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日本にはリスクをとる理論的根拠を持つ経済学者が一人もいないのだろうか。日本の知的貧困が日銀政策や政府の政策に反映する。
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投稿者 TORA 日時 2008 年 12 月 21 日 15:00:43: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu182.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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日本にはリスクをとる理論的根拠を持つ経済学者が一人もいない
のだろうか。日本の知的貧困が日銀政策や政府の政策に反映する。

2008年12月21日 日曜日

◆少な過ぎ、遅過ぎる日銀は防波堤を築けるか  12月19日 田村秀男
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/841078/

FRBは2000年当時、バブル崩壊後のデフレ不況下の日銀政策について「ゼロ金利下における金融政策」と題する論文をまとめ、「too little, too late」と結論付けた。
日銀は2001年から量的緩和・ゼロ金利政策を採用したが、不況からの脱出に効き目があったのは、むしろ財務省による2003年から04年にかけての大掛かりな「非不胎化介入」によりはずみを付けた円安だった。

金利は超低金利なので、米国との金利差に目を付けたヘッジファンドや外為証拠金取引に狂奔する「ミセスワタナベ」による円キャリートレードで円売りが加速。円安による輸出ドライブがかかり、自動車、家電に代表される輸出産業が非正規雇用を増やして内需も拡大。金融危機関に流し込んだ円資金は米国市場を潤した。米金融商品バブルの一端は日本の円資金だという見方は、程度の問題を度外視すれば、確かにあてはまる。

 日銀にはそんなトラウマがあるからだろうか、米FRBの後を恐る恐るついて行っており、いつ逃げ出そうかと考えている。そのためらいが、量的緩和を否定する0.1%の政策金利を墨守させる。

 本稿はそんな日銀を「憶病者」となじるつもりはない。
 FRBの実験は、本コラムで何度も書いたが、海図無き航海であり、恐らくコロンブスの大航海のようにどこにたどり着くかだれもわからないのだ。幸運であれば、黄金の国を発見するかもしれないが、巨大インフレ・ハリケーンに巻き込まれて海蘊と化すかもしれないのだ。

 ただし、FRBにあるのは、大恐慌時代から学んだFRB政策失敗と、日銀の失敗から学んだ教訓による。何もしないで失敗するときのリスクの大きさ(デフレスパイラル)と、冒険をしたときのリスク(インフレとドル暴落)の度合いを天秤にかけたのだ。いくら刷っても、他国にその付けが回せる基軸通貨ドルを持つアメリカだからこそできる壮大な実験なのだろう。

 日銀の場合、何も米国と同じことをする必要はない。屑になる金融商品を買い上げる必要もない。CPだって買い上げて大企業の資金繰りを助けることが、景気刺激策になるとは限らない。企業はその資金を手元に置くか、当座預金でもって手元流動性を積み上げ、デフレ不況の進行に備えるだろう。

 日本がめざすべきは、日本型量的緩和政策であり、その目標はあくまでもグローバル・デフレ波及防止である。日本のデフレの最大の動員は急激な円高である。世界的に超金融緩和に向かい、日米金利差が解消しているなかで、日本だけが円札の供給を抑えるなら、円高ーー株安ーー金融機関・企業の資産毀損ーー貸し渋り深刻化ーーデフレ不況という負の連鎖がひどくなる。

 防波堤を築く。この政策目標を定めると、自ずと日本型量的緩和の方策は決まる。
 それにしても、バーナンキFRB議長は豊富な業績を持つ経済学者である。日本にはリスクをとる理論的根拠を持つ経済学者が一人もいないのだろうか。そう考えると、日銀の白川総裁を責めてもしかたない。日本の知的貧困が日銀政策や政府の政策に反映するとすれば、政策リスクを背負う日銀はtoo late, too little 路線で行くしかないのだろう。
 

◆円札をどこへ供給するのでしょうか?米国債購入やドル買いですか?

円がこのまま80円を割るくらいまで上昇すれば、財務省主導による円売り、ドル買い介入に向かうでしょう。その場合、円資金は米国債に化けます。しかし、介入の効果を挙げるためには、円の最高値を見極める必要があります。

CPや社債購入などが、どの程度になるかわかりませんが、刷られた円はとりあえず、企業の手元流動性として積み上がります。あるいは、海外の現地法人などのドル資金用に回るでしょう。その場合、ドルで運用する関係上、米国債が買われます。そういう点で、円高の抑止になりますが、円札をどのくらい刷るかは全く読めません。

日銀白川総裁は量的緩和を明確に否定している、その意味は、量的にはさほど緩和しない、限定的だということですから、円高抑止効果もまた限度があると市場は読みます。そのメッセージ性の弱さから、円高が進むでしょう。

◆株価や不動産価格は企業決算で、「時価評価」になっている現状では、a) 銀行保有株を政府が買い上げることと、b) 社債を銀行に代わって日銀が買い上げることは、銀行の融資限度額が自己資本比率が歯止めをかけられて限り、最善策ではないでしょうか?

