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国家主義・右傾化に執着するメディア―露骨さ増す産経・読売の論調B【日本ジャーナリスト会議会員 桂 敬一】
http://www.asyura2.com/08/hihyo8/msg/220.html
投稿者 gataro 日時 2008 年 4 月 29 日 08:55:23: KbIx4LOvH6Ccw
 

(回答先: 国家主義・右傾化に執着するメディア―露骨さ増す産経・読売の論調A【日本ジャーナリスト会議会員 桂 敬一】 投稿者 gataro 日時 2008 年 4 月 29 日 08:52:14)

http://www.masrescue9.jp/media/katsura/katsura31_3.html

国家主義・右傾化に執着するメディア
     —しだいに露骨さ増す産経・読売の論調—(3)

日本ジャーナリスト会議会員  桂  敬 一

◆国家主義化・右傾化に打撃与える二つの判決に対する敵意

 中国・韓国・朝鮮の「反日」に対する敵意をむき出しにするものには共通性がある。教育現場における日の丸・君が代強制への賛成、「従軍慰安婦強制連行はなかった」の主張、首相の靖国参拝支持などだ。

そして彼らは、沖縄の住民に集団自決を強制した「軍の命令」はなかった、の主張にも固執してきた。さらにイラク戦争における米軍への自衛隊支援にも賛成だ。そこには戦争への道につながる改憲を待望、日本の国家主義化と政治の右傾化を歓迎する心性がみなぎっている。

上記にみるような読売と産経は、そうした輿望に応えてきたわけだ。だが、3月28日の大阪地裁における大江健三郎「沖縄ノート」裁判(沖縄集団自決訴訟)の判決は、大江被告勝訴の判断を示し、「軍の命令」はなかったと訴える原告が敗訴した。

また、4月17日には名古屋高裁が、戦闘地域=バグダッドに「武装兵員」を輸送する航空自衛隊の輸送活動は、憲法9条の禁じる戦闘行動を含み、違憲であるとの判断を示し、憲法判断では原告・市民側が勝ち、被告・政府が負けた(メインの損害賠償等では政府勝訴)。この二つの裁判の勝利は、歴史認識・教科書問題への波及、当面のイラク戦争への荷担の清算、在日米軍再編・日米軍事一体化の再検討、9条護憲の運動強化など、多くの重要な問題・運動の行方に大きな影響を及ぼし、国家主義化・右傾化に待ったをかける重要な意味をもつものとなった。

 それだけに、産経・読売の反発も激しい。集団自決訴訟判決について産経「主張」(4月18日)は、「論点ぼかした問題判決だ」と、原告側が関係隊長を特定、同人による命令はなかったとした証言・証拠に対してはその有無を判断していない、と疑問を呈し、審理不十分だと批判する。

読売も「『軍命令』は認定されなかった」(同日社説)と、特定軍人の命令は事実として認定していない、と批判した。だが判決は、戦争と軍のシステム全体を捉え、その全体が「軍の命令」を実現していると判断しているのであって、これを覆せる反証は、両紙とも示すことができない。

イラク空自違憲判決に至っては、もう理屈ではない。産経・主張「平和協力を否定するのか」、読売・社説「兵輸送は武力行使ではない」(どちらも4月18日)は、かつて小泉首相が国会答弁で、「どこからどこまでが戦闘地域で、どこからがそうじゃないなんて、私にわかるわけがないじゃないですか。わかっているのは、自衛隊は戦闘地域には送らないのだから、自衛隊のいるところは戦闘地域じゃない、ということです」を、まざまざと思い出させる体の議論だ。逆に言い換えれば、二つの判決は、こういう無茶苦茶な議論を国民の前にさらけ出させただけでも、大きな意味がある、といえる。

 4月8日の読売朝刊1面は、憲法に関する全国世論調査の結果を発表した。

憲法改正「反対」43・1%、「賛成」42・5%。1981年から始まったこの調査は、93年以降、一貫して「賛成」が「反対」を上回ってきたが、その関係が15年ぶりに逆転したわけだ。とくに9条については、改正「賛成」は30・7%に止まり、「反対」(解釈・運用で現状維持=36・2%、9条厳守=23・9%)は、6割を超えたのだった。

9条1項(戦争放棄)維持は81.6%に達し、同2項(戦力不保持・交戦権不使用)も改正不要が54・5%と、過半数を超えていた。改憲推進新聞・読売のこの調査は、改憲「賛成」の回答数値が、他紙と比べて突出して多いのが、これまでの傾向だった。この結果は、読売自身にとっても驚きだったに違いない。

そこで社説はこの変化に関して分析を試みた(4月8日「改正論を冷やす政治の混迷」)。しかし、「最大の要因は、国会や各政党の憲法論議の沈滞にあるだろう」「先の臨時国会では、インド洋での海上自衛隊の給油活動再開や、自衛隊の国際貢献のあり方が焦点になった。だが、前防衛次官の汚職事件や、海自の燃料の対イラク作戦転用問題などが重なり、憲法論議が深まらなかった」「安全保障や環境問題など、さまざまな観点からの憲法を議論しあうことが求められている」が結論では、分析の核心はずれているのではないか、と思わざるを得ない。

 小泉・安部内閣の暴走、そのあげくの安倍政権自滅、その咎として出てきた、岩国市長選への国の介入(米艦載機移転反対派候補落としのために既定の補助金まで打ち切り)、沖縄・少女暴行事件、イージス艦「あたご」漁船衝突事故、横須賀・米兵タクシー運転手殺害事件などが続発したことも、大きく影響しているのではないか。

一方で、全国に各種の「九条の会」など、さまざまな反戦・護憲の組織が多数生まれ、運動を急速に広げてきたことも、無関係ではあるまい。メディアは、このような現実の動きを真正面から見据えないと、日本の針路選択を過つことになるおそれがある。

(終わり) 


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