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NHK経営委員会の権限強化の両刃性―次期経営計画の審議のあり方をめぐって(醍醐聡のブログ)
http://www.asyura2.com/08/hihyo8/msg/464.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 10 月 14 日 11:12:41: twUjz/PjYItws
 

http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-dafa.html

NHK経営委員会の権限強化の両刃性――次期経営計画の審議のあり方をめぐって――


NHK経営委、今日、次期経営計画をめぐって継続協議
視聴者コミュニティ、経営委員会に緊急の申し入れ

 前任の橋本会長時代から決定が持ち越されてきたNHKの次期(2009年〜11年)経営計画について去る10月7日、NHK経営委員会で審議されたがまたしても議決に至らず、今日(14日)継続審議が行われることになっている。私も参加しているNHKを監視・激励する視聴者コミュニティは、この事態を深刻に受け止め、呼びかけ人、運営委員の間で協議をした結果、経営委員会宛の下記のような緊急の申し入れ文書をまとめ、10月10日に代表がNHK放送センターに出向いて手交した。その際、応対した視聴者センターの関係者にはNHK正副会長ほか全理事宛の分も手渡し、届けてもらうよう要請した。


『毎日新聞』の13日付記事を読んで

 ところで、この件については、『毎日新聞』が13日付の24面で「NHK受信料値下げ幅で溝―経営委『10%』要請に執行部反発」というタイトルで大きく報道した(佐々木浩材記者の署名記事)。記事には服部孝章氏(立教大学教授)、西正氏(「オフィスN代表」、音好宏氏(上智大学教授)の談話も掲載されている。
 記事の本文は受信料の10%値下げを計画に明記するよう求める経営委員会と、それを拒むNHK執行部の言い分をバランスよくなぞるにとどまり、踏み込んだ取材報道と論評はない。ここでは、3氏の談話について感じたことを記しておきたい。
 コメントにはそれぞれ傾聴すべき点がある。服部氏は「受信料の値下げを検討するなら、まず受信料とは何かを話し合うなど本質的な議論をすべきだ」と指摘し、音氏は「経営委はこの1年近く、経営計画の方針を検討するなど、本来は執行部を監督する立場でありながら、踏み込んだ活動が目立った」と指摘したうえで、放送法改定によって経営委員会の権限が強化されたのに見合って、同委員会に対し、国民にその姿勢と責任を丁寧に説明するよう求めている。こうした両氏のコメントに私も同感である。


経営委員会の権限強化の両刃性

 ただし、服部氏が、今回の議決見送りについて、上記のような留保を付けながらも、以前はNHK執行部の意向を追認するにすぎなかった経営委員会が執行部を監督するという本来の機能をようやく取り戻し、健全な状態になった、と評価をしている点には疑問が残る。なぜなら、経営委員会がNHK執行部の意思の追認機関から脱却することは重要であるが、放送法による経営委員会の権限強化の内実、選ばれる経営委員の資質を抜きに経営委員会の「自立」を評価するのは危ういからである。

 古森重隆氏が安倍元首相の人脈で経営委員長に選任されて以降の同氏の一連の行動(選挙中は歴史ものの番組にはご注意をなどと番組内容をけん制した発言、NHKの国際放送は国益を押し出すべしという発言など。NHKを「国営放送」と呼ぶ自民党議員を励ます会に発起人として出席し、エールを送るスピーチまでしたのは論外である)をみていると、経営委員会の権限強化の両刃性を認識することが極めて重要と思える。経営委員がまずもって、「権力を監視する」という公共放送の本源的使命を十分理解し、自ら時の政治権力から自立した資質を備えた上で、NHK執行部を監督するというのが経営委員会に期待される本来の役割である。

 ところが、上記の古森氏の言動にみられるように、本来要請される資質とは対極的な資質を持つ人物が経営委員長に選ばれ、時の政権中枢からNHKに送り込まれた「トロイの木馬」にように振る舞っている現実を直視すると、経営委員会の権限強化に両刃性――強化された権限がNHKの政治からの自立をNHKの内側から切り崩す逆機能を果たす恐れもはらんでいるという両刃性――を十分認識したうえで経営委員会とNHK執行部の対立を捉え、評価する必要がある。この意味からすると、最近1年ほどの間、経営委員会がしばしばNHK執行部の経営方針に待ったをかけ、強硬に「物申す」外見だけから、経営委員会の活動を高く評価する一部マスコミ論調も皮相と言わざるを得ない。今回の経営計画案についていうと、受信料(の値下げ)だけが問題なのではない。下記の申し入れにも記されているように、公共放送の将来像をめぐる議論を抜きに受信料の値下げだけに執心する経営委員会の本意も質す必要があるだろう。また、重要な事項を審議した経営委員のみの会合の議事録が公開されていない点も質す必要がある。もちろん、それとは別に、NHKのメディアへの「接触率」の向上を数値目標に掲げて追求しようとするNHK執行部の価値判断も大いに問われる必要がある。

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                        2008年10月10日
NHK経営委員会 御中
 
