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朝日放送がお詫び放送!「植草一秀氏名誉回復訴訟」和解成立(JANJAN)
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投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 10 月 25 日 13:57:03: twUjz/PjYItws
 

http://www.news.janjan.jp/living/0810/0810240094/1.php

朝日放送がお詫び放送!「植草一秀氏名誉回復訴訟」和解成立

                            ひらのゆきこ2008/10/25


経済学者の植草一秀さんが事実無根の記事を元に名誉を棄損されたとして新聞・放送・出版5社を訴えていた事件で朝日放送との間で和解が成立し、5件すべてで植草さんが実質勝訴しました。朝日放送は植草さんに和解金を支払い、番組の中で異例のお詫び放送をする、などの内容になっています。

 経済学者の植草一秀さんが週刊誌の事実無根の記事をあたかも事実であるかのように放送され名誉を毀損されたとして、朝日放送を名誉毀損で訴えていた「植草一秀氏名誉回復訴訟」が23日、東京地裁民事第39部で和解が成立しました。和解を受け、同日午後4時から司法記者クラブで弁護団による記者会見がありました。

朝日放送と和解成立

 朝日放送に対する訴訟は非公開のため、どのような話し合いが行われてきたのか、筆者は内容を詳しく知りませんが、和解の内容を見ると、原告側にとって十分納得のいく内容であることがわかりました。朝日放送は「事実無根の情報を伝えたことを認め、植草さんに謝罪をする」「和解金を支払う」「当該番組でお詫びの放送をする」など、原告の主張がほぼ全面的に認められた内容となっています。

 和解金の額は双方の合意により明らかにされませんでしたが、弁護団の話によれば「しかるべき額」とのことなので、請求額の1,100万円(植草さん1,000万円、弁護団100万円)に満たないとしても、原告側にとって納得のいく金額であることが想定されます。


記者会見で発言する弁護団のみなさん

 今回の朝日放送との和解成立で、植草さんの5社に対する一連の名誉棄損訴訟の一審判決が出そろいました。小学館と朝日放送は和解(実質、植草さんの勝訴)、ほかの3社については植草さん勝訴の判決(徳間書店と講談社は確定。毎日新聞社は控訴)で、いずれも植草さんの主張がほぼ全面的に認められた内容です。

 一連の裁判で明らかになったことは、週刊誌等の記者が事実確認や裏付けを取らず、きわめて安易な姿勢で事実無根の記事を書き、植草さんの人格を貶め、名誉を著しく毀損するような重大な人権侵害を行ったということです。

 今回、朝日放送が問われたのは、「ムーブ! マガジンスタンド」という番組で、その日に発売された「女性セブン」の記事をもとに「植草一秀容疑者痴漢で示談七回の過去」とのテロップを表示しながら、あたかもそれが事実であるかのように放送したことです。弁護士と称するコメンテーターらが植草さんを誹謗中傷する発言をし、視聴者に誤ったイメージを植え付けるという、きわめて悪質な人権侵害を行いました。

 すでに「女性セブン」の記事が事実無根であることが明らかになっていることから、和解の形をとりながら、実質、植草さんの「勝訴」となりました。それは、こうした訴訟では異例ともいえる、当該番組でお詫びの放送を2分間行い、読み上げている間、画面にその要旨を表示するという和解の内容からも知ることができます。その意味で、大変意義のある司法判断が示されたことがわかります。


記者会見のあと、弁護団に話を聞く記者クラブの記者のみなさん

記者会見

 最初に、弁護団より和解成立の報告がありました。弁護団は、訴訟で問題となった朝日放送の番組(「ムーブ! マガジンスタンド」)について、和解の骨子を次のように述べました。

 1 朝日放送は、上記放送が事実無根の情報を伝え、植草氏の名誉を棄損したものであることを認め、植草氏に謝罪する。
 2 朝日放送は、和解金を植草氏に支払う(金額は公表しない旨合意した)
 3 朝日放送は、和解で確定した内容の文章を2回読み上げる方法でお詫び放送を行う。
 4 朝日放送は、お詫び放送を行う間、画面にお詫び文の要旨を表示する。

 和解のポイントは、朝日放送が「女性セブン」の記事について自らはなんら取材することなく番組で記事を事実であるかのように取り上げ、植草氏の名誉を毀損したことについて、和解条項において謝罪し、しかるべき金額の和解金を支払い、「お詫び放送」を行うことであると述べました。

 また、近時よくみられる、雑誌等の記事を自ら取材することなく安易に取り上げ、記事内容を真実であるかのように放送する手法の問題性が、今回の和解によって明らかになったとし、この種の訴訟で放送メディアが「お詫び放送」をすることの意義は大きいことを強調しました。

 植草さんの虚偽の前科に関わる報道について提訴したのは、かりに刑事事件の対象とされた人に対してであっても、個人の尊厳は何ものにもまさるという憲法13条の立場に立脚すれば、水に落ちた犬は叩けと言わんばかりの「弱いものいじめの報道」は決して許されるものではないとの立場から提訴に及んだものであることを重ねて強調しました。

