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陰謀論?の好きなみなさまへ 医療崩壊の真の意味
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投稿者 memento mori 日時 2008 年 12 月 05 日 21:35:23: 1mvWlnKGcvCrw
 

医療崩壊?を画策した者たちと、微妙に思惑から外れた結果について。
 まことにありそうな話。

http://d.hatena.ne.jp/numachinomajo/20081123/1227412781
沼地の日記
<マッチ売りの院長。 | おい、そこの毎日新聞の人。>
2008-11-23
なんだかな〜と思ってること。CommentsAdd Star

12:59

またまた間違ってるかもしれないけど今のところの私の理解。

でもソースは相変わらずうわさ話なのであてにはなりませんが。(笑

厚生労働省は病院の集約化のために診療報酬をしぼってしょぼい病院を潰そうとしているというのが前回のおはなし。

でもそうすると必要だけど手間暇かかりすぎて不採算とか訴訟が面倒とかの科が切り捨てられちゃう。

そのあげくにそこまでやっても立ち直れない地方の公立病院が潰れて行く。

そこんとこをどうにかするために、厚労省は「医師の適性配置」「専門医の数のコントロール」をやりたい。

でも公務員じゃない医者をどうやって動かすか?

こっからがうわさ話なんですが、医局の人事権を断つために医局講座制を臨床研修医制で置き換えたって説。

研修医を過酷な状態から救うために新臨床研修医制度が始まったけど、医局が地方の病院へ人を派遣したりしてある程度の適性配置が行われていたのを勘定にいれて無かった為に医師不足を引き起こしたと私は思ってました。

でも逆で最初から大学の医局が医者を配置する仕組みを無くすのが目的だった??

さらにこの際、臨床研修医終了後、医局に回帰しては意味がないので後期研修医を設定、医局回帰を防ぎつつ時間を稼ぎ、各学会にインセンティブを与えるのと引き換えに専門医の人数制限を飲ませていくという流れじゃないかとうわさは続きます。

これまでのエントリーで何で専門医が足りないのに総合医を増やそうとしてるのか判らないって書いてきましたが、これも同じ流れのようです。

総合医によるゲートキーパー制で自由開業制を置き換え、一次を担わせるとともに、開業権を国が管理する。

で、その第一歩に選ばれたのが後期高齢者医療制度に紛れ込ませた主治医制。

厚労省の考える総合医はイギリスなんかの家庭医としての「専門的な総合医」では無さそうです。

実際に後期高齢者医療制度における主治医は相当いいかげんです。

医師会でやってた勉強会にちょこっと出席したことがあればOKみたいなものでした。

要は総合医という資格を作ることで、厚労省が医者をコントロールしやすくするってことみたいです。

ただし後期高齢者医療制度に紛れ込ませた主治医制はコケましたが。(なりたがる人ほとんど無し。あったりまえ!!

で、どうやってあらたな総合医という資格はともかく従来の専門医を厚労省が動かすことのできる人手にするのか?

こっからまた噂ですが、臨床研修医制度の導入時に医局の弊害を鳴らしたのと同じ手法で、まず第一歩は現時点の専門医制度に質的な異議をとなえて、国民を味方につけ学会の権威を落として行きます。

次に厚生労働省の認定する総合医にある程度の医師を流し込み、他の専門医との複数所持を制限することができれば学会に所属する医師数の削減を狙えます。

すなわち、学会の資金源の減少を招くことができ、厚生労働省の誘導する専門医の定数化を伴ったインセンティブを飲ませることができるかもしれないというわけです。

その上で専門医の資格条件ににある程度の僻地勤務などをまぜちゃうとか。

これはかなり無理があるような気がするのでちょっと違うかな?

http://lohasmedical.jp/blog/2008/11/post_1475.php

専門医制度をいじる方向なのはそうみたいですが。

厚労省がやっていることはきっと医療産業というのは100兆円になる、どうして医師会の先生方は自由化に反対するのかと言う経済界の人たちから皆保険制度を守り、医療を守ろうとしてやってるんでしょうね。

