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思い上がりと破滅の悲劇 リーマン破綻――フィナンシャル・タイムズ
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投稿者 gataro 日時 2008 年 9 月 24 日 08:02:55: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://news.goo.ne.jp/article/ft/world/ft-20080915-01.html

思い上がりと破滅の悲劇 リーマン破綻――フィナンシャル・タイムズ
2008年9月16日(火)07:00

(フィナンシャル・タイムズ 2008年9月14日初出 翻訳gooニュース) ジョン・ギャッパー

リーマン・ブラザーズが前回、1984年にいったん破綻したときの顛末を、ケン・オーレッタが著書「ウォール街の欲望と栄光—リーマン・ブラザーズの崩壊」で書いている。この中で同銀のリチャード・ファルド氏は激しく、誇り高く内向的な、債券取引のトップとして登場する。内部抗争のせいで同社が身動きとれなくなっても、ファルド氏は売却の必要性を受け入れなかった。

1984年の当時、リーマンは結局アメリカン・エキスプレスに売却され、ファルド氏はその後、リーマンのCEOとなる。ファルド氏のもとでリーマンは1994年に分離独立し、以来、リーマンがゴールドマン・サックスなどのウォール街企業をしのぐことは決してないという懐疑的な業界予測をよそに、邁進を続けた。

リーマンが変身したのは、変身しなくてはならないとファルド氏が主張したからだ。ファルド氏は、チームワークの必要性を絶え間なく強調し、内部対立を排除していった。主力の債券取引のほか、資産管理やエクイティー部門を強化し、業務の幅を拡大した。

しかし実のところ、ファルド氏自身は全く変わっていなかった。それまでと全く同じ、暗く内向的で頑固で、リーマンに忠実。自分の会社を売るなどとんでもないと、売りたくないと頑なだった。そしてリーマンはここ半年、必死になって会社を建て直そうとしていたのだが、最後には結局、ファルド氏のプライドと頑固さが銀行再建の妨げとなってしまった。

ウォール街4位の銀行にまでリーマンを成長させたファルド氏は、受け入れがたきを受け入れられなかった。緊急に必要な資金を作るには、相当数の自社株を安価で売るか、資金運用部門を売却するしかなかった。しかしファルド氏はこのどちらにも、なかなか踏み切らなかったため、結局は間に合わなかった。

「ディック(リチャード)は売却に対して、病的な抵抗感があったのだと思う」 ある銀行マンはこう言う。リーマンの株価が下がり続け、その将来に対する不安が立ちこめるようになっても、ファルド氏はリーマンを帳簿価額よりも安く評価するような資本注入(たとえば韓国産業銀行から)はいっさい受け入れられないと拒否した。

そのような出資を受け入れてしまえば、リーマンの価値は実際にはわずかなものに過ぎないと認めてしまうことになる。そんなことになれば、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーやメリル・リンチに匹敵する存在になるまでリーマンを大きくしてきた、自分のこれまでの努力が全て水泡に帰してしまう。そんな展開は、ファルド氏にとって決して受け入れられるものではなかったのだ。

しかしファルド氏の失敗は、自分が好まない取引を拒否したことに留まらない。ここ1年、ウォール街に吹き荒れた信用収縮危機にどう対応すべきか、ファルド氏は目に見えて混乱し、曖昧な態度を取っていた。社内にも社外にも、明確なメッセージを発信できなかったことが、さらにリーマンを痛め付けた。

社内的には、今のこの金融危機が世界を大きく変えてしまった、その影響がいかに深刻かをはっきり認識するのが遅れた。昨年10月には、不動産開発業者ティシュマン・スパイヤーと共同で不動産会社アーチストン・スミスの買収をそのまま進めて、220億ドルを払っている。その2カ月前の8月時点でウォール街はすでに信用収縮の打撃を受けていたのに、リーマンはこの買収を敢行したのだ。

市場が危険な状態にある中、アーチストン・スミスのようなこうした取引のせいで、リーマンの不動産リスクは高まっていった。そしてリーマン社員によるとこの間、前社長で最高執行責任者(COO)のジョー・グレゴリーは前年の債券取引のリスク・プロファイルを引き下げようとしなかった。潜在的利益を手放したくなかったのだ。

今年6月、リーマンは3〜5月期決算で28億ドルの赤字を計上し、60億ドルの緊急増資を実施したが、その頃にはもう事態は制御不能になっていた。ファルド氏はグレゴリー氏とエリック・キャラン最高財務責任者を解任したが、それでも秩序を回復させられなかった。「リーマンはあらゆる段階でことごとく遅れをとり、後手後手に回っていた」と、ある銀行関係者は言う。

この今年6月時点でファルド氏はついに社員に対して、会社はかなりひどい混乱状態にあると認めている。「5四半期にわたってまずい判断が続いた」と述べ、もっと積極的に立て直しを計るべきだったと語っている。この時点でリーマンに残されていた頼みの綱は、ファルド氏には好ましくない形で大量の資金を集めることしかなかった。

こうした状態で対外的には、リーマンが自分たちの救済策として何をするつもりなのか、不透明感が広がった。

韓国産業銀行(KDB)と交渉している情報が外にもれ、あるいはリーマンは資産運用部門ニューバーガー・バーマンを一部か全部、売却するのではないかという可能性も取りざたされた。

リーマンの破綻は金融市場にとって、そしてウォール街全体にとって、不安材料だ。またファルド氏によって揺るぎない愛社精神と仲間意識を叩き込まれた社員2万4000人にとっても、これは悲劇だ。社員の多くは、資産の大半をリーマン株で持っている。しかしそのリーマン株はもはやほとんど価値を失ってしまった。

ファルド氏にとっても、古典的なギリシャ悲劇的な意味で、これは悲劇だ。あまりにも自分の全てを、自分の人生と自分自身そのものを、この銀行に注ぎ込んできたせいで、その衰退を受け入れられなかったのだ。もっと早くに売りに出ていたら、リーマンは生き残ったかもしれない。けれどもファルド氏はプライドが高すぎた。思い上がりのあとに、破滅がやってきたのだ。

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フィナンシャル・タイムズ紙の英文記事はこちら ⇒

http://www.ft.com/cms/s/0/e5f99648-8285-11dd-a019-000077b07658,dwp_uuid=11f94e6e-7e94-11dd-b1af-000077b07658.html
A tragedy of hubris and nemesis
By John Gapper
Published: September 14 2008 20:17 | Last updated: September 15 2008 18:31


 

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