  NHKの次期経営計画案の審議のあり方に関する緊急の申し入れ

            NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                  共同代表 湯山哲守・醍醐 聰

 時下、経営委員の皆様におかれましては日頃より、委員会の任務にご尽力いただき、お礼を申し上げます。
 当会は、去る10月7日に開催された経営委員会においてNHKの次期経営計画案の議決が見送られた事態を深刻に受け止め、緊急に協議をした結果、貴委員会に以下の申し入れを提出することとしました。10月14日に予定されている次回経営委員会において、この申し入れを十分、斟酌の上、協議を行っていただくよう、強く要望いたします。

1.次期経営計画案の議決が見送られた理由は、経営委員会が2012年度から地上、衛星両受信料の一律10%の値下げを求めたのに対し、NHK執行部が値下げは確約するものの今の時点で下げ幅を明記することはできないと主張し、合意に至らなかったためと伝えられています。


公共放送に期待される番組制作に支障をきたさない経費節減、受信料収納率の向上等の結果、余剰金が生じた場合、受信料値下げの形でそれを視聴者に還元するのは一つの考え方であり、値下げの余力がないかどうかを精査するよう貴委員会がNHK執行部に要請されるのもうなずけます。しかし、今回の経営計画は2009〜2011年度までを対象としたものであり、収支の見通しが不透明な2012年度以降の受信料の値下げ幅を数値で明記しなければ計画案全体を承認しないという貴委員会の姿勢は道理を逸していると言わざるを得ません。この件は次々期の経営計画を協議する場で、より確かな収支見通しを踏まえて総合的に判断することとして議論を収束させるべきであり、受信料の下げ幅だけにこだわって次期経営計画案全体の議決を引き延ばすことは許されないと考えます。

2.当会はその前身であるNHK受信料支払い停止運動の会が設置した受信料相談ホットラインに多くの高齢者、母子家庭の方々、経済的に恵まれない方々から寄せられた声をまとめ、これら社会的弱者の世帯への受信料の減免枠の拡大を要望してきました。今回NHK執行部はいったん実施を検討した75歳以上の市町村民税非課税世帯への受信料の減免措置を地上デジタル化への追加支出を理由に見送るとのことです。しかし、受信料の一律値下げを今後の検討課題にするとしても、きめこまかな受信料の減免枠の拡大はただちに実施することが望まれます。貴委員会としてNHK執行部にこの点を要請していただくよう申し入れます。

3.それにしても、貴委員会が次期経営計画案の中で受信料の下げ幅のみに固執されるのはあまりに視野が狭隘です。当会は昨年8月30日に、「NHK次期経営計画(2008−2012)の考え方への意見」を提出しました。その中でNHKに求められる高いジャーナリズム精神を実践する番組編成として、@時の政府の意向・意図を監視する戦争・戦地報道、A国会審議の解説・討論番組、B現代史をテーマにした大河ドラマ、C核戦争の危険に通じる地球規模のエネルギー危機を考える番組を計画に盛り込むよう要望しました。今回の計画案でNHKが掲げた環境や食料、高齢化や格差社会、社会保障や税、安全保障など日本が直面する課題や地球規模のテーマに正面から向き合うと謳ったプロジェクト「あすの日本」がこうした私たちの要望に応えるものかどうか、当会は関心をもって見守っていきます。貴委員会はNHKの番組編成が放送の自主自立、政治的公平を堅持したうえで多様な意見を反映して、文字通り「公共の広場」としての役割を果たす番組となるよう、外部からの圧力に毅然と立ち向かっていただくことを要望します。

4.NHKの計画案に「一週間に5分以上NHKのメディアに接触した人の率を現在の76.9%から3年後には80%に引き上げるという目標が掲げられています。しかし、番組内容を抜きに接触率の向上を追求するのでは民放における視聴率優先と変わりがないことになり、接触率を「稼げる」番組が厚遇され、「硬派」の番組が縮小されるのではないかと危惧されます。山積する日本の課題、地球規模の課題に真正面から向き合い、ジャーナリズムとして積極的に問題提起をして解決の手立てを示していくという方針と、目標値を定めて「接触率」自体を追求するという方針は相容れません。公共放送の使命に照らし、「接触率」向上を計画から削除するよう、貴委員会がNHKに助言されることを要望します。「接触率」は良質の番組、豊かな教養・娯楽を育む番組を視聴者に提供した「結果」であり、それ自体を「目標」として追求するのは公共放送のあるべき姿ではありません。

5.次期経営計画をめぐってNHK執行部と貴委員会は1年近くにわたって協議を続け、受信料の値下げ問題に関しては意見が平行線をたどってきました。しかし、貴委員会での協議の重要な部分は経営委員のみの会合の場で話し合われている模様で、その内容が議事録として公開されたことはなく、審議の経過は極めて不透明です。NHK執行部を交えない経営委員のみの会合が必要な場合があるとしても、そこでの審議の内容は議事録として公開されるのが当然です。過去の分も含め、経営委員のみの会合の議事録もすみやかに公開されるよう求めます。

                             以 上

 

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