そうは思ってもやっぱり現場は人間が回してるのよ〜、過渡期かもしれないけど真面目な人が燃え尽きたりグレたりしてるのよ〜。

もういっそ皆保険制度なんておしまいにすべきだって言い出す人が増えて来ちゃうのよ〜。

もっときめ細かいやり方を望みます。

それじゃもはやのりきれない危機かもしれないけど。

f:id:numachinomajo:20081123125604j:image
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法務業の末席法務業の末席 2008/11/23 21:44 numachinomajo 様、こちらへは、お初になりますが、よろしく。
>医局の人事権を断つために医局講座制を臨床研修医制で置き換えたって説

2004 年の研修医制度で医局人事権を破壊されましたが、これは「医療行政」として捉えるより「労働行政」と捉えるべき性質の施策だと思います。2001年に2つの省が合体した厚生労働省の政策を考えるとき、numachnomajo様もそうですが、医師の方々の多くは「旧厚生省」の目線でしか見ていないようですね。これを「旧労働省」の目線で見ると、また違った見方が出てきます。その辺をちょっと長くなりますが解説しておきます。

医業は旧厚生省の所管ですが、医師も含めての労働行政の所管は旧労働省です。そして戦後に厚生省から分離した旧労働省は、生え抜きの内務官僚の感覚では厚生省より地位が下位となります。旧労働省は、昭和の時代から大学医局の医師人事権を、労基法並びに職安法に違反する悪弊として、何度も是正しようとしておりました。しかしその都度、旧厚生省官僚と文部官僚の旧内務省官僚連合軍は、格下の労働省ごときが何を言うぞ、医業は戦前から厚生省の管轄だとはねつけ、大学医局は学問の自由と大学自治の伝統あると抵抗する文部官僚の壁に、労働省は手も足も出なかった状態でした。その結果、大学医局を権力者とする医師人事の支配と徒弟的奴隷労働制は、労働行政の面からは長いこと治外法権の状態でした。

ところが、21世紀に時代が変わって2つの大きな出来事がありました。1つは2001年の厚生省と労働省の合体です。厚生労働省の官僚トップである厚生労働次官は、初代は旧厚生省から出ましたが、2002年8月に就任した第2代の澤田次官は旧労働省の出身です。その次の第3代は旧厚生省の出身者の予定人事が一度は発表されたのですが、特養汚職の不祥事に絡んで急遽人事案が変更され、旧労働省出身の戸刈次官が就任しました。この結果、2002年〜2006年にかけての4年間、厚生労働省では旧労働省系官僚のパワーが席巻しました。医師の皆さんが医療崩壊の1つのきっかけと指摘する研修医制度は、共に旧労働省出身の澤田次官の時代に導入され、次の戸刈次官の時代に更に推進されました。

またもう1つの出来事は、ちょうどこの時期に起こったある裁判が関係しています。それは関西大学付属病院の臨床研修医に対する労働条件が、最低賃金法違反の低賃金であり、大学医局所属の研修医も労働基準法の適用される労働者と認める最高裁判決(平17.06.03.最二小判決)です。この裁判を通じて、大学病院医局での若い研修医の奴隷的処遇が、世間でも批判されるようになってきたことでした。この裁判の経過なども2004年の研修医制度導入と、大学医局の医師人事権力の破壊政策に大きな影響を与えています。

この研修医制度の導入政策は、労働行政の面から見れば、戦後一貫して医療界や医師の労働慣行については労働省に口出しさせず、一種の治外法権的な医療界の労働慣行であった前近代的は封建制度を打破したと、大変に大きく評価できる政策転換です。また労働畑の官僚や学者の中には、医師人事の大学医局支配や、旧厚生省官僚支配に対する、労働官僚の長年の怨念の発露と評する人もいるぐらいです。

医療界や医師の方々など医療行政の世界から見る2004年の研修医制度導入に対する評価と、労働行政の世界から見る評価とはかなり様相が違うことは、指摘しておきたいと思います。

numachinomajonumachinomajo 2008/11/24 11:27 法務業の末席様、こんな辺境のブログへようこそ。\(^▽^)/
いつもいろいろ教えて下さってありがとうございます。

