうと考えたのも、その父親のように生涯蔵米二百俵の冴えない暮らしで死にたくなければ、才覚を磨いて役に立つ人間になるしかないことを教えてやろうという親切心からだろう。そうした有用な人間になれば、どのような贅沢三昧(ぜいたくざんまい)もできることを見せてやろうとしたのに違いない。四郎は、そうした鳥居の気持ちがよくわかる。勘定部屋で算盤を弾(はじ)きながら、目の前を大金が動いていくのを指をくわえて見るしかない一生。妻女に着物一枚誂(あつら)えるのもままにならぬ一生。家柄だけが取り柄の大身の上役に仕え、雪隠(せっちん)の蟋蟀(こおろぎ)みたいに惨めに死んでいく一生。下っ端侍ほど惨めなものはないと四郎は思う。己の才覚で商売をすることすら禁じられているのだ。

 四郎は、今の澱(よど)んだ世の中を賑やかにするには、まず金銀を増やすこと、とりわけ、小判をたくさん鋳造し、お上がそれを惜しみなく遣うことだ、と思う。秤(はかり)で重さを量って値打ちを決める銀と違い小判は数を数えるだけである。諸国の金山から思うほどの金が出ない以上、一両を金四匁四分という決まりを変え、額面は一両でも金の量が半分の小判をつくるなら、幕府は手持ちの小判を一挙に二倍にできる。そうした思い切った改鋳こそ手詰まりに陥った現状を打ち破る優れた仕法だと、四郎は考える。後藤が支配する小判座の人々は、何度も寄り合いを開き改鋳について議論した。神祖東照宮様の仕法に背く恐ろしい考えだと反対した年寄連も、生活の苦しさから次第に改鋳に傾いていった。遂には、それこそ天下を救う妙案だという意見に異を唱える者は一人もいなくなった。後藤は、改鋳の腹案を練り、幕府の小判座支配の御留守居に密かに提案した。四人ほどいる御留守居はいずれも五千石級の大旗本である。世情にも、政治にも疎(うと)い人ばかりである。しかし、小判を鋳造する仕事がめっきり減ったことだけは知っている。とにかく、老中に改鋳案を申上げることだけはした。

 老中連は幕府の金蔵が近年空っぽになりかけていることに危うさを感じていた。明暦の大火以来、ほとんど無尽蔵(むじんぞう)のように思えた幕府の金蔵がみるみる減っていたからである。仮に一両の金の含有量を三分の二にすれば、幕府の金蔵に数百万両を越える金が出目として入ってくることが予想できる。老中らは真剣に改鋳を考え始めた。

例えば、文政改鋳では金銀貨の改鋳と、幕末期の金流出の原因となった南鐐二朱銀等の名目貨幣の発行により、3年ほどの間に貨幣流通量が40%上昇しました。古典的な数量説に従うならば、このような改鋳は年率13%ほどのインフレーションを導くことが予想されます。実際、文政年間以降の物価動向は徳川幕府崩壊まで長期的な上昇局面に入ったと言われます。そして、動学的に考えると、今後もこのような改鋳政策があり得るため、改鋳プロセス自体が終了した後も、緩やかなインフレーションが継続されるというわけです。
 

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