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米国の経済崩壊、ドル覇権体制の崩壊に備えた、英国の新たな世界戦略の一つが、かいま見えてきた。世界共通通貨構想の復活か?
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投稿者 TORA 日時 2008 年 11 月 21 日 15:01:31: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu180.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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米国の経済崩壊、ドル覇権体制の崩壊に備えた、英国の新たな
世界戦略の一つが、かいま見えてきた。世界共通通貨構想の復活か?

2008年11月21日 金曜日

◆米国債が最上格トリプルAから転落する日 11月19日 辻広雅文(ダイヤモンド社論説委員)
http://diamond.jp/series/tsujihiro/10052/

米国債は、繁栄する米国の象徴である。

 比類なき国力を背景に、信用度は図抜けており、流動性はきわめて高い。各国政府がドル建て外貨準備の主要投資先として大量に購入し、その吸引力で米国は経常赤字を埋めることができる。一方で、米国債の金利は長期金利の世界的指標、つまり基準値である。したがって、米国債の格付けが最上のトリプルAであることは、侵されざる当然の地位だった。

 だが、その“不倒神話”を疑うものが少しずつ増えている。

 世界的金融危機を引き起こした責めを負い、金融システム救済と実体経済悪化を食い止めるために、米国は膨大な財政支出から逃れられない。その広がりは、まだ際限ない。どれほどの金融機関を救えばいいのか、もはや恐竜のごとき自動車ビッグスリーにどれほどの資金をつぎ込めば助けられるのか。どれだけ、橋や高速道路を作れば――オバマ新大統領は大規模な公共事業の必要性を言明している――、失業率は低下するのか。

 2008会計年度の財政赤字は4380億ドルであり、2009年度は1兆ドルを超えると見られる。金融危機、景気後退から脱出すべく、手を打てば打つほど財政赤字が拡大し、ドルの信認が揺らぎかねないというトレードオフに陥っている。

 現在起きている混乱が、いつどのように収束するのかは分からない。だが、一つだけ分かっているのは、このコラムで何度か述べたように、混乱が収束した後の米国は、金融産業の成長停滞によって、潜在成長率が落ちるだろうことだ。

 他方、格付けとは当該債券発行機関の債務支払い能力、すなわち信用リスクを表している。

 となれば、大量に国債を発行して借金を重ねていく一方で、今後、潜在成長率を低下させざるをえない米国の債務支払い能力を、これまでと同等に高く評価していいのだろうか、という疑問が湧いても不思議はない。実際、「米国経済の実態を直視すれば、米国債がトリプルAから格下げされても不思議ではない」という日本の金融当局、金融機関幹部は、決して少なくない。

 彼らの「米国経済の実態を直視すれば」という注釈には、格付け会社の判断に政治的要素が入り込んでいる、もっと言えば、米国の格付け会社であるスタンダード&プアーズやムーデイーズが自国の政府に弓を引くようなまねができるのか、という疑念が混じっている。

 実際、格付け会社の中立性に対する信頼は、今、大きく揺らいでいる。リスクの高いサブプライム関連の証券化商品に投資適格の高い格付けをしていただけでなく、証券化商品を組成する金融機関に、格付けを高くするためのアドバイスをしていたとされる。11月15日に閉幕したG20金融サミットで、EUは格付け会社に厳格な規制適用を迫った。

今のところ、格付け会社が米国債格下げに動く気配はない。ただし、今年1月上旬には、ムーデイーズが「米国政府が健康保険や社会保障費への財政支出を削減する思い切った政策を取れなかった場合、米国債は10年以内に最優良格を失うかもしれない」とコメントし、スタンダード&プアーズは9月、AIGを米国政府が救済した際、「財政にストレスを生じ、米国債のトリプルA格に圧力を加える可能性がある」と述べた。ともに警告としてはささやかだが、格下げの可能性に言及すること自体、かってはありえなかったことだ。

 では、現実に米国債が一段階引き下げられたとしたら、どんな事態が起きるのだろうか。

悲観的に考えれば、“不倒神話”の崩壊で、株式、債券市場で狼狽売りが始まる。米国債価格の下落と金利上昇が波紋を広げ、住宅ローン、自動車ローンなどの金利が上がり、さらに米国景気は悪化する方向に動くことになる。

 長期金利の世界的指標、基準値である米国債金利が不規則な動きを示し、それが世界中の市場を不安定化させ、連動するように為替市場でドル売りが始まる。

中国や日本を始め大量の保有ドル資金を米国債で運用している各国政府は、含み損を抱えることになる。嫌気した各国政府はドル離れ、米国債離れに動く。米国の資金調達能力が急速に低下する。さらに、経済は冷え込む。――これが、米国にとって最悪のシナリオだ。