確か新臨床研修医制度の導入は研修医の過労死がきっかけだったと記憶しています。
だから私は労働条件の点から医局制度が悪いってことになったけど、それまで医局のはたしていた機能、医師の派遣について考えが足りずに医師不足をきたしたって思ってました。
でもそれにしては研修の内容、形態が変わり過ぎで、研修医を守るためよりも医局の人事権を断ちたくて導入したという説はしっくり来ました。
医局人事の崩壊は医師自身にとってはいい面と悪い面があると思ってます。
これまでは私の医局ではどこの病院に行けって言われればそれは絶対だったので、私は派遣先のお給料がいくらか聞いたことはありませんでした。(笑
お給料が悪いとか田舎であるとかの理由で派遣を断ることはまずありませんでした。
もちろんそれに不満を持つ人は多かったですし、今の状態を改善と感じている人も多いと思います。
一方で地方の条件の悪い公立病院とかは破綻しかけています。
そこに援軍も無く取り残されている人たちは悲劇です。

あと研修医を守るのであれば、それより上の人たちも守るべきだったかな〜と思ってます。
中堅に全部のしわよせが来たことが今のやってられない感を生みましたし。
ただしおかげで洗脳が解けた、今までがおかしかったんだって気づいたって考えもあるわけですが。

大きな変化があるとき、今までの変な部分が改善するってこともあるでしょうが、悪化する部分もあるでしょうし全部がうまく行くとは思ってはいません。
しかも今回の医療崩壊関係は根本にお金が無いという致命傷を抱えていますので(まあ世の中のほとんどの問題がそうでしょうが。笑)、誰にとっても良い決着は難しいでしょう。

ちょこっとでも犠牲の少ないことを祈ってます。

法務業の末席法務業の末席 2008/11/24 15:04 最初の投稿に一部誤り(厚生労働次官の変遷の部分)があります。お詫びして訂正補筆の投稿を致します。

合体後の厚生労働事務次官の変遷と、厚労省関連の事件や不祥事の関係は以下の通りです。
初代:近藤事務次官(旧厚生省)2001年1月〜
   2002年5月、坂口厚労相が薬害肝炎について国会答弁
2代:澤田事務次官(旧労働省)2002年8月〜
   2002年8月、血液製剤と肝炎についての厚労省報告書
3代:大塚事務次官(旧厚生省)2003年6月〜
   2003年6月、岡光元厚生事務次官が特養汚職事件に絡み最高裁で実刑判決確定
   2004年春先、日本歯科医師会汚職事件が表面化(同年4月に日歯会長が逮捕)
2004年4月、新研修医制度がスタート
4代:戸刈事務次官(旧労働省)2004年7月〜
5代:辻事務次官 (旧厚生省)2006年9月〜
   2006年春より、年金記録問題が表面化する
6代:江利川事務次官(旧内閣府次官退官後の返咲き)2007年8月〜、現職在任中 

厚労省発足当時から引きずる薬害肝炎問題や、3代目の旧厚生省出身である大塚事務次官の時代に、厚生省系の大きな不祥事発覚などがありました。そのために澤田次官〜大塚次官の時代は、厚生官僚より労働官僚の発言力が優位だった時代です。不幸にもこの時代に新研修医制度の詳細が決定され、2004年4月に始まりました。

>研修医を守るためよりも医局の人事権を断ちたくて導入したという説
numachinomajo様のコメントにあるこの表現ですが、私は2004年の新研修医制度導入には、次の4つの目的があったと思っています。
1)何々大学の流儀と表現される、大学医局ごとの「医療技能の差異」を平準化する目的
2)医療技術の進化で技能が細分化され、医師の基礎技能がないがしろになることを防ぐ
3)大学病院で教育を受けるからとの理由で、研修医を労働者として扱わない悪弊の打破
4)医師派遣の人事権など、職業安定法や派遣業法を公然と無視する医局人事の悪弊打破

元々研修医制度が発案検討されたのは、厚生労働省でも旧厚生省系の部局(医政局など)で、前記の目的の1と2が主目的だったと思います。3については旧厚生省系官僚や医療界にも、研修医の給料の財源さえ付くなら賛成、という歓迎論があったのですが、4については医療界(大学医局界)のボス的立場の利益代表者からは、相当な抵抗がありました。

ところが前記の通り、この研修医制度の最終検討を行う大塚次官の時代に、日歯汚職事件などで厚生省系の部局の発言力が落ちてしまった。その結果、旧労働省系が積年の懸案事項であった4について、厚生省系官僚や医療界の抵抗を押し切ることが出来たものと推測しています。このときに厚生省系官僚が、破壊される大学医局人事を代替する、新しい医師の人事システムを提案して構築出来なかったことが、実に悔やまれます。

