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市場資本主義を掲げるアメリカにとって中長期的には致命傷となる可能性のある「モラルハザード」と「空売り規制」という麻薬に手
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投稿者 TORA 日時 2008 年 9 月 24 日 15:45:14: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu176.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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市場資本主義を掲げるアメリカにとって中長期的には致命傷となる
可能性のある「モラルハザード」と「空売り規制」という麻薬に手を出した

2008年9月24日 水曜日

◆<日銀>初のドル供給3兆2千億円 9月24日 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080924-00000044-jij-bus_all

日銀は24日、金融機関が資金を融通する短期金融市場向けのドル資金供給の第1弾として、300億ドル(約3兆2000億円)の供給を金融機関に提示した。米金融危機でドル資金が調達しにくくなっており、米欧の中央銀行と協調したドルの大量供給を先週決めていた。金融機関の実際の受け入れ額や金利は25日に発表する。

 300億ドルの融資期間は1カ月。対象は外資系20社を含む金融機関40社。日銀の供給予定総額は500億ドルで、残りは10、11月に各100億ドルを融資期間3カ月で提供し、年末の資金需要に備える。

 これとは別に日銀は24日、短期金融市場に総額1兆5000億円の円資金を供給した。円資金の供給は16日から6営業日連続で供給総額は14兆円。6営業日での供給額としては過去最大。【斉藤望】


◆米財務・金融当局が「麻薬」に手を出した理由 9月22日 堀古英司
http://plaza.rakuten.co.jp/isWallStreet/diary/200809220000/

先週に続き、今週もアメリカ金融市場にとっては歴史に残る一週間となりました。リーマンブラザーズの破綻はすぐに世界最大手の保険会社AIGの危機につながり、週末にかけては米証券取引委員会(SEC)が金融株799銘柄の空売り禁止を発表するに至りました。現在の金融市場を巡る環境はかなり異常な状態である事は確かです。しかしそれを何とか阻止しようと米財務・金融当局は「モラルハザード」と「空売り規制」という、2つの「麻薬」に手を出す事になってしまいました。

リーマンブラザーズの破綻が現実的になってきた9月初め、私が一番気になっていたのはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ:倒産保険のようなもの)市場への影響でした。現在62兆ドルと言われる規模にまでCDS市場が拡大してから、初めて経験する大型金融機関の破綻です。リーマンCDSの売り手はもちろん、CDS市場全体の5%を取引していたリーマンがCDS取引を履行できないとなると、取引相手(カウンターパーティ)の連鎖倒産や巨額損失につながる可能性があったからです。リスクはもはやクレジットではなく、カウンターパーティ・リスクに発展しつつあったのです。

案の定、危機はすぐにCDS市場の大きなプレイヤーであったAIGに飛び火しました。今週水曜日までにCDS取引に関わる追加証拠金170億ドルを収めなければ破綻、という危機に追いやられました。今週月曜日時点でAIGと当局との話し合いは決裂していたようですが、火曜日になって突然再開、結局連銀が850億ドルに上る融資に応じる形で決着となりました。今年3月の証券会社ベアスターンズ破綻以降、あれだけ次の救済はない、モラルハザードを避ける、納税者の負担を最小限にとどめる、と強調してきた割には疑問の残る決着だったと言わざるを得ません。

さらに米証券取引委員会(SEC)は今後最長30日間、金融株799銘柄の空売り禁止という措置を取ってしまいました。空売り規制は直接需給に変化を与える事によって「一回だけの」価格変化をもたらす効果があります。しかし中長期的には流動性の減少という、市場に致命的な悪影響をもたらします。市場資本主義を尊重するアメリカがここまでやってしまった理由は何なのでしょうか?確かに前日、マケイン共和党大統領候補に「私が大統領になったらコックスSEC委員長をクビにする」と明言された事も大きかったのでしょう。しかし、私はもっと大きな理由があるような気がしてなりません。

一度は流れたAIG救済に関する会合は火曜日突然再開されました。SECが空売り規制を発表したのは平日の夜中です。しかも、いずれも市場資本主義を掲げるアメリカにとって中長期的には致命傷となる可能性のある「モラルハザード」と「空売り規制」です。普通に考えれば、それを犠牲にしてまで実施しなければならない、我々には知らされていない、何かとんでもない大きな危機が潜んでいたという事ではないでしょうか。実際18日は、これまで優良と考えられていた某大手金融機関が流動性危機に陥ったと聞いています。

「モラルハザード」と「空売り規制」という麻薬に手を付けてしまったアメリカの金融市場。空売り規制が期限を迎えると見られる10月半ば以降に正念場が訪れる可能性が高まっているように見えます。


(私のコメント)
この数日はリ−マンショックに始まってモルガンやゴールドマンなどの投資銀行に目が向けられていますが、シティのニュースがほとんど流れてこない。アメリカの金融不安の本命はシティなのですが、たった75兆円の不良資産の買取で納まるのだろうか? 議会でもモラルハザードの非難が上がっているし法案が通るかどうかも分からない。

