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危機を乗り切るためにアメリカは今、自分たちが90年代に日本に説教していた内容と同じことを米国内でやろうとしている。FT紙
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投稿者 TORA 日時 2008 年 10 月 01 日 16:04:24: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu177.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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危機を乗り切るためにアメリカは今、自分たちが90年代に日本に
説教していた内容と同じことを、米国内でやろうとしている。FT紙

2008年10月1日 水曜日

◆強欲な銀行幹部たちのせいで階級闘争が 9月27日 フィナンシャル・タイムズ
http://news.goo.ne.jp/article/ft/world/ft-20080927-01.html

アメリカは今週、階級闘争を発見した。7000億ドルの公的資金でウォール街のひどい借金を洗い流そうという米財務省の提案について、共和党のニュート・ギングリッチ元下院議長は、「ひどい、ひどいアイディアだ」と批判。ゴールドマン・サックス出身の経済顧問を抱えたホワイトハウスは、ゴールドマン出身者にだまされているのだと攻撃した。

共和党のジョン・マケイン大統領候補は、CEOたちの「強欲」を激しく罵り、政府に救済される企業のトップが、「最高給の政府職員よりも高い報酬をもらうなんてことがあってはならない」と批判した。ルパート・マードック氏が所有するニューヨーク・ポスト紙は一面トップに高さ5センチ大の活字でデカデカと「フロード(詐欺)・ストリート」という見出しを掲げた。右側からも、これだけの声が上がっているのだ。

左側の論調としては、たとえば23日のニューヨーク・タイムズ紙面に進歩派シンクタンク「米国の未来のための研究所」が掲載した意見広告が一例だ。このシンクタンクは、ウォール街がアメリカの納税者を「強要している」と非難し、「銀行関係者だけを救済するよりも、銀行の被害者になった人たちを助けるべきではないのか?」と指摘している。

民主党のナンシー・ペロシ下院議長もこれによく似た言い分で、「自分の会社をつぶしておきながら、高額の退職金という金色のパラシュートで脱出しようとするCEOたちに言いたい。もうパーティーは終わりだ」と厳しく批判した。

アメリカにも階級格差はあるのだと、アメリカが気づいた。気づくのがあまりに遅いのではないかと、あなたは主張するかもしれない(するかしないかは、あなたの政治姿勢によるかもしれない)。なんといっても過去30年にわたって続いた米国経済の大きな特徴は、所得格差のすさまじい拡大なのだから。過去100年に遡って眺めれば確かに、経済全体が成長すると共に所得格差は縮小した。ゆえに1916年には全米人口のわずか0.01%にあたるごく一部の高額所得者たちが、国民の総給与所得の約4.5%を得ていたのに対して、金持ちへの財の集中は1971年には0.5%にまで減っていたのだ。しかし1970年代になってこの流れは、逆戻りしはじめ、1998年には再び、人口の0.01%が総給与所得の3%を得るようになっていたし、ほんの一握りの高額所得者たちはその後もさらに給与所得のシェアを増やしていった。

金持ちと貧乏人の格差が、グランド・キャニオン並みに広がっていたというのに、米国に根強くある社会や文化の伝統が、この問題の直視を妨げ、政治テーマとなるのを妨げてきた。

所得格差が広がっても、米国民は資本主義を支持し、資本主義の勝者となった人たちを英雄扱いしてもてはやした。ひらめきを働かせ、額に汗し、努力に努力を重ねれば、誰だって百万長者になれる??こういう国民的な信念が、その一端にはある。ニューヨークを拠点にしている欧州出身のヘッジファンド・マネージャーいわく、「ヨーロッパでは金持ちは妬まれるが、アメリカでは自分もああなりたいと思われるものだ」そうだ。

その結果、経済ポピュリズム(大衆主義)は投票箱で効果を発揮しなかった。2000年の大統領選で経済ポピュリズムを掲げたアル・ゴア副大統領は当選できなかったし、今回の選挙でも、この国には「2つのアメリカ」があると訴え続けた民主党のジョン・エドワーズ元上院議員は、予備選で3位より上になれなかった(ましてエドワーズ氏は民主党支持者に訴えかけていたのに)。