 2003年、日本国債の格付けがムーディーズによってボツワナ並みに引き下げられたとき、実は、国債の暴落も金利の急上昇も起こらず、国債消化も難航しなかった。それは、日本が貯蓄過剰であり、当時のゼロ金利にも預金者が怒りもせず資金を引き上げなかったおかげで、金融機関が大量に国債を購入することができたからであった。だが、米国の場合、海外の買い手に大きく依存しているという構造の違いがある。

 だが、違う視点で見れば、各国政府はまったく逆に動くことになる。自国の外貨準備に大穴をあけるわけにはいかない。また、すぐに米国債に代わる投資商品があるわけではない。となれば、ドルを支援せざるをえず、少なくとも当面は米国債離れなどできない。不用意に動けば、自らを傷つけることになる。日本政府の発想は、明らかにそうだろう。

 その綱引きのどちらの力が勝るのか、は分からないが、米国債の格下げは、その綱引きを本格化させる“号砲”となる。それは、世界経済の新しい秩序を探る合図ともなる。

 いつも現実は、先回りして動いている。世界一の外貨準備を抱える中国は、政府系投資ファンドを設立し、さまざまな投資を始めている。それは、米国債一辺倒に傾いた運用の軌道修正に重きが置かれているのではないか。つまり、より高いリターンを狙った戦略ではなく、分散ポートフォリオの発想である。

この世界的金融危機でわれわれが得たのは、リスクフリーの金融商品などこの世にありえないのだという教訓である。その教訓に、米国債が含められても不思議ではない。神話は疑うものが多数になれば、倒れる。それを後になって我々は、歴史の必然と呼ぶ。

◆米国債保有、中国が1位に 約57兆円で日本抜く 11月19日 朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/1119/TKY200811190050.html

【ワシントン=星野眞三雄】米財務省が18日発表した9月の国際資本統計によると、中国の米国債保有高は9月末時点で5850億ドル(約56兆7千億円)となり、首位を続けていた日本(5732億ドル)を抜き、世界最大の米国債保有国となった。

 米国発の金融危機が世界的に広がっているが、中国は米国債への投資を続けていることが確認された。米財政赤字が拡大する中、米国債の安定的な引受先となっている。

 国・地域別の米国債保有高で、中国は前月に比べ436億ドル増え、日本は128億ドルの減少。3位は英国で3384億ドルだった。海外全体では2兆8605億ドルで、前月より1106億ドル増えた。

 中国の米国債保有高は、00年9月末時点では621億ドルだった。8年間で10倍弱も増えたことになる。中国は多くを米国債などのドル資産で持つ外貨準備高が06年1月に日本を抜いて世界一となっている。

(私のコメント)
アブプライム問題は格付け会社の責任が大きいのですが、G20でも格付け会社に対する批判が高まっています。格付け対象の会社から金をもらって格付けしていたのだから、酷い話ですが、そんな会社だから日本国債をボツワナ並みの格付けしたりしている。それに対して米国債はAAAの最高級ですが、中国や日本が買い続けている間は大丈夫だろう。しかし買わなくなったらどこが買うのか?

今はドルもマネーの逆流現象でドル不足で一時的なドル高ですが、フランスのサルコジ大統領が言うようにドルはもはや基軸通貨ではなくなりつつある。今は円キャリーが起きていたように、ドルも1,5%の金利ですがユーロは4%でキャリー現象が起きていた。ファンドもユーロ高と金利差でドルからユーロへのバブルがおきていたのですが、今はそれが逆流している。

しかしドル不安がまた台頭してくればドルから金利の高いユーロへのキャリーが再開されるだろう。新興国もドル資金の引き揚げで金融不安が起きていますが、新興国の通貨が安くなり金利が急騰すれば投機的なマネーが行くようになる。1997年のアジア金融危機もそうなりましたが、ロシアのようにデフォルトが起きる可能性もあるからしばらくはドル回帰は続くだろう。

このようにドルは不安定なのですが、本来ならば世界最強の通貨である円が基軸通貨となって行くべきなのでしょうが、日本にはアメリカの投資銀行のようなワールドワイドな投資が出来る人材がいない。だからアメリカのゴールドマンサックスやモルガンスタンレーに資金を貸して金利を稼ぐだけになってしまっている。

日本の円が基軸通貨になるためにはアメリカのような強大な軍事力が必要なのですが、日本人はそのような意識がないから円が基軸通貨にならずアメリカに丸投げしている。だから現在は日本の経済力とアメリカの軍事力が補完しあった関係であり、実質的にドルと円とはリンクしたようになっている。

