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FRBのデータをみると、ドル資金追加供給量はすさまじい。垂れ流され続ける通貨の価値をだれが信じようか。田村秀男
http://www.asyura2.com/08/hasan58/msg/727.html
投稿者 TORA 日時 2008 年 10 月 05 日 16:50:54: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu177.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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FRBのデータをみると、ドル資金追加供給量はすさまじい。垂れ流され
続ける通貨の価値をだれが信じようか。超インフレ、通貨暴落が来る。

2008年10月5日 日曜日

低金利の米国債を買うのはFRBと外国政府がほとんどである。
民間で買うの者はおらず、米国債が暴落すればFRBは倒産する。


◆いくらドル札刷っても足りない米金融危機  10月5日 田村秀男
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/742299/

米国はこの9月一ヶ月だけで、もう一年分以上のドル札を増刷したことをご存知だろうか。

いくら供給しても「まだ足りない、助けて、振り込んで」という電話が米連邦準備制度理事会(FRB)にはひっきりなしにかかってくる。振り込め詐欺のことではない。

米国ばかりではない。英国、アイルランド、フランス、ドイツ、ルクセンブルグなど欧州からもかかってくる。日本でもその恐れが強い。そこで、米欧日の中央銀行が協調して、ドル資金を流す取り決めもした。

なぜ国際的に市場ではドル資金不足が続くのか。金融商品バブルが崩壊したためで、歴史的には前代未聞である。

それは金融のグローバル化によりドル建ての金融商品が世界に出回っている。それらの金融商品の多くがサブプライム関連の証券化商品で、その値打ちが下がっている。金融機関の資産は大きく目減りする一方、清算してドルの現金に替えなければならないが、手元にドルがない。金融商品を叩き売れば、同種の金融商品を中心に投げ売りが連鎖してしまう。欧州では特にそれがひどい。とりあえずは、資金が金融機関の手元にふんだんにあり、融通し合えるという通常の姿に近づけるしかない。

いくら国際協調してもドル札はFRBでなければ刷れないから、FRBへのドル資金需要は高まるばかりだ。皮肉なことに

ドル資金は不足しているのだから、ドルが今のところ暴落するはずはない。ドルは見かけ上、まだ強い。FRBは金融機関から米国債を買い上げては刷ったドルを供給するのだから、米国債相場は堅調なのだが、それは台風の目の中にいるようなものだ。サブプライム危機がおきた昨年8月以降ことし6月までのドル資金供給で生み出された余剰ドルは原油・穀物先物市場になだれ込んだ。輸入国は高騰したドル建ての原油、穀物をドルで払わなければならないので、ドル需要が高まり、ドル相場は強含んだ。

垂れ流され続ける通貨の価値をだれが信じようか。

それもまた、歴史的には超インフレ、通貨暴落というあまたの事例がある。

FRBのデータをみると、ドル資金追加供給量はすさまじい。10月1日時点でのFRBの融資などによる資金供給残高は1兆5331億2800万ドルで、住宅公社、リーマン危機の始まる前の8月28日時点の9437億2500万ドルに比べて、5894億ドル、64%増。前年同期比で5271億ドル増だから、この一ヶ月余りで一年分をはるかに上回るドル資金を刷っては市場に流したことになる。
では、この資金はきちんと市場で回り、金融不安を和らげているか、というと疑問符が付く。

ここにもう一つのFRBデータがある。9月24日時点で、FRBが市中銀行に貸した資金のうち4分の1強は市場で使われず、FRBでの市中銀行の口座に戻っているのだ。資金は消えたわけではないのだが、ドル資金不足に悩む金融機関に回らない。理由ははっきりしている。

金融機関がすっかり疑心暗鬼になってしまい、いくらFRBからドル資金が提供されても、焦げ付きを恐れておいそれと他の金融機関に融通しないからだ。

結局、根本問題は腐った資産を抱えた金融機関の財務にあるわけだ。そこで、ブッシュ政権は7000億ドルに上る財政資金を使って不良金融資産を買い上げることにしたが、大統領選挙と同時の議会(下院は全員、上院は3分の1)総選挙を控え、「ウォール街の強欲どもを救済するなんて」という有権者の声に押されて議員たちが浮き足立っている。

この救済法案(「金融安定化法案」)が成立しても、さらに難題が待ちかまえている。というのは米政府自体巨額の財政赤字を抱えている。赤字国債を発行して資金を調達するしかないが、一体だれがその国債を引き受けるのか。

ここでもFRBが最終的に買い上げればよいと簡単に言っても、FRBはいい加減、経営不安にある証券会社など金融機関に救済融資している。さらに市場経由とは言え国債を引き受けたら、中央銀行としての信頼が揺らぐのは必至だ。

最後の貸し手を助ける究極の「最後の貸し手」が必要になる。それはだれか。黒字国の日本か、というと、かつてと違い郵貯も民営化が進み、政府の意向でおしそれと米国債投資というわけにいかない。民間の銀行や生保も下落するドルの資産に投資するわけにいかない。