 刑事事件に関わる相当な範囲での報道は、報道の自由の保障が及ぶ場合が多いとしても、提訴した5件の訴訟で問題とした記事は、植草氏の前歴等についての虚偽の事実を伝えるものであり、しかも十分な取材が尽くされたものとは言えず、記事としての真実性・相当性を欠くものがあったと語りました。

 次に、弁護団長の梓澤和幸弁護士と坂井弁護士が発言しました。

梓澤和幸弁護士「和解は名誉回復のために一歩近づく手段」

 本人の名誉がこういう形で回復したことは非常に大切だと思います。一般に名誉棄損の場合、損害賠償を請求してその金額を支払う形の判決で終わるのがほとんどですが、今回の和解は、お詫び文を1分間読み上げる。それを2回やる。読み上げの間、お詫び文の要旨を画面に掲げる。

 いったん傷つけられた名誉を元に戻すのは大変です。完全な名誉回復はないかもしれないが、名誉回復のために一歩近づくこういう手段があるのだということ。今回、テレビによってひどい名誉棄損が行われました。残酷なといってよいほど、植草氏の名誉が棄損されました。それを、少しでも戻す。そういう試みが裁判所の努力によって実現したことを評価したい。

 テレビは視聴率を上げるために放送の公共性を見逃す番組が多い。その結果としてこのような残酷な名誉棄損が行われている。いま流している情報の真実性、公共性について、いつも振り返るという姿勢を、今回の和解でもう一度検討してほしい。

 民主主義は、情報が血管の中を血液が流れるように浸透していくことによって、国民の知る権利が達成される。政治に対する国民の意見も反映されていく。情報の公共性、放送の公共性について反省してほしい。このようなずさんなやり方を、今回の和解を契機にやめてほしい。

 植草氏がコメントで述べているように、裏付けをまったくとらずに事実無根の虚偽情報をそのままテレビ番組で報道した点で、極めて悪質であると言わざるを得ない。社会に多大な影響を与えるメディアは報道にあたり、十分な事実確認、適正な裏付けの確保を求められています。虚偽報道の流布により人間の尊厳は大きく損なわれる。彼自身の体験の痛みによって和解の意義を語っています。報道機関のみなさんは自身の報道の在り方を見直していただければありがたい。

坂井弁護士「表現の自由を履き違えている」

 有名人や著名人が事件を起こした時しかるべき報道をするのは当然ですが、それにかこつけて面白おかしく流して人を傷つけるのは、表現の自由を履き違えていると言わざるを得ません。そのことに対し、しっかり抗議をしていかなければならない。一連の訴訟で問いたかったのはそのことです。裁判所はしっかり応えてくれました。

 テレビメディアによる雑誌や新聞の紹介コーナーなど、安易な作り方を正してほしい。朝日放送は率直に認めました。まったく裏付けをとることなくそのまま放送する。こういうあり方で本当によいのか、警鐘を鳴らしている。メディアはしかるべき裏付けをとった、責任のある報道をしてほしい。

 朝日放送は、番組の中でお詫び放送を読み上げ、画面に表示する。「女性セブン」の記事については、すでに事実無根であるとの結論が出ていますが、今回、和解を選んだのは、お詫び放送を行うことと、しかるべき金額を支払ってもらえることになったからです。

 なお、弁護団によると、お詫び放送は20年11月21日まで、朝日放送の番組「ムーブ!」の「ニュースシアター」のコーナーで(同コーナーが廃止された場合は、同コーナーが放送されていた同じ時間帯で)放送する予定だそうです。
※10月30日放送予定。変更もあり得る。関西方面での放送。

質疑応答

 質問 これまでお詫び放送のケースはあるか。
 答え NHKの「生活ほっとモーニング」事件で、東京高裁が同様の判決を出した。最高裁で退けられたが、判決文の中にNHKはちゃんと自覚してやってくださいと書いてあったので、NHKは自主的に対応した。確定判決では、私の知る限りない。

 質問 裁判長の名前を教えてください。
 答え 岡健太郎裁判長。

 質問 謝罪はどこでやるのか。
 答え 「ムーブ!」という番組の「ニュースシアター」というコーナー。問題になった放送は「ムーブ! マガジンスタンド」というコーナーだが、そのコーナーは現在ないので、いまあるコーナーでやる。同じ時間帯。

 質問 この番組ではもみ消したと言っているが、その点についての(朝日放送側の)釈明はなかったのか。
 答え 前提となる事実がないので、もみ消すことはない。

 質問 なぜこのような番組を作ったのか、経緯について被告側の釈明はないのか。有名なジャーナリストらがなぜ申し合わせたように(植草さんを誹謗中傷するような)コメントをしたのか。
 答え たぶん、「女性セブン」に出た記事を本当だと思ったのではないか。そういう番組作りや、コメンテーターが事実であるかのように伝えるのが問題だと我々は訴えている。

