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ポールソンはアメリカ金融システムで、ロシアンルーレットをやってみるのが一番いい方法だって思ったんだろう。P・クルーグマン
http://www.asyura2.com/08/hasan58/msg/286.html
投稿者 TORA 日時 2008 年 9 月 16 日 15:18:38: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu176.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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ポールソンはアメリカ金融システムで、ロシアンルーレットをやってみる
のが一番いい方法だって思ったんだろう。 ポール・クルーグマン

2008年9月16日 火曜日

◆<東証>一時646円安 米リーマン破綻で世界同時株安 9月16日 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080916-00000022-mai-bus_all

米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)をきっかけに、日米欧や新興市場の株価が急落している。連休明け16日の東京株式市場の日経平均株価は一時、前週末終値比646円98銭安の1万1567円78銭となった。取引時間中としては、3月17日の年初来安値(1万1691円00銭)を更新した。午後1時15分現在、同625円25銭安の1万1589円51銭。週明け15日のニューヨーク市場のダウ工業株30種平均の終値も、前週末終値比504.48ドル安の1万0917.51ドルまで下落し、06年7月以来、約2年2カ月ぶりの安値。下落幅は米同時多発テロ直後の01年9月17日以来の大きさとなった。


◆ポールクルーグマン リーマン破綻の解説 9月16日 Translation Note
http://blog.goo.ne.jp/kkt_2008/e/61c0e98cb75db41a50e64a9485c470af

金融ロシアンルーレット By PAUL KRUGMAN 2008.9.14

アメリカの金融システムは今日、あるいはここ数日で崩壊してしまうのだろうか? 僕はそうは思わない、ただ確信を持ってはそういえない。リーマンブラザース、主要投資銀行のひとつが、あきらかに破産しようとしている。次に何が起きるかは、だれにもわからない。

この問題を理解するためには、古いタイプの銀行、お店が大きな大理石のビルにあって、預金を受け入れ、長期の顧客に資金を貸し出すような銀行は、ほとんどなくなってしまったことを知る必要がある。それは一般に「影の銀行システム」というものに置き換わっている。預金をする銀行、大理石のビルで働いているようなやつは、預金者から貸出者への資金のチャネルとしては、いまや大した役割を果たしていない。金融ビジネスのほとんどは、「預金を扱わない」金融機関がアレンジする、複雑なとりひきを通じて行われているのだ。そういった金融機関が、今は亡きベアー・スターンズやリーマンというわけだ。

新しいシステムは、リスクを拡散したり減らすのが上手いと考えられていた。ただ住宅バブルやその結果の金融危機をみてみると、リスクは減ったというよりは、隠されていたと見るほうがよさそうだ。あまりに多くの投資家は、どれほどリスクに無防備かわかってなかったというわけだ。

知られざる未知が、知られる未知になり、金融システムは、現代の銀行取付け騒ぎを経験することになった。これは一見すると、昔起こったこととは異なっているようだ。固く閉じられた銀行の扉の前に殺到する、錯乱した預金者の嘆きについては、ほとんど例外なくふれられていない。その代わりに、金融機関が融資限度額を引き上げたり、契約相手のリスクを手仕舞いしようとするときに、狂ったように電話をしたりマウスをクリックするのが話題になっている。ただし信用が収縮し、資産価格がダウンスパイラルにおちいるような経済的な影響は、1930年代の大銀行への取付け騒ぎと同じだ。

つまりこういうことだ。当局は取付け騒ぎの再来を防ごうと準備をした。主に預金を扱うような金融機関で、連邦銀行の信用枠にかかわるようなところ、つまり現在の危機の中心ではない大理石のビルにいるようなやつらを守ろうとしたわけだ。これが、2008年にも、1931年の再来が起きる可能性を現実のものとした。

現在、政策担当者はリスクに気づいている。世界を救う責任がある以前に、ベン・バーナンキは大恐慌での経済について最もよく知っている専門家の一人だ。だから昨年は、連邦銀行と財務省は協調して、一連の臨機応変な救済策を講じてきた。発音もできないような頭文字の特別な信用枠が、預金を扱わない金融機関でも利用できるようになっている。連邦銀行と財務省は、ベアー・スターンズの取引先を保護するための取引がまとまるように取り計らった。取引先とは、株主のことではなくて、取引の相手方という意味だが。そして先週財務省は、政府が出資している巨大な不動産融資会社であるファニー・メイとフレディー・マックを配下におさめた。