これらの対策は、主として企業の資金繰りを楽にするでしょう。しかし、株価のテコ入れというほどの威力はないと思います。上記で述べたように、現金が欲しい企業の手元流動性を楽にしますが、特に米欧で事業展開している大企業はとりあえず現金を持ち続け、さらなる資金ひっ迫とデフレ不況に備えるわけです。強い円資金を持つ以上、日本にはゆとりがあるとも言えます。だから、円札を大量供給して、日本企業をGMにしないようにすることが今は可能ですね。


(私のコメント)
アメリカがリフレ政策をとることで日本も遅ればせながらリフレ政策に踏み切るようですが、白川日銀総裁の政策は、相変わらず少なすぎ、遅すぎる事で効果を少なくしているようだ。日銀が三度ゼロ金利にすることは面子にかけてもしたくないのだろう。しかしバブルの崩壊から20年近く経つのに、いまだに景気が低迷して海外からのバブル崩壊をまともに受けて、企業はまたしてもリストラの嵐だ。

ただ日本はアメリカやヨーロッパとは違って円高であり、円高をどうして経済政策で有利な方向に生かすことが出来ないのだろうか? ヒントになる事はドル買いの非不胎化介入で円キャリーによって起きた円安だ。ちょうどユーロ高とも重なって日本は円安景気になった。トヨタやソニーは円安ユーロ高で空前の利益を稼いだ。

アメリカが同じくゼロ金利政策と量的緩和を行ないますが、だぶついたドルはドルキャリーが起きてドル安になるだろう。金利差からしてドルはユーロに流れて再びユーロ高になるだろう。円も量的緩和政策で円が溢れてユーロに流れ込むかもしれない。ヨーロッパもいろいろな経済問題を抱えてユーロは解体するという意見もあるがポジショントークだろう。

ユーロは、あくまでもドルに代わるべき基軸通貨の座を狙っており、ドルとユーロのデスマッチは当分続いていくのでしょうが、円こそ世界最強の通貨であるにもかかわらず政府日銀は円を基軸通貨にすることには反対のようだ。しかしドルとユーロがデスマッチを繰り返して共倒れになったら信頼できる通貨は円しかなくなる事になる。

円が基軸通貨になれない原因の一つが世界経済の事が分かっている人材の不足であり、バブル崩壊に際しての有効な手段を見出せない日本の経済学界はどういうことなのだろう。せめて「株式日記」で提案してきたような大胆な政策を言うような学者がいないのは致命的だ。バーナンキやスティグリッツのようなリフレ政策がなぜ出来ないのか。

しかしポール・クルーグマンがノーベル経済学賞を取り、ベン・バーナンキがFRB議長になっても、日本の竹中平蔵教授は構造改革が足りないといい続けている。しかし構造改革による派遣切りによって社会不安をもたらしたのは確かなのだ。これはマスコミのミスリードであり、マスコミの経済記者たちのレベルが、クルーグマンやバーナンキやスティグリッツを理解できなかったからだ。

日本にもリフレ政策を主張する学者はいたが、マスコミで取り上げられる事は少なく、もっぱらネット上で議論の対象になっただけだ。それだけ日本の経済学のレベルは低いのであり、日本の経済記者やエコノミストは「株式日記」を読んで勉強して欲しいものだ。

日本の経済学者は経済の事が分かっていないから、外国からBIS規制や時価会計制度を導入しろという圧力に対して何の反論もすることが出来ず、むしろBIS規制や時価会計制度をグローバルスタンダードだとして積極的に賛成してきた。しかし現在においてはBIS規制や時価会計制度で欧米の銀行を当て嵌めたらすべて破綻する。

ようやく日本の経済学界も風向きが変わってきて、テレビにもしばらく出られなかったリチャード・クーも出られるようになりましたが、風向きに敏感な経済学者は少しずつ構造改革からリフレのほうに転向してきたようだ。このように日本の学者は風向きによってコロコロと言うことを変えるのであり、アメリカに追随する事によって大学教授の地位に縋り付こうというのだ。


◆「転向」したという中谷巌の品性 12月16日 誰も通らない裏道
http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2008/12/post-1ae0.html

今朝の日経に中谷巌の新刊の広告が出ていた。
タイトルは『資本主義はなぜ自壊したのか−「日本再生」への提言』。宣伝文句は、

−−−−−−
これは私の「懺悔の書」である
「構造改革の急先鋒」といわれてきた著者は、なぜグローバル資本主義に疑問を!?
広がる格差、止めどない環境破壊、迫り来る資源不足、そして未曾有の金融危機−−すべての元凶は新自由主義にあった。構造改革は日本人を幸福にしたかを検証する。
−−−−−−

