★阿修羅♪ > 国家破産57 > 999.html
 ★阿修羅♪
郵政民営化による外資の跋扈−国家破綻への回廊
http://www.asyura2.com/08/hasan57/msg/999.html
投稿者 語巻き 日時 2008 年 8 月 29 日 21:56:53: FbKi3ZdqZar8U
 

 10月1日に行われた郵政民営化が、外資への売りになる、という意見を考えてみたい。三百数十兆円の全てが外資に、という意見は理解不能である。あくまでも、外資系金融機関が、郵政民営化によってどのようなビジネスを行うのか、それによる日本への影響は何か、そこを「事実」と「推論」を重ねて、自分なりに整理してみたい、と思う。

 先ず、民営化で最も重要な部分が、郵便簡易保険及び郵便貯金に対する政府保証は、2007年10月1日の民営化によって廃止された。今まで、暗黙の政府保証という信用で貯蓄や保険を集めてきた。それが崩壊したという事で、手数料の値上げ云々よりも大きな問題です。つまり、貯蓄の保証(ペイオフ)はどうなるのか、日産生命や東邦生命の破綻した時、加入者がどのような悲劇を味わったのか。それが、簡保加入者や郵貯利用者におそいかかるのだ。

 各種推論が指摘されているが、米国系金融機関がターゲットにしているのは、「郵貯資産」ではなく、「郵便保険会社」が、運用する「旧契約(独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の管理)」の預かり資産である、と思われる。郵政民営化法案には、旧契約の簡易保険の積立資金を運用する「委託契約」が可能なのです。これは、新契約と旧契約の運用を分離するが、運用するの10月1日に発足した郵便保険会社です。

 郵便保険会社は、再保険会社と再保険契約を締結する必要に迫られます。再保険を受ける会社には、「 オリックス生命保険 」「 AIG 」「 アフラック 」等があります。この社名を聞いて、小泉政権とのつながりでピンと来る人もいらっしゃると思います。

 次に、郵便保険会社と郵貯銀行が、資産運用を委託する会社はどこなのか?2004年 3月31日(水)に発表になったのは次の通りです。 ********転載開始********

▼ 2004年 3月31日(水)
投資顧問会社及び資産管理銀行の選定について
 平成15年11月に公募しました投資顧問会社及び資産管理銀行について、下記
のとおり契約の締結を行うことといたします。
           記
1 郵便貯金資金の委託運用
 (1) 投資顧問会社
  【国内株式】
   シュローダー投信投資顧問株式会社
   大和住銀投信投資顧問株式会社
   日興アセットマネジメント株式会社
   三井住友アセットマネジメント株式会社
   メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ株式会社
   UFJアセットマネジメント株式会社
  【外国株式】
   興銀第一ライフ・アセットマネジメント株式会社
   ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
                          以上8社(50音順)

 (2) 資産管理銀行
   資産管理サービス信託銀行
   ステート・ストリート信託銀行
   日本トラスティ・サービス信託銀行
   日本マスタートラスト信託銀行                            以上4社(50音順)

2 簡易生命保険資金の委託運用
 (1) 投資顧問会社
  【国内株式】
   ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
   シュローダー投信投資顧問株式会社
   大和住銀投信投資顧問株式会社
   富士投信投資顧問株式会社
   メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ株式会社
  【外国株式】
   興銀第一ライフ・アセットマネジメント株式会社
   ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
   大和住銀投信投資顧問株式会社
   東京海上アセットマネジメント投信株式会社
   メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ株式会社
  【外国債券】
   興銀第一ライフ・アセットマネジメント株式会社
   ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
   富士投信投資顧問株式会社
   三井住友アセットマネジメント株式会社
以上8社(50音順)

 (2) 資産管理銀行

   資産管理サービス信託銀行
   ステート・ストリート信託銀行


  【国内株式】
   シュローダー投信投資顧問株式会社
   大和住銀投信投資顧問株式会社
   日興アセットマネジメント株式会社
   三井住友アセットマネジメント株式会社
   メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ株式会社
   UFJアセットマネジメント株式会社

  【外国株式】
   興銀第一ライフ・アセットマネジメント株式会社
   ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
                            以上8社(50音順)

 (2) 資産管理銀行

   資産管理サービス信託銀行
   ステート・ストリート信託銀行
   日本トラスティ・サービス信託銀行
   日本マスタートラスト信託銀行
以上4社(50音順)

2 簡易生命保険資金の委託運用

 (1) 投資顧問会社

  【国内株式】
   ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
   シュローダー投信投資顧問株式会社
   大和住銀投信投資顧問株式会社
   富士投信投資顧問株式会社
   メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ株式会社

  【外国株式】
   興銀第一ライフ・アセットマネジメント株式会社
   ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
   大和住銀投信投資顧問株式会社
   東京海上アセットマネジメント投信株式会社
   メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ株式会社