しかしこういった救済策は、当局を神経質にさせている。ひとつには、税金で大きなリスクをとっているからだ。たとえば、今日連邦銀行のポートフォリオの大部分は、担保が不完全な債務に塩漬けになっている。また当局は、こういった救済策が将来、よりリスク指向的な行動をとらせることにつながらないかも心配している。つまり、コインの表がでれば自分の勝ち、裏がでれば税金で埋め合わせればいいといったような風潮を生むのを心配してるわけだ。

リーマンの話をしよう。多くの不動産関連の損失を抱えて、信用危機に直面している。多くの金融機関同様に、リーマンも巨大なバランスシートをかかえ、巨大な資産と、その反対側に巨大な負債がある。この巨大なバランスシートをすぐに清算しようとすると、金融システムをパニックにおちいらせてしまう。これが政府当局とプライベートバンクがニューヨーク連銀に集まって、週末を費やして、リーマンを救うか、少なくとも破滅をゆっくりにする取り組みをしている理由だ。

財務省長官のヘンリー・ポールソンは、断固として、より税金を投入するような取り組みはしなかった。多くの人は、はったりをかましているだけと思っていたのだが。僕は今日のコラムをもうすこしで「リーマンが危ないなら、助けるしかない」とはじめるところだった。(訳注:実際の意味は複雑で、When life hands you lemons, make lemonade. にかけて When life hands you Lehman, make Lehman aid. と書いてる。レモンしかないなら、レモネードを作るしかない、つまり事態が悪いときには、その中でできるだけのことをするという意味)。しかし実際には、助けはなかったし、あきらかに取り組みもない。ポールソンは、金融システムがリーマンの破産のショックを乗り越えられるほうにかけたわけだ。金融システムが特別な信用枠で強化されることは、言うまでもないが。ポールソンが勇敢なのか、バカなのかは、すぐに分かることだろう。

今回の騒動への本当の答えは、もちろん、こんなことになる前に予防的な措置をとらなければならないということだ。明らかに規制する必要のある影の銀行システムを放置しておいて(つまり銀行のように救う必要のある機関なら、銀行のように規制しなければいけないはずだ)、なぜ今回のようなショックに、なにも準備をしていなかったのだろう? ベアー・スターンズが破産したとき、多くの人は破綻した投資銀行の「整然とした清算」のメカニズムの必要性について主張した。そう、六ヶ月前にだ。メカニズムはどこにいったんだ?

だから事ここに至って、ポールソンはアメリカ金融システムで、ロシアンルーレットをやってみるのが一番いい方法だって思ったんだろう、うわぁー。


(私のコメント)
数年前にミニバブルが起きて、株や不動産などが上がった時がありましたが、いずれアメリカが金融破たんして連れ安するだろうからその時買ったほうがいいだろうと書きました。いよいよアメリカの金融破綻が来て世界の株価は大きく下げる時が来た。アメリカの株だけがどうして高止まりしているのか不思議だったのですが、今回のリーマンブラザースの破綻でアメリカ版護送船団方式を放棄したようだ。

ベアスターンズのように買収される形で存続できれば混乱は最小限に収まるからだ。アメリカは基軸通貨国でありマネーは輪転機を回せばいくらでも作り出す事ができる。アメリカ政府はなぜリーマンを見捨てたのか? 日本の経験からすれば公的資金で救済したほうが混乱と後遺症は少なくて済むはずだ。

100年に一度あるかないかの大金融恐慌なのだから、世界的な影響があるリーマンはベアスターンズのように政府が資金を出せばバンカメが買収したはずだ。しかしポールソン財務長官は最初から政府が資金を出すつもりは無かったようだ。

もともとリーマンブラザースは、ホリエモンに資金を提供したように、いかがわしい部分があり、ポールソンはリーマンのあくどい営業実態をよく知っていたのだろう。だから一気に潰したほうがいいと判断したのではないか? 日本でも北朝鮮に資金の送金口となっていた足利銀行を潰しましたが、あくどい経営をしていた銀行は潰される。

ポールソンが政府資金を出さなかったのはモラルハザードを心配したからですが、600億ドル程度の金は出そうと思えば出せた。バンカメに買収されるにしても株主や経営陣は大きな被害を受けるわけだからモラルハザードは口実に過ぎない。現に世界の株価はリーマン破綻で大暴落してアメリカ金融界は疑心暗鬼になっている。