 質問 雑誌や新聞で取り上げた内容が名誉棄損にあたるというケースは、今までになかったのではないか。
 答え そういう判決は記憶にない。(今回の和解で)これからはテレビ番組も変わるのではないか。

 質問 「マガジンスタンド」というコーナーがなくなったのは訴訟のせいか。
 答え 訴訟のあともしばらく続いていた。最近までやっていたので、(訴訟とは)関係がないのではないか。

朝日放送の「お詫び放送」の内容

 植草一秀氏に関する報道について、お詫び放送をいたします。

 おととし9月21日に、「ムーブ! マガジンスタンド」のコーナーで、「植草一秀容疑者痴漢で示談7回の過去」とのテロップを表示しながら、この日発売された株式会社小学館発行の女性週刊誌「女性セブン」の植草一秀氏に関する記事を事実であるかのように紹介し、「同氏が痴漢を行った過去7件の被害者について、示談が成立したために、これらの事件が明るみに出なかった」との放送をしましたが、この放送に対して、同氏から「事実無根である」とのご指摘を受けました。

 この放送は、当社が「女性セブン」の記事内容について全く裏付けをとることなくそのまま放送したものであり、そのために同氏の名誉を傷つけ、ご迷惑をおかけしたことを、深くお詫びいたします。

朝日放送和解成立についての植草一秀さんのコメント

 今回の和解は、朝日放送株式会社が2006年9月21日に放送した番組「ムーブ!」において、株式会社小学館発行の週刊誌「女性セブン」が報じた事実無根の内容を、裏付けもまったくとらずに事実であるかのようにそのまま報道し、私の名誉を著しく毀損したことに対して損害賠償を求めて定期した訴訟について成立したものです。

 裏付けをまったくとらずに事実無根の虚偽情報をそのままテレビ番組で報道した点で、極めて悪質であると言わざるを得ません。

 今回、和解条項に、
 1.朝日放送は上記放送が事実無根の情報を伝え、植草氏の名誉を毀損したものであることを認め、植草氏に謝罪する。
 2.朝日放送は、和解金を植草氏に支払う(金額は公表しない旨、合意した)。
 3.朝日放送は、和解で確定した内容の文章を2回読み上げる方法でお詫び放送を行う。
 4.朝日放送は、上記3のお詫び放送を行う間、画面にお詫びの文の要旨を表示する。

が盛り込まれたために、判決を求めず、和解に応じました。通常の判決では謝罪放送が命じられる可能性が低いなかで、適正な方法により謝罪文書を2度読み上げ、謝罪内容を文字で表記して番組を放送することが確約されたことを重視して、和解による問題収拾を図ったものです。

 社会に多大な影響力を持つメディアは報道にあたり、十分な事実確認、適正な裏付けの確保を求められています。虚偽情報の流布により人間の尊厳は大きく損なわれます。報道に関わるすべての言論機関、言論人にはこのことを改めて強く認識していただきたいと思います。

筆者の感想

 一連の名誉棄損の一審判決はいずれも植草さんが勝訴しました。週刊誌等の事実無根の記事によって植草さんがこうむった被害の大きさは計り知れないものがありますが、司法の場で問題となった記事がまったくの虚偽の内容であったことが明らかになったことは、きわめて大きな意味があると思います。

 今回、名誉棄損で訴えられた一連の報道は、いずれも植草さんが無実を訴えている2つの刑事事件が起きた直後であったことから、報道がその後の刑事事件の進展に大きな影響を与えた可能性が高いことを思うとき、なぜこのようなことが起きたのか、裁判の過程で明らかになったように、情報源が一方の当事者ともいえる警察関係者からのものであったとの証言も含め、さらに検証される必要があると思いました。

 印象的だったのは、記者会見のあと、司法記者クラブの記者のみなさんが、弁護団に熱心に話を聞いていたことでした。朝日放送がテレビでお詫びの放送をするということがきわめて異例なことであり、今回の和解の内容が植草さんにとって意義のあるものであることが、この問題に対する記者のみなさんの関心の高さから知ることができました。

◇ ◇ ◇

関連記事:
・和解交渉中 朝日放送「植草一秀氏名誉回復訴訟」  2008/10/05
・毎日新聞に勝訴!「植草一秀氏名誉回復訴訟」判決 傍聴報告  2008/09/10
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・事実無根のセンセーショナルな記事 「植草一秀氏名誉回復訴訟」口頭弁論傍聴報告 2008/02/27
・マスコミ記事はねつ造? 植草一秀氏「名誉回復訴訟」傍聴報告 2008/02/06
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・「女性セブンの記事はデタラメ」植草一秀さんと梓沢和幸弁護士の話を聞く 2007/10/10
・「植草事件」の東京地裁・判決要旨を読んで 2007/10/31
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