  【外国債券】
   興銀第一ライフ・アセットマネジメント株式会社
   ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
   富士投信投資顧問株式会社
   三井住友アセットマネジメント株式会社
以上8社(50音順)

 (2) 資産管理銀行

   資産管理サービス信託銀行
   ステート・ストリート信託銀行
以上2社(50音順)

http://www.japanpost.jp/pressrelease/japanese/kani/040331j401.html(現在、リンク切れ)より


********転載終了********

 委託先に投資顧問会社と信託銀行が有ります。投資顧問会社とは、投信の運用を行う会社で、株式指標を上回り利益を追求する「アクティブ運用」を主としています。信託銀行は、株式指標に連動する「パッシブ運用」を主としています。つまり、デリバティブを駆使する投資、大胆な株式投資に回される事になる。

 委託先で注目されるのが、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社である。ブッシュ政権のポールソン財務長官は、元ゴールドマンサックス会長である。また、不二家問題(参照:不二家問題の影で利益を得ている青い目 2007年01月23日)で、絶妙な空売りで利益を上げている。極めて不可解であるという指摘はあったが、如何なる追求の動きもなかったのである。

 問題の依託運用の内容(簡保保険の場合)を考えてみよう。

一、外国政府、地方公共団体及び国際機関の発行する債券、その他外国法人の発行する政令で定める債券
一、法人が事業資金調達の為に発行する約束手形で『 総務省令 』で規定されるもの
一、外国政府等、外国法人の発行する証券又は証書(上述の規定の性質に合致するもの)
一、債券オプションの取得又は付与
一、先物外国為替の売買
一、通貨オプションの取得又は付与
一、コール資金の貸付け
一、信託会社又は信託業務を営む金融機関への信託

 先ず、際立っているのが、郵貯銀行の資産運用に認められていない外債運用が、保険資産の運用では認められている事です。また、「債券オプション」「先物外国為替」「通貨オプション」は、「国債価格」と裁定関係があります。通貨投機と国債投機の組み合わせによる市場価格誘導を行う事も可能になります。日本の財政状況を考えたら恐ろしい事です。

 一般投資家、素人投資家でさえも知られている話だが、外資系金融機関は、債券市場と株式市場の関係を利用して相場を作ってくる。1990年の大暴落を思い出して頂きたい。あの時は、ソロモン・ブラザーズが、数種類の裁定関係にある金融商品価格を巧みに操作した後に、売り逃げをしたと言われています。2003年のメガバンクの過小資本問題では、三井住友はゴールドマン・サックスに、UFJはメリルリンチに優先株購入を頼んだ。当然、購入前に売り叩き、その後、上昇相場をつくり、ぼろ儲けしている。そこに、りそな銀行関係の不可解な出来事も起きている。「りそな国有化」と「郵政民営化」を同じ政権が行うのだから奇妙な話であった。

 ITバブルやバブルの崩壊で損失を被ったのは、日本人の一般投資家である。

 米国系企業が、原油相場と戦争危機扇動で、WTI相場を利用してどれだけの富を獲得したのか。この事実に気が付いた欧州諸国は、米国がイラン戦争危機を煽れども、イラン戦争危機の沈静化を計った。サブプライム問題は、米国内の低所得者層の債務不履行問題であるが、損失を抱えているのは欧州投資家がメインである、という説さえある。このような米国の金融収奪戦術に対し、欧州は対立姿勢を鮮明に打ち出している。それが、ドイツと米国のG7やサミットでの対立である。ヘッジファンド規制問題である。

 つまり、米国系金融機関が、安く買い高く売る事で利益を出す。その為には、誰かが安く売り高く買わなければならいのである。今までは、一般投資家であった、欧州の投資家であった。しかし、日本人一般投資家もネット証券の普及によって、バブル期とは比較にならないほど高度な情報を入手できるようになった。知恵がつき、高い勉強代を支払い賢い投資家になったのである。そこに鴨(郵貯銀行と郵便保険会社)が葱(貯蓄と保険積立金)を背負ってやってくる。

 信託銀行が他グループの投信に高いお金を払って運用をしてもらい損をする、そういう例は日本企業間でも起きている。それを踏まえて考えれば、結果は見えているのではないだろうか?