日本でも97年に護送船団方式を廃棄して銀行を潰す方針に切り替えた。その結果北拓や山一が倒産しましたが、その頃から貸し渋りや貸しはがしなどが露骨になって多くの企業が潰れるようになった。護送船団方式を維持していたならばITバブルなどが起きて株価も上がるなどして不況は長引かずに済んだかもしれない。

しかし橋本内閣はビックバンや消費税率の引き上げなどで経済失政が続いて景気回復の目は摘まれてしまった。北拓も潰さなければ北海道もこれほど悲惨な目には会わなかっただろう。だから私は公的資金の早期投入論者でありリーマンも私は政府資金を入れるべきだったと思う。もちろんモラルハザードも問題があるが100年に1度の金融破綻は例外的に救済すべきではないかと思う。

どっちみち山一のようにダメな証券会社はいづれ潰れただろう。だから緊急避難的な救済はすべきであり、公的資金で出資して再建ができた時点で株を売却すれば政府は黒字が出たはずだ。しかしポールソンはリーマンを潰す事に決めていたようだ。影響は限定されると読んだからだろう。

もともとヘッジファンドというように投資銀行はリスクを最小限にして利益を最大限にする投資手法を持っていると思われていた。それは単なる伝説であり、デェリバティブなどの投資手法もローンの証券化ビジネスも一種の詐欺的な商品だ。危ないローンは証券化して保険をかければ優良な証券として売買された。

リーマンブラザースは、そのサブプライムローンにのめり込んで被害を大きくしてしまった。リーマン破綻の影響は他の分野にも波及していく事だろう。AIGなどの保険会社も破綻の危機に直面している。日本の例を見ても分かるように破綻がある程度の規模を超えると回復不能なほどの長期不況をもたらす。ポールソンやバーナンキなどはよく分かっているはずだ。

ポール・クルーグマンはロシアンルーレットに例えているが、ベアスターンが買収されて生き残り、リーマンは破綻した。だからアメリカの金融機関は疑心暗鬼になって日本の金融機関がそうだったように必死に不良債権を隠し飛ばしも行なって助かろうとするはずだ。リーマンのような投資銀行の破綻は始まりであり、これから保険会社や銀行などに拡大していくはずだ。やがてはアメリカは経済の超大国ではなくなり普通の大国として世界は多極化していくのだろう。


◆リーマンの破綻、米金融の崩壊  9月15日  田中 宇
http://tanakanews.com/080915Lehman.htm

しかし今起きていることは逆に、ベアスタは買収されたが、リーマンは買収すらされずに潰されるという結末である。リーマンの破綻は、米中枢で根本的な構造変革が起きていることを示唆している。もはや、ゴールドマンサックスまでが潰れても不思議ではなくなった。(関連記事)

 米は、1913年に連銀制度が作られて金融政策の中央集権化が進み、1917年に第一次世界大戦に参戦し、1930年代の金融大恐慌への対策としてさらに中央集権化が進み、覇権国になるための体制が固められた。それから約80年たち、今起きていることは、1910−30年代の逆回しである。米は、イラクとアフガンの戦争で軍事的な自滅の道を進み、昨年からの金融恐慌で金融的な自滅が起こり、覇権国としての力を急速に喪失している。

 連銀のトップに、グリーンスパンやバーナンキといった自滅主義者が選ばれ、連銀を作ったリーマンやゴールドマンは潰れかけている。いずれ、米は財政破綻も引き起こし、米国債は買われなくなり、ドルも危機になる。金融破綻の急速さから考えて、ドル危機に至るまでの時間も、それほど長くはかからないかもしれない。

 米の自滅は、世界の覇権の多極化(覇権共有化)につながる。経済力が低下する米(と欧日)に代わり、BRIC(中露印伯)やGCC(アラブ産油国)の経済力が重要になっていく。米の経済力が破綻したら、発展途上国は、人権・民主・環境といった歪曲された価値観に基づく抑圧をしてくる欧米に頼るより、中露を頼った方が話が早いという気持ちを強める。

 多くの人々は「米の金融危機の行く末」という事態の表層だけを気にし続けるだろうが、本当に重要なことは、金融危機によって引き起こされる、世界的な覇権体制の大転換の方である。


 

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