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「かんぽの宿」売却容認の社説から事実報道に転じた朝日新聞(保坂展人のどこどこ日記)
http://www.asyura2.com/08/hihyo8/msg/601.html
投稿者 ダイナモ 日時 2009 年 1 月 24 日 23:07:42: mY9T/8MdR98ug
 

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/f0cf1b32ee8fbd2734f82b2d806f0d27

 朝日新聞に首を傾げたくなる社説が掲載されたのが、1月18日のことである。『かんぽの宿 筋通らぬ総務相の横やり』と題して、鳩山総務大臣が日本郵政の「かんぽの宿一括売却」に待ったをかけているのは、筋違いの横やりだとしている。まるで、05年夏の郵政解散にタイムスリップしたかのような「官から民へ」の小泉・竹中路線絶賛の主張で、ふだんの朝日新聞の論調とやや異なると記憶に止めてきた。ところが、今朝の同紙6面政治面はさすがに事実を伝えている。『「109億円売却」疑問続々 かんぽの宿 300億円施設から社宅まで』と、本ブログで1月21日に報告した「ラフレ埼玉」の国民新党+社民・民主の視察時と鳩山総務大臣と日本郵政のやりとりを大きなスペースを割いて書いている。まずは、あの社説を読み返してみよう。

朝日新聞社説

かんぽの宿―筋通らぬ総務相の横やり

日本郵政が全国にもつ宿泊施設「かんぽの宿」をオリックス不動産へ譲渡する話に対し、許認可権をもつ鳩山総務相が「待った」をかけている。

 日本郵政の西川善文社長から説明を受けたが、鳩山氏は「納得できない」という。だが、理由が不明確で納得できないのは、鳩山氏の「待った」の方ではないのか。許認可という強権を使い、すでに終わった入札結果を白紙に戻そうというのなら、その根拠を明示する責任はまず鳩山氏にある。

 かんぽの宿は年間200万人ほどの利用があるものの、赤字続きだ。郵政民営化から5年以内に譲渡するか廃止することになっていた。

 日本郵政は前任の増田総務相が認可した08年度の事業計画にかんぽの宿の譲渡を盛り込み、昨年4月から入札手続きに入った。27社が応札し、2度の入札でオリックスに決まった。

 全国の宿70施設と社宅9カ所を一括して約109億円で売却する。資産の帳簿上の値打ちは141億円だが、借金を差し引いた純資産は93億円。落札価格は、これを16億円ほど上回る。

 鳩山氏が問題だと指摘するのは次の3点だ。なぜ不動産価格が下がるいま売るのか。なぜ一括売却なのか。なぜ規制改革・民間開放推進会議の議長を長く務め、郵政民営化を支持していた宮内義彦氏が率いるオリックスに売るのか。「国民が“出来レース”と見る可能性がある」として、譲渡に必要な会社分割を認可しないという。

 これに対して西川社長が説明した内容は、しごくもっともに思える。

 赤字が毎年40億〜50億円あり、地価が急上昇しない限り、早く売る方が有利だ。一括売却でないと不採算施設が売れ残り、従業員の雇用が守れない。全国ネットとした方が価値も上がる。最高額で落札し、雇用を守る姿勢が最も明確だったのがオリックスだ――。

 鳩山氏は譲渡価格109億円が適切か総務省に調査させるという。だが調査する前から「納得する可能性は限りなくゼロに近い」とも発言している。

 これはとうてい納得できない。明治時代の官業払い下げならいざしらず、競争入札を経た結果に対し、さしたる根拠も示さずに許認可権を振り回すのでは、不当な政治介入だと批判されても抗弁できまい。

 宮内氏は規制緩和や民営化を推進してきた。官僚任せでは構造改革が進まないため、当時の政権が要請したものだ。過去の経歴や言動を後になってあげつらうのでは、政府に協力する民間人はいなくなってしまう。

 自民党内では、郵政民営化の見直しの動きが続いている。鳩山氏はこれとの関連の有無について言及していないが、もしも「待った」の真意が民営化策の見直しにあるのなら、正面から堂々とそちらの主張をするべきだ。

(引用終了)

 社説では「入札結果を白紙に戻す説明責任は鳩山氏にある」としている。赤字続きで、郵政民営化で5年以内に廃止ということになっていたじゃないかと郵政公社の言い分そのままだ。そして、価格も純資産を上回り妥当だ。きわめつけは宮内氏の擁護だ。

(引用開始)

 宮内氏は規制緩和や民営化を推進してきた。官僚任せでは構造改革が進まないため、当時の政権が要請したものだ。過去の経歴や言動を後になってあげつらうのでは、政府に協力する民間人はいなくなってしまう。

(引用終了)

 まるで、小泉・竹中路線の代弁者であり「構造改革」の民間の協力者を大切にしろ。過去の言動をあげつらうな。政府に協力する民間人はいなくなるといらだちを爆発させている。小泉・竹中「構造改革」は、政府が民間の協力を仰いだのではなく、政府が国民の資産を放出する構図ではなかったか。

 そして、今日の政治面の記事は事実を淡々と伝える。6日前の「稚拙な認識」を覆すに十分ではないか。記事はこのように始まる。

(引用開始)

「本当にすごい施設だ。毎日通いたくなるよ…」野党3党の国会議員が20日日本郵政の宿泊・保養施設「ラフレさいたま」(さいたま市)を視察した。温泉付のフィトネスクラブや、高層階のレストランを見た議員から驚きの声があがった。
ラフレさいたまは00年に開業し、年間で5万6千人が宿泊する人気施設。旧簡易保険福祉事業団が「健康増進センター」として建設し、土地、建物、備品を含め約3百億もかかった豪華施設だ。「かんぽの宿と違う物件をなぜ一緒に売るのか。売却セールの『目玉商品』にしたかったのか」。売却を疑問視する見方が相次ぎ、民主党などは衆議院総務委員会で集中審議を求める方針だ。(1月24日朝日新聞)

(引用終了)

全文をネットからここに引用しようとしたが見当たらないので記事の冒頭のみ転載した。

 たとえ間違った社説が掲載されようとも、まず政治面で事実を伝えた朝日新聞を評価したい。社説に縛られて、予算委員会の焦点となる「かんぽの宿」売却問題を、「問題なし」と言い続ける愚を回避した姿勢は遅かれと言えども率直に評価したい。社説の訂正は、事実が解明されてからでいい。ぜひ、政治面だけでなく、経済面、社会面と事実を伝え、検証して欲しい。いよいよ、論議を深めなくてはならない。

 

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