 勿論、米国政府や米国企業の資金調達にも使えます。つまり、再保険、投信、資金調達等によって、日本の公的債券に投資されていた保険積立金等が、直接的・間接的に米国への投資につながる、と推察できる。

 上述で簡保資産の海外流出の可能性に言及した。郵貯と簡保の投資先の90%超は、公的債務や財投債である。国家財政問題に直結することになる。他方の郵貯の問題を考える。郵貯の融資先に「国債」、それよりも高リスクの「財投債」「財投機関債」がある。更に、「地方債」「地方公社」「第三セクター」等がある。

 半官半民である第三セクターは、「自治体の隠れ債務保証」を背景に、地方銀行が多額の融資を行っている。ところが、2003年の総務省の調査では、債務超過の第三セクターは505法人も存在する。数百億規模の債務超過を抱える第三セクターさえ存在する。これ等の破綻は、地方銀行の経営を悪化させることになる。もし、地方公共団体が債務保証により借金を肩代わりするなら、地方行政の財政が悪化することになる。債務の肩代わりは夕張破綻でもあった、北海道庁が事実上の肩代わりをしている。夕張では、公務員のリストラ、大増税、行政サービスの劣化を招いた。地方銀行の破綻は、地域経済の崩壊につながる、故に、救済が必要になる。しかし、買い手がつかない銀行をどうするのか、結局、郵貯銀行と合併する事になる。郵貯銀行の「スーパーリージョナルバンク」構想に合致するからだ。

 しかし、弱者同士の合併は、更なる、弱者を産むのである。やがて、第三セクターと地方公社の破綻が、地銀の破綻、地方財政の破綻につながる。つまり、地方債の下落の始まりである。債券価格の下落は、実質的な金利上昇である(※1)。

 続いて、その余波が特殊法人や公益法人に襲い掛かる。国家財政を考えれば支えられるはずもなく、「隠れた国家保証」という神話が崩壊し、「財投機関債」が暴落する。その後、「国債」の暴落に続く事になる。一度、負の連鎖が始まったら、最早、止める事は困難になる。公的債券や国債の暴落は、長期金利の上昇につながり、政府は金利を支払う為に円を大増刷することになる。結果は、悪性のインフレになる。

 郵貯の投資先を考えれば、この負の連鎖が郵貯資産の減少につながる、つまり、貯蓄の払い戻しが困難になるということだ。この連鎖が始まれば、当然、取り付け騒ぎが発生しかねない。その結果は、戦後日本同様の「新円切り替え」「預金封鎖」である。その時、年金や医療等の社会福祉に期待する事など不可能である。財務省が先送りに成功しましたと「自転車操業」自慢する「小渕の呪い(2008年問題)対策」の問題もある。借り換えが終わっていない、という指摘もあるのだ。

 そして、日本のバーゲンセールによって、またたくまに外資天国日本が誕生するであろう。トヨタやホンダ他の多国籍企業が、本社機能を日本においておく必要性も消える、米国に移転しても驚かない。アルゼンチンのように通過ペッグ制ロシアの破綻は、貿易黒字、資源大国、GDPの60%の債務で発生した。ロシア企業が外資に買収されなかっ理由は、ロシア経済をロシアンマアフィアが牛耳っていたからである。そのリスクを躊躇したのである。

 つまり、郵政民営化とは、日本人の貯蓄を官僚と政治家が私物化してきた郵便事業を、民営化の美辞麗句の元、外資系企業に日本固有のサブプライム核弾頭の起爆装置を進呈するものだ。故に、郵政民営化法案が可決されると、貴金属相場、特に、銀価格が大幅な上昇をしている。ゴミ株同然であったゼネコン株や不動産株を米国系金融機関が買い漁った時、日本の国家破綻によるインフレは近いと予測しているのではないかと感じた。また、金融政策での名寄せも国家破綻準備、国民総背番号制や住民基本台帳も然りである。この視点で考えると、多くの国家政策が整合性を持つのである。

 極めて重要な問題であるが、日本国民は郵政選挙で小泉郵政民営化を支持し、2007年参議院選挙で郵政民営化見直しを一貫して主張した国民新党を支持しなかった。民営化見直しに消極的な民主党を支持し、事実上、民営化にGOサインをだしてしまったのだ。最早、民営化されてしまった以上、上述の危険性を回避する為の政策を推進しなければならない。個人的には、次の通りである。

一、特殊法人・公益法人・公社の解散と職員解雇(日銀と赤十字を除外)
一、国家公務員と地方公務員の三分の二を解雇
一、150円=新1.00円程度のデノミと銀本位制への移行(インフレの誘発による債務削減)
一、消費税撤廃と大企業への課税強化

 簡保と郵貯商品の政府保証は廃止された事で、より自己責任原則が前面にでる。国家の財政が自転車操業状態である、その国家に依存するのは危険である。自分の生活を自分で守る術を見つけるべきである。


※1 債券は債券市場で売買されている。例えば、額面1億、金利1.5%、10年の債券があるとする。その債券価格が75に下落すると、7500万で購入できる。7500万に対し150万の利息が付く、2.0%で回る。この他に、満期になれば1億が召喚される。実質金利はもっと高くなる。このような高利回りになれば、低利回りの同種の債券は売れなくなるのは自明である。  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 国家破産57掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。