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【日経BP】アイスランド崩壊の衝撃:大手銀行の国有化後も、破綻の危機
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投稿者 passenger 日時 2008 年 10 月 17 日 06:24:16: eZ/Nw96TErl1Y
 

【日経BP】アイスランド崩壊の衝撃:大手銀行の国有化後も、破綻の危機

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http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20081016/174113/

アイスランド崩壊の衝撃
大手銀行の国有化後も、破綻の危機

   2008年10月17日 金曜日
   グローバル  欧州  マーケット  金融危機  銀行国有化  英国  ロシア 

   Kerry Capell (BusinessWeek誌、ロンドン支局シニアライター))
   米国時間2008年10月9日更新 「The Stunning Collapse of Iceland」 (http://www.businessweek.com/globalbiz/content/oct2008/gb2008109_947306.htm)

 人口わずか30万4000人の小国アイスランドが、世界金融危機の最大の被害者として浮上してきた。10月9日、アイスランド政府は国内銀行最大手のカウプシング銀行(KAUP.ST)の国有化とレイキャビク証券取引所の10月13日までの取引停止を決定した。金融当局はさらに、民間銀行を政府管理下に置くために急遽制定された法律を適用し、国内2位のランズバンキ銀行が保有する国内資産の大半を新しく発足する国有の「新ランズバンキ」に移動させることを決めた。

 先週伝えられた、アイスランドが世界に誇る金融部門の大半が国有化されたニュースは驚きの展開だった。アイスランド政府はカウプシング、ランズバンキ、国内3位のグリトニルの大手3行を政府管理下に置いた。さらに、カウプシングのスウェーデン法人はスウェーデン政府から7億200万ドルの緊急融資受け入れを余儀なくされた。ノルウェー銀行保証基金はグリトニルのノルウェー法人に対する流動性支援として8億1900万ドルの融資を申し出た。

 かつて欧州最貧国だったアイスランドはわずか一世代で欧州有数の富裕国に変貌した。そのアイスランドが現在、破綻の危機に瀕していると見る向きもある(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年10月8日「Iceland on the Brink of Bankruptcy」)。

 アイスランドのゲイル・ハーデ首相は国民に向けたテレビ演説で、「最悪の場合、アイスランド経済が金融危機の波に襲われ、国家破綻する危険性が現実にある」ことを認めた。


●ロシアの支援は得られるか

 NATO(北大西洋条約機構)の原加盟国であるアイスランドは金融危機を回避するため、ロシアに支援を求める可能性もある。ロシア政府はアイスランドに対する55億ドルの融資を前向きに検討する方針を示した。ハーデ首相は「友好国からは必要な支援が得られていない。こんな時には新しい友人を探すしかない」と述べた。

 ただし、ハーデ首相はいかなる支援も軍事協力に結びつくことは一切ないと強調。2006年に米空軍が引き払った空軍基地をロシア軍に開放するとの憶測を完全に否定した。

 ハーデ首相は10月14日にロシア政府との協議を開始すると述べた。融資の目的は国有化した銀行の再建ではなくアイスランド通貨クローナの下支えだ。クローナは10月6日に30%下落した。

 国際通貨基金(IMF)は首都レイキャビクに代表を派遣した。だがハーデ首相は10月9日に国営ラジオで、IMFへの支援要請は「選択肢の1つだが、必要になるとは考えていない」と述べた。

 アイスランド経済がこれほど急激に悪化したのはなぜか。それは、アイスランドの金融機関が外部金融に過度に依存しているからだ。2000年に金融自由化が完了すると、アイスランドの金融機関は大口顧客から巨額の資金を集めて、国内不動産市場に進出し、英国とスカンジナビアを中心に外国の金融機関を買収し始めた。

 アイスランドの起業家は小売り、食品製造から医薬品まで幅広い業種で世界に君臨していた。金融機関もただ単に、新世代のアイスランド人起業家が抱く世界進出の野望に追随した部分が大きかった。2006年末には、大手3行の資産は合計1500億ドルと、アイスランドの国内総生産(GDP)の8倍にも達していた。


●対外債務が山積み

 アイスランドの金融機関はわずか5年で、国内業務を主に請け負う金融機関から、国際的な大手金融機関へと変貌を遂げた。英ロンドン・ビジネス・スクールのリチャード・ポーテス教授(経済学)によれば、2000年には、アイスランドの金融機関は資金の3分の2を国内、3分の1を国外から調達していた。最近の金融危機の直前には、その比率は逆転していた。だが、ホールセール市場が麻痺したことで、アイスランドの金融機関は対外債務を大量に抱えて崩壊し始めた。

