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<書評>マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか/構造的な「病理」・弊害を明確に指摘(しんぶん赤旗)
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投稿者 gataro 日時 2008 年 6 月 22 日 21:52:34: KbIx4LOvH6Ccw
 

(回答先: マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか(NPJ ブックレビュー) 投稿者 gataro 日時 2008 年 6 月 22 日 21:24:26)

6月21日付「しんぶん赤旗」読書欄(6面)から直接貼り付け。

マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか  日隅一雄 著

構造的な「病理」・弊害を明確に指摘

 「マスゴミ」――何とも悪意に満ちた響きを持つこの言葉は、インターネットの掲示
板ではもう何年も前からテレビ・新聞をやり玉に挙げる用語として定着している。そこ
には高給取りのエリートたちへの揶揄(やゆ)も感じられる一方、政府や大企業におもねって莫大(ばくだい)な広告費を稼ぎ、煽情(せんじょう)的なネタばかり追いまわして庶民の気持ちなど顧みないといった、現代のメディア批判の本質が端的に表われているようにも思える。本書は、そのように批判の的とされるマスメディアの構造的な「病理」に焦点を当て、図解を交えてわかりやすく解説した好著だ。

 著者は、その病理として@(放送行政における)独立行政委員会の不存在A(新聞・放送資本の)系列化B広告一業種一社制の不採用、の三つを挙げる。とくにB=巨大広
告会社が一手に広告を受注し構造的な「病理」・弊害を明確に指摘あらゆるメディアに向けて大量に出稿することの弊害を明確に指摘したのは蓋(けだ)し炯眼(けいがん)と言えよう。新聞記者から転職し、海外留学を経て弁護士になるという著者の経歴が、メディア内部の問題を鋭く挟(えぐ)り出し、それが社会的・国際的な常識からいかに外れているかという指摘に説得力を持たせている。さらに著者の視線は、ビラまき有罪判決やインターネット規制の動きなど、メディアのみならず一般市民がいま直面している表現の自由の危機も見逃していない。

 欲を言えば、構造を重視するあまり内部の個人への言及が乏しい。NHK番組改変問題で政治介入を内部告発した制作者や、警察担当でありながら警察の裏金問題を追及した新聞記者など、システムの重圧を潜り抜けて真実を市民に伝えようとする“勇者”が現に存在する。本書がメディア内部の人々に、より共感を持って読まれるであろう内容なだけに、彼らの奮起を促す記述がもう少し欲しかった。

ひずみ・かずお  1963年生まれ。 元全国紙記者。 弁護士。 

評者 岩崎貞明『放送レポート』編集長

 

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