以上、今回の投稿内容は私の憶測や推測がかなり入っていますので、どの程度信頼して読まれるかは、皆様お読みになる側のご判断に委ねたいと思います。

numachinomajonumachinomajo 2008/11/25 08:29 「医療技能の差異」を平準化 という意味ではばらつきが大きくなったかもしれません。
大学以外で初期研修をする場合のばらつきは相当なものだろうと思います。
「医療技術の進化で技能が細分化」これが問題になったのかなと。
結局,医療が進みすぎたことも高齢化と並んで医療費を圧迫して来たのだという認識と医師不足の原因にもなってるので、何でも屋を作って何でもやらせとけば一石二鳥。
あと個人的に思うのは大学で研修をすると、コスト感覚のまったくない全力投球をやるようになるんですよね。
派遣先の病院で始めて病院の経営という問題があることに気がつきました。(笑
大学で使ってる検査器具の消耗品部分に3万円みたいなことがあって、これって検査すればすれほど赤字なのは当たり前とか。(笑
そういうのが大学の中にいる間はピンときていませんでした。
こういう経済観念の欠如した医師を減らすには市中病院で研修するほうがいいとか。(笑

numachinomajonumachinomajo 2008/11/25 08:41 研修医を労働者扱いしないことについては、それほど疑問には思ってなかったです。
修行というか見習いというか労働力は提供してましたが教わることのほうがもっとずっと大きいわけで。
だから新臨床研修医制度も過労死をしない程度のしばりでもよかったのにって思う部分もあります。
しかも大学病院クラスでは労働時間は守られているところもあるでしょうが、実際には市中病院では指導医より先に帰ることは出来ないと思います。
受け持たされる患者数も大学より多いところが普通にありそうだし、実際は格差が広がってる気がします。
医局による医師派遣もいい面、悪い面あるんですよね〜。
修行の一環みたいなものなので、待遇じゃなくてどういう症例を扱う病院だからなどいうきめ細やかな配慮があったりするんです。
この若手にはここを経験させよう、こういう指導医(たいがい医局のOB )のとこへ行かせよう、こいつは一人でやれるようになったから一人医長いってみよ〜!!みたいな。
教授や医局長に嫌われたから島流しとか、つかえね〜やつだから不義理を働いてもかまわないような病院に派遣したまま放置とか、どろどろした部分も見ますけどね。(笑

numachinomajonumachinomajo 2008/11/25 09:06 >このときに厚生省系官僚が、破壊される大学医局人事を代替する、新しい医師の人事システムを提案して構築出来なかったことが、実に悔やまれます。

私の個人的な考えですが、制度を考えた時にはこんなに早く大学医局離れが起きると予想していなかったのでは?
さらに研修医の労働力が不足したことでそれより上の負担が増え、中堅の燃え尽き、いわゆる離散が起きるのも計算外だったとか。
一気に医師不足が表面に出てしまい、医師の増員や医療費の増加を抑える方向でアクセスやクオリティーを微妙に下げて行くつもりが逆に上げろ〜って世論になってるような。
私は中の人間としてはアクセスは制限(重症度により)クオリティーは高く、コストはかかってもしかたない派ですけどね。
これからどうなるかは後期臨床研修医の動きが結構重要かも。
市中病院で初期研修をしたあと、わざわざ大学に戻らない(待遇が悪いから)という状態から揺り返しが起きて、初期研修を終わったらもっと専門的に学びたい、高度な医療を体験したいって子が増えてくるかもしれないと思います。

いや〜研修医も先が見えないらしく不安そうです。
私たちの世代は何となく大学にいて専門医とって学位とって、さて派遣病院が気に入ったらそこに居座るかとか、開業しようとか、すっごい研究好きならそのまま大学に残って教授をめざすとかでしたが、市中病院で初期研修をした子にはそういう先人はいないわけで、自分だけで先を考えないといけません。
これから大学医局回帰が起きるんじゃないかな〜などと想像しています。

physicianphysician 2008/11/27 01:09 >この研修医制度の導入政策は、労働行政の面から見れば、戦後一貫して医療界や医師の労働慣行については労働省に口出しさせず、一種の治外法権的な医療界の労働慣行であった前近代的は封建制度を打破したと、大変に大きく評価できる政策転換です。

