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北京五輪後のマネーの流れと今後の相場観〜新冷戦と米ドルの復権
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投稿者 Ddog 日時 2008 年 8 月 28 日 05:34:02: ZR5JcjFY1l.PQ
 

北京五輪後のマネーの流れと今後の相場観〜新冷戦と米ドルの復権

北京五輪後の世界は、グルジアを巡る米露新冷戦の始まりであることを要素として加えなくてはならない。
五輪前の世界では、サブプライムローンリスクの根源は「ドル安・ユー口高」→「原油・商品高」となり、物価高と信用リスクを招いて世界の市場はスタグフレーションに陥るという想定であった。
バーナンキ・ポールソンコンビが八面六臂奮闘したため、米ドルは価値を大きく下落することなく持ちこたえた為、原油、穀物など一次産品価格のバブル的流れは弾け、急速に終息しだした。原油穀物市場へ流れ込んだホットマネーはドル資金へ戻りつつある。しかし、この一次産品価格下落の流れは一時的な流れで、原油や商品先物は投機資金ではなく、投資資金が入り込んでいるため、長期的には上昇トレンドに入ると考えられていた。
8/26放送NHKクローズアップ現代“グローバル・インフレ”の衝撃〜転換する世界経済 日本は〜 
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2008/0808-5.html 
などはその世界観で製作されたといってかもしれません。

北京五輪後のマネーの流れの変化は、BTCパイプラインが脅威にさらされているグルジア問題にもかかわらず、原油が反騰しないことに注目したい。

グルジア問題とは、米露の地政学的せめぎあいから、新冷戦へと発展する大きなターニングポイントと思う。東西冷戦は1991年ソ連の崩壊で終焉した。その結果グルジアウクライナなど、ソ連の衛星国が独立し、CIS=独立国家共同体として、緩やかな同盟関係にあった。今回のグルジアなど、ウクライナ(CIS加盟中)のようにアメリカの地政学的包囲網で、親米政権となる国が増えてきた。さらにウクライナとグルジアはNATO(北大西洋条約)加盟を希望し、かつてのWTO(ワルシャワ条約)同盟国チェコ・ポーランドにMD(ミサイル防衛)配備は、大陸国家ロシアとしては、NATOの暖衝地帯を喪失することになる。米国は、イランの脅威に対峙することを理由に掲げているが、ロシアに対する包囲である。今回のロシアのグルジア侵攻は1979年のソ連(当時)のアフガン侵攻と共通した点がある。ソ連のアフガン侵攻は、その侵攻目的は、カスピ海沿岸の石油をアフガンを通りパキスタンのカラチ港まで運ぼうとしたアメリカの石油戦略を阻むためであった。今回のロシアのグルジア侵攻は、カスピ海沿岸の石油をロシア圏を避けてグルジアからトルコへ運ぶBTCパイプラインを止め、グルジア国内の東西幹線道路と港湾を封鎖しているのはそのためである。

米国の衰退が米露冷戦再開原因を招き、戦後の米国による世界一極支配から、多極化へ向かい世界が戦国時代の群雄割拠へ向かうのか、それとも少数意見だが、米国の一極支配は、後退しつつも維持されるのか、現在のところ判断は出来ない。

2007年サブプライムローン問題に端を発し、世界のホットマネーが米国市場から流出していった。ドル安とドルの暴落をもたらし、基軸通貨ドルの終焉と議論されるに至った。

基軸通貨ドルを防衛し、米国経済を好況に誘導するにはどうしたらいいのか。米国の国家戦略として、バーナンキ・ポールソンコンビで当面時間を稼ぎ、軍事的緊張を演出することにより、世界のマネーを再度アメリカに集中させる戦略以外に方法はない。今回グルジアで見せたロシアの行動が周辺諸国に与えた影響は大きく、米国の思う壺となっている。

アフガン侵攻により、日本でも左翼勢力が衰退したように、グルジア侵攻で、CIS諸国内や周辺諸国の反ロシア勢力のその国内で力を増し、CIS周辺国の親米勢力は力をつけ、。世界は新東西冷戦の方向へ向い始めたのである。

第一次東西冷戦を米国の勝利にもたらした勝因を思い出してほしい、原油価格を暴落させ、ソ連経済を破壊したことが、最大の勝因であった。

私は、グルジア紛争にもかかわらず、再暴騰しない原油価格を市場の需給関係以外にその要因があると思う。米国の国家戦略として、再度原油価格は低く抑える動きをとる可能性を考えなくてはならないと思う。