不良債権の買取は早く手を打てば危機を脱するという事もあるが、不良債権の総額が固まらないと買い取っても再び危機が再発するだろう。不良債権の総額は金融機関にとっては機密事項であり、日本の例でもなかなか分からなかった。当時の橋本総理は銀行の不良債権がこれほど大きかった事を知らされなかった。

公的資金の投入は日本ではモラルハザードとマスコミが騒ぎ立てたので年数がかかりましたが、アメリカは金融安定策を発表して1年足らずで公的資金の投入を決めた。しかし銀行が住宅ローンとして貸し出している金額は1200兆円であり、日本の200兆円の6倍もの規模だ。

リーマンなどの破綻はファンドの危機であり、モルガンなどは三菱UFJからの9000億円の資金で切り抜けるようですが、シティは規模が規模が比べ物にならないからすでに中東や中国などの政府系ファンドなどから数兆円の出資があったにもかかわらず経営は改善されていない。

最近は中東や中国の政府系ファンドもおとなしくなって、シティであっという間に出資が半減してしまったのだから腰が抜けてしまったのだろうか? まだまだアメリカの金融危機は始まったばかりであり、政府も第二段の金融安定策を出す事もあるだろう。しかしそれが出来るのだろうか?

今までのところ投資銀行は大手銀行は海外から資金を調達して一息ついていますが、政府から公的資金を受け入れた場合、当然モラルハザードの問題が浮上してくる。住宅ローンを借りた人が返済できない時は住宅をとられてホームレスになってしまうのに、金融機関の経営者やマネージャーは経営が失敗しても高額の年俸と退職金を貰って南の島で一生遊んで暮らせるのだから不公平だという不満は当然出る。

日本でも公的資金の注入が遅れたのはそのせいなのですが、アメリカはモラルハザードの問題をすっ飛ばして行けるのだろうか? 確かに金融安定化策は正しい政策なのですが、金融機関はやりたい放題やって高給もらって失敗したら国が何とかしてくれるという意識が残れば、より大きな問題となるだろう。

株式の空売り規制にしても短期的には効果があっても、ヘッジファンドは株のヘッジが出来なくなり市場に参入する資金が細って長期的にはマイナスだ。空売り規制が入ると暴落した時の買戻しがなくなりフリーホイールになってしまう。株をやっていいる人なら常識なのですが、ポールソンも焼きが回ったのだろうか?

堀古英司氏のブログに書かれているように10月なかばには空売り規制も解かれますが、大手の銀行の決算発表も始まる。9月に起きたリーマンの破綻や信用不安などでシティの決算発表が気になりますが、政府の金融安定策でも株価は20ドルを割ったままだ。インサイダーたちが株を売り抜けているのだろう。

政府には当面これ以上打てる対策がないのだから、ヘッジファンドたちは当然空売り攻勢をかけてくるのだろう。空売り禁止銘柄に指定される事は倒産の危険性があるからですが、アメリカを代表するような銘柄がずらりと並んでいる。市場原理主義を国是とするアメリカが金融機関の護送船団と株式市場での空売り規制を行使した事は、いったい日本における小泉改革はなんだったのかと言いたくなる。

日銀は300億ドルの資金供給をしていますが、この意味が分かる人なら金融のプロといえるだろう。日本のコール市場においても外資系銀行の中に信用不安が起きていて日銀しか貸し手がいない外資系銀行があるのだ。だから300億ドルの資金供給をしているのですが、それはおそらくシティのことだろう。

世界中でいまや金融市場が機能しているのは東京市場だけであり、アメリカでは闇レートが10%以上にもなっている。GMやGEが空売り禁止銘柄になっていますが、資金繰りはどうやっていくのだろうか? 東京ではサムライ債が次々発行されていますが、それだけアメリカはプライドをかなぐり捨てて資金調達しなければならない。


◆ヘッジファンド業界:空売り規制が打撃、成績は10年で最悪か−WP 9月23日 ブルームバーグ
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=a5ZhuEM7Psbw&refer=jp_japan

9月23日(ブルームバーグ):米紙ワシントン・ポストは23日、ヘッジファンド業界が最近の米株市場への規制強化で打撃を受け、運用成績は過去10 年で最悪の水準となっていると報じた。業界団体のデータを基に伝えた。

  同紙によると、一部銘柄の空売りを禁止した米証券取引委員会(SEC)の規則により、幾つかのヘッジファンドが破たんの危機にひんした。空売りはヘッジファンドが株価下落時に利益を上げる主な手法。禁止が恒久化されればさらに多くのヘッジファンドが脅かされるだろうと同紙は指摘している。情報源は挙げていない。

  同紙は業界団体の1つ、マネージド・ファンズ・アソシエーションの会長、リチャード・ベーカー氏の話を基に、ヘッジファンド業界の代表が米財務省とSECの当局者と会い空売り禁止の解除を求めたい考えだと報じている。


 

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