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廃道となり人々に顧みられなくなってなおその姿を保ち続けている大鳥居 【嶽山箒根神社参拝道 】
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投稿者 愚民党 日時 2008 年 12 月 28 日 12:14:31: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 高原山遺跡で原石加工 「日本人どこから?」に一石 【asahi.com】 投稿者 愚民党 日時 2008 年 12 月 28 日 11:58:16)

嶽山箒根神社参拝道

嶽山箒根神社が最初に祀られたのが飛鳥時代とされているので、高原山に現存する寺社旧跡では最も旧い歴史を持つことになります。山岳仏教は修験道の衰退とともに絶えたが、地元の人々が山に抱く畏怖の念と敬虔な信仰心は先祖代々変わることなく、庇護する有力者が消えた後もなお嶽山箒根神社は祀られ維持されてきました。よって、嶽山箒根神社参拝道は高原山にある道の中で最も古く、長い間人々と密接な関係にあった特別な道と言えるでしょう。参拝道は@宇都野から嶽山箒根神社に向かう道とA八方湖から嶽山箒根神社に向かう道の2つがあります。

近年、参拝道を幾度か分断する形で車道(林道・沼代シダブ線)が開通してからは、どちらの参拝道も実質的に廃道となっています。歴史ある道であるにも関わらず何の案内も残されていないのが惜しまれるところです。途中にある神様を祀る人や林業関係者がたまに部分的に利用するにすぎないため、ミヤコザサが生い茂る場所は50年も経てばその痕跡は完全に失われることでしょう。

宇都野から向かう参拝道の正式な起点は遥拝殿の近くにあるようです。民家や畑の横を通り林を抜けて金沢ランドの奥に続いているようですが、この区間は歩いたことがありません。金沢ランド奥からは月山の南斜面を巻くようにほぼ一貫して薄暗い植林地帯の中を通るため景色の良い場所はありません。しかし、参拝道ならではの遺物が幾つか残っているので、高原山の歴史に興味のある方にとっては歩いてみる価値があると思います。一方、八方湖から向かう参拝道は入り口の大鳥居以外には遺物は無く、完全に廃道で既に消えかけています。こちらは車道とほぼ並行しているので辿る意味はないのですが、私のように舗装道路が苦手な者にとってはありがたい存在です。

アクセス方法:

金沢ランド奥といっても判りにくいし、ただでさえ排他的雰囲気の強い金沢ランド内をウロウロするのはあまりお薦めできません。遥拝殿前から林道・シダブ線に進入し、途中から右方向に分岐する舗装林道を登ると十字路に至ります。ここの路肩に車を止めることが可能です。右に曲がれば金沢ランド、左の未舗装林道をしばらく辿れば参拝道と交わりますが見落とす可能性があります。十字路から真っ直ぐ50mほど進んだところにある参拝道との交差点から辿るのが最も判りやすいと思います。

 

参拝道入り口(標高約500m)

金沢ランド奥の十字路から北に向かう林道を50mほど進んだ地点で、右側に昭和45年の植林事業を記した標柱が立てられています。この手前にある参拝道との交差点から入ります。入り口はご覧の通り、篠竹が生えていて判りにくく、参拝道を示す案内もありません。今では知る人ぞ知るといったところでしょうか。

入り口付近の杉林(標高500m付近)

入り口付近は昭和45年植林の杉林が続いています。まだ鬱蒼とした感じはありません。弓なりの杉の枯れ枝がたくさん落ちているので足に引っ掛かる場合があります。参拝道は抉れていて歴史の深さが感じられます。

月山の裾野を緩やかにほぼ真っ直ぐに西の方角に登っていきます。

最初の道標「三十ニ」

歩き始めて10分ほどで、最初の道標:「三十ニ」と彫られた石柱が現れます。元は「三十二丁」と彫られていたのでしょうが、現在は折れて参拝道横に倒れています。一丁が約109mだから標高を示しているのではなく、旧金澤村のどこかから約3.5km地点ということを意味しているのでしょうか?