研修医以外の労働体制には無関心すぎるため、とても同意しかねます。

numachinomajonumachinomajo 2008/11/27 06:51 physician 先生、いらっしゃいませ〜。\(^▽^)/
私は研修医の労働体制の改善というのは表向きの理由だったんだろうと思ってます。
過労死した研修医のお父様がかなりがんばられたにせよ、それが口実になったくらいなんじゃないかななどと。
でも結果としては研修医が保護されたことで、それより上の勤務医が始めて自分たちの待遇に疑問を持ち始めたという意味で、治外法権的な医療界の労働慣行が打破されつつあるという意味では画期的だったかななどと。(笑
ただしそれが医師はすぐ逃散だと脅す(いえいえごく普通なブラック病院からの転職ですって)、モラルが無い(滅私奉公がモラルですかい?)はては銭ゲバ(おいっ!!銭にこだわってるのはどっちだよ!!)みたいに言われてるのがちょっとなとは思うんですが。
あとは若いうちは医師の働き過ぎについては修行というか自分のためだと思うんです。
若い子たちがしっかり者になり、不当な過重労働のおしつけにはno と言えるけど、やるべきことのためには「働きマン」になるという新しいタイプに育ってくれたらいいかなと思ってます。

numachinomajonumachinomajo 2008/11/27 13:24 あと個人的にちょこっと疑ってること。
「ブラックジャックによろしく」が新臨床研修制度のきっかけになったってことないでしょうか?
たかがマンガって思われるかもしれませんが、あれで始めて研修医の実態を知ったって人は多いんじゃないかと。
マンガは日本の文化。そしてあのマンガの仕掛け人は...

法務業の末席法務業の末席 2008/11/27 15:16 最初のコメで言及した「過労死関西大学研修医未払い賃金訴訟」ですが、この訴訟の原告である研修医のお父様は社会保険労務士でした。ご自身が労働問題のエキスパートであるから、それまでの医療界では当たり前と思われていた大学医局での労働処遇に、真っ正面から「それはオカシイ」と文句を言えたのではないでしょうか。そしてこのお父様は、最高裁判決とは別に進められていた、過労死としての関西大学当局への損害賠償請求訴訟(こちらの方が先に大学側敗訴確定)と、労基署への申告や労災の適用申請(これは認められなかったと記憶している)など、医療界の悪しき労働慣行の告発に、父親としてのご自分の命も懸けて、敢然と正面から異を唱えてこられました。

こうした関西大学の医局研修医過労死事件の訴訟進行と、厚生労働省の労働基準局が大学病院や市中の病院への立ち入り調査を強化し、勤務医に長時間労働に対して労基法違反と断じて是正勧告を連発しだした時期とが見事に一致します。今のところこの両者の関連性を裏付ける証拠となる通達指示等は探し出せていません。ですがこの関西大学を相手取った父親として、加えて社会保険労務士としての一連の訴訟が、医療現場に労基法はなじまないとすることが常識であった、長年の医療現場の労働慣行に一穴の風穴を開けたことは確かな事実だと思っています。新研修医制度のきっかけになった可能性は、そうした大きな風向きの変化の一つを示すに過ぎません。

この死亡した研修医のお父様が、医療の白いカーテンに隠された過酷な労働慣行に、社会保険労務士として命を懸けて戦ったことは、同じ職に就いている者として大きな誇りであり、私自信も忘れることが出来ない印象深い事件です。
なお皆様は先刻ご承知かもしれませんが、このお父様は最高裁での勝訴の判決を聞くことなく、判決日の5ヶ月前にお亡くなりになられました。さぞや残念であったことと思います。御霊の安らかならんことを祈るばかりです。

numachinomajonumachinomajo 2008/11/27 17:38 確かにこのお父様のことを考えれば、医療崩壊を暗いものとしてとらえるばかりではなく、職場の労働条件の改善のチャンスでもあると前向きに考える部分も必要ですよね。
医師の過労死は自己管理の悪さととらえられがちで、医者の不養生、自己責任みたいに思われてた気がします。

ただし改善のチャンスとするのも結構苦しいのも現実。
今は過渡期なのかもしれませんが結局年齢の高い人間に皺寄せが来てて、身近では管理職が過労死してます。

政治が安定しないと長期展望に立った解決策は望めませんかね〜。
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