アメリカは、階級闘争を前提とした政治観を、ともかくも拒絶してきた。これは左翼にとって実に歯がゆいことで、例えば2004年の「What's the Matter with Kansas?」という画期的な著書でトマス・フランクスが論じたように、左翼は共和党の手口に危機感を抱いていた。共和党は、アメリカ中産階級の社会的価値観や文化的価値観に訴えかけることで、有権者が経済格差の拡大に気づかないよう仕向けてしまったのだと、左翼はこう懸念していた。

サラ・ペイリン知事はジョン・マケインの選挙戦をまるでバイアグラのように元気づけた。9月前半のマケイン支持率を見るに、今回の選挙戦でもまた「アメリカの伝統的価値観」が「階級」に勝つのかと思えた。しかし10日ほど前のウォール街暴落は(おまけに、納税者が費用負担する処理案は1兆ドルにもなるという提案は)、政治状況を大きく塗り替えた。そして、この経済危機は欲の皮がつっぱったCEOたちの責任だと怒っているのは何も、今回の大統領選で大注目されている有権者層「ウォルマートで買い物するお母さんたち」ばかりではない。ウォール街そのものでも、経営幹部ではない金融関係者はこぞって、一番上にいる上司たちをさかんに非難している。

ここ2週間ほどの混乱に巻き込まれた会社のベテラン社員によると、彼の会社のCEOに金色のパラシュートを諦めるよう、最大の圧力をかけているのは、メイン・ストリート(各地の中央通り、金融業界ではない一般市民の意)でもなければワシントンでもなく、社内の怒れる社員たちなのだという。

アメリカでこれ以前に所得格差がピークに達したのは、19世紀末から20世紀初めにかけて。この時は高まる国民の不満に勢いを得て、国民党が台頭した。それは米国史上、最も成功した「第三の党」運動だった。

当時に比べると、今のところアメリカの政治地図はそれほど極端には変化していない。しかし階級闘争は強力な魔神だ。そして実に久しぶりにアメリカは、魔神をランプから出してしまったのだ。


◆のろのろ「日本式」金融がまた流行するのか 9月30日 フィナンシャル・タイムズ
http://news.goo.ne.jp/article/ft/business/ft-20080930-01.html

今や、立場は入れ替わった。野村ホールディングスがリーマン・ブラザーズの資産を、バーゲン価格で買い取った。わずかに生き残った米投資銀行のひとつ、モルガン・スタンレーには、三菱UFJが80億ドルを出資することになった。

運命の逆転はあっという間だった。しかしその割には、そら見たことかという批判はほとんど聞こえない。「アメリカにもう10年間も、ああしろこうしろと言われ続けてきたことを思うと、日本側の自制は見事だ」と言うのは、マッコーリー証券のエコノミスト、リチャード・ジェラム氏だ。「彼らは本当はこう言いたくて仕方がないに違いない。『空売り禁止で市場を操作したりするのは、実によくない。必要なのは透明性の低い救済策ではなく、自律的な問題解決だ』と」 日本はアメリカから再三再四、もっと活発な自由市場資本主義に移行するようしつこく求められていたのだから。

危機を乗り切るためにアメリカは今、自分たちが1990年代に日本に説教していた内容と同じことを、米国内でやろうとしている。日本が黙っているは、そのせいでもある。1990年代に米政府の関係者たちは、得てして容赦ない口ぶりで、日本の銀行はもっと素早く不良債権を認めなくてはならない、日本政府は公的資金を投入して流動性を回復しなくてはならない??と言い続けていた。

「日本に対する重大な不満は、時間がかかりすぎたということだった」とジェラム氏。「アメリカの長所を探すとするなら、危機突入からまだ1年弱の現時点で、すでに全力で取り組んでいるという点だ」

日本銀行のデフレ対策が想像力に欠けると批判されていた当時、田谷禎三氏は日銀審議委員だった。その田谷氏も決して批判を口にしない。「言ってもどうせ聞かないだろうし」と。