歩き始めてから20分ほどで林道と交差します。この林道は金沢ランドの十字路から続いています。ここからさらに松林を抜けて20分くらい登ると次の林道と交差します。この林道の起点は不明です。

第二の道標「四五の丁」

林道との交差点から少し入った場所の左側に立っています。この辺りから林が薄暗くなってきます。

  神様

第二の道標から間もなく、右側の薄暗い場所に石造りの立派な神様が見えてきます。由来は不明ですが今も祀られている神様です。家紋のような模様が彫られています。

神様を過ぎると参拝道の黒土が意図的にV字に掘リ下げられていて少々歩き難くなっています。これを過ぎるとガレた道(写真)が続きます。

湯殿山

参拝道は月山の南斜面を巻いて登って行きます。ガレた道をうつむき加減で登っていると、山側から仏像らしき石像が見下ろしているのに気づいてはっとさせられます。

正面下に「湯殿山」と彫られていますが、蓮座に座っているので御神体ではなく仏様でしょう。由来は不明ですが、右横に寛政ニ年と彫られていたので1790年に建立されたということになります。

第三の道標「五十丁」

ようやく参拝道の勾配が緩くなり、暗い植林地帯を抜けて明るくなる辺りに第3の道標があります。ここは月山の山頂の真南にあり、道はないものの境界見出し標に沿って登っていけば山頂に到ります。

第3の道標からは参拝道の勾配がなくなり気持ちよく歩くことができます。唐滝沢から登ってくる車道(林道・沼代シダブ線)と出会う少し前に月山山頂へ到る踏み跡があります。

林道・沼代シダブ線との最初の交差

交差というより合流すると言ったほうが適切。どちらに進めば良いか案内はありませんが、箒根神社のある山の方角(写真正面方向)に車道を進むのが正解。100mほど進んだところで右側に分岐して上に登っていく未舗装の林道が旧参拝道です。

車で箒根神社を目指すのであれば写真と反対の方向に進みます。車道はわざわざ遠回りして左にカーブして再び旧参拝道と交差します。

第四の道標「六十六丁」

車道を横切るとすぐに第4の道標があります。横には設置者である「金澤村の江連又左衛門」の名が刻まれています。昔の村の有力者か宮司の名でしょう。ここからしばらくは車道を左下に眺めながら並行するように旧参拝道が続きます。

林道・沼代シダブ線との三度目の交差

林道と交差する場所は林道建設で完全に道が消えているため、木イチゴを掻き分けガードレールを跨いで車道に出ます。この先は車道建設で削られてしまっていて登ることができません。

写真正面方向にに50mも進めば嶽山箒根神社の入り口があります。

宇都野方面を見守る石像群

嶽山箒根神社の入り口手前にある法面のコンクリートを伝って登ったところに石像が4体あります。ここは正式には参拝道から少しはずれていますが、景色が良い場所です。

ここから100mほど奥に進み赤い橋を渡り右側の階段を登れば嶽山箒根神社到着です。

嶽山箒根神社の社殿

神社の近くには杉、樅、檜などの大木が多い。社殿右の杉の太さを見ればお判り頂けると思います。

嶽山箒根神社から八方ヶ原に向かう参拝道

入り口は社殿右側の車道(林道・沼代シダブ線)への出口付近にあったようですが、現在は車道建設により削られ消失しています。完全な廃道で、ミヤコザサに覆われて消えつつあります。道は八方ヶ原から嶽山箒根神社に続く尾根の北側につけられており、八方湖の50mほど手前で車道と交差し、野沢源流を渡って、八方湖の北東にある大鳥居に抜けます。

八方湖北東の参拝道入り口

廃道となり人々に顧みられなくなってなおその姿を保ち続けている大鳥居。

学校平から八方湖の北側の未舗装林道を進むと左側に突如現れます。有名な神社でよく見かける鉄筋コンクリート製の大鳥居ではなく、大木を組み合わせて建てられた立派な鳥居です。社名は朽ち落ちようとしています。

鳥居の近くには何の案内もありません。左奥に向かって車道跡がありますが、右奥に向かう踏み跡が旧参拝道です。

番外編
(写真左)2003年10月5日に訪れた時、八方湖は干上がっていました。

(写真右)八方湖北北東の標高1,042mピークの近くにあった、太い粗末な標柱。旧陸軍用地に関係するものである可能性があります。

 
http://4.pro.tok2.com/~forester/route/route4.htm#嶽山箒根神社参拝道



 

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