◆巨額のマネーは、いったい誰が支えているのか  10月5日 田村秀男
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/742318/

最大7000億ドル(約70兆円)の公的資金で金融機関から不良資産を買い取る米国の金融安定化法案が3日、米下院で採決され、賛成多数で可決された。ブッシュ大統領はすぐに署名し、9月29日に米下院で否決され世界の金融市場に大混乱を引き起こした法案はやっと成立した。これで米当局がサブプライム住宅ローン問題に絡む金融危機対策として表明した公的資金・支援は、最大1兆3140億ドル(約140兆円)に達する=表。これはカナダやスペインの国内総生産(GDP)を上回る莫大な金額だ。

これほど巨額のマネーは、いったい誰が支えているのか。米国は恒常的な財政赤字国であり、その赤字は米国債をひたすら買い続ける海外のマネーが穴埋めしてきた。そしていま、米国債の最大保有国は中国だ。考えてみると、米国発世界金融危機の奔流を押し止める防波堤「the last resort(最後の貸し手)」は、中国マネーなのではないか…。こうした世界経済の構造をEX連載「国際政治経済学入門」で産経新聞の田村秀男特別記者・編集委員が説き起こす。
◇ 
「最後の貸し手(the last resort)」という金融用語をご存じだろうか。

「降りこめ詐欺」で孫を装った詐欺犯がお年寄りに「最後に頼るのはおばあちゃんだけ、助けて」とだます手口のことだと答える読者は満点というわけにはいかないが、センスがよい。

最後の貸し手とは、中央銀行のことである。不良資産を大量に抱え込んだ金融機関に対して、中央銀行がお札を刷って資金を供給する。そうしないと、金融機関 が手元資金を融通し合って過不足を調整している金融市場で、金融機関が疑心暗鬼になって余剰資金を出さず、経済の血液であるカネが回らなくなる。そこで、最後の貸し手がおカネを刷って金融機関に供給し、金融市場の機能が回復するというわけである。

今回の昨年8月の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)危機以来、ニューヨーク・ウォール街発の金融危機では、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)がその役割を果たしている。特に、9月に入って表面化した連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)など米政府系住宅金融2社の経営危機とそれに続く老舗証券リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)、大手生命保険のAIGの経営不安で、FRBは膨大な量のドル札を刷っては市場に流し込んでいる。

ところが、いくら供給しても「まだ足りない、助けて、振り込んで」という電話がFRBにはひっきりなしにかかってくる。

FRBのデータをみると、ドル資金追加供給量はすさまじい。10月1日時点でのFRBの 融資などによる資金供給残高は1兆5331億2800万ドルで、住宅公社、リーマン危機の始まる前の8月28日時点の9437億2500万ドルに比べて、 5894億ドル、62%増。前年同期比で5271億ドル増だから、この1カ月余りで1年分をはるかに上回るドル資金を刷っては市場に流したことになる。

ここにもう一つのFRBデータがある。9月24日時点で、FRBが市中銀行に貸した資金のうち4分の1強は市場で使われず、FRBでの市中銀行の口座に戻っているのだ。資金は消えたわけではないのだが、ドル資金不足に悩む金融機関に回らない。理由ははっきりしている。

金融機関が焦げ付きを恐れておいそれと他の金融機関に融通しないからだ。

結局、根本問題は腐った資産を抱えた金融機関の財務にあるわけだ。そこで、ブッシュ政権は7000億ドルに上る財政資金を使って不良金融資産を買い上げることにしたが、大統領選挙と同時の議会(下院は全員、上院は3分の1)総選挙を控え、「ウォール街の強欲どもを救済するなんて」という有権者の声に押されて議員たちが浮足立っている。

仮にこの救済法案(「金融安定化法案」)が成立したとしても、さらに難題が待ちかまえている。というのは米政府自体巨額の財政赤字を抱えている。赤字国債を発行して資金を調達するしかないが、一体だれがその国債を引き受けるのか。

ここでもFRBが最終的に買い上げればよいと簡単に言っても、中央銀行としての信頼が揺らぐのは必至だ。

最後の貸し手を助ける究極の「最後の貸し手」が必要になる。それはだれか。黒字国の日本か、というと、かつてと違い郵貯も民営化が進み、政府の意向でおいそれと米国債投資というわけにいかない。民間の銀行や生保も下落するドルの資産に投資するわけにいかない。

結局、まとまった巨額の資金を動かせるのは、半年間で2800億ドルを積み上げ、この6月末で1兆8088億ドルの外貨準備を持つ中国しかない。

金融恐慌研究で知られる故チャールズ・キンドルバーガー教授(1910〜2003年)は「1929年の大恐慌は最後の貸し手がいなかったために起きた」と断じている。中国共産党という異質で巨大な政治機構に米国はもとより世界経済の命運がかかっているかもしれない。(特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)