しかしITバブル崩壊の直後に公定歩合を大幅に下げ、またサブプライム危機の発生を受けて大幅に公定歩合を下げたアメリカのやり方は、日本のもっと慎重な対応と同じくらいまずかったのかもしれない。田谷氏はこう言う。

連邦準備理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長がかつて日銀に対して、デフレ抑制のためにケチャップを(つまり何でもいいから資産を)買うよう求めたのは、有名な話だ。しかし日本当局者の多くは、表立っては言わないものの、今回これほど激しく崩壊したバブルをそもそも作る原因となったのは、過剰な低金利政策だったと見ている。日銀はかつて、中央銀行たるもの消費者物価にばかり注力するのではなく、いかにして資産バブルに風穴を開けていくかに取り組むべきだと主張して、あちこちで批判された。しかし今や日銀のこの姿勢が、世界中で再評価されつつある。

匿名を条件に取材に応じてくれた日銀幹部は9月26日、「バブルを事前に察知して崩壊を防ぐことができると言っているわけではない。しかしそれでも、できることはある」と話した。たとえば米住宅市場を落ち着かせるために、できることはもっと色々あったはずだと言うのだ。

田谷氏は米金融政策について、米当局が学んだつもりになっている教訓は、もしかして正しくないのかもしれないと指摘する。ある意味で、米当局の政策はきわめて成功したからだ。2001年以降、米経済は景気後退を回避してきた。しかし簡単な政策には副作用があることを忘れていたのだという。

一方で日本では、金融機関がそもそも慎重だったことが幸いしたと田谷氏。「日本はアメリカの投資銀行とは違う。アメリカの銀行は、借金で資産を買いまくっていた。そのビジネスモデルはすでに崩れてしまった」

だからといって、日本の金融機関がいま比較的に健全な状態にあるのは、別に日本の銀行がとりわけ賢かったからではないと田谷氏は言う。「日本の金融機関が遅れをとっていたのは事実で、そのメリットなど何もない。2005年まで日本の金融機関は不良債権処理に忙しかった。そして、そのあとちょっと一休みした。日本の金融機関が(アメリカの)真似をするだけの時間が、そもそもなかったのだ」

日本の財政幹部はもっと率直にこう認めた。「賢明だったというよりは、運が良かったのだ」と。


(私のコメント)
最近は外資系証券会社で働いている人のリストラが相次いで、フジテレビのワイドショーでも報道していましたが、彼らの時代は過ぎ去ろうとしている。最近では東大卒のエリート候補が官庁には就職せず外資系金融機関に就職するのがトレンドだった。もっとも以前から東大卒が入ってくるようになると、その業界はピークでありダメになるといわれていましたが、外資系もその例外ではなかったようだ。

フィナンシャルタイムズの記事を見ても、高給をもらうCEOに対する風当たりは厳しいものがあり、それが金融安定化法案の否決につながった。一般の会社や個人は経営が破綻すれば潰されるのに、金融機関だけは我々の税金でなぜ救済されるのかという不満が渦巻いている。自己責任の原則はどこに行ってしまったかと思えるような政府の救済策は最初から批判が多かった。

アメリカ政府は外国には厳しく自国には甘いダブルスタンダードの国であり、このような国の覇権が長く続くわけはないのであり、外国には寛容であり自国には厳しい国でないと覇権は長続きしない。ローマ帝国が1000年続いたのも植民地に対しては寛容であったからだ。それに対してローマの兵士に対する規律は厳しく、だからあれほどの広大な帝国を維持できたのだ。

アメリカも日本に対して1985年までは日本に対して寛容であったが、90年代のソ連崩壊以降は露骨にドルを買い支えを行わせるなど、帝国としての権力志向を強めていった。日本はローマ帝国に対するカルタゴに例えられて、太平洋をめぐる支配権の争いが150年続いているともいえるのですが、そろそろ覇権国の衰退が始まろうとしている。

