★阿修羅♪ > 国家破産58 > 517.html
 ★阿修羅♪
野村のリーマン買収、効果発揮に立ちはだかる3つの壁[東京 26日 ロイター] 
http://www.asyura2.com/08/hasan58/msg/517.html
投稿者 新世紀人 日時 2008 年 9 月 27 日 09:07:09: uj2zhYZWUUp16
 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080926-00000460-reu-bus_all
野村のリーマン買収、効果発揮に立ちはだかる3つの壁
9月26日12時23分配信 ロイター

江本 恵美記者
 [東京 26日 ロイター] 野村ホールディングス<8604.T>は経営破たんした米リーマン・ブラザーズのアジア・パシフィックと欧州・中東部門を買収し、海外事業の強化を目指す。だが、先行きは必ずしも平たんではなさそうだ。
 これまで海外での大規模な買収経験が乏しく、野村が優秀な人材を確保(リテイン)し、コストに見合う利益を上げられるかどうかも含め、3つの大きな壁が立ちはだかっているとの指摘がアナリストから出ている。
 ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーが銀行持ち株会社に移行し、メリルリンチがバンク・オブ・アメリカに吸収合併されるという大再編が米金融界で始まった今、独立系証券会社として残った野村が、今回の買収をどう経営拡大に活かせるのか、内外の注目が集まっている。
 今月20日、野村証券の幹部は急きょ香港へ飛び、日本を含むリーマンのアジア業務買収へ向け、最終的な詰めの作業に入った。アジアで最強の投資銀行を目指す野村だが、これまでにインドのエナム・ファイナンシャルとの資本提携がとん挫したほか、ベトナム・サイゴン証券をめぐる資本提携では、大和証券グループ<8601.T>に先を越されるなど実績が上がっていなかった。
 渡部賢一社長は今年4月の就任時から「スピード感のある経営をする」と強調。安くなった米系投資銀行を買収するには、今回を逃せないとの思いもあり、柴田拓美副社長に全権をゆだね迅速な交渉決着を図った。
 <戦略的にプラス>
 市場は、今回のリーマン欧州やアジアの買収を「戦略的にも将来の収益にもプラス」(JPモルガン証券)と受け止めている。ゴールドマンのアナリスト・山中威人氏はリポートの中で「この買収は野村にとって大きなチャンス。うまくマネージできれば利益水準を大きく変えられる」と評価。しかし、戦略通り投資効果を出せるかどうかは「(リーマンから)引き継ぐ従業員の能力を引き出す経営ができるか否かにかかっている」と指摘する。
 野村は欧州で約2000人、アジア・オセアニアで約1000人体制を築いたが、収益への貢献度は低い。一方のリーマンには一定のプレゼンスがある。
 トムソンロイターによると、日本を除くアジア・オーストラリアのM&A(企業合併・買収)リーグテーブルは、2006年と07年に野村が50位以下で低迷する中、リーマンは08年1月から直近(9月22日)まで9位。07年は年間でベースで17位、06年は21位と、通信や資源・エネルギーのM&Aで大型案件を獲得し、着実に業界内でのランクを上げてきた。
 今年2月には、中国アルミの親会社、中国アルミ業公司(Chinalco)が、米アルミ大手のアルコア と組んで英豪系リオ・ティントの株式12%を取得した際にアドバイザーにつくなど、野村が弱点とする海外企業同士のM&Aリーグテーブルでも名を連ねる。
 欧州でも野村を上回るプレゼンスがある。リーマンは、欧州のM&Aリーグテーブルで08年の年初来実績が7位、07年は11位、その前は12位と一定の水準を保ってきた。
 欧州の株式の資金調達(エクイティファイナンス)の引受けランキングでも年初来9位で、上位20社に入らない野村とは対照的だ。
 <人事マネジメントなど課題も>
 ただ、懸念材料もある。証券アナリストや業界関係者は、1)破たんによって売却される北米事業のないリーマンの海外部門を買って収益に結びつくのか、2)報酬体系が日本と異なる米系の会社で働いた人材を活かせるのか、3)優秀な人材は残っているのか──の3点を挙げる。
 リーマンのお膝元である北米事業は、英銀大手のバークレイズによる買収が決まった。野村は、母国市場の足がかりの薄れた投資銀行を買うことになる。それはまるで、日本を本拠地とする野村証券の日本以外の業務を、外資系の証券会社が買収するようなものだ。
 このためクレディ・スイス証券のアナリスト・大野東氏は「アジアや欧州のM&Aなどで、北米との関係が希薄になった後の(リーマンの)事業展開力がどの程度維持されるかが課題」と指摘。投資家は「(野村の)運営次第で、買収後の価値が買収前の価値を下回るリスクがあることを認識すべき」(同)と語る。
 人材のマネジメントやコスト管理も焦点だ。JPモルガン証券・アナリストの辻野菜摘氏はリポートの中で「米系的カルチャーが野村全体に広まることは戦略的にプラスだが、一方で費用面でどうなのか。費用増加に見合う収益の拡大が日本でも実現できるか、見極めたい面がたくさんある」としている。
 <証券会社はフロービジネス、人材抜ければただの箱>
 さらに懸念されるのは、買収後も優秀な人材が辞めずに野村に残留するかどうかだ。銀行には預金やその他のアセットがあり、買収時にそうした資産が新たなビジネス基盤になることが多いが、証券会社には買収後に買い手が確保できる滞留資金(ストック)がない。財産価値があるのは、M&A提案や資金調達の商品開発などに優れた人材ということになる。
 野村が買収した後、リーマンにどの程度優秀な人材が残っているかは「フタを開けてみないと分からない」(ヘッドハンティング会社)とみられている。グローバルに金融界では多くの会社が採用を凍結しているため、辞めても転職先の選択肢はあまりなく大量流出は考えにくいとの見方もあるが、本当に有能な人材が他社に抜ければ、野村は数百億円で「価値のない」箱を買ったことになり、収益押し上げにもつながらない可能性がある。
 リーマンは、ゴールドマン、モルガン・スタンレー、メリルの御三家に比べると「ウォール街では必ずしも名門の証券会社とは認知されていなかった」(証券関係者)。野村社内からは「日本のリーマン社員は1人もいらない」との声も漏れる。人材の質の面で、野村がリーマンの限界を感じている側面も否定できない。
 野村が過去に行った海外での買収は、米国のエージェンシーブローカー、インスティネットが最大級(約1400億円)。それ以外は、運用会社といった特定事業への出資や英国の独立系ブティック投資銀行の買収など数百億円規模の買収がメーンで、大型買収には慣れていない。今回の欧州・アジアの買収金額は2拠点あわせて1000億円に届かないとみられ、今春に約6000億円を調達し自己資本も豊富な野村にとって、決して大きな買い物ではない。とはいえ、5500人の雇用を一気に引き継ぐという規模の買収は初めてのケースとなる。
(ロイターニュース 江本 恵美記者;編集 田巻 一彦)

最終更新:9月26日12時23分


2 81 +−
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 国家破産58掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。