となっている。
つまり小泉構造改革の旗振り役だった人物が宗旨替えをしたということらしい。
そこで書店へ行ってパラパラと立ち読みをしてみた。
すると、やはり自分がいわゆる新自由主義、市場原理主義といった小泉構造改革の旗振り役だったことを記した上で、しかしそれが今になって間違いだったことを認めるという内容であった。
中谷の表現ではそれは「転向」であり、宣伝文句にもあるように、だから懺悔の書としてこの本を出版したらしい。

パラパラとながめただけなのでこれ以上、内容については詳しくは書けないのだが、それにしても私の記憶でもこの中谷という人物はワールドビジネスサテライトやニュースステーションなどにも頻繁に出演し、とにかく世論を“小泉改革”支持へと導いた元凶の一人で、その結果が今日の格差社会や雇用不安を生んだことは衆目の一致するところだろう。
つまりこの人物のお陰で非常に多くの人が苦況に陥っているわけで、明らかに現在の状況に対する責任がある。
そういう人物が「転向した」といって本を出版することは、版元(集英社インターナショナル)からすれば「ウリ」となる。つまり本を売る(=金儲け)きっかけになると考えるのは自然な話だが、問題は中谷もその話に乗ったということだ。
ちなみにこの本は四六判ハードカバーで定価1,765円となっている。
世の中の人をさんざん間違えた方向に導いた末に「私は間違っていました。本当に正しいのはこうでした」ということを知らせるにあたって、この大不況のご時世に「内容を知りたければ1,765円いただきます」というのだから呆れた話である。

今の時代、ブログを開設して無料で情報を提供することなど誰にでもできる。
せめて中谷がそうやって「私は間違えていた」ということを多くの人に告白し懺悔するのならば、まだ情状酌量の余地もある。が、さんざんぱら人をだましておいて「本当のことを教えてやるから1,765円払え」というその品性、感性が理解不能である。
おそらくこの本の初版は5,000部ぐらいがいいところだろう。いまどき1,765円を出して本を買うという行為だってそうそう簡単にできるものではない。それほど世の不況感は強い。
にもかかわらず平気でこういうことをやっている中谷というのは、つまり転向しようが何しようが本質的には何もかわっていないということである。

(私のコメント)
竹中平蔵が転向宣言をする時もいずれやってくるだろう。日本の経済学者は皆その程度で、日本からノーベル経済学賞を取る人は出ないだろう。出るとすれば大阪学院大学の丹羽春喜教授になるのではないかと思うのですが、ネット上でしか話題になっていない。政府発行紙幣というアイデアは「株式日記」でも紹介してきましたが、テレビでも渡辺よしみ前行革大臣も言っていたそうです。政治家の中でも研究会が開かれているそうですが、御用学者からは全く無視されている。


◆マクロ経済学という科学を捨てては重要国策の遂行は不可能だ 丹羽春喜
http://homepage2.nifty.com/niwaharuki/ronbun/19.6-makurokeizaigaku.htm

つまり、現在のわが国の経済においては、トータルとしての「自生的有効需要支出額」の年々の額を増やしていきさえすれば、それと比例的にGDPをもきわめて確実に増やしていくことができるということなのです。しかも、「自生的有効需要支出額」の中では「政府支出額」が大きなシェアを占めているのですから、政府は、この「政府支出額」を適宜に増減させることによって「自生的有効需要支出額」をコントロールすることができるわけです。したがって、政府はGDPの成長をもコントロールすることができるはずなのです。しかも、デフレ・ギャップという生産能力のマクロ的余裕が巨大で、インフレ・ギャップ発生の怖れが現実的には皆無である現在の日本経済においては、後述するように、政府は「国(政府)の貨幣発行特権」という「打ち出の小槌」財源をタブー視する必要が無く、それをいくらでも活用しうるのですから、なおさらのことです。にもかかわらず、上記で指摘したように、過去四半世紀の期間に、わが国の経済から、合計5000兆円もの潜在実質GDPを空しく失わせてしまったということは、わが国の政策当局の弁解の余地の無い大失態であったと言わねばなりません。

要するに、現在の日本経済においては、「有効需要の原理」は、きわめて確実に作動し貫徹しているのです。私(丹羽)は、このことを、経済理論的にも、計量経済学的にも、きわめて厳密に吟味・確認する作業を行なったのですが、そのようなアカデミックな研究・分析によって得られた結論も、本稿に掲げたこの簡単な付表から上記のごとく直感的に読み取りとりうることを、疑念の余地無く裏書きするものにほかなりませんでした(上掲、丹羽著『新正統派ケインズ政策論の基礎』を参照)。すなわち、「有効需要の原理」の妥当性を否認するという当世風のスタンスは、まったく間違っているのです。


 

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