問題は日米の政治家がそのような認識薄い事であり、日米関係は対等ではない。アメリカの軍事力は経済力に比べて規模が大きすぎるし、日本の軍事力は経済力に比べて規模が小さすぎる。だからアメリカは中国をパートナーとしてみれば日本の代わりとして補完関係を考えているのだろう。しかし政治的に米中は組める相手ではない。中国が民主化されれば組めるが、中国が民主化すればバラバラになる。

中国は世界一の外貨を貯めこんだ国であり、中国の経済力とアメリカの軍事力で補完関係にある。しかし中国の元は自由化されておらず中国の経済力は上海のビルと同じで砂上の楼閣だ。だから中国は日本が軍事力を持つまでのツナギであり、米国債を買ってくれればいいだけの関係だ。

このように考えれば田母神航空幕僚長の論文はアメリカ自身が望む事ではないだろうか? しかし麻生総理は直ぐに田母神幕僚長の首を切り国防力の強化を否定してしまった。これでは当分日本はアメリカのパ−トナーとなる事は出来ず、中国がアメリカのパートナーとならざるを得ない。このようなアメリカのジレンマが日本人には分からない。

EUはアメリカよりも経済規模や人口などでも大きな大国となりユーロはドルに代わる基軸通貨を目指している。だからアメリカにとってはEUが一番の脅威であり、アメリカは日本や中国と組んで対抗する関係になっている。しかし中国はアメリカに負けず劣らず大国意識の強い国であり、米中のパートナー路線は長くは続かない。

いずれにしてもアメリカ一国では経済はもたない状態であり、中国なり日本の資金力を必要としている。問題はアメリカ自身がどのような戦略を持つかであり、米中日でドルの基軸通貨体制を維持していくのか、EUが中心となった世界通貨体制に加わるのかが問題だ。オバマ次期大統領はどのような戦略なのだろうか?


◆「世界通貨」で復権狙うイギリス  11月13日  田中 宇
http://tanakanews.com/081113brettonwoods.htm

米国の経済崩壊、ドル覇権体制の崩壊に備えた、英国の新たな世界戦略の一つが、かいま見えてきた。それは、1944年のブレトンウッズ会議で英国代表のケインズが提案したが、米国の反対によって実現しなかった世界共通通貨(国際決済通貨)「バンコール」(bancor)の構想を復活させることである。

 11月15日に米ワシントンDCで「第2ブレトンウッズ会議」の通称を冠されたG20サミット会議が開かれる。この会議の発表されている主なテーマは、国際金融危機を繰り返さないための体制作りである。この会議に対し、英ブラウン首相は10月初めから「ブレトンウッズ2が必要だ」と言い続けてきたが、1944年のブレトンウッズ会議の主なテーマは、第二次大戦後の国際通貨体制の確立であり、金融制度ではない。

 なぜ金融制度の会議に、通貨制度の会議の名前をつけるのかと私は疑問に思っていたが、どうやらブラウンは、ブレトンウッズ2会議(11月15日のG20会議、もしくはその後繰り返されるであろう同種の会議)で、IMFがドルに代わる新しい国際決済通貨を発行する「世界政府」的な「新世界秩序」を提案するつもりらしい。(関連記事)

 ブラウンは、明確な表明はしていないが「本物の国際社会(truly global society)を作らねばならない」といった、世界政府や世界通貨を想起させる発言を放っている。この発言を報じた英ガーディアン紙の記事は「ブラウンは新世界秩序(new world order)を目指している」という見出しがついている。「新世界秩序」とは、欧米の上層部が以前から目指していると、世界の陰謀論者たちから疑われている「世界政府」の別名である。(関連記事)

 世界政府を目指す米中枢の動きに敏感な「孤立主義者(米国優先主義者)」である米共和党下院議員ロン・ポールは最近「新たな通貨体制と世界的な中央銀行が作られ、世界の全天然資源をも管理下に置くような世界政府が、しだいに作られていくのではないか。11月15日の会議は(米国など世界各国の)国家主権が奪われていく流れの始まりとなりうる」と述べている。(関連記事)(後略)

(私のコメント)
英国も英国で油断も隙もならない国であり、アメリカの威を借りながら世界通貨を作って英国の主導権を持とうとしている。アメリカはいまだに英国の植民地であり、二度の世界大戦もアメリカという植民地軍を動かして勝ったともいえる。アメリカが衰えて使えなくなれば英国は再び主導権をとって覇権を取り戻そうと考えているのかもしれない。

英国はBRICsを味方につければ主導権を取り返せると考えているのだろう。インドも中国も英国の植民地だった国であり、アメリカが衰退すればインドや中国を英国の植民地軍として使うつもりかもしれない。日本だってかつては日露戦争の時のように英国に操られて植民地軍として戦った事がある。英国から見ればアメリカも植民地軍だったのだ。

 

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