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“無限に”リスクを取る種族の破綻 今の投資銀行はもはやなくなる(NBOnline)
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投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 9 月 20 日 00:31:47: mY9T/8MdR98ug
 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080917/170793/

 今年に入りベアー・スターンズとリーマン・ブラザーズが破綻し、メリルリンチが破綻寸前ギリギリセーフでバンク・オブ・アメリカ(BOA)に吸収合併された。

 米国の独立系大手投資銀行で残るのは、とうとうゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの2つになってしまった。と言っても、モルガン・スタンレーは、いったんディーン・ウィッター・ディスカバリーに買収されている。米国の投資銀行に未来はあるのだろうか。

 歴史を振り返ると、かつてロンドンでは「マーチャントバンク」と呼ばれる小型の投資銀行が、その知恵とネットワークで、全盛を極めていた。SGウォーバーグ、J・ヘンリー・シュローダー、ベアリング・ブラザーズなどが栄華を極めていた。だが、英国で起きたビッグバン(規制緩和)とともに、すべてなくなった。

 米国のホールセール(法人)専門の商業銀行には、かつてコンチネンタル・イリノイ、バンカーズ・トラスト、モルガン・ギャランティー・トラストがあった。コンチネンタルは破綻し、残りの2つはそれぞれドイツ銀行と、チェース・マンハッタン銀行(その元はケミカル銀行。現在はJPモルガン・チェース)に買収されてなくなった。

「今日の利益は僕のもの、明日の損は君のもの」

 こうして見ると、投資銀行とは消滅していく種であり、今後のウォール街がかつてのような姿に戻ることは決してないだろう。投資銀行はなぜ、消えていく運命にはまったのか。今回のケースから言えることは、比較的単純だ。

 「リスクを取りすぎ、リスクをマネージできなかった」からである。信用リスクも取りすぎたし、資金調達リスク(アベイラビリティーリスク)も取りすぎた。それではなぜそんなにリスクを取り、またリスクをマネージできなかったのだろうか。

 他人の金をノンリコース(有限責任)で使える時、投資銀行家とは無限にリスクを取る種族である。なぜなら「今日の利益は僕のもの」(高いボーナスで持ち出すことができる)、一方「明日の損は君のもの」だからである。

 バランスシート(貸借対照表)が腐ろうと、資金調達が続かなくてほったらかしにしようと、それは彼にとって関係ない。リーマンを潰したファルド会長の昨年のボーナスは4000万ドル、メリルを辞めたオニール前会長の退職金は1億2000万ドルだった。会社が傾こうが、潰れようが、いったん持ち出した金を返すことはない。

きっかけは株式公開

 筆者が1984年にニューヨークに来てゴールドマン・サックスに入った時、同社はジェネラルパートナーが無限責任を負うパートナーシップの会社だった。このような所有形態であれば、リスク管理は、自ら完璧を期す。

 潰れればその負債はパートナー個人にまで遡及するので、身包みはがれてしまうからである。投資銀行は、究極的にはこうした形態(所有者と働き手が同一)で運用する以外、リスクコントロールの方法は無い。外国銀行が不在地主で投資銀行を所有するなど、全く論外である。

 1999年グラス・スティーガル法が廃止され、商業銀行と投資銀行が同じ土俵で競わなければならなくなった時、ゴールドマンもそうだが、大手の投資銀行は皆株式公開し、大幅に増資し、バランスシートを大きくして資産規模の勝負に出た。リーマンは業界4番手ながら、それでも負債の総額は6130億ドルである。

 資本の30倍くらい借り入れを起こす。資本のうち、従業員の持ち分は、またその何分の一かである。従って、ほとんど全部「他人の金」で勝負でき、「収益は僕のもの、損は他人の物」という仕組みが出来上がった。これでは博打の賭け金は大きくなる一方である。金融が緩和され、過剰流動性があればなおさら拍車がかかる。最後に欲が過ぎて自爆した。ここには何の不思議もない。

 「起こるべくして起きた」ことである。ウォール街は、何かの外部要因によって破綻したのでは決してない。自らの強欲を、自分でコントロールできなくなり「自爆」したのである。

 筆者はここ数年、「大恐慌が来る」と警告し続けてきた。それは、そうしたウォール街の生きざまを見ていて、「続くわけがない」と確信していたからである(断っておくが、筆者はエコノミストでも預言者でもない。ただ人の行動を観察しているだけである)。

 米国の金融自由化は州際銀行法の撤廃、グラス・スティーガル法の撤廃、保険との相乗りなどが主たるものであるが、結果は惨憺たるものである。シティバンクやワコビア銀行などの経営難、投資銀行の破綻、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の苦境などに、その結果が表れている。

 筆者が日本の人々に金融立国とか、東京を国際金融都市にというような標語は忘れなさいと常に申し上げてきたのも、米国の金融自由化がちっとも人々の幸福に繋がらず、より大きなバブルを形成している事実を見ていたからである。

未来は3つの形態

 それでは今後投資銀行はどうなるのであろうか。考えられる形態は3つだ。

 1つは昔の「マーチャントバンク」に戻ることだ。小型で知恵と人脈で生きていく銀行である。筆者が経営する投資銀行「ロバーツ・ミタニ」は16年前の創業以来、昔のマーチャントバンクのように活動してきており、今後もその方針は変わりない。

 2番目はメリルのように、大きな商業銀行の一部となり、負債を預金保険(政府保証)付きの借り入れで賄うようにすること。

 3番目は対顧客商売をすっかりやめて、ヘッジファンドになること。

 モルガン・スタンレーは恐らく2番目の道を選び、ゴールドマンは3番目の道を選ぶであろうというのが、今日のウォール街での茶飲み話である。今の形の投資銀行はもはや存在しなくなるであろう。


神谷 秀樹
 


 

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