(私のコメント)
インターバンク市場でドルの貸し手が無くなり中央銀行だけが資金供給している状態が続いている。欧米の金融市場では何時何処でどの銀行が潰れるかわからない状況であり、このような状況は何時まで続くのだろうか? アメリカでは時価会計制度が徹底しているはずだから大手銀行の経営の透明性も確保されているはずだから、問題は無いはずだ。

ところがアメリカでは住宅ローン一つとっても証券化されているからいくらで評価するかが分からない。一つ一つの住宅は評価額を査定できても、証券化されているものは売買が停止しているから査定の仕様が無い。日本の銀行では株式資産を大量に持っていたから株を売れば流動資金は確保できた。それに対してアメリカの銀行はすぐに現金化できる資産が無いからインターバンク市場が停止している。

アメリカ政府は75兆円の金融安定化法案を可決成立させましたが、銀行が持っている買い手の無い証券化ローンを買い取るのでしょうが、いくらで査定するのだろうか? 証券化されたローンには焦げ付いたものがだんだんと増えてきて不良債権はますます劣化してきている。金融を安定化させようと思えば額面に近い金額で買い取れば銀行は助かるが、国民が怒るだろう。

アメリカの金融機関も一生懸命自己資本を増強させているが焼け石に水状態だ。だからアメリカ政府としては時価会計制度から離脱せざるを得ない状況であり、90年代にアメリカが日本に対して様々な金融改革を迫りましたが、アメリカのほうが間違っていたのだ。

「株式日記」ではBIS規制にも時価会計制度にも反対してきましたが、金融はそれぞれの国で異なった文化や歴史があり、それを一律に規制するのは間違っている。それに対してアメリカは自国の会計制度がグローバルスタンダードだとして日本に押し付けてきた。しかしアメリカ自身の会計制度が空洞化して機能が停止してしまっている。

アメリカの金融機関の再編が行なわれていますが、金融機関の資産査定も不良債権の金額も証券化で複雑化して売買事例も無いから査定の仕様が無い。焦げ付いたローンも切り刻んでミンチにして証券に混ぜられているから商品価値がなくなってしまった。まさにアメリカの金融工学によって作られた金融恐慌なのだ。

日本のエコノミストや経済学者からは日本の金融制度は旧体化して遅れており、アメリカの会計制度や金融工学を進んでいるとして日本も見習えと言ってきた。だから日本でも不動産の証券化も進んできましたが、それが日本のサブプライムローンになりつつある。

世界的に金融恐慌が起きているのに、日本の銀行だけが投資余力や流動資金を確保しているのは、金融革命に乗り遅れたという人もいますが、健全性を確保しながら保守的な経営してきたからだ。バブルの教訓が生きていたともいえますが、日本の保守的な金融のやり方こそが正統なのではないだろうか? 金融工学は一種のペテンなのだ。

アメリカ政府は7000億ドルの公的資金を使って金融恐慌を抑えられるのだろうか? 田村秀男氏のブログを見ても指摘しているように、9月だけで1年分のドル資金を供給している。それだけドルの需要が大きいからですが、ドルを供給できるのはFRBしかない。米国債を買ってドルを供給している為にFRBの米国債の保有は増える一方だ。

米国債はFRBの他には外国の政府機関などが買って持っていますが、金利が低い為に民間で売れるようにするには金利を上げる必要がある。アメリカ政府が今一番しなければならない事は米国債の価値を維持する事ですが、FRBが米国債を買っているから価値があるが、FRBも外国政府も買わなくなったらアメリカは破綻する。

しかし格付け会社によれば米国債はAAAの最高のランクであり、日本国債は1Aのアフリカのボツワナ並みだということです。0,5%の最低金利の国の国債がこのように低く評価され、95%も外国政府に買ってもらわなければならない米国債が最高級のランクですからアメリカの格付け会社もいいかげんなもんだ。

現在、米国債を一番買っているのが中国であり、中国は外貨準備を1兆8000億ドルも持っている。だからアメリカが破綻するかしないかは中国が米国債を買ってくれるかどうかにかかっている。中国も輸出で稼ぐしかない国だからアメリカが中国製品を買ってくれないと工場が倒産してしまう。

しかしアメリカも住宅も自動車の売れ行きも大幅にダウンして中国から物を買えなくなってきている。となると中国も米国債の買いを止めるかもしれない。今まではアメリカと中国は共存共栄で来ましたが、最悪の場合はアメリカと中国は共倒れしかねない。

FRBはいま紙幣印刷機をフル回転して刷りまくって供給していますが、数年後にはこの反動が来て超インフレになる可能性がある。そしてドルは暴落するだろう。イラク戦争だけでも戦費で財政赤字は火の車ですが、すでに国債を140兆円も金融危機のために使っている。まさにアメリカは破綻寸前の状態であり、中国に国債を買ってもらえるかが運命の分かれ道になっている。

 

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