その証拠に、7月中旬を境に米国政府や米連邦準備理事会(FRB)による米政府支援機関(GSE)に対する公的資金注入表明や、米証券取引委員会(SEC)が打ち出した金融株の空売り規制、商品先物取引委員会(CFTC)の先物取引に関する開示強化の動き、などの措置によって投資家は原油売り、ドル売り取引という行動に出たため、商品重視のテーマがひとまず終わりを告げた。

シカゴの先物筋は、いち早くその流れを察し、ドル買いポジションに動いていたことは、観察済みで、その後事実ドルの堅調が続き、ユー口は売られて原油は下げ足を速めている。
【Forexwatcher:先物市場 建て玉推移】
http://www.forexwatcher.com/cmepos.htm

私のブログを検証いただければ、5/17の原油価格の考察に関するブログ記事
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/9561559.html 
5/29原油の天井宣言(少し早すぎた)
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/8710963.html 
6/25ユーロの天井宣言
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/11455383.html
(本の少し早すぎた)は正しかったことが分かると思います。

世界の4-6月期実質成長率で日・欧がマイナスだったが、米国はプラスとなっっていることも注目していただきたい。

ユー口圏の景気動向であるが、ユー口圏15力国の2008年4-6月期の域内総生産(GDP)の実質成長率は前期比0.2%%減、年率0.18%減と1999年の通貨統合以来初めてマイナスとなった。その減速ぶりは信用危機の震源地である米国をはるかに上回る速度で進むものであり、米国の景気減速より深刻である。

次の基軸通貨はユーロであると宣伝されユーロ経済が失速すればそんな話は霧消してしまう。「ドル離れの受け皿になっていたユーロはどこまで上がるかわからない」と言われていたものが「どこまで下がるかわからない」という強い不安へと変りつつある。

ユーロ高が原油高騰とセットで動いていた為マネーの逆流が発生したことで「我先に」と原油を売り、ユーロ投資からも退散している状態である。欧州系銀行、欧州系のヘッジファンドは、投機的な原油の買い持ち額が積み上がった状態なので、年末までは売りが優勢で、私は当面の底100ドル(心理的ライン)と考えているが、1バレル=80〜 70ドルも、遠くのほうに見えなくも無い。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は「4-6月期と7-9月期が特に景気は弱くなるとはっきり認識している」と発言している。7月のECBでも利上げは連続でしないことを示唆し、8月は動かなかったのは、マイナス成長の動きを察知していたからであろう。となると、ユー口はさらに一段と売られることもある。一目均衡表の雲を割れば一旦ユーロはサヨウナラである。

ご存知の通り日本の4-6月期GDP速報値は・実質で前期比O・6%減・年率換算で2.4%減となり、戦後最長の実感無き緩やかな景気拡大は遂に終わり、マイナス成長に転じた。これで景気後退局面入りとの判断となった。世界的な資源高・食料高や米国の景気低迷が実体経済全体に打撃を与え、内需と外需はいずれも低迷している。日本経済を引っ張るけん引役は見当たらず、政局は福田総理の辞任解散総選挙がささやかれ混乱している。ようやく出された、経済対策も実効性が無く、証券税制にいたっては税制が更に複雑化しまるで逆効果、これでは円高期待も後退してしまう。

米国の輸出は1-3月期は前期比5.1%プラス、4-6月期は同9.2%と好調で、外需が期中のGDPを大きく押し上げている。4-6月期の米実質成長率は1.9%増であるが、対外赤字の減少による外需の寄与度は2.4%に達している。また米国の貿易赤字は対産油国を除いて確実に減少している。原油価格の高騰で原油の輸入量も減少している。

米国のGDPに占める米国の製造業の割合は20%以下であったものが、このところ製造業は密かに復権しているようだ。米国の自動車産業の不況ばかり伝えられているが、ボーイングがエアバス社のシェアを取り返しているように、エネルギー食料関連での復権は著しい。

25日発表があったシスラー住宅指数も悪かったが事前の予想より予想外に改善しており、石油・天然ガス価格の大幅下落とそれに引き続き好調な外需(輸出)がこれからの米国景気を大きく下支えしそうである。米国は年初来から言われていたインフレと景気後退が同時進行するスタグフレーションは回避に成功するかもしれない。その景気後退も予想外に軽微で済む可能性すらでてきた。

結論。当面資金は米ドルへ向かい、米国株は意外に高くなる可能性がある。
明日以降も、まだ書き足りないので、この続きを書きます。

【Ddogのプログレッシブな日々】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/15869688.html
 

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