 現在アイスランド政府には、持続的な解決策を早急に見いだすよう世界から圧力がかかっている。アイスランドの破綻の影響は北欧の一小国の問題にとどまらず、広範囲に波及するからだ。

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http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20081016/174113/?P=2&ST=bw


 アイスランド人はここ10年間、同国の金融機関が提供する低金利融資を利用し、数々の業界で急激に海外進出を進めてきた。例えば、アクタビス(本社:ハプナルフィヨルズル)は、今や世界有数のジェネリック医薬品(後発医薬品)メーカーになっている。

 最も有名な海外進出の成功例は、非常に広範な英国小売企業を傘下に持つアイスランドの投資会社バウガー・グループだろう(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年8月20日「Baugur: The Iceman Cometh」)。バウガーは今年初めに米高級百貨店サックス(SKS)の株を大量に購入し、買収を目指しているとの憶測を呼んだ(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年1月30日「Baugur: Will Retail's Vikings Raid Saks?」)。同社は傘下の英国小売各社は安全だと主張しているが、既に業績が悪化している英小売各社はアイスランドの金融システムの崩壊で、さらなる窮地に立たされている。

 アイスランドの銀行は英国の銀行よりも高金利を提示し、ここ数年で英国人投資家を大量に呼び込んだ。ランズバンキ傘下のインターネット銀行アイスセーブは2006年10月の開業以来、30万の英国人の一般投資家から70億ドルの預金を獲得した。アイスセーブが破綻すると、英国のアリスター・ダーリング財務相は介入を余儀なくされた。ダーリング財務相は10月8日、ランズバンキとその傘下の銀行への英国の一般投資家の預金を全額保証すると約束した。英政府はアイスセーブに預けてある英国人の預金の少なくとも一部を取り戻すべく、アイスランド政府を訴える構えを見せた。


●資産を強制売却されて大損

 英国の一般預金者が保護される一方で、大損を被る人もいる。英国の資産王で起業家のロバート・チェンギズ氏が築いた帝国は、アイスランドの金融システムと共に崩れ落ちた。アイスランド政府が管理下の銀行に対し外国資産の大規模な売却を命じたため、カウプシングから融資を受けていた同氏は所有する英小売り大手Jセインズベリー(SBRY.L)と英外食大手のミッチェルズ・アンド・バトラーズ(MAB.L)の株式を手放す羽目になった。同氏はわずか24時間で17億ドルを失った。

 英国民も高い税金という形で損害を被る可能性がある。というのも、イングランドとウェールズ地域の地方自治体や慈善機関、警察などがアイスランドの銀行に推定17億ドルを預けていると思われるからだ。

 イングランドのケント州内の地方自治体の1つはアイスランドの銀行に公的資金8700万ドルを預金していると言われる。英政府による預金保証は、こうした機関投資家を対象外とするため、英地方自治体協会は、地方自治体の負担を和らげようとして一時的な減税を政府に要求する構えだ。

 また、英政府はアイスランドの銀行が英国内に持つ68億ドル相当の資産について、反テロリズム法を持ち出して凍結する措置に出た。これに対してハーデ首相は、「反テロ法を快く適用するような国家は多くはないだろう」と反発した。

 クローナが暴落した2006年の通貨危機の後、アイスランドの金融機関のレバレッジの高さに警鐘を鳴らすアナリストもいた。しかし、多くの著名なエコノミストや評論家は直ちにアイスランドを弁護した。アイスランドには強力な金融監督当局、健全な経済環境、低い失業率、充実した年金制度があると指摘。経常赤字は大きいものの、タイやトルコのような新興国と比較するのは不適切だと主張した。

 元米連邦準備理事会(FRB)のエコノミストで現在米コロンビア大学教授のフレデリック・S・ミシュキン氏は、2006年に発表したリポート『Financial Stability in Iceland(アイスランドの金融安定性)』の中でこう指摘している。

 「国際金融市場の一部の主要トレーダーがアイスランドは金融危機に陥ると考えれば、たとえファンダメンタルズ(基礎的条件)の裏づけがなくても、アイスランドから多額の資金を引き揚げることで予言が自己実現しかねない」。そのミシュキン氏の予言がまさに現実となった。


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