アメリカも70年代以降は格差社会が広がり、勝ち組と負け組の格差が問題になりつつある。中産階級の没落と少数の高額所得者の登場は階級社会がアメリカにも定着し始めたのだ。日本も中産階級が没落して格差社会が定着しようとしている。日本は最も成功した社会主義国家と言われるほどだったのに、アメリカを真似て悪しき資本主義を真似ようとした。

「会社は誰のものか」という命題がありますが、アメリカのような原始的資本主義国家なら「会社は株主のもの」ということが出来る。しかし進化した資本主義においては会社は株主だけのものではない。9月17日の株式日記でも原丈人氏の「21世紀の国富論」を紹介しましたが、短期的キャピタルゲインねらいの株主が会社の持ち主でいいわけがない。

しかし日本にもホリエモンや村上ファンドが現れて、アメリカのハゲタカを真似る人が出るようになった。しかし現在のアメリカに起きている金融恐慌は、時価会計や減損会計が大きな弊害をもたらしているのであり、日本やドイツで行なわれてきた取得原価の会計制度のほうが正当性があるように思える。しかし日本はアメリカの植民地でありアメリカの会計制度を取り入れさせられた。

「21世紀の国富論」に書かれているように、アメリカには悪しきCEO達がアメリカ企業を食い散らかしていった。アメリカではこのようなCEOを資本主義の勝者として賞賛されてきた。ファンドとしてかき集めた金で株を買い占めて会社を支配して、お手盛りで巨額な配当とボーナスをもらう事がアメリカでは称賛された。日本ではハゲタカと呼ばれて敵視されてきたが、アメリカのポールソン財務長官もハゲタカのCEOだった。

アメリカやイギリスのような海賊資本主義は国内の獲物を採り尽してしまえばお終いであり、それは「ねずみ講」と大して変わりがない。しかしマスコミはこのような資本主義を金融工学を駆使したハイテク金融として持て囃した。しかし「ねずみ講」も論理的には間違いではないが詐欺的行為とされている。金融工学も数学的に計算されて論理的ではなるが数百万年に一度しかない事が明日起きてしまう。つまり詐欺なのだ。

フィナンシャルタイムズの記事にもあるように、現在のアメリカに起きている金融恐慌は90年代の日本に起きたバブル崩壊そのものだ。インターバンク市場では金融がストップして中央銀行が最後の貸し手となって支えているが、いつまでも続けられるものではない。次はどこかという信用不安が去らない限り金融恐慌は終わらない。

日本の銀行は含み資産が大量にあって体力があったが、アメリカは時価会計だったから金融機関はあっという間に倒産してしまう。だからアメリカ政府も1年足らずで金融安定化法案を出してきましたが、やはり国民のコンセンサスを得なければ税金は使えない。悪しきCEOはゴールデンパラシュートで逃げ切ろうとしていますが、逃げ切れるだろうか?

格差社会は国力を疲弊させてモラルを堕落させてしまう。ローマ帝国が亡んだのは肯定や貴族たちのモラル崩壊から起きたことであり、ローマ軍兵士もゲルマンの蛮族を金で買収して堕落して行った。ホリエモンも金で買えないものはないと豪語して自滅しましたが、アメリカ金融帝国も自滅して滅びようとしている。アメリカ国内はすでにハゲタカに食い尽くされてぺんぺん草も生えない。

日本はアメリカのハゲタカに食い尽くされる前にハゲタカが自滅してくれましたが、日本は幸運だったのだ。日本は時間をかけることで公的資金を最小限度にとどめる事ができましたが、アメリカで発生した不良債権は公的資金で賄いきれるのだろうか? 75兆円の金融安定化法案も焼け石に水だろう。金融工学と称して詐欺的商品を世界に撒き散らして、どれくらいの焦げ付きがあるのか分からないからだ。

不動産証券化もリスクを他人に売り払ってしまえば損はないから過剰に発行されてしまった。CDSも6600兆円もの金額になり、そんな金はどこの銀行や保険会社にも無い。しかし手数料欲しさに巨額の保険に応じてしまってAIGは国家管理になった。リーマンブラザースもそれで潰れたのですが、悪しきCEO達は経営責任を問われてはいない。

 

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